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児童買春事件で釈放を求める弁護活動

2021-02-03

児童買春事件で釈放を求める弁護活動

児童買春事件釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県高島市に住んでいる会社員のAさんは、配信アプリを通じて知り合った15~17歳の女子高生数人と、お金を渡して性行為をする、いわゆる児童買春行為を繰り返していました。
するとある日、Aさんと性行為をした女子高生の1人が滋賀県高島警察署に補導されたことをきっかけとして、Aさんの児童買春行為も発覚してしまいました。
そしてAさんは、滋賀県高島警察署児童買春をしたことによる児童買春禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが児童買春の容疑で逮捕されたことが会社に知られてしまうと解雇されてしまうのではないかと不安に思い、児童買春などの性犯罪にも強い弁護士釈放を求める弁護活動を依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)

・児童買春事件

児童買春と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべられるでしょうか。
「お金を渡して未成年と性的な行為をすること」と認識されている方が多いかもしれません。
そのイメージは全く間違っているものではありませんが、法律には以下のように定められています。

児童買春禁止法第2条
第1項 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
第2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
第1号 児童
第2号 児童に対する性交等の周旋をした者
第3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

同法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

すなわち、法律上正確には、児童買春とは「18歳未満の児童」に対して「対償を渡し」、あるいは「渡す約束」をして、「児童と性交等(性交若しくは性交類似行為等)を行うこと」を言います。
ここで注意しなければいけないのは、児童買春禁止法では「対償」を金銭だけに限定していないこと、さらにその「対償」を渡すだけでなく渡す約束をした場合でも児童買春であるとしていることです。
例えば、多くの方がイメージするであろう、児童にお金を渡して性交等をする行為が児童買春に当てはまることはもちろん、お金を渡す約束をして性交等をすることも、バッグやアクセサリーなどの物を渡したり渡す約束をしたりして性交等をすることも、食事を奢ることと引き換えに性交等をすることも児童買春となるのです。
今回のAさんは、お金を支払って児童である18歳未満の者と性交等をしていたため、児童買春行為による児童買春禁止法違反となります。

なお、児童買春以外にも、児童と性交等を行った場合、児童福祉法違反や各都道府県の青少年健全育成条例違反(いわゆる「淫行」)などに当てはまり、警察による捜査を受けることや場合によっては逮捕されてしまうことが考えられます。
その他、児童が13歳未満であった場合や児童の同意がなかった場合に性交等をしていれば、刑法の強制性交等罪や強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。

・釈放を求める弁護活動

今回のAさんのように、釈放が叶わなければ仕事を失ってしまうかもしれないと不安を抱える方は多くいらっしゃいます。
釈放を求めるには、逮捕直後から釈放を認めてもらうための環境づくりや証拠集めをしていかなければいけませんが、それには刑事事件の知識や経験が不可欠です。
示談交渉などの被害者対応を迅速に進めることも効果的でしょう。
そうして集めた証拠を適切に使って釈放を求める主張をタイミングよくしていかなければいけません。

だからこそ、釈放を求める活動は刑事事件の専門家である弁護士に依頼することが効果的です。
例えば、今回のAさんの児童買春事件では、被害者である児童が存在しますから、児童の保護者への謝罪ができないか、弁護士が捜査機関を通じて打診していくことが考えられます。
被害者対応をすることができれば、被疑者と被害者の接触リスクを減らすことが示しやすくなりますから、釈放を求める活動にも有効ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、児童買春事件にお困りの方、釈放を求めて活動してほしいという方のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に0120ー631ー881までお電話ください。

同性間の性犯罪を弁護士に相談

2021-01-30

同性間の性犯罪を弁護士に相談

同性間の性犯罪弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県長浜市に住む会社員の男性Aさんは同性愛者ですが、そのことを誰にも言っていませんでした。
ある日、Aさんは同性愛者が集うSNSを通じて知り合った同性愛者Vさんと滋賀県長浜市にあるホテルに行き、性行為をしました。
すると後日、Vさんから「この前の性交は同意ではなかった。これは強制性交等罪だ。無理矢理されたと滋賀県木之本警察署に被害届を出す」という旨の連絡が来ました。
全て合意の行為だったと思っていたAさんはこの連絡に驚きましたが、Aさんは周囲に同性愛者であることを打ち明けておらず、相談できる人もいない状況で困っていました。
そこでAさんはインターネットで弁護士を探し、刑事事件に強い弁護士の法律相談を利用することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・同性間の性犯罪〜強制性交等罪

