【事例紹介】家族への傷害事件で家族が逮捕された事例

【事例紹介】家族への傷害事件で家族が逮捕された事例

滋賀県東近江市で起きた家族への傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

長女(13)に暴行しけがを負わせたとして、滋賀県警東近江署は21日、傷害の疑いで、滋賀県東近江市の無職の父親(42)とアルバイトの長男(16)を逮捕した。
逮捕容疑は、7月20日午前10時10分から22日午前9時半の間、長男と自宅で長女の腕や脚を蹴ったり、髪をつかむなどの暴行を加え、右脚などに打撲を負わせた疑い。
(後略)
(9月21日 京都新聞 「長女の腕や足を蹴り、けが負わせた疑い 42歳父と16歳兄逮捕「弟に暴力、腹立った」」より引用)

傷害罪

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第204条)

暴行し、人にけが負わせた場合は傷害罪にあたります。
今回の事例では、父親と長男が、長女の腕や脚を蹴る暴行を行い、長女に打撲(けが)を負わせているので、父親と長男の2人が傷害罪の容疑で逮捕されています。
傷害罪により有罪になった場合は、15年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されることになります。

家族内のトラブルだからと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、傷害罪の成立要件の中に加害者と被害者の関係性で限定はありません。
ですから、たとえ加害者と被害者が家族同士であったとしても、暴行をふるってけがをさせてしまえば、当然傷害罪に問われることになります。

では、実際に子供に蹴る暴行を加え、傷害罪で有罪になった場合にはどれ位の量刑が科されるのでしょうか。
実際に子供の腕や脚を蹴り、傷害罪で有罪になった事例をご紹介します。
(ご紹介する事例は、事件内容など今回の事例と異なります。)

岡山県警察本部の警察官は、自宅で小学生の子供に腕や脚を蹴るなどの暴行を行い、全治2週間から4週間の打撲を負わせました。
その後、警察官は傷害罪の容疑で逮捕され、略式命令により30万円の罰金が科されました。
(2022年8月23日 NHK NEWS WEB 「子どもに暴行 警察官に罰金30万円の略式命令」より)

岡山県の事例では全治2~4週間の打撲を負わせたとして、警察官は30万円の罰金が科されています。
今回の事例では、長女のけがの度合いはわかりませんが、岡山県の事例のように打撲を負わせていることから、同程度の罰金が科される可能性もあるといえるでしょう。
もちろん、けがの程度や、暴行の常習性の有無など、考慮されるべき事情は様々ですので、罰金刑でも金額が前後したり、懲役刑が妥当と考えられて起訴される可能性も否定できません。

また、今回の事例では10代の長男も傷害罪に問われていますが、こちらは10代の少年のため、少年事件の手続に則って処分が決められることとなります。
こちらについては、原則としては保護処分という更生を目指すための処分が下されることになりますが、社会内での更生が可能なのか、適切なのかといった部分によって、少年院送致などの施設送致の処分か、保護観察処分となるかが変わってくることになります。

今回取り上げた事例のように、家族など親しい人や知人への暴行・傷害事件の場合は、加害者が被害者に接触することが可能であることから、逮捕されやすい傾向にあります。
身柄解放活動は時間との勝負ですので、逮捕された場合は早期に弁護士に相談をすることがとても大切です。
もちろん、最終的な処分を適切なものとするためにも、早い段階から弁護士のアドバイスを受けるなどの弁護活動をしてもらうことが重要です。
逮捕の知らせを受けたときからすぐに弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスや無料法律相談を行なっています。
逮捕された方や傷害罪などの刑事事件でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー