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カラーコピーは文書偽造罪?①
カラーコピーは文書偽造罪?①
カラーコピーと文書偽造罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県近江八幡市に住んでいるAさんは、医師の診断を受けて睡眠薬を処方されました。
しかしAさんは、「自分の症状にはこれだけの睡眠薬では不足している。もっと睡眠薬をもらわなければならない」と考え、医師からもらった処方箋を自宅で何枚かカラーコピーし、それぞれ別の薬局に提出して睡眠薬を受け取り、代金を支払いました。
その後、全く同じ内容の処方箋がカラーコピーされて提出されていることに近隣の薬局が気づき、滋賀県近江八幡警察署に相談されました。
そして滋賀県近江八幡警察署の捜査の結果、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年10月23日京都新聞配信記事(24日に更新)を基にしたフィクションです。)
・私文書偽造罪
前回の記事では、同じ事例のAさんについて、詐欺罪が成立することについて触れました。
ここで、Aさんは医師からもらった処方箋をカラーコピーし、それを薬局に提出しています。
Aさんは、いわば偽物の処方箋を利用して詐欺行為をしていたわけですが、このカラーコピーをした偽物の処方箋については、文書偽造罪や偽造文書行使罪に問われることはないのでしょうか。
今回からは、この点について検討していきます。
まず、そもそも文書偽造罪とはどういった犯罪なのでしょうか。
条文を確認してみましょう。
刑法159条(私文書偽造等)
1項 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
2項 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3項 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
刑法159条の1項は有印私文書偽造罪、2項は有印私文書変造罪、3項は無印私文書偽造罪・無印私文書変造罪と呼ばれる犯罪です。
偽造・変造した文書が公文書(公務員や公の機関が作成する文書)である場合には、私文書偽造罪とは別に刑法155条に規定されている公文書偽造罪・公文書変造罪という犯罪になり、公文書以外の文書を偽造・変造した場合に前述した私文書偽造罪・私文書変造罪となるのです。
今回のケースの「処方箋」も、医師等の印章(いわゆるハンコ)が使用されており、その患者に処方箋にある薬が必要であるという医師の診断という事実を証明する文書ですから、「私文書」となるでしょう(ただし、公立病院であった場合には公務員が作成する書類となりますので、「私文書」ではなく「公文書」となります。)。
そのため、もしもAさんが「処方箋」を「偽造」したとされれば、私文書偽造罪に問われることになりそうです。
・私文書偽造罪の「偽造」と「変造」
多くの方のイメージでは、何かの文書の偽物を作れば私文書偽造罪の「偽造」にあたり、私文書偽造罪にあたるのではないかと想像されるのではないでしょうか。
しかし、私文書偽造罪の「偽造」は単に偽物、という定義ではないのです。
さらに、先ほど挙げた刑法159条の中には、私文書偽造罪だけでなく私文書変造罪という犯罪も出てきました。
これらの定義、違いは一体どういったものなのでしょうか。
まず、「偽造」には、「有形偽造」と「無形偽造」と呼ばれる2つの種類の偽造があります。
「有形偽造」とは、その文書を作成する権限を持たない者が、他人の名義を同意を得ずに使用して文書を作成することとされています。
つまり、その文書の名義人と作成した人が異なっている=文書の名義人と作成者の人格の同一性に齟齬がある文書を作成することが「有形偽造」と呼ばれる「偽造」です。
対して、「無形偽造」とは、その文書を作成する権限を持つ者が、虚偽の内容の文書を作成することとされています。
つまり、「無形偽造」の場合、「有形偽造」とは違って名義人と作成者は一致しますが、その文書の内容が偽られているということになります。
このうち、私文書偽造罪のいう「偽造」は、原則的には「有形偽造」を指すとされています。
「無形偽造」については、刑法156条の虚偽公文書作成罪や、刑法160条の虚偽診断書作成罪などで処罰が規定されており、私文書偽造罪や公文書偽造罪では裁かれません。
こうした「偽造」に対して、「変造」とは、すでに作成されている真正な文書の本質的でない部分に、その文書に手を加える権限のない者が不正に手を加えることで新たに別の価値を作り出すことを指します。
文書の本質的な部分を変えてしまった場合には、「変造」ではなく「偽造」とされることもあります。
このように、単に偽物の文書を作るだけでは、私文書偽造罪の「偽造」とはならないことや、態様によっては私文書偽造罪になるのか私文書変造罪となるのかが異なってくることに注意が必要です。
ですが、これらは専門知識や経験に基づいて見通しを立てることができるものであり、逮捕されてしまった本人やその周囲のご家族などの方々が全て自分たちだけで判断することは難しいでしょう。
だからこそ、文書偽造事件にお悩みの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
次回の記事では、Aさんに文書偽造罪は成立しないのかどうか具体的に照らし合わせて検討していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
代金を支払っても詐欺罪?
代金を支払っても詐欺罪?
代金を支払っても詐欺罪となるのかどうか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県近江八幡市に住んでいるAさんは、医師の診断を受けて睡眠薬を処方されました。
しかしAさんは、「自分の症状にはこれだけの睡眠薬では不足している。もっと睡眠薬をもらわなければならない」と考え、医師からもらった処方箋を自宅で何枚かカラーコピーし、それぞれ別の薬局に提出して睡眠薬を受け取り、代金を支払いました。
その後、全く同じ内容の処方箋がカラーコピーされて提出されていることに近隣の薬局が気づき、滋賀県近江八幡警察署に相談されました。
そして滋賀県近江八幡警察署の捜査の結果、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年10月23日京都新聞配信記事(24日に更新)を基にしたフィクションです。)
・代金を支払っていても詐欺罪?