今回、Aさんは強制性交等罪の被害届を出すと言われているようです。
2017年の刑法改正によって強姦罪の規定がなくなり、強制性交等罪が新設されました。

刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

旧強姦罪から強制性交等罪へ変わった際に大きく変更された点として挙げられるのは、同性間の性交等であったとしても異性間の同意のない性交等と同様の規定で処罰されるようになったという点や、性交だけでなく口腔性交や肛門性交も「性交等」として処罰される点です。

強制性交等罪が施行される前、旧強姦罪では、男性が女性に対して同意なく性交をした場合にしか強姦罪が成立せず、同性同士で性交等をした場合(例えば男性が男性に対して同意なく性交等をした場合)には、旧強姦罪より軽い強制わいせつ罪でしか処罰できませんでした。
しかし、強制性交等罪が新設されたことで、同性間の同意がない性交等も、異性間の性交等と同様の規定での処罰が可能となったのです。

なお、強制わいせつ罪の場合、刑法改正前から同性間でも適用されています。

刑法第176条(強制わいせつ罪)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。
十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

・同性間の性犯罪で被害届を出される

「同意の上で性交等をしたのに無理やりだったと言われ、被害届を出すと言われている」というご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に少なからず寄せられます。
今回のAさんも、同意の上での性交等であったと思っているところに、Vさんから強制性交等罪の被害届を出すと言われてしまっています。
そもそも性犯罪は周囲に相談しづらい犯罪ですが、特に同性間の性犯罪に関連した場合には、Aさんのように自分が同性愛者であることを周囲にカミングアウトしていないために周囲に相談できない、事件をきっかけに同性愛者であると露見したくないといった悩みがある場合も多いです。
こうした場合、事件を大事にしたくないという思いからなかなか誰かに相談することができずにいたり、相手から要求された示談金などを適切な書面や手続きを踏まずにそのまま支払ってしまったりといったおそれもあります。

さらに、警察署に被害届を出され刑事事件化してしまった場合にも、逮捕のリスクがあったり、取調べ自らの性癖や性行為までの経緯について話さなければならなくなるため、当人の精神的負担は計り知れません。
今回のAさんのように同意があったと思っている場合には、強制性交等罪の容疑を否認することになりますから、不本意な自白をしないように注意することも必要となってきます。
これらの事情を抱えながら1人で相談もできずに対応をしていくことは困難でしょう。

だからこそ、もしも強制性交等事件に巻き込まれてしまったら、刑事事件に強い弁護士にサポートを求めましょう。
弁護士であれば周囲に相談の内容が漏れることもありませんから、同性間の性犯罪だからとお悩みの方でも安心してご相談いただけます。
また、刑事事件の専門家である弁護士に被害者への対応や取調べへの対応などについてのアドバイスを随時受けていくことで、その時その時に適切な対応をとることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、同性間の性犯罪トラブルのご相談も受け付けています。
もちろん、容疑の内容を認めている場合でも、弁護士のサポートを受けることで、不当に重い刑罰を受けることを避けるなどの効果が期待できます。
同性間の性犯罪でお困りの方は、弊所弁護士まで一度ご相談ください。

寄付金の着服で成立する犯罪とは?

2021-01-23

寄付金の着服で成立する犯罪とは?

寄付金着服によって成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、災害の起こった地域の復興支援をしたいと思い立ち、寄付金を集めることにしました。
Aさんは、自分が住んでいる滋賀県長浜市内で知り合いなどから寄付金を募り、約200万円の寄付金を集めました。
しかし、自分の想定以上に寄付金が集まったことに目がくらみ、Aさんはその寄付金のうち100万円を着服し、自分の懐に入れてしまいました。
その後、寄付の報告を見た寄付者が金額の少なさに疑問を持ち、滋賀県長浜警察署に相談したことをきっかけとして捜査が開始され、Aさんは横領罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんは、今後の手続に不安を抱き、滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・寄付金の着服で成立する犯罪は横領罪だけではない

前回の記事では、事例のAさんに横領罪が成立するだろうことを取り上げました。

刑法第252条第1項(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

しかし、似たようなケースであっても、細かい事情が異なると、横領罪以外の犯罪が成立する可能性も出てきます。
今回の記事では、寄付金着服によって成立する可能性のある横領罪以外の犯罪を紹介していきます。

・寄付金の着服と業務上横領罪

まずは、業務上横領罪です。
例えば、Aさんが定期的に寄付業務をしており、そこで寄付金着服をしていたような場合には、横領罪ではなく業務上横領罪が成立する可能性が出てきます。

