(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

~事例~

大津市の住宅に空き巣に入ったとして、広島、三重両県警の合同捜査本部は29日、住居侵入と窃盗の容疑で、(中略)容疑者(35)ら4人を逮捕したと発表した。
広島県警捜査3課によると昨夏以降、中部、近畿、中国地方で、2階以上の無施錠の部屋から侵入するなど似たような窃盗事件が約100件あり、関連を調べる。
逮捕容疑は、3月中旬ごろ~4月16日、共謀して大津市朝日の住宅に侵入し、現金3万円と腕時計1本など5点(計約85万5千円相当)を盗んだとしている。
(後略)
(※2022年8月29日18:24産経新聞配信記事より引用)

~空き巣事件と余罪~

今回取り上げた事例では、滋賀県大津市空き巣に入った容疑者らが住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されたという報道の内容となっています。
空き巣は、その家に住む人が留守の間を狙って家に忍び込み、金品を盗んでしまうという窃盗行為の手口の1つです。
空き巣事件では、他人の家に勝手に侵入していることから住居侵入罪が、他人の家の中のものを盗んでいることから窃盗罪がそれぞれ成立するため、今回の報道でも逮捕容疑が住居侵入罪窃盗罪の2つになっています。

空き巣のように、「窃盗罪にあたる行為をするために住居侵入罪にあたる行為をする」という関係性で2つの犯罪が成立する場合には、「牽連犯」という考え方で刑罰の重さの範囲が決められます(刑法第54条第1項)。
牽連犯」は、ある犯罪の手段として別の犯罪をするという関係性で複数の犯罪が成立する際に用いられる考え方で、空き巣事件のような侵入盗事件では住居侵入罪窃盗罪の2つが手段と目的の関係となるため、この「牽連犯」にあたるということになります。
牽連犯」の考え方では、その最も重い刑により処断されることとなるため、住居侵入罪の「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」(刑法第130条)と窃盗罪の「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条)のうち、重い方の窃盗罪の法定刑の範囲で刑罰が決められることとなります。
犯罪が2つ成立しているからといって、単にそれぞれの犯罪の刑罰を足せばよいというわけではないのです。

しかし、今回取り上げた事例のように、余罪(すでに検挙されている犯罪とは別に起こしている犯罪)が多数ありそうであるというケースでは、住居侵入罪窃盗罪が成立する事件が複数あるということが考えられます。
こうした場合には、1件目の空き巣は2件目の空き巣の手段でも目的でもないということになりますから、先ほどの「牽連犯」の考え方ではない考え方によって刑罰の重さが決定されます。
今回取り上げた事例のように、複数件余罪があるというようなケースでは、「併合罪」という考え方で刑罰の重さが決められます(刑法第45条)。

「併合罪」では、有期の懲役刑・禁錮刑については、その最も重い刑の長期にその刑の2分の1を加えたものか、それぞれの刑の長期を加えたものが長期となります(刑法第47条)。
例えば、空き巣事件が2件起訴された場合、それぞれの空き巣事件について住居侵入罪と窃盗罪が成立することになります。
この場合、空き巣事件2件に関しては「併合罪」の処理がされるため、窃盗罪の長期である「10年以下の懲役」の1.5倍である「15年以下の懲役」が刑の長期になるということになります。

このように、起こした刑事事件自体が複数の犯罪に触れるものであったり、余罪が多数あったりという事情がある場合、その刑事事件の最終的な見通しは複雑になりがちです。
お早めに弁護士に相談いただくことで、こうした見通しを把握した上で手続に対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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