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ネットオークション詐欺事件で逮捕されてしまった
ネットオークション詐欺事件で逮捕されてしまった
ネットオークション詐欺事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、ネットオークションサイトに、人気で入手困難とされているゲーム機Xを出品しました。
しかし、Aさんはゲーム機Xを実際に手元に持っていたわけではなく、単にお金欲しさに偽の情報で出品しただけでした。
すると、滋賀県守山市に住んでいるVさんが、Aさんの出品情報を見て、購入したいと申し込んできました。
AさんはVさんの申し出を受けると伝え、Vさんから代金として約7万円を振り込んでもらいました。
後日、Vさん宅にAさんからの荷物が届きましたが、中身はゲーム機ではなく飲料水でした。
ネットオークション詐欺に遭ったと気づいたVさんは、滋賀県守山警察署に被害を相談。
滋賀県守山警察署の捜査により、Aさんは詐欺事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕の知らせを聞いたAさんの家族は、どうしてよいのか分からず、ひとまず滋賀県の刑事事件や逮捕に対応してくれる弁護士に相談してみることにしました。
(※令和3年5月18日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・ネットオークション詐欺
現在では、様々な人がインターネットを介して自分の持っている物を売買することができます。
今回のAさんの事例でも登場しているネットオークションや、フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)などがその筆頭でしょう。
他にも、SNSで買い手や売り手を募集してやり取りをするなどの手段を通じて個人間で売買を行うことも見られます。
しかし、こうしたケースでは、直接商品を確認することはできないため、今回の事例のように詐欺行為が行われてしまうことがあります。
今回の事例では、Aさんは詐欺罪に問われていますが、その詐欺罪は刑法に定められている犯罪の1つです。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
この詐欺罪の「人を欺いて」という部分は、単に相手に嘘をついたということだけを示しているのではありません。
詐欺罪のいう「人を欺」く行為とは、相手が財物を交付する判断をする際に重要な事実について嘘をつく行為を指します。
つまり、「これが嘘だったら財物を引き渡すことはしない」という部分について嘘をつくことが詐欺罪成立の条件の1つとなるのです。
今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、Vさんに対してネットオークションでゲーム機Xを販売するとしています。
Vさんとしては、当然ゲーム機Xをもらえるということでその代金=「財物」をAさんに振込んでいます。
ゲーム機Xでないのであれば、Vさんは代金という「財物」をAさんに引き渡すことはしないでしょう。
となると、AさんがVさんへゲーム機Xを販売するという嘘は、Vさんにとって、財物を交付する判断をする際に重要な事実を偽る行為=「人を欺」く行為と言えるでしょう。
そうなると、「人を欺いて」代金という「財物を交付させ」たAさんには、詐欺罪が成立すると考えられるのです。
・詐欺事件と弁護活動
詐欺罪は、刑罰として懲役刑のみが定められている犯罪です。
つまり、罰金を支払って事件が終了するということはなく、起訴されるということは公開の法廷で裁判を受けるということとイコールになります。
そして、有罪となった場合には、執行猶予が付かなければ刑務所に行くことになるのです。
これだけ重い犯罪ですから、詐欺事件の被疑者となった場合には逃亡を防ぐ目的で逮捕される可能性も十分考えられますし、早期に示談交渉などに取り組んで刑の減軽などを主張していくことが重要です。
だからこそ、すぐに弁護士に相談することが大切となるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ネットオークションに関わる詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件専門だからこそ、刑事手続きの始まりから終わりまで迅速かつ丁寧な弁護活動が可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
業務妨害罪の種類とは
業務妨害罪の種類とは
業務妨害罪の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、滋賀県草津市にある飲食店で、店員の態度に腹を立て、その飲食店に迷惑をかけてやろうと考えるようになりました。
そこでAさんは、飲食店に電話をかけると、「飲食店に爆弾を仕掛けた」と嘘をつきました。
電話を受けた飲食店は滋賀県草津警察署に通報。
その後の滋賀県草津警察署の捜査により、Aさんは威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたと知り、急いで刑事事件を扱っている弁護士に相談することにしました。
Aさんの家族は、相談の場でAさんの逮捕容疑である業務妨害罪について詳しく説明を聞くことになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪
今回の事例のAさんが「威力業務妨害罪」という犯罪の容疑で逮捕されているように、一般に「業務妨害(罪)」という言葉は周知されているものの、実は刑法で定められている業務妨害に関わる犯罪の罪名は、その業務妨害行為の態様などによって細かく分けられています。
今回の事例のAさんの逮捕容疑は威力業務妨害罪という犯罪であり、刑法第234条に定められています。
刑法第234条(威力業務妨害罪)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
この条文にいう「前条」とは、信用毀損罪および偽計業務妨害罪を規定する刑法第233条を指します。
刑法第233条(偽計業務妨害罪等)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又は業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
条文のとおり、偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪は共に「業務を妨害」することで成立する犯罪ですが、その業務を妨害する手段として「偽計」が用いられたか、それとも「威力」が用いられたかによってどちらが成立するのかが変わることになります。
偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪の条文中にある「業務」とは、どちらも人が社会生活上の地位に基づき継続して従事する事務または事業をいいます。
例えば、今回の事例の現場となった飲食店の事業は「業務」であるといえるでしょう。
今回の事例では、Aさんは爆弾を仕掛けたと嘘の電話をしていますが、これによって飲食店は警察への通報や客の避難誘導、営業の停止などを行い業務が正常にできなくなった、またはできなくなるおそれが相当程度あったと考えられます。
こうしたことから、Aさんの行為は「業務を妨害」していたと考えられます。
・「爆弾を仕掛けた」という嘘は「偽計」?「威力」?