今回の事例のAさんは、詐欺罪の容疑で逮捕されています。
Aさんは、カラーコピーされた処方箋を別々の薬局に出すことで、本来購入できる以上の睡眠薬を手に入れていたようです。
しかし、Aさんは睡眠薬の代金はきちんと支払っているようです。
それでもAさんに詐欺罪は成立するのでしょうか。
詐欺罪の条文を確認しながら検討してみましょう。
詐欺罪は、刑法246条に規定されています。
刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪が成立するには、
①人をだます行為をする(=「人を欺いて」)
②人をだます行為によって相手がだまされる(=「人を欺いて」)
③だまされたことに基づいて相手が財物を引き渡す行為をする(=「財物を交付させた」)
という流れをたどり、さらにこの①~③の一連の流れに因果関係が存在することが必要とされています。
「①人をだます行為をする」については、一般に「欺罔行為」と呼ばれています。
この欺罔行為については、単純に人に対して嘘をつくだけでは足らず、その財物を引き渡すという判断をする際に基礎となる重要な事項について偽ることをいうとされています。
つまり、その事実が嘘であるなら財物を引き渡さなかったというような事実について嘘をつくことで、詐欺罪成立のための1つの条件が満たされることになるのです。
次に、「②人をだます行為によって相手がだまされる」ですが、これは一般に「錯誤に陥らせる」というような言い方をします。
先ほど触れた①の行為によって相手がだまされ、勘違いに陥らなければ詐欺罪は成立しません。
そして「③だまされたことに基づいて相手が財物を引き渡す行為をする」ということですが、②で触れたように、相手が①の行為によってだまされたことによって、財物が引き渡されなければなりません。
例えば、①の欺罔行為があったものの、相手がその嘘に気が付きながらも相手をかわいそうに思ってその嘘に乗ってあげた、というような場合には、相手はだまされて財物を引き渡したわけではありませんから、詐欺罪は成立しないということになります(この場合詐欺未遂罪は成立する可能性があります。)。
では、今回のAさんについて検討してみましょう。
Aさんは、カラーコピーした処方箋を薬局に提出し、睡眠薬を受け取っています。
まず、処方箋は意思が作成した原本を薬局に提出し、それに基づいて薬を受け取るものですから、本来複製されたものや勝手に作成された物では薬を処方することはできません。
ですが、Aさんはカラーコピーをした処方箋を本物の処方箋のように装って薬局へ提出しています。
処方箋がカラーコピーされたものであると知っていれば、薬局としては睡眠薬をAさんに渡すことはしなかったでしょう。
つまり、Aさんは、薬局が睡眠薬という財物を引き渡す際に基礎となる、処方箋が本物の処方箋なのかどうかという重要な事項について嘘をついていたということになります。
ですから、Aさんは詐欺罪の成立要件のうち、①について満たしていると考えられます。
そして、このAさんのカラーコピーの処方箋の提出によって、薬局は、提出された処方箋が本物であるという勘違いに陥っています。
これが詐欺罪の成立要件のうちの②に該当します。
最後に、薬局は、提出された処方箋が本物であるという勘違いに基づいて、睡眠薬をAさんに引き渡しています。
これによって③の要件も満たされ、さらに①~③の間に因果関係もあると考えられることから、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられるのです。
ここで、Aさんは代金を支払っていますが、ここまで見てきた通り、詐欺罪は、交付の際に基礎となる重要な事項を偽って相手をだまし、それによって財物を交付させる犯罪です。
そのため、交付される財物の対価として代金を支払っていたとしても、交付の際に基礎となる重要な事項を偽って相手をだまし、それによって財物を交付させているのであれば、詐欺罪は成立することになるのです。
つまり、代金を支払っていたのだから詐欺罪は成立しない、ということにはならないのです。
このように、一見詐欺罪は成立しないように見える事例でも、法律と突き合わせてみると詐欺罪が成立する事例もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、このような複雑な詐欺事件についても、刑事事件専門の弁護士がご相談にのります。
0120-631-881では、いつでも弊所弁護士によるサービスのお申し込みを受け付けておりますので、遠慮なくお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
危険ドラッグ所持事件で逮捕
危険ドラッグ所持事件で逮捕
危険ドラッグ所持事件とその逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県甲賀市に住んでいる高校3年生のAさんは、受験勉強に疲れ、ストレス発散できるものがないかと悩んでいました。
すると、友人のBさんが「いいバスソルトが買えるサイトがあるよ」といって、疲労回復やリフレッシュの効果があるというバスソルトを取り扱っている雑貨店の販売サイトを教えてくれました。
Aさんはそのサイトを見てみると、たしかにバスソルトが販売されており、ストレス解消に効果がある旨が書いてありました。
Aさんは、「これはもしかしたら話題になっている危険ドラッグなどの違法薬物なのではないか」と思いましたが、「違法薬物であったとしてもそうであったら使わないでいればいいだろう」と思い、バスソルトを購入し、手元に持っていました。
すると、後日、そのバスソルトを使用する前に滋賀県守山警察署の警察官がやってきて、Aさんを薬機法違反の容疑で逮捕してしまいました。
Aさんの所持しているバスソルトはやはり危険ドラッグの一種だったのです。
(※この事例はフィクションです。)
・危険ドラッグ
昨今、危険ドラッグという呼称も一般に浸透してきたところだと思われますが、危険ドラッグは元々「脱法ドラッグ」や「合法ドラッグ」、「脱法ハーブ」などと呼ばれていたものです。
これらの薬物は、大麻や麻薬、覚せい剤などの違法薬物と同様もしくは類似の成分が含まれている危ない薬物であり、現在では薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の「指定薬物」として規制されている違法薬物です。