刑法第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

横領罪業務上横領罪の違いは、「占有」が「業務上」行われたものかどうかという点です。
業務上横領罪の「業務上」とは、社会的立場に基づいて継続して行うものであり、委託を受けて人の物を管理する事務のことを指します。
もしもAさんが定期的に寄付業務をしていたのであれば、その立場に基づいて寄付をする人から寄付金を預かる事務を繰り返していたということになりますから、「業務上」管理していた他人のお金を横領したということになり、業務上横領罪が成立する可能性が出てくるのです。

注意しなければいけないのは、業務上横領罪では前回の記事で紹介した横領罪よりも重い刑罰が設定されているということです。
「業務上」行われた横領行為であれば、単なる横領行為よりも信頼を裏切った度合いが高く悪質性が高いと考えられることから、横領罪が「5年以下の懲役」という刑罰になっているのに対して業務上横領罪はより重い「10年以下の懲役」という刑罰が設定されているのです。
ですから、業務上横領事件でも、より早期に弁護士のサポートを受けて弁護活動を開始してもらうことが望ましいでしょう。

・寄付金の着服と詐欺罪

また、もしもAさんが最初から寄付金着服するつもりで寄付金を募っていたり、そもそも寄付をするつもりがないのに寄付を募っていたような場合には、横領罪ではなく詐欺罪が成立する可能性も出てきます。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

このケースで詐欺罪の成立が考えられるのは、寄付目的であると偽って人からお金をだまし取ったという構造になるためです。
詐欺罪の「人を欺」く行為は、単なる嘘をつくということではなく、相手が財物を交付させる判断をするときに重要な事実を偽ることであると考えられています。
今回の事例でもしもAさんが最初から寄付金着服をもくろんでいたり、そもそも寄付をするつもりがないのに寄付金として寄付を募っていたのであれば、当然寄付をした人たちはAさんにお金を渡したりしなかったでしょう。
そのため、もしもAさんがこうした嘘をついて寄付金を募っていたのであれば、Aさんは「人を欺いて」寄付金=「財物」を寄付した人から引き渡させた=「交付させた」ことになり、詐欺罪が成立する可能性が出てくるのです。

寄付金の着服で詐欺罪の容疑を疑われている場合、寄付を募った際の目的がどういったものだったかという内心の問題も絡んでくるため、本当は横領罪に当たる事実しかないのに詐欺罪を疑われるという可能性もあります。
自身の認識をきちんと把握しながら取調べに慎重に臨むことが求められますが、そのためには、被疑者・被告人の持っている権利や取調べのポイントを押さえていく必要があります。
刑事事件の専門家である弁護士にこまめにアドバイスをもらうことをおすすめします。

寄付金着服という一行為をとっても、細かな事情が異なるだけで様々な犯罪の成立が考えられます。
このように、刑事事件は一見同じように見えても少しの違いによって全く別の対応を迫られることがあります。
どういった犯罪が成立しうるのか、それぞれの犯罪に対応する活動はどういったものなのか等は、専門家に聞いてみることが一番です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が横領事件や詐欺事件などの罪名を問わず刑事事件のサポートをしています。
刑事事件にお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。

寄付金着服による横領事件で逮捕されたら

2021-01-16

寄付金着服による横領事件で逮捕されたら

寄付金着服による横領事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、災害の起こった地域の復興支援をしたいと思い立ち、寄付金を集めることにしました。
Aさんは、自分が住んでいる滋賀県長浜市内で知り合いなどから寄付金を募り、約200万円の寄付金を集めました。
しかし、自分の想定以上に寄付金が集まったことに目がくらみ、Aさんはその寄付金のうち100万円を着服し、自分の懐に入れてしまいました。
その後、寄付の報告を見た寄付者が金額の少なさに疑問を持ち、滋賀県長浜警察署に相談したことをきっかけとして捜査が開始され、Aさんは横領罪の容疑をかけられ逮捕されるに至りました。
Aさんは、今後の手続に不安を抱き、滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・寄付金の着服で横領罪に

横領と聞くと、銀行員や会社の経理を担当している人がお金を自分の物にしてしまう、というようなケースが思い浮かびやすいかもしれません。
しかし、横領事件はそういった会社などの中だけで起こるものではありません。

横領罪は、刑法に以下のように定められています。

刑法第252条第1項(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

横領に関する犯罪には業務上横領罪(刑法第253条「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」)もあるため、横領罪は業務上横領罪と比較して単純横領罪と呼ばれることもあります。
横領罪が成立するには、「自己の占有する他人の物」を「横領」するという条件を満たす必要があります。
この条件を詳しくみていきましょう。

