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未成年にかかわる性犯罪~強制性交等罪
未成年にかかわる性犯罪~強制性交等罪
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・強制性交等罪
前回までの記事では、未成年、特に18歳未満の者に関する性犯罪について、Aさんの①~③のケースに沿って取り上げてきました。
今回の記事では、④のケースの場合、どのような犯罪が成立するかを考えていきます。
④のケースでAさんに成立しうる犯罪としては、刑法上の強制性交等罪が考えられます。
強制性交等罪は、刑法改正の際に新設された犯罪で、もともとは「強姦罪」という名前でした。
刑法改正により、旧強姦罪は強制性交等罪となり、男女の性別関係なく被害者の対象となったり、性交だけでなく性交類似行為(口腔性交や肛門性交)も対象となったりしました。
ここで、「強姦罪と同じような内容だったら無理矢理性交等をすることで成立するのではないか」「Vさんは性交等に同意していたのだから、淫行や児童買春にあたったとしても、無理矢理性交等をする強制性交等罪には当たらないのではないか」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
強制性交等罪の条文を確認してみましょう。
刑法177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
皆さんの思い浮かべる強制性交等罪のイメージとしては、この刑法177条の前段のイメージが強いでしょう。
しかし、今回の④のケースのような場合に問題となってくるのは、刑法177条の後段の条文の方です。
刑法177条の後段の条文では、「13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする」、つまり、13歳未満の者と性交等をした場合には、強制性交等罪とするということが定められています。
条文を見ていただければわかるように、13歳以上の者が被害者の時に強制性交等罪が成立するには性交等の際に「暴行又は脅迫」が用いられていることが必要とされますが、13歳未満の者が被害者となる場合、「暴行又は脅迫」は必要ありません。
すなわち、13歳未満の者と性交等をした段階で強制性交等罪となるのです。
そして、性交等の相手である13歳未満の者が性交等に同意していても強制性交等罪は成立します。
・Aさんは強制性交等罪になる?
今回のAさんの④のケースは、客観的に見れば、Aさんは実は12歳であったVさんと性交をしているわけですから、強制性交等罪が成立しそうです。
しかし、ここで問題となるのは、AさんがVさんの年齢についてどのように認識していたかです。
犯罪が成立するのには、原則として故意=犯罪であるという認識が必要です。
今回問題となっている強制性交等罪で言えば、「性交等の相手方が13歳未満である」という認識を持ちながら性交等をすることが必要とされます。
今回の④のケースの場合、Aさんは当初Vさんが16歳だと認識して性交をしています。
もしもここでVさんについて13歳未満かもしれないという認識なく性交していた場合には、故意がないため、強制性交等罪は成立しないとされる可能性が出てきます(ただし、16歳と思って性交していた場合でも、前回までの記事で取り上げた「淫行」や「児童買春」といった別の犯罪が成立すると考えられます。)。
強制性交等罪の法定刑は5年以上の有期懲役刑となっており、不起訴とならなければ(起訴されてしまえば)、必ず公開の法廷で裁判を受けることになります。
さらに、執行猶予をつけることができるのは、言い渡された刑が3年以下の場合に限られますから、強制性交等罪では執行猶予をつけることも難しいです。
被害者との示談等により、起訴される前に不起訴処分を獲得したり、情状酌量による刑の減軽によって執行猶予獲得を目指したりすることが考えられます。
いずれにせよ、早期から丁寧な準備を行わなければなりませんから、強制性交等事件でお困りの際は早めに弁護士に相談しましょう。
複数回にわたって未成年にかかわる性犯罪を取り上げてきましたが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではこうした性犯罪事件でのお悩みも、刑事事件専門だからこそ安心してご相談いただけます。
まずはお問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
未成年にかかわる性犯罪~児童ポルノ②
未成年にかかわる性犯罪~児童ポルノ②
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・③のAさんに成立するのは?