では、Aさんが爆弾を仕掛けたという嘘を飲食店に電話をしたという業務妨害行為の手段が「偽計」なのか「威力」なのか、どちらになるのでしょうか。
ここで、威力業務妨害罪の「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力をいうものとされています。
つまり、自由な意思で判断したり行動することに対して圧力をかけ、その自由を奪うような行為が威力業務妨害罪の「威力」に当たるというわけです。
他方で、偽計業務妨害罪の「偽計」とは、人を欺罔、誘惑し、あるいは人の錯誤や不知を利用する違法な手段を指します。
つまり、相手を騙すなどすることでその判断や行動の自由を奪うことが「偽計」となるのです。
今回の事例では、Aさんの電話した内容が嘘であることから、一見「偽計」を手段とした偽計業務妨害罪が成立するように思えますが、こうしたケースでは、嘘であっても爆弾という相手が抗えない強力な勢力を用いていることから「威力」を用いていると判断され、威力業務妨害罪が成立することが多いようです。
偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪は法定刑こそ同じですが、罪名が何であるかというのは刑事手続や司法判断においてはかなり重要な違いをもたらします。
だからこそ、どの行為がどの条文のどこに当てはまってどういった犯罪の容疑がかけられているのかということを、刑事事件に強い弁護士にきちんと相談しておくことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、偽計業務妨害事件や威力業務妨害事件といった業務妨害行為に関わる刑事事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
特に、今回のAさんの事例のように、被疑者が逮捕されてしまっているケースでは、限られた時間の中で迅速な弁護活動が求められます。
まずはお早めにご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
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チケットの不正転売で逮捕されてしまったら
チケットの不正転売で逮捕されてしまったら
チケットの不正販売で逮捕されてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
Aさんは、人気のアーティストであるVさんが滋賀県大津市でコンサートをする予定であることを知りました。
Vさんのコンサートは人気ゆえにチケットの当選倍率が高く、チケットを手に入れることのできないファンが多くいることを知っていたAさんは、Aさんはこうしたファンの強い購買意欲に商機を見出し、事業として独自システムによってVさんのコンサートチケットを大量に仕入れ、それを自身のインターネットサイトでVさんらに許可をとらず転売しました。
Aさんの転売したチケットは、全て指定席のもので、通常価格が8,000円であるのに対しAさんは3万円という高額での転売をしていました。
すると後日、滋賀県大津警察署の警察官がAさんの自宅にやってくると、Aさんはチケット不正転売禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんがチケット転売行為によって逮捕されたことに驚き、これからどうしてよいのか弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・チケット不正転売禁止法ができた経緯とは
チケットの不正転売はダフ屋行為とも呼ばれており、その語源はチケットを意味する「札(ふだ)」を逆さに読んだことであるとも言われています。
チケット不正転売防止法が制定される以前も、チケットの不正転売は各都道府県の条例で規制されており、対応がなされていました。
しかし、多くの条例は「公の場所」での不正転売を禁ずるのみであって、インターネット販売について適用があるといえるか等の問題を抱えていました。
また、このような条例を制定してない地方自治体は、物価統制令という戦後まもなく成立した古い法律で対処していたようですが、この法律はハイパーインフレに対処し生活安定を図る法律であるため、不正転売への適用には無理があると言われていました。
このような状況の中、2020年に予定されていた東京オリンピックの開催決定を受け全国的な規制の必要性が生じたこと、また、インターネットの登場で個人も容易に不正転売を行うことができるようになってしまったことなどに対処する必要が生じたことから、チケット不正転売禁止法が成立することになりました。
・チケット不正転売禁止法の対象となる行為
チケット不正転売禁止法が対象とする行為は、特定興行入場券の不正転売(第3条)と、特定興行入場券の不正転売の目的を有しての譲受け(第4条)です。
そしてこれら行為を行った場合に処罰されます。
チケット不正転売禁止法
第3条 何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならないこと。
第4条 何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない。
第9条 第3条又は第4条の規定に違反した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
今回の事例では、いずれの行為もAさんに成立する可能性があります。
まず第3条に決められている不正転売については、「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない、特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいいます(第2条第4項)。
これを本件について見てみると、まずAさんは自身のインターネットサイトでVさんに許可をとらず転売しており、コンサートを開催し不特定多数の者に聴かせることを主宰する「興行主」たるVさんらの許可を得ずに販売しています。
次に、このコンサートチケットの販売は事業としてなされた有償販売であり、当該チケットは本来8,000円で販売されているところ、Aさんは3万円で販売しており特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格で販売したといえます。
以上より、Aさんの行為はチケット不正転売禁止法第3条で禁止されている不正転売に該当します。
