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【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例
【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例
無免許で車を運転し、同乗者にけがを負わせ徒歩で逃走したとして、無免許過失運転致傷罪、道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警甲賀署は2日、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、甲賀市水口町の無職の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)乗用車を無免許で運転中、対向から右折してきた男性(75)のトラックに衝突、自身の車の助手席に同乗していた知人男性(55)に肝臓破裂など全治約2カ月のけがを負わせ、現場から徒歩で逃げた疑い。
(2月2日 京都新聞 「無免許運転で事故、助手席の知人が肝臓破裂なのに徒歩で逃走 容疑の運転手男逮捕」より引用)
無免許と過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、車を運転するうえで必要な注意をせずに人にけがを負わせてしまった場合に成立します。
今回の事例では、右折してきたトラックに気づかずに追突し、同乗していた男性に肝臓破裂などのけがを負わせたとされています。
実際に容疑者がトラックに追突する事故を起こしており、その事故が周囲に注意していれば防げるような事故であったのであれば、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
また、自動車運転処罰法では無免許過失運転致傷罪を規定しています。
自動車運転処罰法第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。
無免許過失運転致傷罪は、過失運転致傷罪が成立する行為を行った際に無免許運転だった場合に成立します。
無免許過失運転致傷罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑の規定のある通常の過失運転致傷罪に比べて格段に科される罪が重くなっています。
今回の事例では、容疑者は無免許運転だと報道されていますので、無免許過失運転致傷罪が成立してしまうおそれがあります。
ひき逃げ
事故を起こした際の運転手の義務として、救護義務と報告義務があります。
救護義務は負傷者を救護する義務、報告義務は事故を起こしたことを最寄りの警察署に報告する義務をいいます。
これらの義務を行わないことをひき逃げといいます。
救護義務と報告義務は道路交通法第72条1項に規定されていますので、事故を起こした際に、負傷者の救護や警察への報告を行わなかった場合には、道路交通法違反が成立することになります。
ですので、ひき逃げはひき逃げ罪といった罪があるわけではなく、ひき逃げした際には道路交通法違反が成立します。
自分の運転が原因で事故を起こし、負傷者の救護を行わずに道路交通法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
また、警察署へ事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)
今回の事例では、容疑者は事故を起こして同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走したとされています。
実際に、容疑者が同乗者の救護や警察署への事故の報告を行っていないのであれば、容疑者に道路交通法違反が成立する可能性があります。
ひき逃げと逮捕
逮捕されると72時間以内に勾留の判断が行われます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間身体拘束を受けることになります。
弁護士は勾留が決定する前であれば、検察官や裁判官へ勾留請求に対する意見書を提出することができます。
勾留が決定してしまった後ではこの意見書を提出することはできませんから、早期釈放を目指す場合には、逮捕後72時間が勝負となります。
今回の事例のようにひき逃げ事件の場合には、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあるとして勾留が決定してしまう可能性が高いです。
裁判所は犯罪を犯したと疑うのに足りる相当な理由があり、定まった住所がなかったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるときには、容疑者を勾留することができます。(刑事訴訟法第60条1項)
ですので、ひき逃げ事件では逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、勾留されてしまう可能性が高いのです。
とはいえ、ひき逃げをしたからといって、必ずしも勾留が決定してしまうわけではありません。
勾留によって多大な不利益を被ってしまうことや、家族の監視監督によって逃亡のおそれがないことを検察官や裁判官に主張することで、勾留されることなく釈放してもらえる可能性があります。
ですので、ご家族が逮捕された場合には、早い段階で弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
大津市内にあるスーパーで500円分の食料品を万引きした事例
大津市内にあるスーパーで500円分の食料品を万引きした事例
滋賀県大津市にあるスーパーで500円分の食料品を万引きし、窃盗罪の容疑で捜査を受けている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは滋賀県大津市にあるスーパーで500円分の食料品を万引きしました。
Aさんの万引きの様子を見ていたスーパーの店員が滋賀県大津北警察署に通報し、Aさんは窃盗罪の疑いで捜査を受けることになりました。
実はAさんは過去に万引きを繰り替えしており、窃盗罪の前科がありました。
(事例はフィクションです。)
万引きと窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、簡単に説明すると、人の物をその人の許可なく自分や他人の物にすると成立する犯罪です。
万引きはお店の商品を代金を支払わずに盗る行為をいいます。
お店の商品はお店の物ですし、代金を支払わずに盗るということは、お店の許可を得ずに自分の物にしていると考えられます。
ですので、万引きをした場合には窃盗罪が成立します。
今回の事例でもAさんはスーパーの商品を万引きしたようですので、窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。
万引きは罪になるの?