前回の記事では、そもそも児童ポルノとはどういったものと定義されているのか、その児童ポルノをどうすることが犯罪となるのかを取り上げました。
今回は、事例の③の行為をしたAさんに成立する児童ポルノにかかわる犯罪を具体的に検討していきます。
まず、AさんはVさんとの性行為をスマートフォンで撮影し、録画しています。
Vさんは16歳ですから、児童買春・児童ポルノ禁止法の「児童」です。
その「児童」であるVさんとの性行為の様子を撮影・録画しているのですから、その動画・写真の内容は「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態」(児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項1号)であるといえるでしょう。
ですから、Aさんの撮影した写真や動画は「児童ポルノ」となり、それを作り出したAさんは、「児童ポルノを製造した」ということができます。
これらのことから、Aさんには児童ポルノを製造したことによる児童買春・児童ポルノ禁止法違反が成立すると考えられます。
さらに、Aさんはその製造した児童ポルノを所持しているわけですから、児童ポルノの所持による児童買春・児童ポルノ禁止法違反も成立することが考えられます。
Aさんが児童ポルノを製造・所持した目的が自身の性的好奇心を満たすためのものであった場合、法定刑はそれぞれ、児童ポルノ製造が「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」(児童買春・児童ポルノ禁止法7条4項)、児童ポルノ所持が「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(児童買春・児童ポルノ禁止法7条1項)となります。
なお、AさんがもしもVさんとの性行為の後、製造・所持している児童ポルノを知人に渡したり、SNSやインターネット上にアップしたりしていた場合には、児童ポルノの提供や公然陳列といった別の児童買春・児童ポルノ禁止法違反が成立します。
そして、こうした行為があった場合には、児童ポルノの製造・所持の目的が自己使用目的ではなく、提供や陳列の目的だったのではないかと疑われる可能性もあるでしょう。
前回の記事で触れた通り、児童ポルノの製造や所持の目的が提供や公然陳列であった場合には、より重い刑罰に処されることになります。
そのため、もしも容疑をかけられている児童ポルノの使用目的が自身の認識しているものと異なる場合には、弁護士のアドバイスを随時聞きながら、慎重に取調べに臨むことをお勧めします。
・児童ポルノ事件の弁護活動
今回の③のケースのような場合には、児童ポルノの被害者である被害児童がどこの誰であるのか特定できるため、弁護士を通じて示談交渉に取り組むことも可能でしょう。
しかし、例えばどこかから児童ポルノをダウンロードして保存し、所持していたような児童ポルノ事件の場合、被害児童が誰か特定できず、謝罪もままならないということも考えられます。
こうした場合には、贖罪寄附や反省文の作成、再犯防止のための対策づくり等を通して寛大な処分を求めていくことが考えられます。
示談交渉ができないときの活動も含めて、刑事事件に強い弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、児童ポルノに関連した刑事事件のご相談・ご依頼も多くいただいています。
児童ポルノを含む性犯罪事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

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未成年にかかわる性犯罪~児童ポルノ①
未成年にかかわる性犯罪~児童ポルノ①
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノ
今回の記事では、Aさんが③の行為をしていたケースについて、どういった犯罪の成立が考えられるか検討していきます。
まず、Aさんは16歳であるVさんと性行為をしていることから、詳細な態様によって、「淫行」をしたという滋賀県の青少年健全育成条例違反か、「児童買春」をしたという児童買春・児童ポルノ禁止法違反の成立が考えられます(これらの区別については前回までの記事をご覧ください。)。
しかし、③のAさんは、さらに性行為の様子を録画しています。
このことから、Aさんには、児童ポルノに関する部分において、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性が出てきます。
前回までの「児童買春」の際に出てきた児童買春・児童ポルノ禁止法(正式名称:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)では、児童買春だけでなく、児童ポルノについての規制や処罰も定めています。
そもそも、児童ポルノとは、以下のように定義されています。
児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
大まかに言えば、児童相手の性行為の写真や動画、そのデータ(2条3項1号)、他人が児童相手に性器等を触ったり触らせたりしている写真や動画、そのデータ(2条3項2号)、衣服を全部または一部付けていない児童の胸や尻といった部分を強調・露出した写真や動画、そのデータ(2条3項3号)といったものが、「児童ポルノ」にあたりうるということになります。
そして、この児童ポルノについては、製造することはもちろん、所持することや児童ポルノを拡散することも禁止されています。