次に第4条に定められている不正転売行為について考えてみましょう。
Aさんは、自身の販売サイトで転売することを目的として独自のシステムでVさんのコンサートチケットを仕入れていることから、「特定興行入場券の不正転売を目的として譲り受けた」といえます。
ですから、Aさんの行為はチケット不正転売禁止法第4条で禁止されている行為にも該当すると考えられます。
これらのことから、Aさんはチケット不正転売禁止法の第3条又は第4条の規定に違反したといえるので、チケット不正転売禁止法違反の罪が成立することになるでしょう。
SNSやインターネットの普及により、誰でもやろうと思えばできてしまうチケットの不正転売だからこそ、注意を払わねばなりません。
それでもこのようなチケット不正転売禁止法違反をしてしまった場合には、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
本番行為の風俗トラブルで刑事事件に
本番行為の風俗トラブルで刑事事件に
本番行為の風俗トラブルで刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
男性会社員のAさんは、滋賀県大津市にある風俗店で、女性キャストVさんからサービスを受けていました。
このお店ではいわゆる本番行為が禁止されていましたが、サービスを受けるうちに気分が高揚したAさんは、拒否するVさんを無視して本番行為をしようとVさんを押し倒しました。
まさに本番行為に及ぼうとしているところを店の男性スタッフが発見し、Aさんは店側から「無理に本番行為をしようとしただろう。きちんとした対応をしてくれなければ滋賀県大津北警察署に届け出ることも考える」と言われてしまいました。
自分がどうなるのか怖くなったAさんは、ひとまず店との話し合いの前に弁護士に相談して詳しい話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・本番行為の強要と刑事事件
そもそも原則として、風俗店では、いわゆる「本番行為」は禁止されています。
お金をもらって本番行為をするということは売春に当たるため、それを風俗店として認めてしまえば風俗店が売春防止法違反という犯罪に問われてしまうためです。
ですから、風俗店では本番行為が禁止されており、利用客にもその旨は伝えられます。
しかし、今回のAさんは風俗店を利用した際に女性キャストVさんに対して本番行為を強要してしまったようです。
こうした行為はどのような犯罪になる可能性があるのでしょうか。
相手方の同意がないにもかかわらず無理に本番行為を行ってしまった場合は強制性交等罪(刑法第177条)の成立が考えられます。
刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等罪が成立する場合で、さらにその行為時に相手に怪我をさせてしまったときは強制性交等致傷罪(刑法第181条第2項)に問われる可能性もあります。
強制性交等致傷罪の法定刑は無期または6年以上の懲役となっています。
強制性交等罪には未遂犯処罰規定(刑法第180条)がありますので、本番行為を強要したものの実際に行為は行わなかったというときでも、強制性交等未遂罪として罪に問われる可能性は残ります。
また、先ほど挙げた強制性交等致傷罪は強制性交等未遂罪の機会に怪我をさせた場合にも成立しますので、注意が必要です。
強制性交等罪の成立要件である暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫でなければなりません。
「反抗を抑圧する」とは、物理的・精神的に反抗できない状態にすることを意味します。
したがって強制性交等罪の要件である暴行・脅迫は、少なくとも被害者の反抗を著しく困難にする程度の強度が必要であるということになります。
しかし、実際は相手方の意思に反するという事実が認められれば、暴行・脅迫があった場合、それは相手の反抗を抑圧する暴行・脅迫であると扱われる傾向が強く、さらに単純に加えられた力の強さや脅迫の強さだけでなく、その行為時の他の事情についても考慮に入れて判断されることもあります。
例えば、場所的な要素としてエレベーターのような狭い場所であればそれほど強い力を加えずとも相手の抵抗を押さえつけることができますし、加害者と被害者の事情としてそれらの体格や年齢などが違えばそういった事情も考慮されることになるでしょう。
ここで、被害者側が容易に抵抗できたと考えられるのに抵抗されなかったという理由で、強制性交等罪が要求する程度の暴行・脅迫がなかったと無罪を言い渡されたり訴追されなかったりするという意見もあります。
たしかに過去にそのような判断が下されたこともありました(最判平成23.7.25)が、性犯罪被害者が被害に遭った際に容易には抵抗できない心理状態にあることなど種々の事情から当該被害者にとって抵抗が困難であると認められた際には、比較的軽微な暴行・脅迫しかなかったとしても反抗を抑圧する程度のものであったと認められるケースも存在します。
また、先ほど触れた強制性交等致傷罪の結果である「傷害」には、キスマークをつけることや性病をうつすことも含まれます。
もちろん、本番を強要する際に行われた暴行行為によって傷害結果が生じた場合も強制性交等致傷罪の成立が考えられます。
今回の事例にあてはめて考えてみると、Aさんはまだ本番行為を行っていないので強制性交等罪に問われることはないでしょう。
しかし、AさんにはVさんの意に反して無理に本番行為をする目的があり、Vさんを押し倒したことなどがその目的を達成するための行為であったと考えられるときには強制性交等未遂罪として捜査が行われる可能性があります。
・本番行為の強要と弁護活動
風俗店での本番行為の強要トラブルについては、被害者が直接またはお店を経由して警察に被害届を出すことなどによって捜査が開始される場合がほとんどです。
捜査が開始された場合、容疑がかかる犯罪が強制性交等罪という重い犯罪であることから逮捕されてしまう可能性もあります。
ですから、本番行為を強要してしまったら、お早めに刑事事件に強い弁護士に相談されることをおすすめします。
刑事事件化してしまった場合や刑事事件化が心配される場合、弁護士が被害者と示談交渉をしたり、警察等と逮捕を回避する交渉することにより逮捕されるリスクを減らす活動が考えられます。
そして、示談交渉に関しては、弁護士を介して示談交渉を行うべきと考えられます。
当事者間で直接交渉を行おうとしても、風俗店側が無理な要求を行ったり、話し合いが進まない場合も多いです。
