Author Archive
被害者なのに恐喝罪で逮捕?①
被害者なのに恐喝罪で逮捕?①
滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、恋人である女性Bさんとともに自宅近くの商業施設に出かけてきていました。
すると、商業施設内で、Bさんにスマートフォンを向けている男性Vさんを見つけました。
AさんがVさんに問い詰めたところ、VさんはBさんのことを盗撮していたのでした。
AさんとBさんは非常に怒り、Vさんに「慰謝料として100万円支払え。そうでなければ滋賀県東近江警察署に盗撮の被害届を出す。そうなればお前は逮捕されるぞ。どういうことかわかるだろうな」と詰め寄りました。
Vさんはすっかりおびえてしまい、ATMで100万円を下すとAさんとBさんに渡しました。
その場はそれで収まっていたのですが、後日VさんがAさんとBさんに100万円を脅し取られたとして滋賀県東近江警察署に相談し、AさんとBさんは恐喝罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・恐喝罪
今回のAさん・Bさんの逮捕容疑である恐喝罪は、刑法に定められている犯罪です。
刑法249条
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
恐喝罪が成立するには、①恐喝行為→②恐喝行為によって相手が畏怖→③相手がその意思によって財物を交付→④財物の占有(支配・管理)が移る、という段階をたどり、さらにこれらに因果関係があることが必要です。
「恐喝」する=恐喝行為とは、財物の交付をさせるために暴行又は脅迫によって相手を畏怖させることを指します。
この時、行われる暴行又は脅迫は相手の反抗を抑圧しない程度のものであることが求められます。
もしも暴行・脅迫の程度が激しく、相手が抵抗することが難しいほどのものであった場合(例えば拳銃や包丁などの凶器を用いての暴行・脅迫など)には、恐喝罪ではなく強盗罪の成立が検討されることになります。
・恐喝罪と似た犯罪
ここで、恐喝罪と似た犯罪を紹介します。
恐喝罪がよく比較される犯罪としては、①強盗罪、②詐欺罪、③強要罪、④脅迫罪があります。
①強盗罪
刑法236条
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
先ほども触れましたが、暴行・脅迫の程度が激しく、相手の抵抗を抑圧するようなものであった場合には、強盗罪の成立が検討されます。
②詐欺罪
刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪は、相手に相手の意思で財産を交付させるという点で恐喝罪と似ている部分がありますが、恐喝罪が暴行・脅迫によって交付させるのに対し、詐欺罪は相手をだますことによって財産の交付をさせる点で異なります。
③強要罪
刑法223条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
強要罪は、暴行・脅迫を用いることは恐喝罪と共通していますが、人に義務のないことを強いることが恐喝罪と異なります。
④脅迫罪
刑法222条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
脅迫罪は、脅迫をすることで成立します。
脅迫によって財産の交付をさせた場合には恐喝罪が、義務のないことをさせた場合には強要罪が成立することになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした様々な刑事事件に対応しています。
0120-631-881では初回無料法律相談や初回接見サービスの申し込みをいつでも受け付けています。
まずはお気軽にお電話ください。
次回の記事ではAさんのケースについて詳しく触れていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
線路への置き石で往来危険罪
線路への置き石で往来危険罪
Aさんは、日頃の鬱憤を晴らそうといたずらをしようと考え、滋賀県近江八幡市内を走る電車の線路の上に、コンクリートブロックや大きな石などを約100メートルにわたって並べました。
電車が来る前に駅員が置き石に気づき、緊急停止信号を送ったため、事故には至りませんでしたが、電車は大幅に遅延しました。
その後、滋賀県近江八幡警察署の捜査により、Aさんの置き石行為が発覚。
Aさんは往来危険罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年9月4日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・往来危険罪
なかなかなじみのない犯罪かもしれませんが、刑法には交通機関の安全を保護するための犯罪も定められています。
その1つが往来危険罪です。
刑法125条1項
鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役に処する。
往来危険罪の客体は、鉄道とその標識です(2項には灯台等についての規定もありますが、今回は鉄道に関連した1項のみに触れていきます。)。
この往来危険罪においての「鉄道」とは、線路のレールや構造上レールと密接不可分の関係にある、電車や汽車の走行に直接役に立っているものを全て含みます。
つまり、線路のレール部分だけでなく、枕木などの部分、さらには鉄橋やトンネルといった線路を直接構成していないようなものについても含まれるのです。
また、「標識」とは、信号機など運行のための目標を指しています。
これらを損壊=物理的に壊してしまうことでその効用を失わせてしまうほか、それ以外の方法で汽車や電車の往来の危険を生じさせることで往来危険罪が成立するのです。
この往来危険罪がよく問題となるのは、事例のAさんのような置き石行為です。
置き石とは、文字通り線路に石を置く行為を指します。
線路への置き石行為は、汽車や電車を脱線させてしまう可能性のある危険な行為です。
ですから、置き石行為はまさに「汽車又は電車の往来の危険を生じさせ」る行為となり、往来危険罪が成立することになるのです。
・置き石は往来危険罪以外にも犯罪になる?