危険ドラッグの成分は、先ほど触れたように他の違法薬物と同じ又は類似したものが含まれていることが多いですが、危険ドラッグの中にはより危険で人体に危害を加える成分が含まれているものもあります。
危険ドラッグを使用した場合、他の違法薬物同様に高揚感や清涼感などを感じることもあるようですが、危険ドラッグの使用により、幻覚や幻聴、意識障害や嘔吐を引き起こしたり、最悪の場合には死に至ることもあります。
このように危険な危険ドラッグですが、法律の穴を抜けるために、一見して危険ドラッグであると分かるように売られているわけではありません。
今回のAさんが購入してしまったバスソルト状のものから、お香やキャンドルを装ったもの、アロマやハーブを装ったものなど、形状は様々です。
また、パッケージもカラフルなものやポップなものが多く、危険ドラッグのようなリスクの大きいものであるというイメージを持たせず、手が出しやすい見た目となっていることが多いです。
・危険ドラッグ所持と薬機法違反
先ほど触れたように、危険ドラッグは指定薬物として薬機法で規制されています。
Aさんは「使わなければいい」と考えていたようですが、実は危険ドラッグは所持しているだけでも薬機法違反となる犯罪行為です。
薬機法76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。
今回のAさんは20歳未満ですので、原則として刑罰を受けることはありませんが、営利目的以外で危険ドラッグの所持をしてしまった場合には「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることになります(薬機法84条26号)。
・危険ドラッグと少年事件
少年事件では、少年の更生に重きを置いて手続きが進んでいきます。
しかし、少年事件であっても、捜査段階では逮捕や勾留が行われ、警察官や検察官による取調べを受けることになります。
特に危険ドラッグなどの薬物事件では、証拠隠滅のしやすさや関係者の多さから逮捕・勾留が行われることも多いです。
Aさんのように受験の迫る少年などには、長期にわたって身体拘束を受けることになるのかどうかは非常に大きな問題でしょう。
まずは弁護士に相談し、できる活動やその方針を詳しく聞いてみることがおすすめです。
そして、事件が家庭裁判所に行われ、少年事件ならではの手続きに入った際にも、弁護士のサポートが重要となります。
Aさんのような危険ドラッグ所持事件では、今後どのようにして危険ドラッグに手を出さない環境を作っていくのかを少年本人やそのご家族と検討し、さらにその過程や結果を証拠化し、家庭裁判所により適切な処分を求めるための材料としていくことが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく、20歳未満の方の起こしてしまった少年事件も専門に扱っている法律事務所です。
少年による危険ドラッグ所持事件や、逮捕の伴う少年事件について遠慮なくご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕②建造物侵入罪
コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕②建造物侵入罪
コインランドリーの下着泥棒事件とその逮捕、建造物侵入罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県守山市に住んでいるAさんは、近所のコインランドリーの利用客に女性客が多いことと、利用客は洗濯機を回している間、近くのコンビニやスーパーに買い物に出ていることに気が付きました。
そこでAさんは、コインランドリーの利用客が洗濯機を回している間にコインランドリーへ行き、女性客の下着を盗むことを思いつきました。
Aさんは、コインランドリーで女性客Vさんが洗濯機を回し、スーパーへ出かけていったのを確認するとコインランドリーへ入り、Vさんの利用していた洗濯機からVさんの下着を盗み、立ち去りました。
その後、Vさんが下着を盗まれたことに気づき、滋賀県守山警察署に相談。
捜査の結果、Aさんの犯行が明らかになり、Aさんは窃盗罪と建造物侵入罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)
・コインランドリーの下着泥棒事件と建造物侵入罪
前回の記事では、Aさんの逮捕容疑の1つである窃盗罪について触れました。
今回の記事では、Aさんのもう1つの逮捕容疑である建造物侵入罪について詳しく見ていきましょう。
刑法130条(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
マンションのベランダや部屋内に侵入して下着泥棒をしたような下着泥棒事件で建造物侵入罪が成立するのはうなずけるかと思います。
しかし、コインランドリーのような利用する人もしない人も中に入れる施設で、さらに営業時間内に入ったというような場合でも建造物侵入罪が成立することはあるのでしょうか。
建造物侵入罪の「侵入」とは、一般に、その住居に住んでいる人や建造物の管理者の意思に反する立ち入りを指します。
そのため、よくイメージされるような閉店後の店に忍び込むような態様でなかったとしても、建造物侵入罪の「侵入」行為にあたることが考えられます。
今回のコインランドリーの下着泥棒事件では、Aさんはそもそも下着泥棒をするためにコインランドリーに立ち入っています。
コインランドリーを利用しようとする人はともかく、コインランドリーの管理者としては通常、下着泥棒をする目的の人がコインランドリーへ入ることを許さないでしょう。
ですから、今回のAさんはコインランドリーの管理者の意思に反してコインランドリーに立ち入った=「侵入」をしたということになり、建造物侵入罪に問われているのでしょう。
なお、コインランドリーに入った時には下着泥棒の意思はなかったが、コインランドリーに入った後に下着泥棒をしようという意思を生じた場合には、建造物侵入罪は成立しません。
先ほど触れたように、単にコインランドリーを利用しようという人の立ち入りをコインランドリーの管理者が拒むことはないと考えられるからです。
ですから、どの時点で下着泥棒の意思を生じたかは非常に重要なことです。