示談がまとまらないまま時間が過ぎてしまうと、その間に刑事手続きが進み取り返しの付かない状況になってしまうおそれもあります。
刑事事件に強い弁護士に依頼することで円滑に示談交渉を進めることが期待できますし、依頼者にとって不当な不利益を回避することにもつながります。
本番行為による風俗トラブルに関わるものだけに限らず、刑事事件はスピードが命です。
早期に動き出すことによって逮捕や起訴を回避できる可能性を高めることができます。
もし起訴に至ってしまった場合でも、早めに準備をしておくことによって執行猶予の獲得を狙うこともできます。
風俗店で本番行為を強要してしまった方、強制性交等罪や強制性交等致傷罪の被疑者となってしまった方は、お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
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痴漢事件の示談内容とは?
痴漢事件の示談内容とは?
痴漢事件の示談内容について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県高島市にある駅構内で痴漢事件を起こしたAさんは、滋賀県高島警察署で痴漢事件の被疑者として捜査を受けていました。
その後、弁護士をつけての示談を勧められたAさんは、痴漢事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
刑事事件の示談についてどういったことを決めるのか分からなかったAさんは、弁護士に相談する際、刑事事件の示談とはどのようなものとなるのかも詳しく聞くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・痴漢事件と示談
痴漢事件のように被害者が存在する刑事事件では、示談の有無が非常に重要です。
示談の締結ができることで、被害者の処罰感情のおさまりなどを主張することができるため、起訴・不起訴の判断や量刑(どのくらいの重さの刑罰を科すか)の判断の際に、被疑者・被告人に有利に働くことが考えられるからです。
ですから、痴漢事件などの被害者が存在する刑事事件では、被疑者・被告人が容疑を認めているのであれば、早い段階から被害者の方との示談交渉に取りかかることが望ましいと考えられるのです。
しかし、示談という言葉は一般的にも知られているものの、実際に示談によってどのような内容が取り決められるのかということは、なかなか知られていないのではないでしょうか。
「示談は賠償金などのお金を払うもの」というイメージが強い方も多いかもしれませんが、示談では示談金や賠償金といった金銭の支払いだけではなく、様々な取り決めがなされます。
示談に含まれることの多いものの一例を紹介します。
謝罪
示談書の中に、被疑者・被告人から被害者の方への謝罪を入れることがあります。
その他にも、被疑者・被告人から被害者の方へ謝罪文を作成してお渡ししたり、被害者の方の希望等によっては直接謝罪の場を設けることもあります。
口外禁止
事件のことや示談のことをみだりに第三者に言わない、という約束を入れることがあります。
被害者の方にとってはもちろんのこと、被疑者・被告人にとっても、刑事事件に関与したという情報や、それに関して示談を行ったという情報は、非常にデリケートな情報となります。
ですから、口外禁止の条項を入れることによって、お互いみだりに他人に刑事事件や示談のことを言わない、広めないといった約束をすることが多いです。
なお、この条項で制限しているのは、第三者に「みだりに」話さないということなので、捜査機関や裁判所といった機関に必要があって話す場合は除外されます。
接近禁止
示談の際の約束事として、今後被疑者・被告人が被害者の方へ近づかない、という約束を入れる場合もあります。
痴漢事件の場合、これに加えて、犯行現場となった駅や路線を被疑者・被告人が利用しないようにする、という約束をして示談するケースも見られます。
特に痴漢事件のような性犯罪事件では、被害者の方としては二度と被疑者・被告人と接触したくないと考えられる方も多いため、こうした約束事が求められることも少なくありません。
これらはほんの一例であり、このほかにも事件の詳細な事情や、被害者の方、被疑者・被告人の要望等により、示談の内容は細かく異なります。
示談は金銭の授受で解決するだけということではなく、こうした細かい約束事も決めることができるのです。
これは、被害者の方にとってもメリットになりうることです。
だからこそ、示談に悩んだらまずは法律・刑事事件の専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、痴漢事件を始めとする刑事事件の示談についても、弁護士が丁寧に対応いたします。
まずはお気軽にお電話ください(0120-631-881)。

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物置小屋への放火事件で逮捕されたら
物置小屋への放火事件で逮捕されたら
物置小屋への放火事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、滋賀県長浜市にあるVさんの私有地に使われていない雰囲気の物置小屋があることを知っていました。
ある日、Aさんはむしゃくしゃした気分が抑えられず、「何かをパーッと壊したい気分だ。あの物置小屋なら使っていなさそうだしなくなっても問題ないだろう」と考え、Vさんの私有地にある物置小屋に火をつけ、半焼させました。
当時物置小屋の中には誰も人がおらず、物置小屋が半焼するだけで済みましたが、通行人が物置小屋が燃えているところを発見し、滋賀県木之本警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、Aさんは非現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが放火事件を起こして逮捕されたと聞いたAさんの家族は、とにかくAさんがどういった容疑をかけられてどういったことを話しているのか知りたいと、弁護士にAさんの元に行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・物置小屋への放火事件
日本では、放火行為をした際に成立する犯罪は単なる「放火罪」という犯罪になるわけではありません。
今回の事例のAさんにかかっている容疑が「非現住建造物等放火罪」という長い犯罪名であるように、放火をした対象が何なのか、どういった状況で放火されたのかといった細かい事情によって、成立する犯罪が変わるのです。