置き石行為で往来危険罪以外に成立しうる犯罪としては、威力業務妨害罪も考えられます。
刑法234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
(※注:前条=刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。)
威力業務妨害罪の「威力を用いて人の業務を妨害する」とは、細かな事情や当時の状況等にも寄りますが、大まかに言えば直接的・有形的な方法で相手の業務を妨害することを指します。
今回のような置き石行為は、線路に置き石をするという直接的・有形的な方法により、電車の運行という業務を妨害していることから、威力業務妨害罪に問われる可能性もあります。
ただし、この場合、「線路に置き石をする」という1つの行為が、往来危険罪と威力業務妨害罪2つの犯罪に触れることになります。
こうした場合、「観念的競合」という考え方が用いられ、その最も重い刑罰によって処されることになります。
今回の場合でいえば、往来危険罪の法定刑が2年以上の有期懲役であり、威力業務妨害罪の法定刑が3年以下の懲役又は50万円の罰金ですから、最も重い往来危険罪の2年以上の有期懲役という刑罰の範囲で処罰されることになるでしょう。
線路への置き石行為は、行為自体は非常に簡単なものですが、大きな危険を発生させる行為であり、それだけに非常に重い刑罰が規定されているものです。
だからこそ、往来危険事件を起こしてしまったら、早めに弁護士に相談し、今後の見通しも含めて刑事事件の流れを把握しておくこと、それにどのように対応するのか考えておくことが大切です。
0120-631-881では、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士によるサービスをいつでもご案内しています。
滋賀県の往来危険事件ほか刑事事件にお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
夜中の現行犯逮捕(公務執行妨害罪)②
夜中の現行犯逮捕(公務執行妨害罪)②
~前回からの流れ~
大学生のAさんは、友人らとともに滋賀県甲賀市の居酒屋で飲み会をしており、そこで非常に盛り上がっていました。
Aさんらは興奮冷めやらず、居酒屋を出ても大声で騒ぐなどしていました。
そこへ、交通整理をしていた滋賀県甲賀警察署の警察官がやって来て、「夜中なので静かに」「こちらは車道になるのでもっと端によけてください」と声をかけてきました。
Aさんは酔っていて気が大きくなっていたこともあり、「邪魔するな」等と言いながら、警察官につかみかかったり帽子を奪って投げ捨てたりしました。
その結果、Aさんは、公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたことを滋賀県甲賀警察署からの連絡で知ったAさんの両親でしたが、Aさんの両親は滋賀県甲賀市から離れたところに住んでおり、すぐにAさんのもとに向かうことはできません。
そこでまずは弁護士を手配しようと考えたAさんの両親でしたが、Aさんの逮捕は夜中であったために、弁護士を手配しようとしてもどこにもつながらず、Aさんの両親は困り果ててしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・公務執行妨害罪と逮捕
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談・ご依頼いただく公務執行妨害事件でも、その多くが事例のような警察官相手の公務執行妨害事件です。
こうした公務執行妨害事件の場合、警察官が「暴行又は脅迫」の相手ですから、警察官が公務執行妨害罪の犯行を現認していることになります。
そのため、警察官相手の公務執行妨害事件ではその場で現行犯逮捕されてしまうことが非常に多いです。
現行犯逮捕の場合、犯行が行われているその場や犯行直後の場面で逮捕されてしまうわけですから、本人にとってもその周囲の人にとっても、いきなり逮捕によって周りから隔離されることになります。
ですから、「朝になっても帰ってこない」「いきなり連絡がつかなくなった」といった状況になってしまうことも多いです。
そしてこうした状況から、警察署などにご家族などが問い合わせ、そこで逮捕が発覚するということもよく見られます。
・夜中に現行犯逮捕
先述したように、警察官相手の公務執行妨害事件の場合、その場で現行犯逮捕されることが非常に多いです。
特にAさんの起こした公務執行妨害事件のように、夜中に発生した刑事事件で現行犯逮捕されたような場合には、逮捕の知らせを受けてすぐに弁護士に問い合わせしようにも事務所が開いていない、というようなことになってしまうケースも多いです。
こんな時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
弊所は、24時間いつでも、初回接見サービス等のお問い合わせやお申込みを受け付けております(0120-631-881)。