被疑者自身の供述や犯行の際の詳しい事情を含めて判断されますから、自分の認識に反する供述をして不要な不利益を被らないためにも、弁護士と相談し、きちんと自分の認識通りに主張できるよう準備を整えておくことが大切でしょう。
・コインランドリーの下着泥棒事件と示談
窃盗事件では被害者が存在するため、示談交渉をすることで事件解決を図ることが考えられます。
しかし、今回のような下着泥棒事件の場合、窃盗事件とはいえ性犯罪的な側面もあるため、被害者の被害感情が苛烈であったり、加害者に対する恐怖が大きかったりすることが予想されます。
だからこそ、謝罪をしようと思っても当事者が直接連絡を取ることは難しいでしょう。
ここで、示談交渉の際に弁護士を間に入れることで、被害者の方は加害者と直接連絡を取ることなく謝罪や賠償の話を聞くことができ、要望を伝えることができるようになります。
こうした事情から、弁護士限りでのお話であれば応じてくださる被害者の方も少なくありません。
そのため、示談交渉をしたいのであれば、一度弁護士に相談・依頼をすることがおすすめされます。
また、Aさんのように建造物侵入罪も成立する可能性のある場合には、窃盗罪の被害者(今回であればVさん)への謝罪だけでなく、建造物侵入罪の被害者(今回であればコインランドリーの管理者)への謝罪や弁償も必要となってくるでしょう。
複数の犯罪とその被害者への対応は負担が大きいと考えられますから、弁護士のサポートを受けることでその負担を軽減することが望ましいでしょう。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕された方向けの初回接見サービスから、在宅捜査を受けている方向けの初回無料法律相談まで、幅広いサービスを用意しています。
滋賀県の刑事事件にお悩みの際は、お気軽に弊所弁護士によるサービスをご利用ください(お申し込み:0120-631-881)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕①窃盗罪
コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕①窃盗罪
コインランドリーの下着泥棒事件とその逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県守山市に住んでいるAさんは、近所のコインランドリーの利用客に女性客が多いことと、利用客は洗濯機を回している間、近くのコンビニやスーパーに買い物に出ていることに気が付きました。
そこでAさんは、コインランドリーの利用客が洗濯機を回している間にコインランドリーへ行き、女性客の下着を盗むことを思いつきました。
Aさんは、コインランドリーで女性客Vさんが洗濯機を回し、スーパーへ出かけていったのを確認するとコインランドリーへ入り、Vさんの利用していた洗濯機からVさんの下着を盗み、立ち去りました。
その後、Vさんが下着を盗まれたことに気づき、滋賀県守山警察署に相談。
捜査の結果、Aさんの犯行が明らかになり、Aさんは窃盗罪と建造物侵入罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)
・コインランドリーの下着泥棒事件と窃盗罪
今回のAさんは、コインランドリーで下着泥棒をはたらいていて、窃盗罪と建造物侵入罪の容疑で逮捕されています。
刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
下着泥棒ですから窃盗罪が成立することが当然だろうと思われるかもしれませんが、ここで、コインランドリーの利用客であったVさんは、洗濯物を洗濯機に入れてその場を離れています。
このように、物をどこかに置いたまま持ち主がその場を離れた時にその物を取った場合にも窃盗罪となるのでしょうか。
刑法には、遺失物横領罪という犯罪が規定されています。
刑法254条(遺失物横領罪)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
この遺失物横領罪は、落とし物や忘れ物を盗んでしまったケースで成立することの多い犯罪です。
今回のように持ち主がその場を離れている場合は、こちらの犯罪になるのではないでしょうか。
窃盗罪と遺失物横領罪の違いは、盗まれた物が誰かの占有下であったかどうか、という点の違いによって生じます。
占有とは、その物を支配・管理していることを意味します。
例えば、道端に落ちている落し物は、持ち主の手を離れてしまい、誰の支配・管理のもとにもありませんから、誰の占有もない状態であるといえます。
窃盗罪が他人の占有下にある物をその占有者の意思に反して自分の占有下に移してしまう犯罪であるのに対し、遺失物横領罪は誰の占有下にもない物を自分の占有下に移してしまう犯罪です。
つまり、先ほど例に挙げた道端の落とし物を勝手に自分のものにする、いわゆるネコババをしてしまえば、遺失物横領罪となる可能性が出てくるということになります。
ここで、今回のコインランドリーの下着泥棒はどうでしょうか。
Vさんは洗濯機を回してその場を離れていますが、洗濯物の占有はどうなるのでしょうか。
先ほどの話から見ると、その場に持ち主がいないのであるから洗濯物は誰の占有も受けておらず、Aさんに成立するのは窃盗罪ではなく遺失物横領罪のようにも思えます。
しかし、Vさんは洗濯が終わるころにはコインランドリーに戻って洗濯物を回収するつもりであったでしょうからそれほど遠くへ行ってはいないでしょうし、そもそもコインランドリーではお金を払って洗濯機を利用するため、使用中の洗濯機があれば誰かが使用中でありその中身はその使用している人のものであるということは一目瞭然でしょう。
こうしたことから、今回の場合、たとえVさんがその場を離れていたとしても、洗濯物にVさんの支配・管理は及んだままであるといえるでしょう。
ですから、Aさんに成立が考えられるのはやはり窃盗罪であると考えられるのです。
なお、もしもVさんの洗濯物に対する占有がないとしても、今度はコインランドリー(の管理者)の占有が認められる可能性が高いです。
コインランドリー内の物はもちろん、コインランドリーが支配・管理している物です。
たとえコインランドリー内で落とし物があっても、それを支配・管理するのはコインランドリーとなります。