今回のAさんは、他人の私有地に建っている物置小屋に放火したようですが、このような他人の建造物に対する放火事件の場合、成立する可能性のある犯罪は大まかに次の2つに分けられます。
刑法第108条(現住建造物等放火罪)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
刑法第109条第1項(非現住建造物等放火罪)
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
このうち、今回のAさんの逮捕容疑は後者の非現住建造物等放火罪となっています。
現住建造物等放火罪と非現住建造物等放火罪の2つの犯罪は、「建造物」等に放火してその「建造物」等を焼損させるという部分は共通しています。
しかし、現住建造物等放火罪が「現に人が住居に使用し又は現に人がいる」建造物等を、非現住建造物等放火罪が「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない」建造物等を対象にしている部分が異なります。
つまり、放火され焼損した建造物等が住居として使用されているものであったり、中に人がいた場合には現住建造物等放火罪が成立し、放火され焼損した建造物等が住居として使用されていないものであり中に人もいなかったのであれば、非現住建造物等放火罪が成立するということになるのです。
現住建造物等放火罪の方が人の命に直接的に危険を及ぼすことから、刑罰の重さも非常に重いものとなっています。
今回のAさんの場合、住居として使われておらず、かつ現在人が中にいない物置小屋に放火し焼損したのですから、「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない」建造物等に放火し焼損したことになり、非現住建造物等放火罪が成立すると考えられるのです。
ここで注意しなければいけないのは、先ほど確認した通り、放火・焼損した建造物等の中に人がいれば、その建造物等が住居でなくとも現住建造物等放火罪が成立することになります。
ですから、Aさんが物置小屋に放火した際に小屋の中に人がいれば、たとえ普段は使われていない気配のある物置小屋であったとしても現住建造物等放火罪が成立することになるのです。
なお、放火行為をしたものの、その建造物を焼損するまでに至らなかったような場合には、建造物等以外放火罪や器物損壊罪といった他の犯罪が成立する可能性もあるため、まずは法律の専門家である弁護士に事件の細かいところまで話したうえで、どういった犯罪が成立する可能性があるのか聞いておくことがおすすめです。
放火と一口に言っても、その態様や状況によって成立する犯罪は様々です。
どういった事情によって成立する犯罪が変わるのかは、専門的な知識が必要となりますので、一般の方のみで判断することは難しいことが多いです。
弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスから、在宅捜査を受けている方・刑事事件化が不安な方向けの初回無料法律相談まで、ご利用いただきやすいサービスをご用意しています。
まずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
言いがかりをつけて恐喝事件に発展
言いがかりをつけて恐喝事件に発展
言いがかりをつけて恐喝事件に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県長浜市に住んでいる20代のAさんは、友人数人と一緒に出掛けた際、通行人のVさんとぶつかったことをきっかけとしてVさんに対して「喧嘩売ってるのか」などと言いがかりをつけました。
言いがかりをつけたことから口論になったAさんらとVさんでしたが、だんだんとエスカレートし、AさんらはVさんを取り囲んで逃げられないようにしたうえで、「俺たちのバックにはヤクザがついている」「今100万円支払えば穏便に済ませてやる」「支払わなければ痛い目に合う」などと脅しました。
VさんはAさんらの言葉や態度に恐怖を感じ、「100万円など持っていないからひとまずこれで許してくれ」と所持していた5万円をAさんらに渡しました。
そしてVさんは、どうにかAさんらの隙を見て逃げ出すと、近くにあった滋賀県長浜警察署の交番に駆け込み、被害を申告しました。
そして、Aさんらは滋賀県長浜警察署に恐喝罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんの両親は、Aさんが恐喝罪の容疑で逮捕されたと聞き、どうすればよいのか弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・恐喝罪
今回のAさんの事例では、AさんらがVさんに言いがかりをつけたことをきっかけとして恐喝事件まで発展しているようです。
言いがかりをきっかけに口論となり、そこからエスカレートして謝罪を要求するうちに金銭などの要求に発展し、恐喝事件となってしまうケースはままあるようです。
では、Aさんの逮捕容疑となっている恐喝罪はどういった犯罪なのでしょうか。
刑法第249条第1項(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
条文を見ると「人を恐喝して」「財物を交付させ」るというステップを踏むことで恐喝罪が成立することが分かります。
ここで、「恐喝」するとはどういうことか確認しておきましょう。
恐喝罪において、「人を恐喝」するということは、財物の交付に向けて暴行または脅迫を行うことであると考えられています。
つまり、財物を引き渡させるために暴行や脅迫を用いて財物を要求すると「恐喝」をしたということになるのです。
注意しなければいけないのは、恐喝罪が成立するのはこの暴行や脅迫が相手の抵抗を押さえつけない程度のものであった場合であるということです。
用いられた暴行や脅迫が相手の抵抗を押さえつけるほどの強さであった場合には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立することになります。
今回のAさんの事例では、AさんらはVさんに対して自分たちのバックにヤクザがいることや、痛い目に合わせることといった、Vさんの身体に危害を加える旨を伝えることでVさんに脅しをかけ、現金を要求しています。
Aさんらの言動から、これらの脅迫はVさんの抵抗を全く押さえつけるほどの強さのものではないでしょう。