まず、横領罪のいう「自己の占有する他人の物」の中にある「占有」という言葉ですが、事実上・法律上その物を支配・管理していることを指します。
さらに、横領罪での「占有」は、委託関係に基づいたものであることが必要であると考えられています。
つまり、横領罪の「自己の占有する他人の物」とは、簡単に言えば「委託を受けて(依頼されて)自分の管理下にある他人の物」を指すことになります。
例えば、持ち主が旅行に行く間に貴金属を預けていったというような場合には、現在その貴金属を持ち主から頼まれて支配・管理している人は、本来の持ち主ではありません。
この場合、貴金属を預かっている人からすると、預かっている貴金属は「自己の占有する他人の物」という扱いになるのです。

そして、「横領」するとは、「不法領得の意思を実現する行為」であるとされています。
難しい言葉ですが、大まかにいえば、頼まれたことの範囲を超えてその物の持ち主で無ければできないような行為をすることが横領罪のいう「横領」という行為なのです。
先ほど例に出した貴金属を預けたケースでは、本来の持ち主から頼まれた内容は貴金属を預かるという内容であり、預かっている人からするとこれを超える権限は与えられていないということになります。
ですから、貴金属を預かっている人が勝手に貴金属を売ってしまうなど、持ち主でなければできないような行為をすれば、それは「横領」行為となるのです。

では、今回の事例について考えてみましょう。
Aさんは、寄付をするための寄付金を募って約200万円を集めた後、100万円を着服し、自分の物としてしまっています。
寄付金として集めていたこのお金は、Aさんが寄付をした人たちから寄付のために預かっているお金ですから、Aさんのものというわけではありません。
すなわち、寄付金はAさんが寄付をした人たちから委託を受けて管理していたお金=「自己の占有する他人の物」です。
Aさんはその寄付金を着服していますが、お金を自分の物とする行為は本来そのお金の持ち主でなければできない行為ですから、ここに「横領」行為があると考えられます。
以上のことから、Aさんには横領罪が成立すると考えられるのです。

横領事件の場合、当然横領された被害者が存在しますから、まずはそちらに被害弁償と謝罪をしていくことが重要な弁護活動の1つとして挙げられます。
今回のAさんのような寄付金着服したケースでは、被害者が複数になることも想定されますから、当事者だけで被害者対応を行うことは複雑となる可能性もあります。
刑事事件に対応している弁護士に一任することで、スムーズな謝罪・被害弁償をすることが期待できます。
被害者対応だけでなく、逮捕されている場合の身柄解放活動や起訴を見据えた弁護活動なども早期に準備し始めることによるメリットは大きいため、まずは弁護士に相談してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、横領事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
滋賀県横領事件にお悩みの際は、お気軽に0120-631-881までお電話ください。

少年事件を弁護士に無料相談

2021-01-09

少年事件を弁護士に無料相談

少年事件弁護士に無料相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

主婦のBさんは、滋賀県米原市に住んでいます。
ある日、Bさんの自宅に滋賀県米原警察署から電話がありました。
Bさんが警察官の話を聞いたところ、Bさんの息子で高校1年生のAさんが痴漢事件を起こして滋賀県米原警察署に逮捕されているとのことでした。
Bさんは驚き、何かしなければと考えましたが、少年事件の手続も自分が何ができるのかも分からず困ってしまいました。
そこでBさんは夫と一緒に滋賀県の少年事件に対応している弁護士に相談し、少年事件の流れや手続き、自分たちができることについて詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・そもそも少年事件とは?

少年事件とは、20歳に満たない者が犯罪をした事件のことや、その少年が犯罪をする可能性があると判断されて事件化したものをいいます。
少年事件では、多くの場合、捜査機関による捜査の後、家庭裁判所での調査を経て審判が開かれます。
その審判では、少年の更生にとってどういった処分が適切であるかを決めることになります。

少年法では、審判に付する少年=少年事件で当事者となる少年ががどのような少年なのか、その年齢や環境によって決めています。

①犯罪少年
犯罪をしてしまった14歳以上の少年のことを指します。
少年法第3条第1項第1号に定められた「罪を犯した少年」のことです。
今回のAさんは高校1年生であり、痴漢事件を起こした容疑をかけられていますから、Aさんの区分としてはこの「犯罪少年」となるでしょう。

②触法少年
犯罪となる行為をしてしまった14歳未満の少年のことを指します。
少年法第3条第1項第2号に定められた、「14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年」のことです。
刑法では刑事責任を問える年齢を14歳以上としているため(刑法第41条)、14歳未満の少年を分けているのです。

③虞犯(ぐ犯)少年
特定の事由に当てはまり、さらに少年の性格や環境に照らした時、将来罪を犯したり刑罰法令に触れる行為をするおそれ(虞)のあると判断された少年のことを指します。
特定の事由とは、少年法第3条第1項第3号イ・ロ・ハ・ニにある、「保護者の正当な監督に服しない性癖のあること」、「正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと」、「犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること」、「自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること」とされています。
つまり、この虞犯少年は、まだ犯罪行為をしていないにもかかわらず少年事件の当事者となることになります。