ですから、もしもVさんの洗濯物に対する占有が認められなかったとしても、やはり今回の被害品である洗濯物には誰かしらの占有が認められ、Aさんには窃盗罪が成立する可能性が高いといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こういった窃盗事件へのご相談・ご依頼も承っています。
滋賀県の窃盗事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では、Aさんのもう1つの逮捕容疑である建造物侵入罪について触れていきます。
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盗撮事件で任意出頭・自首④
盗撮事件で任意出頭・自首④
前回に引き続き、盗撮事件と任意出頭・自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例(前回からの流れ)~
Aさんは、滋賀県草津市にあるXという会社で勤務する会社員です。
Aさんは、女性の下着姿に興味を持ち、会社の女子トイレに忍び込むと、女子トイレの中に盗撮用の小型カメラを設置し、女子トイレの利用者の下着姿を盗撮していました。
しかしある日、女子トイレの利用者の1人がしかけられた小型カメラに気づき、滋賀県草津警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、会社内で盗撮事件が起こったことが知れ渡りました。
Aさんは、自分が盗撮をしていたことがばれて滋賀県草津警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安になり、まずは刑事事件に強い弁護士に、自ら出頭した方がよいのかどうか、自分の盗撮行為はどういった罪にあたるのかといったことを含めて今後の対応を相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・自首とはならないケース
前回の記事で触れたような捜査機関に既に犯人が発覚した後に出頭するようなケースのほかにも、出頭しても自首とはならないケースがあります。
例えば、被疑者として取調べられている最中に自白したような場合は、自首したことにはなりません。
ただし、捜査機関に発覚していない全く別の余罪についての自白をした場合には自首が成立する可能性が出てきます。
さらに、たとえ犯罪の事実の発覚前や犯人発覚前に自ら出頭したとしても、犯罪の事実を隠すような内容の申告であったり、その犯罪に関する自己の責任を否認するような内容の申告であったりした場合にも、自首は成立しません。
簡単にいえば、自分の罪を認めた内容の申告でなければ、自首にはならないということなのです。
例えば、18歳未満の者に対価を支払って性交したという児童買春事件で、相手の児童から「警察に補導された。今までのことがばれるかも」という連絡を受け、不安になって自ら警察署に行ったものの「自分は相手が18歳未満の者だとは知らなかった」と年齢の認識について争う場合、その犯罪に関する自己の責任を否認する内容の申告であるため、自首とはならず任意出頭の扱いとなるでしょう。
・自首・任意出頭のメリットとデメリット
自首が成立した場合のメリットとしてまず考えられるのは、先ほど挙げた条文にあるように「その刑を減軽することができる」ということです。
ここで注意が必要なのは、あくまで「減軽することができる」という決まりであるため、必ず刑が減刑されると決まっているわけではないということです。
しかし、これは任意出頭の場合でも同じですが、自ら罪を認めて出頭してきたという事情は、本人が反省しているということを裏付ける事情でもあるため、処分を決められる際に有利に働くことが予想されます。
なお、自首が成立せずに任意出頭となった場合であっても、条文にこそ規定はありませんが、本人の反省の度合いなどを示す材料にはなりますから、任意出頭の事実をもとに刑罰の減軽や寛大な処分を求めていくことは可能です。
また、自首・任意出頭は、自ら罪を認めて出頭するものですから、被疑者本人に逃亡や罪証隠滅の意思がないことを裏付ける事情の1つにもなります。
こうした事情があることで、逮捕・勾留を回避する可能性を上げることができます。
逮捕・勾留は逃亡や罪証隠滅が疑われれば行われてしまうため、自首・任意出頭の事実はその疑いを晴らすための材料の1つになるのです。
突然の逮捕を回避したいという場合には、自首や任意出頭を選択肢の1つとして検討することも必要となってくるでしょう。
こういったメリットに対して、自首・任意出頭のデメリットとしては、いうなれば「やぶへび」になるかもしれないということが挙げられます。
自首・任意出頭は、自身が犯罪をしたという事実をわざわざ捜査機関に明かす行為ですから、もしかすると特に事件化せずに終息するしたかもしれないことについても自分から刑事事件化することになります。
自首・任意出頭をするのかしないのかの判断は非常に難しいもので、もちろんどちらにもメリット・デメリットが存在します。
自首・任意出頭に悩まれているのであれば、事件の詳細な状況を弁護士に話したうえで、どういったリスクや利益があるのか相談してみることも1つの手でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした自首・任意出頭に関するご相談だけでなく、ご依頼後自首・任意出頭される場合に付き添う活動も行っております。
まずは刑事事件専門の弁護士まで、お気軽にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
盗撮事件で任意出頭・自首③
盗撮事件で任意出頭・自首③
盗撮事件と任意出頭・自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例(前回からの流れ)~
Aさんは、滋賀県草津市にあるXという会社で勤務する会社員です。
Aさんは、女性の下着姿に興味を持ち、会社の女子トイレに忍び込むと、女子トイレの中に盗撮用の小型カメラを設置し、女子トイレの利用者の下着姿を盗撮していました。
しかしある日、女子トイレの利用者の1人がしかけられた小型カメラに気づき、滋賀県草津警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、会社内で盗撮事件が起こったことが知れ渡りました。