こちらのお問い合わせ用フリーダイヤルでは、時間帯を問わずお問い合わせを受け付けているため、困ったときすぐに逮捕されている方のために動き始めることができます。
また、土日祝日でも受付を行っておりますので、遠慮なくお問い合わせいただけます。
初回接見サービスでは、刑事事件専門の弁護士が、逮捕されている方に直接会いに行き、アドバイスをすることができます。
たとえ被疑者本人が逮捕された場所から離れた場所にご依頼者がいらっしゃったとしても、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は全国13都市に展開していますから、柔軟な対応が可能です。
夜中の現行犯逮捕にお困りの方は、まずは上記フリーダイヤルまでお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
夜中の現行犯逮捕(公務執行妨害罪)①
夜中の現行犯逮捕(公務執行妨害罪)①
大学生のAさんは、友人らとともに滋賀県甲賀市の居酒屋で飲み会をしており、そこで非常に盛り上がっていました。
Aさんらは興奮冷めやらず、居酒屋を出ても大声で騒ぐなどしていました。
そこへ、交通整理をしていた滋賀県甲賀警察署の警察官がやって来て、「夜中なので静かに」「こちらは車道になるのでもっと端によけてください」と声をかけてきました。
Aさんは酔っていて気が大きくなっていたこともあり、「邪魔するな」等と言いながら、警察官につかみかかったり帽子を奪って投げ捨てたりしました。
その結果、Aさんは、公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたことを滋賀県甲賀警察署からの連絡で知ったAさんの両親でしたが、Aさんの両親は滋賀県甲賀市から離れたところに住んでおり、すぐにAさんのもとに向かうことはできません。
そこでまずは弁護士を手配しようと考えたAさんの両親でしたが、Aさんの逮捕は夜中であったために、弁護士を手配しようとしてもどこにもつながらず、Aさんの両親は困り果ててしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・公務執行妨害罪
飲み会などでお酒も入り、気分が盛り上がってしまうことは誰にでもあることでしょう。
しかし、そうした気分の高揚から普段はしないような行動に出てしまい、刑事事件を起こして逮捕されてしまった、というトラブルも多く見られます。
上記事例でAさんが容疑をかけられている公務執行妨害罪とは、刑法95条1項に規定されている犯罪です。
刑法95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
Aさんの事例を見てみると、Aさんは交通整理中の警察官にからんでいます。
警察官はもちろん「公務員」ですから、公務執行妨害罪の客体となります。
その「公務員」が「職務を執行するに当た」って「公務員」に「暴行又は脅迫」をしたら公務執行妨害罪が成立することになります。
今回の警察官は交通整理中でしたから、警察官の「職務」の最中であったといえるでしょう。
そして、公務執行妨害罪の「職務」は適法であることが求められますが、事例を見る限り、警察官が違法なことをしていたとは考えにくいです。
さらに、Aさんはその警察官につかみかかるなどの行為をしていますから、「暴行」をしたとも言えそうです。
こうしたことから、Aさんには公務執行妨害罪が成立すると考えられるのです。
・公務執行妨害罪と示談
こうした公務執行妨害事件でよくご相談いただく内容の1つに、「相手の警察官と示談できませんか」というものがあります。
しかし、公務執行妨害罪が保護しているのは公務員個人ではなく、公務員によって執行される公務そのものです。
つまり、今回の例でいえば、警察官その人ではなく、警察官の行う仕事を妨害したから公務執行妨害罪となっているのです。
そのため、公務執行妨害罪の被疑者は公務員(今回の例では警察官)個人ではなく、公務を妨害された国や地方公共団体となるのです。
国や地方公共団体に示談を求めてもその締結は難しく、交渉すら拒否されることが多いです。
ですから、公務執行妨害事件では示談が困難である、示談ができないとされるのです。
ですが、相手の公務員に謝罪の手紙を書く、反省文を書く、贖罪寄附を行う、ボランティア活動をする等、反省の気持ちを表していくことは大切です。
また、相手の公務員が怪我などをしている場合、公務執行妨害罪だけでなく傷害罪も成立していることが考えられますから、その範囲で謝罪や賠償をしていくことも考えられます。
どういった活動が考えられるのかは、弁護士に詳しい事情を含めて相談し、聞いてみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務執行妨害事件のご相談・ご依頼も多くいただいています。
公務執行妨害罪で逮捕・取調べを受けた方、そのご家族の方は、遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。
次回は、公務執行妨害罪で逮捕された場合について詳しく触れていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