このうち、少年事件の検挙人員として多数を占めるのは、今回のAさんの事例も当てはまる①の犯罪少年です。
では、①に当てはまる少年事件を起こしてしまった場合、どのような流れをたどることになるのでしょうか。

・少年事件の流れ

14歳以上の少年が少年事件を起こして警察に検挙された場合、警察から検察庁へと少年事件が送致され、その後、原則すべての少年事件は家庭裁判所へ送致されます(全件送致主義)。
家庭裁判所では、調査官と呼ばれる専門家が少年・保護者・参考人等と面談を行い、その少年事件の非行事実や審判条件について調査をし、どのような処分が有効・適切かを調査します。
その後、審判が開かれ、少年の処分が決まります。
もっとも、調査の結果、少年の更生にとってすでに十分な環境が整えられていると判断されれば、審判を開始せずに調査のみで手続きを終えることもあります(審判不開始)。

少年の処分としては、保護処分(少年院送致、保護観察処分など)、検察官送致(いわゆる「逆送」)、不処分などが挙げられます。
これらは少年の要保護性(保護する必要性がどれほどあるのか)によって決められます。

少年事件で特に重視されるのは、少年の更生です。
家庭裁判所で行われる調査は、捜査機関が行う事件の捜査とは異なり、事件その物の調査というよりも少年の更生のための調査です。
事件を起こしてしまった原因や、再犯防止のために必要なことなど、様々なことが専門的に調査されることになります。
そのために、成人の刑事事件にはない手続きである、少年が鑑別所に入って調査を受ける措置(観護措置)があったりします。
成人の刑事事件と根本から異なるため、少年事件については少年事件に詳しい弁護士に話を聞いて理解していくことが大切と言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、成人の刑事事件だけではなく、少年事件についても取り扱っております。
滋賀県の少年事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

年末年始の現行犯逮捕にも対応

2021-01-02

年末年始の現行犯逮捕にも対応

年末年始現行犯逮捕に対応する弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県彦根市に住んでいるAさんは、滋賀県彦根市内を走るバス内で痴漢行為をし、その場で現行犯逮捕されてしまいました。
現行犯逮捕された後、滋賀県彦根警察署の警察官に引き渡されたAさんは、そのまま滋賀県彦根警察署に留置されることとなりました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、Aさんの逮捕弁護士に相談したいと思いましたが、Aさんが逮捕されたのが年末年始だったため、相談できる弁護士事務所が見つからずに困っています。
そこでAさんの両親は、年末年始でも接見に対応している刑事事件に強い弁護士をインターネットで探すと、Aさんのもとへ接見に行ってもらうよう依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・痴漢事件

今回の事例のAさんが起こしたバス内での痴漢事件は、多くの場合痴漢事件の起こった都道府県で定められている迷惑防止条例違反という犯罪になります。
滋賀県にも、「滋賀県迷惑行為等防止条例」という条例が定められています。

滋賀県迷惑防止条例第3条第1項
何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。

滋賀県迷惑防止条例第11条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
第1号 第3条の規定に違反した者

痴漢行為をする際に暴行や脅迫を用いていた場合には、刑法の強制わいせつ罪が適用される可能性も出てきますが、バス内の痴漢事件ではその多くがこのような迷惑防止条例違反になると考えられます。

・年末年始でも逮捕はされる

上記事例のAさんは、現行犯逮捕されて滋賀県彦根警察署に留置されてしまっています。
そして、Aさんが逮捕されたのは年末年始の時期だったようです。
このように、逮捕は土日祝日、年末年始といった時期に関わらず突然やってきます。

今回のAさんの事例のような現行犯逮捕は犯行の現場で行われるため、もちろん逮捕を事前に予測することはできません。
さらに、通常逮捕であっても、逮捕には逃走や証拠隠滅を防ぐという目的もあるため、警察が逮捕予定日を事前に教えてくれるということは考えにくいですし、いざ逮捕するとなった時にも待ってもらうことはできません。
被疑者に逮捕する予定であると知られてしまえば、当然逮捕までに逃亡や証拠隠滅のリスクが考えられるからです。
ですから、一般的に逮捕は予告なく突然行われることが多く、土日祝日といった休日であろうと、年末年始のような時期であろうと、深夜早朝であろうと逮捕されてしまうのです。