児童ポルノの単純所持:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(児童買春・児童ポルノ禁止法7条1項)
児童ポルノの提供、提供目的所持・製造・輸入:3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(児童買春・児童ポルノ禁止法7条2項・3項)
児童ポルノの製造(盗撮によるものも含む):3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(児童買春・児童ポルノ禁止法7条4項・5項)
児童ポルノの公然陳列、不特定又は多数への提供:5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はこれの併科(児童買春・児童ポルノ禁止法7条6項)
児童ポルノの公然陳列、不特定又は多数への提供目的の所持等:5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はこれの併科(児童買春・児童ポルノ禁止法7条7項)
このように、児童ポルノの規制は種類も多く、同じ児童ポルノの所持や製造であっても、目的によって刑罰の重さが異なるなど、一見しただけではわかりづらい部分もあります。
児童ポルノ事件に関与してしまったとなれば、まずは自分がどの部分に違反するどういった罪に当たりうるのか、弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、児童ポルノ事件の弁護活動にあたります。
もちろん、まずは弁護士に相談してみたいという方も遠慮なくご相談いただけます。
ご予約・お問い合わせは0120-631-881からお気軽にどうぞ。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
未成年にかかわる性犯罪~児童買春②
未成年にかかわる性犯罪~児童買春②
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童買春事件で被疑者となってしまったら
今回のAさんの②のケースでは、Aさんは16歳=児童のVさんに、性交の対価として3万円を支払って性交しています。
性交の対価として3万円を支払っているのですから、当然「対価を供与」しているということになりますし、そのうえで性交しているのですから、Aさんは「児童買春」をしたことになるでしょう。
過去に取り上げた淫行同様、相手方である児童が同意していたり相手の児童から持ち掛けたりといった事情があったとしても、児童買春が成立しないということはありません。
ですから、②のケースでは、Aさんは児童買春をしたことによる児童買春・児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕され、捜査されているということになるでしょう。
児童買春の事実を認めているような場合には、こちらも淫行事件同様、被害児童への謝罪や弁償による示談交渉や、再犯防止の対策を講じることなどを通じて、寛大な処分を求めていくことが考えられます。
特に、児童買春事件の被害者である「児童」は18歳未満の者となります。
淫行事件の記事で触れたように、こちらも示談交渉をする際には「児童」の保護者と示談交渉をすることになるでしょうから、法律の専門知識があり、かつ第三者的立場から交渉ができる弁護士に相談・依頼することが望ましいでしょう。
また、示談の際には、示談金の支払いだけではなく、お互いの合意のもと、他に条件をつけることができます。
例えば、今後一切被害児童と連絡を取らないようにするという条件であったり、事件現場付近には近づかないという条件であったりします。
刑事事件に精通している弁護士であれば、どのような条件を付けることでお互いの希望をかなえることができるのか、幅広い提案が可能です。
被害者側も加害者側も納得できる示談を目指すのであれば、弁護士に相談してみることがおすすめです。
一方、児童買春の事実を否認しているような場合には、逮捕直後から弁護士のフルサポートを受けることが望ましいでしょう。
例えば、児童の年齢を誤解して「児童」には当たらない年齢だと思っていた場合や性交の事実がなかった場合には、全くの冤罪ということになりますから、初期からそういったことを訴えていく必要が出てくるでしょう。
さらに、実際の事実は事例の①のようなケースで「淫行」の範囲内での事実があるだけであっても、「対償を供与」して性交等をしたのではないかと児童買春を疑われる、ということも十分考えられます。。
「淫行」による青少年健全育成条例違反は「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(滋賀県の場合)であるのに対し、「児童買春」は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」となりますから、実際には「淫行」でしかないのに「児童買春」であるとされてしまえば、不当に重い刑罰を受けてしまうことになりかねません。
どちらの場合にせよ、特に容疑を否認している場合には、不本意な供述を避けるためにも取調べは逐一弁護士のサポート受けながら慎重かつ丁寧に対応していく必要があるでしょう。
児童買春の容疑を認めていても否認していても、弁護士のサポートを早期から受けることは重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕直後、取調べ直後から迅速なご相談が可能です。