そしてその脅迫行為によってVさんが恐怖を抱き、Aさんらに5万円の現金という「財物」を引き渡していることから、Aさんらには恐喝罪が成立するのだと考えられます。
・恐喝事件で逮捕されたら
恐喝罪は、その法定刑(刑罰)が「10年以下の懲役」となっており、罰金刑の定めがありません。
つまり、恐喝罪で起訴されるということは公開の法廷に立って裁判を受けるということであり、恐喝罪で有罪となるということは、執行猶予が付かない限り刑務所に行くということです。
これだけ重い刑罰の定められている犯罪であることから、恐喝事件では被疑者が逃亡や証拠隠滅をするおそれがあると判断され、逮捕・勾留による身体拘束の上捜査されることも少なくありません。
さらに、今回のAさんの事例のように、複数人が恐喝事件の当事者として存在する=共犯者のいる事件では、口裏合わせなどを防ぐためにも逮捕・勾留による身体拘束の上捜査されることが多いです。
逮捕されてしまえば、当然自由に刑事事件について相談することもできませんし、会社や学校に通うこともできなくなります。
だからこそ、早い段階で弁護士と直接接見することで、刑事事件自体の相談はもちろん、釈放や寛大な処分の獲得のために取り得る活動について詳しく聞いておくことが重要なのです。
これは被疑者本人だけでなく、ご家族などの周りの方にも言えることです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕直後から迅速に弁護士と接見できるよう、初回接見サービスのお申込み・お問い合わせを24時間いつでも受け付けています。
まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
免停中の運転で無免許運転に
免停中の運転で無免許運転に
免停中の運転で無免許運転に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県米原市に住む会社員のAさんは、通勤に自動車を使用しており、毎日運転していました。
しかし、度重なる交通違反により、Aさんは90日間の免許停止処分を受けることになりました。
免停となったAさんでしたが、通勤に車を使っていたため、「運転できなくなるのは困る。免停と言っても単に停止されただけで運転免許は持っているのだから問題ないだろう」などと考え、免停となった後も運転を続けていました。
そうして免停期間も運転をしていたAさんでしたが、職場からの帰宅途中、交通検問をしていた滋賀県米原警察署の警察官により、免停期間中の運転であることが分かり、無免許運転の容疑で刑事事件の被疑者として捜査されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・免停中の運転は無免許運転
無免許運転という言葉を聞くと、運転免許自体を持っていない人が自動車の運転をすることだとイメージしやすいかもしれません。
ですが、今回のAさんのように、たとえ運転免許を取得していたとしても、その免許が免停となっている最中に運転してしまえば、それも無免許運転ということになります。
免停期間中は道路交通法の以下の条文にもある通り、免許の効力が停止されているわけですから、その期間内については運転免許を持っていない無免許の状態と同じということになるのです。
道路交通法103条1項(免許の取り消し、停止等)
免許(仮免許を除く。以下第106条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
ただし、第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
(略)
5号 自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項第1号から第4号までのいずれかに該当する場合を除く。)。
6号 重大違反唆し等をしたとき。
7号 道路外致死傷をしたとき(次項第五号に該当する場合を除く。)。
8号 前各号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。
今回のAさんのように、交通違反をしてしまって免停となった場合には、この道路交通法103条1項5号等に該当するとして免停となっていることが考えられるでしょう。
この免停という処分は、あくまで運転免許に関する行政上の処分であり、刑事罰というわけではありません。
ですから、免停になったからといって前科がつくわけではありません。
交通違反による道路交通法違反では、交通違反の種類にはよるものの、反則金制度という制度があり、反則金を支払うことで刑事手続に移行せずに交通違反を処理する制度があるため、反則金を支払って免停となった、というだけでは刑事事件となって前科が付くということに必ずしも結びつかないのです。
しかし、今回のAさんは無免許運転をしたとして刑事事件の被疑者として捜査されているようです。
実は、無免許運転は前述の反則金制度の対象外となる交通違反で、無免許運転をして検挙されるということは、免停や免許取り消しといった行政上の処分だけでなく、刑事罰を受けるかどうかという刑事事件としての手続きと処分を受けなければならないということになります。
道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者
この条文にも、無免許運転について「法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。」と書いてあることからも、今回のAさんの免停中の運転が無免許運転として処罰されることがわかります。
たかが無免許運転、ばれなければ大丈夫と考える人もいるかもしれませんが、無免許運転の刑事罰はこれほど重いものとなっていることもあり、態様によってはその場で逮捕されてしまう可能性もありますから、無免許運転とならないよう注意が必要です。
それでも無免許運転をしてしまった、刑事事件の被疑者となってしまったという場合には、今後の対応について弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、こうした交通違反に関連する刑事事件のご相談も承っています。
まずはお気軽に、0120-631-881までお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
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友達を匿って犯人蔵匿罪に?
