【事例紹介】店内でおにぎりを食べて保安員にけがをさせ強盗致傷罪で逮捕された事例②

【事例紹介】店内でおにぎりを食べて保安員にけがをさせ強盗致傷罪で逮捕された事例②

警察官に取調べを受ける男性

前回のコラムに引き続き、店内で代金を払わずにおにぎりを食べて保安員にけがを負わせたとして強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

おにぎりを万引した後、保安員に暴行しけがをさせたとして、滋賀県警守山署は2日、強盗致傷の疑いで、滋賀県野洲市(中略)の男(73)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)滋賀県守山市の農産物直売店でおにぎり1パック(販売価格270円)を盗み、駐車場で保安員の男性(71)の胸ぐらをつかんで引き倒すなどの暴行を加え、首に軽傷を負わせた疑い。
同署によると、「他の人もいたので後から払うつもりだった」などと容疑を否認しているという。男が店内でおにぎりを食べ、そのまま店を出たところを男性が呼び止めたという。
(5月2日 京都新聞 「店内で万引したおにぎり食べ、保安員の胸ぐらつかんで引き倒す 容疑の73歳歯科医師を逮捕」より引用)

強盗致傷罪の容疑で逮捕

前回のコラムでは、万引きを行うと窃盗罪が成立する可能性が非常に高いと解説しました。
今回の事例では、容疑者はおにぎりを万引きをしたと報道されています。
万引きであれば窃盗罪が成立すると思われるのですが、なぜ強盗致傷罪の容疑で逮捕されているのでしょうか。

事後強盗罪

刑法第238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪とは、簡単に説明すると、窃盗犯が盗んだ物を取り返されたり、逮捕されることなどを防ぐために、追いかけてきた人などに対して暴行や脅迫を行った場合には、事後強盗罪が成立します。
また、暴行や脅迫は強盗罪が規定するような、社会一般的に抵抗することが難しいと思われる程度の暴行や脅迫である必要があります。

今回の事例では、容疑者は万引き後に店を出たところを保安員に呼び止められ、呼び止めた保安員の胸ぐらを掴んで引き倒したと報道されています。
胸ぐらを掴む行為や引き倒す行為は、暴行にあたります。
また、いきなり胸ぐらを掴まれて引き倒されれば、抵抗することは困難だと思われますから、今回の事例では事後強盗罪が成立する可能性があります。

事後強盗罪と強盗致傷罪

刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗致傷罪は大まかに説明すると、強盗犯が人にけがを負わせた場合に成立します。
事後強盗罪強盗罪として扱われますので、人にけがを負わせると強盗致傷罪が成立します。
今回の事例では事後強盗罪が成立するおそれがあり、容疑者は保安員にけがを負わせたと報道されていますので、容疑者に強盗致傷罪が成立する可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
強盗致傷罪では有罪になると、無期又は6年以上の懲役が科されます。
刑事事件に精通した弁護士による弁護活動で、科される量刑を少しでも減らしたり、強盗致傷罪ではなく窃盗罪での起訴を目指せるかもしれません。
強盗致傷罪事後強盗罪窃盗罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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