マンション植え込みへのポイ捨て不法投棄事件
マンション植え込みへのポイ捨て不法投棄事件
滋賀県守山市に住んでいるAさんは、自宅へ帰る途中にあるマンションVの植え込みに、中身を飲み切ったペットボトルや菓子の袋などをポイ捨てしていました。
するとある日、植え込みに「不法投棄禁止」という看板が立っていることに気が付きましたが、Aさんは「ポイ捨て程度なら大丈夫だろう」と大して気にもせずポイ捨てを継続していました。
後日、Aさんが帰路についていると、滋賀県守山警察署の警察官がAさんに声をかけ、「不法投棄の容疑がかかっています。警察署で話を聞かせてください」と言ってきました。
その日は話を聞かれて帰されたAさんですが、その後自分がどうなるのか不安になり、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士の初回無料法律相談を利用し、弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・植え込みへのポイ捨てで不法投棄
不法投棄という単語を聞くと、会社ぐるみで産業廃棄物を山等に大量に捨てているような不法投棄事件を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、Aさんのようなポイ捨てであっても「不法投棄」となります。
そして、この不法投棄は廃掃法違反という犯罪になります。
廃掃法とは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の略称で、その名前の通り、ごみの適切な処理やそれによって生活環境を清潔に保つことを目的として定められている法律です。
今回問題となっている不法投棄についても、この廃掃法の中で規制がなされています。
廃掃法16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
不法投棄を禁止している廃掃法の条文はとてもシンプルなものです。
「みだりに」とは、むやみやたらに、という意味ですから、自治体などによる規定に背いてむやみやたらとごみを捨ててはいけない、ということになります。
今回のAさんは、マンションの植え込みにペットボトルや菓子の袋といったごみをポイ捨てし、捨ててきてしまっているのですから、廃掃法のこの条文に違反する不法投棄を行ったと考えられます。
やろうと思えば気軽にできてしまうポイ捨ても、この不法投棄に当たり犯罪となることに注意が必要なのです。
ここで、不法投棄は業者や会社がいわゆる産業廃棄物を山などに捨てる行為を言うのではないか、と思われる方がいるかもしれません。
確かに、先ほど触れたように、私たちがニュースなどでよく目にする不法投棄事件は、業者や会社が産業廃棄物を捨てるという態様のものが多いイメージがあります。
しかし、廃掃法のいう「廃棄物」とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)」のことであるとされています(廃掃法2条柱書)。
つまり、企業が出した産業廃棄物以外のごみ、例えば家庭ごみでも、廃掃法の「廃棄物」に該当することになります。
このことから、Aさんがポイ捨てしたペットボトルや菓子の袋といったごみも、廃掃法上の「廃棄物」であると言えますから、廃掃法の規制対象ということになるのです。
不法投棄をして廃掃法違反となれば、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこれらの併科に処せられる可能性があります(廃掃法25条1項14号)。
こうした不法投棄による廃掃法違反事件では、例えば不法投棄先に対して迷惑料を支払って謝罪したり、不法投棄した物を処理して原状回復を行ったりする活動が考えられます。
ただし、相手方との交渉を行ったり、そうした活動を効果的に主張に取り入れていくためには、経験や専門的知識が必要となってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、不法投棄による廃掃法違反事件のご依頼も承っています。
身体拘束されてしまった方向けの初回接見サービスや、初回無料の法律相談は、24時間365日、お問い合わせが可能です(0120-631-881)。
ポイ捨ての不法投棄による廃掃法違反に限らず、滋賀県の刑事事件でお困りの際は、遠慮なくお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
草津市の水増し請求詐欺事件
草津市の水増し請求詐欺事件
Aさんは、滋賀県草津市で整骨院を経営していました。
Aさんは、交通事故に遭ってその治療のためにやってきた患者Bさんと一緒に、その通院日数や治療を偽造し、保険会社に保険金を水増し請求しました。
しかし、保険会社の調査が入り、AさんとBさんが共謀して水増し請求をしていたことが発覚。
保険会社は滋賀県草津警察署に通報し、滋賀県草津警察署は捜査を開始しました。