しかし、今回のAさんのように年末年始に逮捕されてしまった場合、弁護士に相談したくても法律事務所の営業時間外で相談や問い合わせができない、ということも少なくありません。
そんな時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、年末年始でも弁護士による初回無料法律相談や初回接見サービスを受け付けています。
お問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881では、24時間365日いつでも専門スタッフが弊所のサービスをご案内していますので、突然の逮捕にも迅速に対応することができます。
滋賀県内の刑事事件や、年末年始の逮捕にお困りの際は、まずは弊所弁護士までご相談下さい。

公然わいせつ事件の逮捕に対応

2020-12-26

公然わいせつ事件の逮捕に対応

公然わいせつ事件逮捕への対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県彦根市に住む会社員のAさんは、仕事などでストレスがたまり、滋賀県彦根市内の路上で通行人Wさんに向けて自身の下半身を露出する、いわゆる露出狂のような行為をしてしまいました。
Wさんの通報により滋賀県彦根警察署の警察官が駆け付け、Aさんは公然わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、ひとまず事情を知りたいと滋賀県彦根警察署に行きましたが、Aさんに会うことはかないませんでした。
そこでAさんの両親は、滋賀県逮捕に対応している弁護士に接見を依頼すると、公然わいせつ事件への対応についても相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・公然わいせつ罪

公然わいせつ罪は、刑法第174条に定められている犯罪です。
今回のAさんのようないわゆる露出狂のような行為は、多くの場合公然わいせつ罪となります。

刑法第174条(公然わいせつ罪)
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪の言う「公然と」とは、不特定又は多数の人が認識しうる状態をいい、実際に認識される必要はありません。
つまり、例えば普段は人通りの多い道路でわいせつな行為をしたがたまたまその時に通行人がいなかったために誰もわいせつ行為を目撃しなかった、という場合でも公然わいせつ罪は成立することになります。
普段は人通りの多い道路であれば、そこは不特定又は多数の人が認識しうる状態であるといえるためです。
もっとも、目撃者が全くいないのであれば、刑事事件化するきっかけがないと考えられます。
ただし、防犯カメラの映像等から捜査が始まる可能性もあるため、たとえ人がいなくとも公然わいせつ罪にあたりうる行為は避けるべきでしょう。

そして、公然わいせつ罪の「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものを言うとされています。
いわゆる露出狂のように、相手に自分の下半身を見せつけるような行為は、一般的に相手の羞恥心を害する
ものであると考えられます。
ですから、今回のAさんの行為も公然わいせつ罪の「わいせつな行為」であるといえるでしょう。

こうしたことから、今回のAさんには公然わいせつ罪が成立すると考えられるのです。

・公然わいせつ事件の弁護活動

実は、法律上公然わいせつ罪には被害者が存在しないとされています。
公然わいせつ罪は社会の秩序を守るための犯罪とされているため、あえて被害者をあげるのであれば乱された社会の秩序ということになるのです。
ですから、本来公然わいせつ事件では示談をして被害者と当事者同士で解決するということはできないと考えられるのです。

しかし、公然わいせつ事件では、今回の事例のWさんのように、公然わいせつ行為を目撃したことで実質的に被害を受けた人も存在します。
そのため、Wさんのような立ち位置の人へ被害弁償をし謝罪するという活動が考えられます。

また、Aさんのようにストレスで公然わいせつ行為をしてしまった場合、今後再犯を繰り返さないためにストレスの発散法等を見直すことで再犯防止策を立てることも重要です。
カウンセリングなどで専門家の力を借りることも有効な手段の1つでしょう。
弁護士と相談しながら考えていくことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公然わいせつ事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に、お問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

覚醒剤所持事件を早めに弁護士相談

2020-12-19

覚醒剤所持事件を早めに弁護士相談

覚醒剤所持事件を早めに弁護士へ相談するメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県東近江市に住んでいる会社員の男性です。
覚醒剤に前々から興味があったAさんは、滋賀県東近江市覚醒剤を売ってくれる売人をSNSで見つけると、その売人を通じて覚醒剤を購入していました。
しかし、ある日Aさんは、その売人が逮捕されたという話を耳にしました。
Aさんは、売人から覚醒剤を買っていた自分が次に逮捕されるのではないかと不安に思い、滋賀県刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
そして、万が一の時はすぐに対応してもらえるように弁護士に依頼し、妻にもその旨を伝えました。
その次の週、Aさんは滋賀県東近江警察署に、覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されましたが、すぐに弁護士に接見に来てもらうことができました。
(※この事例はフィクションです。)

・覚醒剤所持

今回の事例のAさんは覚醒剤の所持だけではなく使用もしているようですが、覚醒剤はたとえ使用していなくとも、持っているだけで犯罪となる違法薬物です。
覚醒剤取締法では、以下のようにして覚醒剤の所持行為を禁止しています。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