0120-631-881では、24時間365日、専門スタッフが弊所弁護士によるサービスのご案内をしています。
とりあえず弁護士の話を聞いてみたいという方もお気軽にお問い合わせください。

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未成年にかかわる性犯罪~児童買春①
未成年にかかわる性犯罪~児童買春①
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童買春
前回までの記事で、事例のAさんが①の行為をした場合には、滋賀県の青少年健全育成条例に違反し、いわゆる淫行事件となるだろうことに触れ、淫行事件の被疑者となってしまったらどうすべきかを取り上げました。
今回の記事ではAさんが②の行為を取っていた場合、どのような犯罪にあたりうるか取り上げます。
②のケースであった場合、Aさんにはいわゆる「児童買春」の罪が成立すると考えられます。
児童買春は比較的一般にも周知されている犯罪であり、児童買春という言葉から大体どういった犯罪なのか予想が付く方も多いでしょう。
しかし、児童買春は、刑法で「児童買春罪」と定められているわけではなく、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(通称:児童買春・児童ポルノ禁止法)で禁止されており、児童買春をすると児童買春・児童ポルノ禁止法違反という犯罪が成立することになります。
では、具体的にどういった行為が児童買春となるのでしょうか。
条文をチェックしてみましょう。
児童買春・児童ポルノ禁止法2条
1項 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
前回の記事で取り上げた青少年健全育成条例でも「青少年」は18歳未満の者であるとしていることが大半であるとしましたが、児童買春・児童ポルノ禁止法の対象となる「児童」も18歳未満の者とされていることがわかります。
そして、その「児童」本人や「児童」への性交等の周旋(仲介)をした者、「児童」の保護者等に対価を供与したり供与する約束をしたりして性交等をすることが「児童買春」とされています。
つまり、前回までの記事で取り上げていた「淫行」とは、「対償を供与」したかどうか、という点が大きく異なる部分となります。
ここで、「児童買春」という字面から、「児童本人にお金をあげて性交等をする」ことのみが「児童買春」であると想像する方も多いですが、条文を見ていただければお分かりいただけるように、「児童買春」が成立するのはそうした場合のみに限らないということに注意が必要です。
例えば、対価を供与する相手が児童本人でなくとも児童買春となりえます。
さらに、対価として供与されるものがお金そのものだけには限られず、何か物をあげる、食事をおごるといったことでも「対象を供与」したとされます。
そして、まだ対価を供与していなくとも、供与する約束をして児童と性交等をするだけでも児童買春となること等にも注意が必要です。
児童買春をして児童買春・児童ポルノ禁止法違反となった場合には、「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」の範囲で処罰される可能性が出てきます(児童買春・児童ポルノ禁止法4条)。
0120-631-881では、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へのお問い合わせを24時間いつでも受け付けております。
事務所での初回無料法律相談も行っておりますので、児童買春事件に不安のある方は、遠慮なくご連絡ください。
次回の記事では、児童買春事件で被疑者となってしまったらどうすべきかについて触れていきます。

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未成年にかかわる性犯罪~淫行②
未成年にかかわる性犯罪~淫行②
~前回からの流れ~
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。(②以降省略)
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・淫行事件で疑われたら
前回の記事では、事例①のケースではAさんが滋賀県の青少年健全育成条例違反(淫行)の容疑をかけられたのだろう、ということについて触れました。
では、事例の①のケースのAさんのように淫行事件で被疑者となってしまったら、家族が淫行の容疑で逮捕されてしまったら、どのようにすべきなのでしょうか。
まず、淫行の容疑について被疑者本人が認めていない場合、例えば、相手について18歳未満であるという認識がなかった場合には、犯罪の認識がない(故意がない)として、無罪を主張することも考えられます。
しかし、滋賀県の青少年健全育成条例には以下のような規定も存在します。
滋賀県青少年の健全育成に関する条例27条5項
(略)または第23条から第25条までの規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項から第3項までの規定による処罰を免れることができない。
ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。
淫行についての規定は、前回の記事で触れた通り、青少年健全育成条例の24条にあります。
つまり、滋賀県の青少年育成条例には、過失=不注意があって年齢を知らなかったとしても、淫行の罪によって処罰を受けることになるという決まりがあるのです。