Aさんは、自分が盗撮をしていたことがばれて滋賀県草津警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安になり、まずは刑事事件に強い弁護士に、自ら出頭した方がよいのかどうか、自分の盗撮行為はどういった罪にあたるのかといったことを含めて今後の対応を相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮事件で任意出頭・自首をしたい
前回までの記事では、今回のAさんに成立が考えられる可能性のある犯罪について詳しく触れてきましたが、今回の記事ではAさんの今後の対応について触れていきます。
Aさんは、自ら警察に出頭した方がよいのかどうか悩んでいるようですが、自ら出頭する場合のメリットやデメリットはどういったことが考えられるでしょうか。
ここでまず注意しなければならないことの1つとして挙げられるのは、自ら警察署に出頭するということは必ずしも法律に定められている「自首」とはイコールではないということです。
一般的なイメージとしては、自ら警察署に犯人であることや犯行をを申し出る=自首であるというイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、刑法で定められている自首の定義は、以下のようなものです。
刑法42条
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
条文にある通り、「自首」は「罪を犯した者」が「捜査機関に発覚する前」に行われなければ「自首」として成立しません。
この「捜査機関に発覚する前」とは、そもそもその犯罪の事実が捜査機関に全く発覚していない時であるか、その犯罪の事実は発覚しているもののその犯人が誰であるか全く分からない時を指します。
つまり、すでに被疑者として指名手配されている場合や、指名手配などはされていなくてもすでに捜査機関から被疑者とされている場合に出頭したとしても、それは自首にはならず、任意出頭したということにとどまるのです。
今回の事例の場合、会社のトイレに盗撮カメラが仕掛けられ盗撮事件が起こったということはすでに滋賀県草津警察署の知るところとなっています。
捜査も開始されているため、犯罪の事実(今回の事例でいえば盗撮という事実)が全く捜査機関に発覚していない時ではありません。
ですから、この状況でAさんが出頭したとして自首が成立するには、盗撮事件は発覚しているが犯人がAさんであるとは全く発覚していないという条件が必要になってきます。
捜査機関側に犯人が発覚しているのかどうかは確かめようがありませんから、この条件が確実に満たされるかどうかははっきり確認することができません。
カメラにAさん自身の姿が映っている可能性があるのかどうか、防犯カメラなどの映像はあるのかどうか、といった様々な事情を考慮して、自首が成立する可能性があるのかどうかを考えることになるでしょう。
そして、自首もしくは任意出頭をするのかどうかを判断することになるでしょう。
自首・任意出頭をする場合はもちろん、しない場合でも、弁護士に相談するなどして刑事事件化した際の対応を整えておくことは重要です。
警察からの呼び出しや逮捕などは唐突に行われることがほとんどですから、そうした事態に備える意味も込めて、早めに弁護士に相談してみることが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件にお悩みの方が気軽にご相談いただけるよう、初回無料法律相談を受け付けています。
まずは0120-631-881までお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
盗撮事件で任意出頭・自首②建造物侵入罪
盗撮事件で任意出頭・自首②建造物侵入罪
盗撮事件と任意出頭・自首、建造物侵入罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例(前回からの流れ)~
Aさんは、滋賀県草津市にあるXという会社で勤務する会社員です。
Aさんは、女性の下着姿に興味を持ち、会社の女子トイレに忍び込むと、女子トイレの中に盗撮用の小型カメラを設置し、女子トイレの利用者の下着姿を盗撮していました。
しかしある日、女子トイレの利用者の1人がしかけられた小型カメラに気づき、滋賀県草津警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、会社内で盗撮事件が起こったことが知れ渡りました。
Aさんは、自分が盗撮をしていたことがばれて滋賀県草津警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安になり、まずは刑事事件に強い弁護士に、自ら出頭した方がよいのかどうか、自分の盗撮行為はどういった罪にあたるのかといったことを含めて今後の対応を相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・トイレでの盗撮と建造物侵入罪
前回の記事で触れたように、滋賀県の場合、会社のトイレで盗撮行為をすれば滋賀県迷惑防止条例違反となる可能性が高いといえます。
しかし、実は今回の事例のAさんには、滋賀県迷惑防止条例違反以外にも、別の犯罪が成立する可能性があるのです。
その中の1つが、刑法にある建造物侵入罪です。
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
Aさんはその会社の会社員であるのに建造物侵入罪が成立するのか、と不思議に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、以下の理由から、Aさんには建造物侵入罪が成立する可能性があるのです。
そもそも、建造物侵入罪のいう「人の看守する…建造物」とは、簡単に言えば「人が管理・支配している建造物」という意味です。
会社の建物は、その会社の社長などの役職についている人たちが管理・支配する権限を持った建物です。
テナントのような形でビルに入っている会社であれば、その建物のオーナーが管理・支配しているといえるでしょう。
この管理・支配は当然、その建物全体に及んでいるものですから、今回の盗撮事件が起こった女子トイレも、建物の一部に含まれています。
ですから、たとえ女子トイレだけが独立した建物でなかったとしても「人の看守する…建造物」にあたると考えられるのです。
また、建造物侵入罪が成立するのは、「正当な理由がないのに」前述の建造物に「侵入」した場合です。