その結果、AさんとBさんは、詐欺未遂罪の容疑で、滋賀県草津警察署に逮捕されることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)
・水増し請求詐欺事件
実際には行っていない治療や入院、通院を偽造して保険会社へ保険金を水増し請求し、水増しされた保険金を受け取れば、詐欺罪が成立する可能性があります。
こうした水増し請求による詐欺事件は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へのご相談でも多く見られるタイプの詐欺事件です。
保険会社としては、請求された分の治療や入院、通院があるということで、その分の保険金を支払っています。
しかし、実際にはその治療等が存在しない水増し請求であったとなれば、保険会社から水増し分の保険金をだまし取っている=「人を欺いて」保険金を得ているので、詐欺罪が成立しうるということになります。
詐欺罪にいう「人を欺く」行為とは、その財物を交付する際に交付の判断を左右するような重要な事実を偽ることであるとされていますが、水増し請求の場合、通院日数や入院日数といった保険金を支払う理由が嘘であることになりますから、まさにこの「人を欺」くに当てはまることになるのです。
なお、詐欺罪には、未遂罪が規定されているため、今回のように保険金が支払われる前に保険会社が水増し請求に気づいたり、調査を行って水増し請求が発覚したりして、保険金が支払われなかったりしたとしても、水増し請求を行った時点で詐欺未遂罪が成立します。
・水増し請求詐欺事件で逮捕
水増し請求詐欺事件では、事例のように、客や整骨院の従業員が一緒になって詐欺行為を働いている場合が非常に多いです。
こうしたことから、お互いの口裏合わせを防止するために、逮捕や勾留といった措置が取られることが多いです。
ですから、ご本人はもちろん、そのご家族やご友人は、いきなり連絡が取れなくなり、心配されることになります。
もちろん、学校や会社のある方は、最大で23日間通うことができなくなってしまいますから、そこへの対応も必要となってきます。
刑事事件の手続きに慣れていない方がこうした対応を助言なしに行うことは負担も大きいです。
だからこそ、まずは弁護士に相談されることがおすすめです。
また、詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」であるため、詐欺罪で起訴されるということは、裁判を受けるということになります。
そして、執行猶予がつかなければ、詐欺罪で有罪となった場合は刑務所へ行くことになります。
詐欺事件において、執行猶予を獲得できるかどうかは、初犯であるか、被害額・損害額はその程度か、その弁済はできているのか、詐欺行為の態様はどのようなものだったのか等、様々な事情が考慮されます。
見通しがどのようになるのかも含め、可能な弁護活動はどういったものなのか、どのように活動をすべきなのか、こちらも弁護士に聞いてみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件のような刑事裁判になる刑事事件についても、数多く取り扱いがございます。
今後の見通しも含めて、刑事事件のプロの弁護士が丁寧に相談に乗らせていただきます。
滋賀県の水増し請求詐欺事件にお困りの方は、まずは弊所弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
未成年同士で強制わいせつ事件
未成年同士で強制わいせつ事件
滋賀県大津市に住む高校1年生のAさん(男子)は、近所に住んでいる中学生1年生で12歳のVさん(女子)と仲良くしていました。
ある日、Aさんは、女の子の体に興味がわき、Vさんの服の中に手を入れ、胸や臀部を触りました。
Vさんは特に嫌がるそぶりを見せず、「くすぐったい」等と言って笑っていました。
そうしたことからAさんはこの行為についてただのじゃれあいで終わったと問題視することはなかったのですが、Vさんが帰宅後、そのことを両親に話したことがきっかけとなり、滋賀県大津警察署に被害届が出され、Aさんは強制わいせつ罪の容疑で任意同行され、取調べを受けることになってしまいました。
Aさんの両親はまさか自分の息子が性犯罪を犯すとは思わず、どうしてよいか分かりません。
さらに、取調べから帰宅したAさんに「Vさんは嫌がっていなかったし笑っていた。無理矢理触るようなことはしていない」と言われ、さらに困惑しています。
(※この事例はフィクションです。)
・未成年同士で強制わいせつ事件
強制わいせつ罪は、刑法176条に定められている犯罪です。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪の条文の前段部分では、13歳以上の者に対し暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をした者を、6月以上10年以下の懲役に処するとしています。
また、強制わいせつ罪の条文の後段部分では、13歳未満の者にわいせつな行為をした者についても、同様とするとしています。