こうした決まりもあることから、単に相手の年齢を知らなかったと無罪の主張をしたいと思っても、ただ年齢を知らなかったと言うだけではそもそも無罪の主張ともならない可能性があります。
まずは被疑者本人の主張と具体的な状況、青少年健全育成条例の決まりを照らし合わせて見通しを考えなければいけません。
そのためにも、まずは弁護士に相談されることをおすすめいたします。
一方、淫行の事実を認めていれば弁護士はいらないかというと、そういうわけではありません。
次回以降の記事で詳しく触れますが、性行為の際相手方に金銭を支払っていたり、対価として何か約束をしていたような場合には、青少年健全育成条例の淫行の罪ではなく、別の法律の児童買春の罪が成立します。
児童買春の罪となれば、淫行の罪よりもより重い刑罰が規定されているため、不当に重い罰を受けることになりかねません。
実際にあったのは淫行の事実だけであるのに、捜査機関からは児童買春についても疑われている、という状況も考えられます。
だからこそ、たとえ淫行の事実を認めている場合でも、自身に不利になる対応を意図せずにしてしまわないよう、弁護士のサポートを受けながら手続きを進めることが望ましいといえるのです。
また、淫行事件では、被害者である青少年への謝罪・弁償をすることが考えられますが、「青少年」は18歳未満の者とされていることが多いです。
そうなると、実際に謝罪や弁償をする相手としては、被害者である青少年自身ではなく、その青少年の保護者となることが多いです。
ここで、淫行事件では、たとえ被害者である青少年自身の同意があったとしても、淫行の罪は成立しますし、処罰されるということに注意が必要です。
「被害者とはいえ、あちらも同意していたのではないか」と不思議に思う方もいるかもしれませんが、淫行処罰規定を定める青少年健全育成条例は、名前の通り青少年の健全な育成を目指すものです。
淫行の罪は、18歳以上である加害者側が未熟である青少年を止めなければならない状況で淫行に応じてしまうという部分が問題となるため、青少年側の同意があったから必ず犯罪が成立しない、ということにはならないのです。
こうしたこともあり、被害者である青少年やその保護者へ謝罪・弁償を行うことが考えられるのです。
ですが、子供が性犯罪の被害に遭ったとなれば、保護者としては処罰感情が強くなることも当然です。
当事者同士の話し合いでは話が余計にこじれてしまったり、お互いの言い分を言い合うだけになってしまったりするおそれも考えられます。
そもそも、子供に悪影響を与えた人に一切かかわりたくない、と連絡さえ許してもらえない、ということも十分考えられます。
だからこそ、第三者的立場でお話しすることができ、法律の専門知識を備えた弁護士を挟むことで、適切な謝罪や示談交渉を行うことのできる可能性を上げることができるのです。
被害者との示談締結ができれば、寛大な処分を求める際の強い事情となることに加え、逮捕・勾留等の身体拘束がされている場合には、釈放に向けた大きな一歩ともなります。
滋賀県の淫行事件にお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
それぞれの事案に合った弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士によるサービスを、専門スタッフが丁寧にご案内いたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
未成年にかかわる性犯罪~淫行①
未成年にかかわる性犯罪~淫行①
会社員であるAさんは、SNSで知り合った16歳の女子高生を名乗るVさんと仲良くなり、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
Aさんは、
①Vさんに「エッチしようよ」等と言ってVさんの同意のもと性行為をしましたが、特にお金をあげたり物をあげたりすることはなく、Vさんも要求することはありませんでした。
②Vさんに性行為を求め、Vさんが「3万円ならいいよ」と言ったので、3万円を支払ってVさんと性行為をしました。
③Vさんと性行為をしましたが、その際、Vさんの同意のもと、性行為をしている様子をスマートフォンで録画していました。
④Vさんと同意のもと性行為をしましたが、その後、Vさんが12歳であったことが発覚しました。
その後、Vさんが滋賀県甲賀警察署に補導されたことでAさんとVさんの関係が露見し、Aさんは滋賀県甲賀警察署に逮捕されることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・未成年にかかわる性犯罪
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、様々な刑事事件に関するご相談が寄せられていますが、「未成年と関係を持ってしまった」「家族が未成年に対する性犯罪で逮捕された」というご相談も多く寄せられます。
今回から複数回にわたって、事例の①~④のケースに沿いながら、未成年、特に18歳未満の者にかかわる性犯罪について触れていきます。
・淫行
まず、事例の①のケースを例に取って、どのような犯罪が成立しうるか検討していきましょう。
事例の①のケースでは、報道などでもよく聞かれる「淫行」の罪が成立することが考えられます。
報道番組等でも「誰々が淫行事件を起こした」というようなフレーズを聞いたことのある方も多いかもしれません。
ただし、日本の法律では、刑法上に「淫行罪」という犯罪があるわけではなく、こうした「淫行事件」の場合、各都道府県ごとに定められている、いわゆる青少年健全育成条例の中にある規定に違反していることを指す場合が多いです。