友達を匿って犯人蔵匿罪に?
友達を匿って犯人蔵匿罪に問われるのかというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~事例~
Aさんの住む滋賀県彦根市の閑静な住宅街でお年寄りが狙われる窃盗事件が発生しました。
数日後、Aさんの自宅にAさんの友人であるBさんが慌ててやってくると「この前起きた窃盗事件の容疑をかけられている。やっていないのに警察官が自宅前に張り込んでいるようだ。数時間でいいから匿ってくれ」と言ってきました。
Aさんは、大切な友達を冤罪で困らせるわけにはいかないと思い、Bさんを家に招き入れて自室に隠れているよう言いました。
BさんがAさん宅に来てから数時間後に滋賀県彦根警察署の警察官がAさん宅に訪ねてきましたが、Aさんは居留守を使いその場を切り抜けました。
警察官が帰って行き少し安堵したAさんでしたが、無実と信じていたとはいえ匿うと罪に問われるのではないかと不安に思うようになりました。
そこでAさんは、Bさんを帰宅させた後、弁護士に無料相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・犯人蔵匿罪
今回の事例のAさんは、友達のBさんを匿ったことで何か犯罪になるのではないかと不安に思っているようです。
今回の事例では、AさんがBさんを自宅で隠れさせた行為について、犯人蔵匿罪という犯罪が成立するかどうかということが問題になるでしょう。
刑法第103条(犯人蔵匿罪等)
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
まず犯人蔵匿罪における「罰金以上の刑に当たる罪」とは、法定刑に罰金以上の刑を含む罪をいいます。
また、犯人蔵匿罪における「罪を犯した者」とは、犯罪の嫌疑を受けて捜査又は訴追されている者をいいます。
すなわち、実際に罪を犯した人、いわゆる真犯人だけでなく、実際には冤罪である無実の人であっても容疑をかけられて捜査されていれば犯人蔵匿罪のいう「罪を犯した者」となり、犯人蔵匿罪の対象となります。
では、なぜ犯人蔵匿罪はその対象を実際に罪を犯した真犯人だけに限定していないのでしょうか。
犯人蔵匿罪が保護している利益(保護法益)は、「国家の刑事司法作用の適正な運用」であると考えられています。
つまり、犯罪を正しく捜査し正しく裁判手続きを進行することを守るために犯人蔵匿罪があるのです。
正しい捜査・正しい裁判手続きを守るためには犯人だけでなく犯罪の嫌疑を受けている者についても支障なく捜査できることが望ましいということなのです。
また、仮に捜査されている人が真犯人ではない場合でも、早期に嫌疑が晴れることで早期真犯人の捜査に移れるため事件解明に近づきます。
そのためにはまずは捜査されている人の捜査がなされなければならないということになります。
このような理由から、犯罪の嫌疑を受けて捜査又は訴追されている者も犯人蔵匿罪の対象にされていると解釈されているのです。
次に、犯人蔵匿罪の「蔵匿」したとは、官憲による発見逮捕を免れるべき隠匿場所を提供することをいいます。
他方、「隠避」とは、蔵匿以外の方法で官憲による発見逮捕を免れしめる一切の行為をいいます。
たとえば、犯人に逃走の為の車を用意することなどは「隠避」に当たると言えます。
今回の事例についてあてはめてみましょう。
窃盗罪で捜査されていることをAさんに伝えており、さらに警察官がBさんを捜索していることからすると、Bさんは窃盗罪の被疑者として嫌疑を受けているということでしょう。
そして、Bさんが嫌疑を受けている窃盗罪は罰金刑以上を含む犯罪です。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
よって、Bさんは犯人蔵匿罪のいう「罰金以上の刑に当たる罪」「を犯した者」といえ、Aさんもそれを認識していたと考えられます。
BさんがBさんの主張通り本当は無実であっても、捜査対象者であれば「罪を犯した者」とされるのは上述の通りです。
そのBさんについて、Aさんは警察官がBさんを捜索している時に、Bさんが警察官から発見されないようにするため、自室を提供しています。
よって、Aさんは「蔵匿」したといえ、Aさんには犯人蔵匿罪が成立すると考えられるのです。
・犯人蔵匿事件と弁護活動
犯人蔵匿事件では、被害者が存在しませんから、示談交渉はできません。
しかし、今回の事例のように、「犯人」が突然押し掛けてきたことや、昔馴染みで断り切れなかったことなど情状事実を主張することで、より有利な処分や判決を得られる可能性があります。
こうした主張のためにも、刑事事件の専門家である弁護士のサポートは重要です。
加えて、取調べの対応を随時相談するためにも、弁護士にサポートを受けることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、犯人蔵匿事件などの刑事事件を専門に扱っています。