すなわち、13歳未満の者にわいせつな行為をした場合、相手方の同意の有無や、暴行や脅迫の有無にかかわりなく、強制わいせつ罪が成立するということになります。
したがって、上記事例の被害者であるVさんは12歳=13歳未満ですから、AさんがVさんの体に触れる行為について、Vさんが同意していようがいまいが、強制わいせつ罪にあたる行為となると考えられるのです。
ちなみに、強制わいせつ罪は「わいせつな行為」をしたときに成立するものですから、AさんがVさんの身体に触れる行為が「わいせつな行為」でないとすれば成立しないことになります。
しかし、この「わいせつ」については、「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」であると考えられています(名古屋高裁金沢支部判決昭和36.5.2)。
通常、人の衣服の中に手を入れて胸部や臀部を触るという行為は、この定義に当てはまる行為でしょう。
こうしたことから、Aさんの行為は強制わいせつ罪の「わいせつな行為」であると考えられ、やはりAさんには強制わいせつ罪が成立する可能性があるということになるのです。
また、今回の強制わいせつ事件では、加害者・被害者ともに未成年ですが、Aさんには強制わいせつ罪が成立することの妨げとはなりません。
ただし、Aさんが20歳未満であることから、この事件は少年事件として扱われ、最終的には家庭裁判所で調査・審判(必要だと認められる場合には観護措置も)を受け、処分が決定されることになります。
・未成年者の強制わいせつ事件と示談
強制わいせつ事件では、上記事例のVさんがそうであるように被害者の方が存在し、そのような事件で弁護士に弁護活動を依頼した場合、示談交渉に臨むことになる場合が多いです。
Aさんの事件は少年事件ですから、示談交渉の結果が、成人の事件のように処分についてすぐに効果が出やすいわけではありませんが、それでも、被害者の方に謝罪・弁償を行うことは、少年の更生のためにも、被害者の方の今後のためにも重要です。
しかし、今回の被害者であるVさんは未成年ですから、示談交渉の相手はVさんのご両親ということになるでしょう。
お子さんが被害に遭われたご両親が示談に応じてくれるのか、そもそも話し合いの場についてくれるのかと不安な場合こそ、専門家である弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、客観的な立場と専門的な知識・経験に基づいて、双方が納得できる示談締結を目指して交渉していくことができますし、被害者としても、弁護士であれば被害者の情報を勝手に加害者側に漏らすという心配もありませんから、安心して話をすることができるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が、初回は無料の法律相談を行っています。
未成年相手に性犯罪事件を起こしてしまったがなんとか謝罪したい、とお悩みの方は、まずは弊所の弁護士まで、ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
いじめで髪を切って少年事件に②
いじめで髪を切って少年事件に②
~前回からの流れ~
Aさんは滋賀県大津市の高校に通う15歳ですが、同級生のVさんに対していじめをしていました。
ある日、Aさんは、いじめをしている最中、
①Vさんの髪の毛をはさみで切ってしまいました。
②Vさんの髪の毛を手で引っ張り、抜いてしまいました。
帰宅したVさんがことのあらましを両親に相談したことから、Vさんの両親は滋賀県大津北警察署に相談し、Aさんは滋賀県大津北警察署に呼び出され、取調べを受けることになりました。
Aさんの両親は警察から話を聞き、まさかAさんが少年事件の被疑者となるとは思いもよらず、弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・傷害罪の「傷害」
今回問題となる犯罪は、刑法の暴行罪・傷害罪です。
刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
前回の記事では、AさんがVさんの髪の毛をはさみで切ったり抜いたりする行為は、「暴行」となるだろうという点に触れました。
ですから、髪の毛を切る/抜くといった行為が、「人の身体を傷害」しているかどうかという判断によって、Aさんに成立する犯罪が暴行罪なのか傷害罪なのか決まることになります。
今回のようなケースの場合、どういった判断になるのでしょうか。
ここで、傷害罪における「傷害」とは、一般に人の生理的機能に障害を加えることであると解釈されています。
生理的機能とは、簡単に言えば人が生きていくために必要とされる機能をいいます。
つまり、その機能に害が生じることをしてしまった場合、傷害罪のいう「傷害」を与えたことになるのです。
例えば、よく傷害事件でイメージされる、人を殴って骨折させてしまったようなケースの場合には、人が生きていくために必要な体の一部分を折って傷つけていることになります。
この考え方に立って今回のケースを考えてみましょう。
①髪の毛を切る行為は暴行罪?傷害罪?