滋賀の青少年健全育成条例の淫行についての規定を見てみましょう。
滋賀県青少年の健全育成に関する条例24条1項
何人も、青少年に対していん行またはわいせつな行為をしてはならない。
各都道府県の青少年健全育成条例では、「青少年」として18歳未満の者を対象としていることが多いです。
滋賀県では、滋賀県の青少年健全育成条例10条の中で「青少年」を「6歳以上18歳未満の者をいい、婚姻した女子を除く。」としています。
そして、青少年健全育成条例にいう「淫行(いん行)」とは、一般に「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」(最判昭和60.10.23)と解されています。
こうしたことから、婚約中であったり、それに準ずるようないわゆる真剣交際であったりする間柄以外での性行為や性交類似行為は青少年健全育成条例の「淫行」にあたると解される可能性が高いと考えられます(ただし、婚約中であったり真剣交際であったりしても必ずしも「淫行」に当てはまらないわけではないことに注意が必要です。)。
事例のAさんの①のケースでは、AさんはVさんが16歳=18歳未満の「青少年」であると認識しながら性行為をしており、2人は特に真剣交際をしているような間柄でもありません。
こうしたことから、AさんはVさんに対する淫行、滋賀県の青少年健全育成条例違反の容疑がかけられたのだと考えられます。
滋賀県の青少年健全育成条例の淫行処罰規定に違反した場合、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられる可能性があります(滋賀県青少年の健全育成に関する条例27条1項)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881で専門スタッフがいつでも弊所弁護士によるサービスのお問い合わせを受け付けております。
淫行事件で疑われている、淫行事件でご家族が逮捕されてしまった、という内容のご相談は非常にセンシティブなものですから、なかなか周囲に相談できるものでもありません。
しかし、弁護士であればご相談内容が外に漏れるという心配もありませんから、安心してご相談いただけます。
まずはお気軽にご相談ください。
次回の記事では、淫行事件の弁護活動について詳しく触れていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
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ドリフト族の共同危険行為
ドリフト族の共同危険行為
18歳のAさんは、複数の友人らとともに、滋賀県守山市で車を走らせていました。
Aさんらは、集団でドリフト走行を行ったり、蛇行運転をしたりしながら、その様子を動画で撮影し、楽しんでいました。
Aさんらは、いわゆる「ドリフト族」と呼ばれる集団でした。
ある日、仲間内の1人が、ドリフト走行等をしている動画をSNSにアップしたところ、滋賀県守山警察署が捜査を開始し、Aさんらは道路交通法上の共同危険行為をしたとして逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさんが車を運転することを趣味にしていたことは知っていましたが、まさか「ドリフト族」に所属してそうした運転をしているとは思いもよらず、逮捕の知らせを受けて急いで弁護士に相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・ドリフト族と共同危険行為
ドリフト走行とは、カーブに入る際に意図的に車を滑らせて走行させる運転技術のことです。
日本では、1970年代頃から「ドリフト族」と呼ばれる、峠道や駐車場、湾岸地区などでドリフト走行を披露する暴走族の集団が現れたといわれています。
このドリフト族のように、集団で、車やバイクで走行し、ドリフト走行を行う行為は、道路交通法上の共同危険行為にあたり、道路交通法違反となる可能性が高いです。
共同危険行為は、2人以上で車やバイクを連ねて走行させたりして、著しく道路上の危険を発生させたり他人に迷惑を及ぼしたりする行為のことで、共同危険行為を行うと2年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(道路交通法107条の3)。
さらに、たとえドリフト族のように集団で走行していなくとも、ドリフト走行を行うこと自体が道路交通法上の安全運転義務(70条)に違反し、3月以下の懲役または5万円以下の罰金となる可能性もあります(道路交通法109条9号)。
ただし、Aさんは18歳とのことで、20歳未満であるため、後述するようにこの共同危険行為事件は少年事件として扱われますから、原則としてAさんがこれらの刑事罰を受けることはありません(ただし、交通事件の場合には、罰金を見越して「逆送」され、罰金という刑事罰を受けるパターンもあります。)。
・共同危険行為と少年事件
少年事件の場合、先ほど触れたように原則として刑事罰が下ることはありません。
ではどういった処分が下されるのかというと、少年院送致や児童自立支援施設送致、保護観察といった処分が考えられます。
これらは、少年事件を起こしてしまった少年が更生できるように行う、いわゆる「保護処分」です。
今回のAさんについて考えると、Aさんはドリフト族に所属し、共同危険行為を繰り返していたようです。
こうした場合、Aさんが同様の少年事件を起こさないようにするためには、まずはドリフト族とのかかわりを絶つことが考えられます。