耳慣れない犯罪ではどう対応すべきか分からないことも多いですから、まずは遠慮なく弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
弁護士に少年鑑別所での面会を依頼
弁護士に少年鑑別所での面会を依頼
弁護士に少年鑑別所での面会を依頼するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
17歳のAさんは、滋賀県近江八幡市で複数回の盗撮事件を起こしてしまい、滋賀県近江八幡警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんは、逮捕されたその日のうちに釈放されたのですが、事件が大津家庭裁判所に送致されると、観護措置がとられることとなり、大津少年鑑別所に収容されることになりました。
逮捕されたその日のうちに警察署から釈放されていたため、もう身体拘束されることはないだろうと考えていたAさんとその両親は、少年鑑別所に収容となったことに不安を覚え、少年事件にも対応している弁護士に相談し、まずはAさんに面会に行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年鑑別所とは
少年鑑別所とは、少年の資質や環境などを専門家が専門的に調査するための施設です。
少年事件を起こした少年が少年鑑別所に収容されるパターンは主に2つあります。
まずは、捜査段階=被疑者として警察や検察に捜査されている段階で行われる「勾留に代わる観護措置」となった場合です。
「勾留に代わる観護措置」となった場合、被疑者である少年の留置場所は、警察署の留置所ではなく少年鑑別所となります。
「勾留に代わる観護措置」とは、逮捕後の10日間、少年鑑別所に身体拘束をして捜査を行うもので、少年事件独特の手続きです。
この「勾留に代わる観護措置」となった場合、成人の刑事事件に見られるような勾留の延長は認められず、最大10日間の身体拘束期間の後は事件はすぐに家庭裁判所に送致されることになります。
そして、「勾留に代わる観護措置」の後、家庭裁判所に事件が送致された場合、次に説明する「観護措置」に自動的に切り替わり、引き続き少年鑑別所に身体拘束されることになります。
次に、事件が捜査機関から家庭裁判所に送致された後、「観護措置」となって、少年鑑別所に入ることになった場合です。
この場合の観護措置とは、通常4週間~8週間程度、少年鑑別所において、少年の性格等を専門的に調査するものを言います。
最初に触れた少年鑑別所の役割は、この「観護措置」の際に発揮されます。
「観護措置」中、少年は少年鑑別所に収容され、家庭裁判所調査官や少年鑑別所の技師等から調査されます。
・少年鑑別所での面会
少年事件を起こした少年が少年鑑別所に収容された場合、警察署で面会するのとは何が異なるのでしょうか。
まず、多くの少年鑑別所では、警察署と違ってアクリル板の仕切りなしで面会することが可能となります(ただし、少年鑑別所によっては、勾留に代わる観護措置の場合はアクリル板のある部屋で面会させる場所もあります。)。
少年本人と遮るものなくコミュニケーションを取ることができるため、ご家族にとっても少年にとっても、ストレスの少ない面会ができます。
また、警察署での一般面会は近親者以外も可能ですが、少年鑑別所での一般面会は、近親者や保護者に限られており、誰でも面会できるというわけではありません。
なお、面会時間が10分~20分と限られていたり、受付が平日の昼間のみであったりすることは、少年鑑別所でも警察署でも変わりません。
しかし、土日祝日の面会については、弁護士であっても予約が必要であったりできなかったりするため、そういった点では警察署などの面会とは異なる部分です。
どちらにせよ、ご家族の面会の際には事前に少年鑑別所にその日・その時間帯の面会が可能かどうか確認されてから面会に向かわれることをおすすめします。
・少年事件と身体拘束
今回のAさんらは、逮捕後に釈放されたことで今後の身体拘束はないと思っていたところへ少年鑑別所への収容措置がとられています。
先ほど挙げた通り、少年事件では家庭裁判所に送致された後に「観護措置」という措置がとられることがあり、そうなると一定期間少年鑑別所への収容が行われることになります。
ですから、少年事件の場合、捜査段階と家庭裁判所での調査段階の2回、身体拘束のリスクがあるということになります。
観護措置はより専門的な調査が行われる機会でもあるため、少年にとってデメリットばかりがあるというわけではありません。
しかし、長期間身体拘束されることによるデメリットが大きいこともまた事実ですから、弁護士に相談・依頼して適切な措置をとってもらえるよう活動してもらうことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件の付添人活動はもちろん、少年鑑別所への接見依頼も承っております。
少年鑑別所への接見のご依頼やご相談のご予約は、0120-631-881までお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。