先ほど触れた考え方に立って考えれば、Aさんが①の行為をした際、Vさんは髪の毛をはさみで切断されています。
しかし、髪の毛の毛の部分は必ずしも人が生きていくために必要なものではなく、神経や血管が通っているわけでもありません。
こうしたことから、髪の毛の切断によって人の生理的機能が害されたとは言いにくいでしょう。
ですから、①のケースの場合、Aさんには暴行罪が成立するにとどまり、傷害罪は成立しない可能性があるでしょう。
②髪の毛を抜く行為は暴行罪?傷害罪?
①も②も同じ行為のように思えますが、②の場合、髪の毛を根元から抜いていることから、皮膚や毛根を傷つけていることが考えられます。
皮膚や毛根は直に人の身体とくっついていたりそのものであったりする部分ですから、それがが傷ついているということは人の生理的機能を害していると考えられます。
ですから、②のケースについては、傷害罪の「傷害」が発生していると考えられ、傷害罪が認められると考えられます。
なお、学説によっては①のケースでも傷害罪の成立を認めるものも見られ、実際の裁判でも結果が分かれることもあります。
このように、刑事事件・少年事件では、「傷害」という定義ひとつとっても非常に複雑で、どうでもよいように思えるほんの小さな違いが成立する犯罪を分けたりします。
こうした判断は専門家でも悩むことが多いため、一般の方のみで見通しや対策を立てることはより困難であるといえるでしょう。
だからこそ、早めに法律の専門家である弁護士に事件の詳細を相談し、分かりやすい説明やアドバイスをもらうことが重要なのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が初回無料法律相談を行っています。
逮捕・勾留されてしまっている方向けの初回接見サービスもございますので、滋賀県の刑事事件・少年事件にお困りの際は、遠慮なくお問い合わせください(0120-631-881)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
いじめで髪を切って少年事件に①
いじめで髪を切って少年事件に①
Aさんは滋賀県大津市の高校に通う15歳ですが、同級生のVさんに対していじめをしていました。
ある日、Aさんは、いじめをしている最中、
①Vさんの髪の毛をはさみで切ってしまいました。
②Vさんの髪の毛を手で引っ張り、抜いてしまいました。
帰宅したVさんがことのあらましを両親に相談したことから、Vさんの両親は滋賀県大津北警察署に相談し、Aさんは滋賀県大津北警察署に呼び出され、取調べを受けることになりました。
Aさんの両親は警察から話を聞き、まさかAさんが少年事件の被疑者となるとは思いもよらず、弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・いじめでも犯罪になる
昨今、いじめに関連した報道が行われることも珍しくありません。
ですから、「いじめ」と呼ばれていようと、その内容によっては犯罪となること、いじめをしていた側が少年事件・刑事事件の被疑者となる可能性があることをご存じの方も多いかもしれません。
今回のAさんも、滋賀県大津北警察署に少年事件の被疑者として呼び出しを受け、取調べを受けることになっていますが、こういった事態はどのいじめにも当てはまる可能性があります。
「いじめ」という呼称こそあれど、法律に触れることをしていれば「いじめ」と呼ばれるだけでは済みません。
「いじめ」であったから犯罪にならないということはありません。
「たかがいじめ」「子供同士のトラブル」「ちょっとしたじゃれあい」などと軽視せず、いじめも犯罪となりうるという認識を持ちながらいじめをしない・させないように注意し、万が一いじめが起こってしまった・いじめをしてしまった際には、刑事事件化・少年事件化の可能性を含めて対応を行っていくことが求められます。
・暴行罪と傷害罪
今回のAさんのいじめ行為としては、①または②のパターンを上げています。
どちらもVさんの髪の毛に対して何かをするといういじめ行為ですが、この2つに違いはあるのでしょうか。
こうしたケースでよく成立するのではないか、と挙げられる犯罪としては、刑法上の傷害罪と暴行罪が考えられます。
この2つの犯罪は、どちらも人に対して暴力をふるったりする際に成立するイメージのある犯罪ではないでしょうか。
刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪は人に暴行を加えたものの相手に傷害がなかった場合に成立するものであり、傷害罪は人の身体を傷害した場合に成立するものです。
例えば、人に平手打ちをした際、相手に全く怪我がなかったというような場合には暴行罪、相手に怪我をさせてしまった場合には傷害罪が成立することになります。
つまり、暴行罪を犯そうとして暴行をしても、相手に傷害を発生させるという暴行罪よりも重い結果を発生させてしまった場合、傷害罪というより重い罪に問われることになります。
こうしたことから、傷害罪は暴行罪の「結果的加重犯」(=ある犯罪行為を行った時に、より重い犯罪結果を発生させてしまった場合、元々の犯罪よりも重い犯罪が成立する)と呼ばれたりもします。