「正当な理由」とは、例えば警察官が適法な捜査のために立ち入る場合や職務のために立ち入る場合などが考えられます。
今回のような女子トイレへの立ち入りであれば、通報を受けて駆け付けた警察官が不審者の捜索のために立ち入る場合や清掃員が清掃のために立ち入る場合などが「正当な理由」のある立ち入りだと考えられるでしょう。
そして、「侵入」とは、一般に、その建物の管理者の意思に反する立ち入りを指すといわれています。
今回のような場合であれば、女子トイレに盗撮目的で立ち入るようなことは通常その建物を管理・支配している人は許可しないだろうと考えられることから、建造物侵入罪のいう「侵入」に該当すると考えられるのです。
逆に言えば、盗撮目的で立ち入った人自身が建物の管理者であったような場合や、立ち入った当初は「正当な理由」があったものの立ち入ってから盗撮を思いついて盗撮カメラを仕掛けたような場合には、建造物侵入罪は成立せず、前回触れたような都道府県ごとに定められている迷惑防止条例違反などのその他の犯罪の成立が検討されることになるでしょう。
・盗撮事件の建造物侵入罪と示談
こうした盗撮事件で建造物侵入罪が成立する場合、考えられる弁護活動の1つに示談交渉があります。
建造物侵入罪も被害者の存在する犯罪ですから、被害に遭った方に謝罪や弁償を行い、示談をすることで刑罰の減軽などが期待できます。
しかし、盗撮事件の建造物侵入罪の場合、被害者=盗撮された人とは限らないということに注が必要です。
先ほど触れたように、建造物侵入罪は管理者の意思に反して建造物に立ち入るという犯罪ですから、被害者は勝手に建造物に入られてしまったその建物の管理者となります。
これが例えば個人宅で起こった盗撮事件であれば、盗撮された人もその建物の管理者も同一人物、ということになりそうですが、今回のAさんの事例のように、会社の女子トイレが盗撮現場である場合には、実際に盗撮をされた被害者(今回の場合は滋賀県迷惑防止条例違反の被害者)と建造物侵入行為をされた被害者が全く別ということになりうるのです。
また、今回の事例のように会社のトイレで盗撮したような場合には、盗撮行為の被害者が複数人いる場合も少なくありませんから、謝罪や弁償を行って示談交渉をしようとすれば、一度に複数人の被害者の方に連絡を取り、示談交渉をすることも考えられます。
当事者だけでこうした活動を行うことは非常に負担も大きいですから、早めに弁護士に相談・依頼されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、起こしてしまった盗撮事件でどういった犯罪が成立しうるのか、どういった活動が可能なのか、といったご相談にももちろん対応しています。
まずはお気軽に、初回接見サービス・初回無料法律相談からご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
盗撮事件で任意出頭・自首①滋賀県迷惑防止条例違反
盗撮事件で任意出頭・自首①滋賀県迷惑防止条例違反
盗撮事件と任意出頭・自首、滋賀県迷惑防止条例違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、滋賀県草津市にあるXという会社で勤務する会社員です。
Aさんは、女性の下着姿に興味を持ち、会社の女子トイレに忍び込むと、女子トイレの中に盗撮用の小型カメラを設置し、女子トイレの利用者の下着姿を盗撮していました。
しかしある日、女子トイレの利用者の1人がしかけられた小型カメラに気づき、滋賀県草津警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、会社内で盗撮事件が起こったことが知れ渡りました。
Aさんは、自分が盗撮をしていたことがばれて滋賀県草津警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安になり、まずは刑事事件に強い弁護士に、自ら出頭した方がよいのかどうか、自分の盗撮行為はどういった罪にあたるのかといったことを含めて今後の対応を相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・トイレでの盗撮と滋賀県迷惑防止条例違反
盗撮事件の場合、成立しうる犯罪が盗撮の行われた事件地がどの都道府県なのか、どういった態様で盗撮行為をしたのか、盗撮の被害者の年齢は何歳なのか、といった様々な事情によって成立する犯罪が異なります。
「盗撮」という言葉は広く知られており、どういった内容の犯罪なのかはなんとなく皆さんご存知でしょうが、どのような場合に何罪になるかは意外にも複雑なのです。
今回のAさんは、滋賀県草津市にある自分の勤務する会社の女子トイレで盗撮を行っていたようです。
このような場合、どういった犯罪が成立するのか、まずはそこを考えていきましょう。
まず成立が考えられるのは、滋賀県の迷惑防止条例違反(正式には「滋賀県迷惑行為等防止条例違反」)です。
各都道府県では、都道府県民に対する迷惑行為を防止するため、それぞれ迷惑防止条例を定めています。
この迷惑防止条例違反は、盗撮事件だけでなく痴漢事件でも目にすることの多い犯罪ですから、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
各都道府県の迷惑防止条例では、盗撮行為に関する規定がありますが、具体的に規制している行為や刑罰の重さは都道府県によってまちまちであるため、とある県では迷惑防止条例違反の盗撮行為であると判断される行為も、別の件では迷惑防止条例違反とはならない場合があります。
だからこそ注意が必要なのですが、今回はAさんの例に沿って考えてみましょう。
まずは滋賀県迷惑防止条例の盗撮に関する条文を確認してみましょう。
滋賀県迷惑防止条例3条
1項 何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
2号 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
3号 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物または集会所、事務所、学校その他の特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所にいる人の下着等を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機、ビデオカメラその他撮影する機能を有する機器(以下「写真機等」という。)を人に向け、または設置してはならない。