所持しているだけでも覚醒剤取締法違反となってしまいますから、「使わなければ大丈夫」という考えは通用しません。
法定刑も懲役刑のみの規定=起訴されれば必ず公開の法廷に立つことになり、有罪になった場合には執行猶予が付かなければ刑務所に行くことになるという重い犯罪ですので、安易に覚醒剤に手を出さないようにしましょう。

・弁護士へのご相談はお早めに

上記事例のAさんは、逮捕前に弁護士に相談・依頼をしたことで、逮捕されてすぐに弁護士に接見に来てもらうことができました。
このように、弁護士への相談は早いに越したことはありません。

そもそも、逮捕が前もって知らされることはごく稀なことです。
現行犯逮捕や緊急逮捕といった犯行の現場やそのすぐ後でなされる逮捕はもちろんのこと、逮捕状を持ってこられる通常逮捕でも、基本的には何の連絡もなしにやってきます。
そうなれば、逮捕された本人がなぜ逮捕されたのか、これからどういう対処をすべきかを周りに伝える間もなく警察署へ連れていかれてしまいますし、残された家族もどこに相談していいのかも分かりませんから、どうしても対応が後手に回ってしまいます。
しかし、前もって弁護士に相談しておいたり、家族に逮捕時に連絡する弁護士を伝えておけば、早急に対応することができます。

逮捕後の弁護士の接見を取調べ前に行うことができれば、取調べに対する助言ももらえます。
弁護士のアドバイスがあることによって、誤って自分の不利な供述をしてしまったり、誘導に乗って不本意な自白をしてしまったりということも防止できます。

さらに、弁護士への弁護活動の依頼が済んでいれば、身柄解放活動への取り掛かりも迅速に行うことができます。
逮捕や勾留といった身体拘束にはその切り替わり等に時間制限があるため、釈放を求める活動をする機会もタイミングよく行わなければ釈放を求める機会を失ってしまう可能性もあります。
早めに弁護士に相談しておくことで、釈放を求める機会をフルに生かして活動を行っていくことが期待できます。
これは今回のAさんの覚醒剤取締法違反事件だけに限った話ではありません。
刑事事件全般に言えることなのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談や初回接見サービスの受付を24時間体制で行っています。
逮捕はいつなされるか分かりません。
覚醒剤所持事件などで逮捕されるかもしれないと不安な方は、まずは弊所の弁護士までご相談ください。

傷害罪・傷害致死罪と殺人罪②

2020-12-12

傷害罪・傷害致死罪と殺人罪②

傷害罪傷害致死罪殺人罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県近江八幡市にある会社に勤める会社員です。
ある日、同僚のVさんと喧嘩になり、Vさんの顔面を殴ったり、倒れ込んだVさんの腹部を蹴りつけたりといった暴行を加えました。
目撃した人が救急車を呼び通報したことでVさんは病院に搬送されましたが、Vさんは搬送先の病院で息を引き取りました。
Aさんは、通報によって駆け付けた滋賀県近江八幡警察署の警察官に傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は、警察官から「今後傷害致死罪殺人罪の容疑に切り替わる可能性がある」という旨の話を聞いて不安になり、滋賀県刑事事件や逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・傷害致死罪と殺人罪

前回の記事では傷害罪傷害致死罪の関係を見ていきましたが、今回の記事では傷害致死罪殺人罪の関係を見ていきましょう。
まずは傷害致死罪の条文をもう一度見てみましょう。

刑法第205条(傷害致死罪)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

傷害致死罪は、人の身体を傷害したことで結果的に人を死なせてしまった場合に成立する犯罪であり、人を傷害した場合に人を死なせてしまったのであれば傷害致死罪が、人に傷害を与えたのみであれば傷害罪が成立することとなるのは前回の記事で確認した通りです。
すなわち、傷害致死罪が成立するのは、「人を暴行する」もしくは「人に怪我をさせる」といった認識・認容=故意のあった場合であるということになります。

対して、殺人罪の条文は以下のようになっています。

刑法第199条(殺人罪)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

殺人罪は「人を殺」すことで成立しますが、この際、殺人罪の故意、すなわち、人を死なせることの認識・認容がなければ殺人罪は成立しません。
簡単に言えば、わざと人を殺すつもりで人を死なせてしまったり、相手が死んでしまってもよいと認識しながら人を死なせてしまったりすることで殺人罪が成立するのです。
つまり、殺すつもりがなく相手を死なせてしまえば傷害致死罪、殺すつもりで相手を死なせてしまえば殺人罪となる=故意によって成立する犯罪が異なるということになるのです。