今回のAさんは、いじめの最中にVさんの髪の毛をはさみで切断する行為をしています。
暴行罪にいう「暴行」とは、一般に、人の身体に対する不法な有形力の行使であるといわれています。
Vさんの髪の毛はVさんという人の身体の一部でしょうから、そこに対してVさんの意思に反してはさみで切断つするという有形力の行使をしている=Aさんは暴行罪にいう「暴行」をしていると考えられ、この部分の条件は満たしていると考えられます。
ですから、あとはVさんがAさんの髪の毛を切る・抜くといったいじめ行為によって「傷害」をしているかどうかによって、Aさんに成立する罪名が変わってくることになります。
では、髪の毛を切ったり抜いたりする行為については、「傷害」したといえるのでしょうか。
次回の記事で詳しく検討していきます。
先ほど触れたように、いじめは内容にもよりますが、犯罪となり、刑事事件・少年事件となってしまうものも少なくありません。
いじめによる刑事事件・少年事件の場合、被害者の方への対応だけでなく、いじめを繰り返さないための環境づくりも重要となってきます。
だからこそ、刑事事件・少年事件の専門知識をもつ第三者に相談し、サポートを受けることが望ましいのです。
いじめによる刑事事件・少年事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件・少年事件専門の弁護士までお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
大麻グミ輸入事件で逮捕②
大麻グミ輸入事件で逮捕②
~前回からの流れ~
滋賀県高島市に住むAさんは、とある外国Xから、大麻の成分が含まれたグミを50袋、小包郵便として輸入しました。
しかし、関西空港に運ばれてきた大麻グミの小包を大阪税関が検査したところ、大麻が含まれているものであると判明しました。
捜査の結果、Aさんがこの大麻グミを輸入したことがわかり、Aさんは滋賀県高島警察署に大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族が弁護士にAさんとの接見を依頼し、弁護士がAさんに聞き取ったところによると、Aさんは営利目的での大麻輸入を疑われているようです。
(※令和元年8月13日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・同じ大麻輸入事件でも刑罰が変わる?
前回の記事では、Aさんの輸入したような「大麻グミ」といった大麻加工製品も大麻取締法の規制対象となることを取り上げました。
今回の記事では、Aさんが営利目的での大麻輸入を疑われているということに注目していきます。
前回の記事でも取り上げたように、大麻の輸入は大麻取締法で禁止されています。
大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3項 前2項の未遂罪は、罰する。
ここで、同じ大麻輸入であってもその目的によって大きく刑罰が異なることに気が付いた方もいるのではないでしょうか。
大麻取締法24条1項では、例えば自己使用目的など、営利目的でない大麻の輸入を禁止し、その刑罰を定めていますが、その法定刑は「7年以下の懲役」です。
これに対し、大麻取締法24条2項は営利目的、すなわち人に売る等することで利益を得るために大麻を輸入した場合について定めていますが、法定刑は「10年以下の懲役」又は情状によって「10年以下の懲役及び300万円以下の罰金」と、営利目的以外の大麻輸入行為よりも非常に重い刑罰となっています。
ですから、大麻輸入事件の場合、被疑者がどういった目的で大麻を輸入したのかということは非常に重要なことなのです。
しかし、どういった目的で大麻を輸入したのか、ということは基本的には内心の問題ですから、はっきりと証明することは難しいです。
ですから、どういった目的だったのかは、大麻を輸入する前後に誰かとやり取りをしていないかどうか、販売するための準備をしていないかどうか、輸入した大麻の量は個人で使うだけにとどまるようなものなのかどうか、といった部分から考慮されることになるでしょう。
今回のAさんは、大麻グミを50袋輸入していることから、大量に輸入している=個人使用ではなく販売するつもりだったのではないか、と疑われた結果、営利目的での大麻輸入の容疑をかけられているのではないかと考えられます。
先ほど触れたように、営利目的以外での大麻輸入行為と営利目的での大麻輸入行為ではその法定刑に大きな開きがありますから、営利目的でないにもかかわらずそうであると認められれば、不当に重い刑罰を受けることにつながりかねません。
きちんと被疑者自身の主張を一貫して行っていくためには、弁護士のサポートが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、逮捕直後から刑事裁判の終息まで、一貫して丁寧なサポートを行います。
認めている事件でも否認している事件でも、捜査の初期段階から弁護士と足並みをそろえて対応を行うことで、有利な結果を得られやすくなります。
逮捕されてお困りの際は、遠慮なく0120-631-881までお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。