3項 何人も、公衆または特定多数の者が利用することができる浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、当該状態にある人の姿態を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機等を人に向け、または設置してはならない。
どの都道府県でも、滋賀県迷惑防止条例3条1項にあるような「公共の場所」「公共の乗り物」での盗撮行為は規制されていることが多いです。
しかし、滋賀県迷惑防止条例3条2項や3条3項にあるような、「公共の場所」「公共の乗り物」以外の場所で「特定多数の者」が利用する場所での盗撮行為についての規定については、規定のある県とない県が存在します。
滋賀県の場合はご覧いただいて分かるように、「特定多数の者」が利用する場所での盗撮行為は滋賀県迷惑防止条例で禁止されています。
今回のAさんは、会社内の女子トイレで盗撮をしています。
会社内の女子トイレは、その会社に勤務している人が利用する場所ですから、不特定多数の者が利用する場所=「公共の場所」とは言えませんが、「その会社に勤務している」という特定の人たち=「特定多数の者」が利用する場所だといえそうです。
そうした場所のトイレ=「人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所」で、トイレを利用する人達の姿を盗撮していたのですから、「当該状態にある人の姿態を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機等を人に向け、または設置」したといえるでしょう。
つまり、今回のAさんのケースでは、Aさんの盗撮行為は滋賀県迷惑防止条例違反となることが考えられるのです。
これがもし、例えば盗撮現場が個人宅のトイレであったような場合には、個人宅のトイレは「特定多数の者」ではありませんから、迷惑防止条例違反にはならないということになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件のご相談も多くいただいています。
滋賀県の盗撮事件にお困りの際は、弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では、Aさんに成立が考えられる他の犯罪について検討します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
大津市の偽計業務妨害事件で逮捕
大津市の偽計業務妨害事件で逮捕
大津市の偽計業務妨害事件での逮捕について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは,滋賀県大津市にある恋人の家に行くたびに,滋賀県大津市にある無人のコインパーキングを利用していました。
Aさんは,駐車料金を支払うのが煩わしくなり,ロック板を踏み越えないように駐車し,恋人の家から帰る際,駐車料金を支払わずにそのまま発車して帰宅しました。
Aさんはこのような行為を繰り返していたところ,コインパーキングの所有者のVさんが防犯カメラの映像などからこの行為に気づき,滋賀県大津市を管轄する滋賀県大津警察署に被害届を提出しました。
捜査の結果,Aさんは,偽計業務妨害罪の容疑で滋賀県大津警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)
~偽計業務妨害罪~
無人のコインパーキングでは,駐車してからしばらくすると,駐車スペースの真ん中に設置されたロック板が上がり,自動精算機にお金を入れないと自動車が動かせない仕組みになっています。
ですから,こういった仕組みのコインパーキングでは,Aさんが行っていたようにロック板の手前に駐車すれば,駐車料金を支払わずに発車することができます。
このような行為には,犯罪が成立しないのでしょうか。
以下で検討してみましょう。
まず,窃盗罪は成立しません。
窃盗罪はあくまで財物を盗む犯罪であり,今回の場合は形ある物を盗んでいるわけではないからです(ただし,電気など例外として定められているものも存在することに注意が必要です。)。
次に,詐欺罪も成立しません。
詐欺罪は人を騙した場合に成立するところ,無人のコインパーキングでは人を騙したとはいえないからです。
ではどういった犯罪が成立する可能性があるかというと,Aさんの行為は,偽計業務妨害罪に当たる可能性があります。
偽計を用いて,人の業務を妨害した場合,威力業務妨害罪が成立し,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が処せられます(刑法233条)。
刑法233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
「偽計」は,人をだますことや,計略や策略を講じることなどを指し,今回のAさんは料金を。
Aさんの行為により,本来支払われるはずだった駐車料金が支払われず,Vさんの業務が妨害されているとみることができます。
~偽計業務妨害事件の弁護活動~
偽計業務妨害事件では,弁護士に依頼し,被害者との間で示談を成立させたり,被害弁償を行ったりすることで,事件を早期に解決することができる可能性が高まります。
偽計業務妨害罪では,それに該当する行為が非常に広範に捉えられています。
被害が軽微であれば,不起訴処分や略式罰金で処理されることが多いですが,悪質な場合は懲役刑が科されることもあります。
それでも,示談の成立や,真摯な反省を十分に訴えれば,執行猶予判決を得る見込みがある犯罪類型であるともいえます。
刑事事件に強い弁護士に依頼をし,被疑者・被告人にとって有利となる事情を的確に主張していくことが,不当に重い刑罰を避けることに繋がります。
偽計業務妨害罪に問われてお困りの方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士にご相談下さい。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