そうすると、一度今までの環境から離れて生活することが適当と判断されることもあります。
ドリフト族など、暴走族に所属する少年の共同危険行為事件では、こうした考えから、少年院送致といった処分がとられることも珍しくありません。
もちろん、少年院は刑務所とは別で、少年の更生のための施設ですから、全く少年のためにならないということでもないでしょう。
しかし、少年院に行っている間は、少年は今まで生活してきた環境から全く別の環境に切り離され、満足に連絡や外出もできない状態になってしまいます。
そうなれば、せっかく通っていた学校や働いていた勤務先も失ってしまうということにもなりかねません。
ですから、こうした事件では、まずはドリフト族との関係を絶ちつつ、社会内で更生できるような環境を整えていくことが考えられます(こうした活動を「環境調整」と言ったりします。)。
ですが、「環境を整える」といっても、少年本人だけ、その周りの家族だけで取り組もうとしても、なかなか何をしたらいいのか分からないことも多いです。
さらに、何か取り組んだとしても、それをどこにどのように訴えるべきなのかも分からないでしょう。
だからこそ、少年事件に強い弁護士のサポートを受けることが望ましいのです。
専門家である弁護士が第三者としてアドバイスすることで、今まで気づけなかった少年事件の原因に気づくことができたり、なかなか家庭内の当事者同士で話しづらかったことを相談できたりといったことが期待できます。
弁護士はその道のプロですから、遠慮なく相談していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、共同危険行為事件を含めた少年事件のご相談をいつでもうけつけております。
まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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動物虐待で刑事事件②~鳥獣保護法違反
動物虐待で刑事事件②~鳥獣保護法違反
滋賀県草津市に住んでいるAさんは、日ごろのストレスを発散するために、近所にたくさんいる鴨を捕まえて虐待しようと考えました。
そこで、Aさんは鴨を捕まえると、くちばしをガムテープで固定し、鴨をひもでベランダに括りつけました。
しかし、ひもがゆるかったためか、しばらくして鴨はAさんのベランダから逃走し、近所のWさんのベランダへたどり着きました。
Wさんは、くちばしをガムテープで巻かれている鴨を見て、動物虐待目的で捕まえられていたのではないかと考え、滋賀県草津警察署へ通報しました。
その後、Aさんは鳥獣保護法違反の容疑で逮捕されることになりました。
(※令和元年7月14日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
前回は、動物虐待事件の多くに適用される動物愛護法違反について取り上げました。
今回はそれ以外の犯罪にも触れていきます。
・鳥獣保護法
報道される動物虐待事件では、前回の記事の事例のような、動物に暴行を加えるなどしてけがをさせたり殺してしまったり、飼育放棄をしたりといった動物虐待の態様が多く、動物愛護法違反が話題となることも多いです。
しかし、動物虐待に関しては、動物愛護法違反以外の犯罪が成立する可能性もあります。
まずは、前回の記事で取り上げた、動物愛護法の動物虐待を禁止する条文を再度確認してみましょう。
動物愛護法44条
1項 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
2項 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、100万円以下の罰金に処する。
3項 愛護動物を遺棄した者は、100万円以下の罰金に処する。
4項 前3項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
1号 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
2号 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
この通り、動物愛護法の動物虐待の禁止の条文の対象となるのは、「愛護動物」であることが必要とされています。
しかし、「愛護動物」であるためには、「牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」であるか、そうでなければ「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」でなければいけません。
「人が占有する」とは、簡単に言えば人が管理・支配していることを指しますから、例えばペットなどはこれに当てはまるでしょう。
ですから、全く野生の鳥類などは、動物愛護法の「愛護動物」ではないということになります。
では、今回の事例のように、野生の鳥類を捕まえて動物虐待行為をしたような場合には、どうなるのでしょうか。
ここで、今回のAさんの逮捕容疑である鳥獣保護法違反が成立することが考えられるのです。
鳥獣保護法は、正式名称を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」といい、名前の通り、鳥獣の保護だけでなく、その狩猟についての規制も定められている法律です。
この鳥獣保護法でいう「鳥獣」は、「鳥類又は哺乳類に属する野生動物」ですから(鳥獣保護法2条1項)、動物愛護法の「愛護動物」でない野生の鳥類等も含まれますから、動物愛護法違反とならない動物虐待行為でも、鳥獣保護法違反となる可能性があるということになるのです。