ここで注意しなければならないのは、故意というのは内心の問題であるものの、被疑者・被告人本人の供述だけでその有無を判断されるわけではないということです。
凶器の有無、暴行等を加えた場所、事件の起こった経緯や事件前後の事情など、様々な事情と供述を考慮して成立する犯罪が傷害致死罪なのか殺人罪なのかが判断されます。
例えば、腹や胸といった急所を包丁などの凶器を用いて何回も刺しているようなケースでは、殺意=殺人罪の故意があったと推定できるでしょう。

故意の違いで成立する犯罪が異なるため、実際は傷害致死罪が成立する事件であっても殺人罪の容疑をかけられて捜査されるということも考えられます。
殺人罪傷害致死罪では刑罰の重さも全く異なりますから、不要に重い刑罰が科されることを防ぐためにも、弁護士と細かく取調べへの対応や見通しの確認をしていくことが求められます。

また、傷害致死罪殺人罪裁判員裁判対象事件となるため、より刑事事件の専門知識が必要となります。裁判員裁判の場合、裁判が開かれるまでにも長く丁寧な準備が必要となるため、弁護士のフォローを受けながら手続きを進めていくことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、裁判員裁判の対象となる傷害致死事件殺人事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
お困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

傷害罪・傷害致死罪と殺人罪①

2020-12-05

傷害罪・傷害致死罪と殺人罪①

傷害罪・傷害致死罪殺人罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県近江八幡市にある会社に勤める会社員です。
ある日、同僚のVさんと喧嘩になり、Vさんの顔面を殴ったり、倒れ込んだVさんの腹部を蹴りつけたりといった暴行を加えました。
目撃した人が救急車を呼び通報したことでVさんは病院に搬送されましたが、Vさんは搬送先の病院で息を引き取りました。
Aさんは、通報によって駆け付けた滋賀県近江八幡警察署の警察官に傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は、警察官から「今後傷害致死罪殺人罪の容疑に切り替わる可能性がある」という旨の話を聞いて不安になり、滋賀県刑事事件や逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・傷害罪と傷害致死罪

傷害罪は、ご存知の方も多いとおり、大まかにいえば人に怪我をさせた時に成立する犯罪です。

刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は、以下の条文で規定されている暴行罪の「結果的加重犯」とされています。

刑法第208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

条文を見てお分かりいただけるとおり、暴行罪は人に暴行を加えて相手に傷害を発生させなかった場合に成立する犯罪であり、相手に傷害が発生した場合には傷害罪が成立することになります。
つまり、暴行を加えた結果がどうなるかによって、成立する犯罪が暴行罪か傷害罪かわかれるということになるのです。
そのため、暴行時にたとえ「相手に怪我をさせてやろう」という認識・認容=傷害罪の故意がなくとも、暴行するという認識・認容=暴行罪の故意があれば、傷害罪も成立するとされています。
このように、犯罪行為時に認識・認容していた以上に悪い結果(今回の場合は「傷害」という結果)が起こってしまった時に、その悪い結果についても犯罪に問われるのが「結果的加重犯」です。
ですから、先ほど触れたように、傷害罪は暴行罪の結果的加重犯(暴行時に傷害の結果を予想していなくても傷害罪に問われる)ということになるのです。

では、傷害罪傷害致死罪の関係はどうでしょうか。
傷害致死罪は、以下の条文で刑法に定められています。

刑法第205条(傷害致死罪)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

傷害致死罪は、人の身体を傷害したことで人を死なせてしまった場合に成立する犯罪です。
つまり、人を傷害した場合に人を死なせてしまったのであれば傷害致死罪が、人に傷害を与えたのみであれば傷害罪が成立することとなります。
このことから、暴行罪と傷害罪の関係と同様、傷害致死罪傷害罪の結果的加重犯といえます。
すなわち、当初は暴行罪の故意=暴行をするという認識・認容しかなかったとしても、その暴行によって相手が怪我をしてしまい、さらにその怪我によって亡くなってしまえば傷害致死罪が成立するということになるのです。

こうした関係から、傷害致死事件では今回のAさんのように、最初に暴行罪や傷害罪で逮捕され、後々容疑をかけられる罪名が傷害致死罪に切り替わるということもあります。
被害者が亡くなった原因が、暴行行為によって負った傷害であると判断されるまでにタイムラグがあることがあるからです。
ですから、たとえ最初は傷害罪で逮捕されたとしても、傷害致死罪などの罪名に切り替わることも考慮して弁護活動を行っていくことが必要です。
そのためには、刑事事件に精通した弁護士のサポートを受けることが有効でしょう。

刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、傷害事件傷害致死事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
滋賀県刑事事件にお困りの際は、遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。

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