例えば、鳥獣保護法では、狩猟鳥獣の捕獲を狩猟期間や狩猟区域の外で行った場合、鳥獣保護法違反として処罰する旨を定めています。
鳥獣保護法83条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2号 狩猟可能区域以外の区域において、又は狩猟期間(略)外の期間に狩猟鳥獣の捕獲等をした者(第9条第1項の許可を受けた者及び第13条第1項の規定により捕獲等をした者を除く。)
動物虐待目的で野生の鳥類を捕まえた場合、狩猟期間や狩猟区域以外での捕獲であるとして、この鳥獣保護法の規定に違反する可能性があります。
鳥獣保護法は動物愛護法に比べて、より耳なじみのない法律かもしれません。
刑事事件専門の弁護士が所属する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした耳なじみのないような犯罪・刑事事件にも迅速に対応を行います。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

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動物虐待で刑事事件①~動物愛護法違反
動物虐待で刑事事件①~動物愛護法違反
滋賀県草津市に住んでいるAさんは、日ごろのストレスを発散するために、近所にいる野良猫を捕まえては暴行していました。
ある日、Aさんの暴行を受けた野良猫を見た近所の人が、「動物虐待をしている人がいるようだ」と滋賀県草津警察署に通報したことで捜査が開始され、その後、Aさんは動物愛護法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、ニュース番組での報道を見て、Aさんが逮捕されたことを知ったのですが、どうすればよいのかわからず、ひとまず刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
動物虐待事件はしばしばメディアで報道されるため、動物虐待をすれば犯罪となり、刑事事件となることをご存じの方も多いでしょう。
今回からは、動物虐待をした際に成立しうる犯罪について複数回に分けて取り上げていきます。
・動物愛護法
まずは、今回の事例のAさんの逮捕容疑でもあり、ニュースで動物虐待事件が取り上げられる多くの場合で目にするであろう「動物愛護法違反」という犯罪について触れていきましょう。
動物愛護法という法律は、正式には「動物の愛護及び管理に関する法律」という法律です。
動物愛護法の中の、動物虐待を禁止する条文を見てみましょう。
動物愛護法44条
1項 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
2項 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、100万円以下の罰金に処する。
3項 愛護動物を遺棄した者は、100万円以下の罰金に処する。
Aさんのしてしまった動物虐待行為のような、動物に暴行して傷つけたり、殺してしまったりするものについては、1項の条文で処罰が決められています。
そして、いわゆる飼育放棄や酷使といった動物虐待行為については、2項の条文で処罰が決められています。
さらに、動物を遺棄した場合には3項の条文が該当します。
しかし、この動物愛護法の条文にある「愛護動物」とは、全ての動物を対象としているわけではないことに注意が必要です。
動物愛護法44条4項
前3項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
1号 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
2号 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
これらの中に入っていない動物については、「愛護動物」である動物愛護法44条の対象にはなりませんから、その動物虐待行為は動物愛護法違反とはなりません(ですが、別の犯罪が成立する可能性は十分あります。次回の記事で詳しく取り上げます。)。
・動物愛護法の改正
つい先日、この動物愛護法が改正案が可決され、成立しました。
この改正動物愛護法では、ペット販売業者等についての規制等に加え、動物虐待行為の厳罰化がなされました。
現在、先ほど挙げた動物愛護法44条1項にある動物虐待行為は、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」の法定刑となっていますが、改正後は「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」と大幅に強化されます。
そして、こちらも先ほど挙げた動物愛護法44条3項の動物虐待行為も、現在「100万円以下の罰金」と罰金刑のみの規定となっていますが、改正後は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と懲役刑となる可能性が出てきます。
このように、動物虐待による動物愛護法違反は世間的にも注目され、厳罰化の傾向にあります。
動物虐待による動物愛護法違反事件でお困りの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。

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