万引きをすると窃盗罪が成立する以上、万引きでも罪に問われる可能性が非常に高いです。
窃盗罪の法定刑が10年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので、万引きをして窃盗罪で有罪になってしまった場合に懲役刑が科される可能性は十分にあります。
とはいえ、万引きでは懲役刑を科されないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、数百円程度の万引きであっても、前科の有無などによっては懲役刑が科される可能性があります。
実際に432円分の商品を万引きし、懲役1年2か月の実刑判決が下された事例をご紹介します。
百円ショップで400円ほどの万引きをしたとして窃盗罪に問われた女(37)に、名古屋地裁(吉井隆平裁判長)は29日、懲役1年2カ月(求刑懲役1年6カ月)の実刑判決を言い渡した。(中略)
判決によると、被告の女は2018年1月25日午後1時ごろ、名古屋市中区の店舗で、食品4点(販売価格計432円)を万引きした。これまで窃盗罪で3回の懲役刑を受けて2度服役し、事件の5カ月前に仮出所したばかりだった。(後略)
(2019年8月29日 朝日新聞デジタル 「432円の万引き、勾留19カ月 訴訟能力争い長期化」より引用)
被告の女性は窃盗罪で懲役刑を3回受けて、2度刑務所で服役していたようで、仮出所後に万引き事件を起こしたそうです。
この事例では、432円の万引きですが、実刑判決が下されています。
今回の事例のAさんと被告女性の事例では事件の内容などが異なりますが、Aさんにも窃盗罪の前科があることから、被告女性の事例のように執行猶予が付かず実刑判決が下されてしまう可能性も考えられます。
万引きとクレプトマニア
何度も万引きを繰り返してしまったり、自分の意思では万引きをやめられない場合は、クレプトマニアの可能性があります。
クレプトマニアは別名、窃盗症とも呼ばれる病気です。
ですが、病気だからといって罰せられないかというと、そうではありません。
クレプトマニアであっても、窃盗罪で有罪になってしまう可能性は十分に考えられます。
万引きと執行猶予
繰り返しになりますが、窃盗罪が懲役刑を規定している以上、万引きをして窃盗罪で有罪になった場合に懲役刑が科されてしまう可能性があります。
懲役刑は、刑務所で刑務作業に従事しなければならないわけですから、会社に出勤できず解雇になってしまうおそれも考えられます。
今回の事例のAさんは窃盗罪の前科があるとのことですので、裁判の結果有罪になり懲役刑が科されるかもしれません。
懲役刑が下されてしまうと必ず刑務所に行かなければならないのでしょうか。
実は、懲役刑を下されたとしても執行猶予付き判決を得られれば、刑務所に行かなくて済む場合があります。
執行猶予付き判決を獲得するためには、執行猶予付き判決獲得に向けた弁護活動が重要になってきます。
例えば、被害店舗への損害賠償や被害店舗との示談締結、再犯防止に向けた活動などが挙げられます。
万引き事件では、お店の責任者と示談を締結することになります。
お店との間で示談を締結する場合には、お店の方針などから示談を断られてしまう可能性が非常に高いです。
一度損害賠償や示談を断られてしまった場合であっても、再度弁護士が交渉することで、被害弁償や示談を受けてもらえる可能性があります。
ですので、被害弁償や示談について困っている場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
また、クレプトマニアが疑われる場合には、裁判などで回復に向けて専門家の治療を受けているなどの再犯防止策を講じていることを主張することが非常に重要になってきます。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が裁判官に訴えることで、主張が認められ、執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
万引きは身近な犯罪であることから軽視されがちですが、場合によっては数百円の万引きでも実刑判決を下される可能性があることから、万引きは決して科される刑罰の軽い犯罪だとはいえません。
ですので、万引きで捜査を受けた場合には、楽観視せずに弁護士に相談をすることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
万引きで捜査を受けている方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
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【事例紹介】投資グループや知り合った女性から投資を持ち掛けられ1000万円を超える詐欺被害
投資グループに投資を持ち掛けられ1000万円を入金し、知り合った人物に投資資金として約460万円を入金し、計訳1460万円をだまし取られたとされる事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警草津署は24日、滋賀県草津市の会社員男性(52)が投資話を持ちかけられ、現金計約1460万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
草津署によると、(中略)有名投資家の投資指南サイトにアクセスしたところ、メッセンジャーアプリの投資グループに招待されて投資話を持ちかけられ、(中略)4回にわたって計1千万円を入金した。
また(中略)台湾人女性を名乗る人物と知り合い、メッセンジャーアプリで暗号資産による投資話を持ちかけられ、(中略)5回にわたって計約460万円を入金したという。
(1月29日 京都新聞 「「有名投資家の指南サイトから招待されて」 投資話で1460万円詐欺被害」より引用)
詐欺罪
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪は簡単に説明すると、人に重大なうそをつき、うそを信じた相手からお金などを受け取ると成立する犯罪です。
重大なうそとは、お金などの財物を渡すかどうかを判断する際に重要な判断材料となる部分についてのうそを指します。
ですので、判断には影響しない部分についてうそをついた場合には詐欺罪は成立しませんし、うそだと知ったうえでお金などの財物を渡した場合にも詐欺罪は成立しません。
今回の事例では、投資グループに招待され、その投資グループで投資話を持ちかけられ計1千万円を入金したようです。
被害者は投資名目で1千万円を入金したのでしょうから、投資がうそだと知っていれば入金はしなかったでしょう。
ですので、実際に被害者が入金した投資グループが入金されたお金で投資をしていなかったのであれば、投資グループに詐欺罪が成立する可能性があります。
また、台湾人女性を名乗る人物も同様に、投資が適正に行われないと知っていれば460万円を入金することはなかったでしょうから、実際に投資が行われていない場合には、台湾人女性を名乗る人物に詐欺罪が成立するおそれがあります。
詐欺罪と有罪
詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
詐欺罪に罰金刑の規定はありませんので、詐欺罪で有罪になった場合には、必ず懲役刑が科されることになります。
懲役刑とは、刑務所に収容されて刑務作業に従事しなければならない刑罰です。
ですので、懲役刑が科された場合には、刑務所に行かなければならないことになります。
では、有罪になってしまうと必ず刑務所に行くことになってしまうのでしょうか。
結論から言うと、詐欺罪で有罪になった場合でも刑務所に行かなくて済む場合があります。
刑法では、前科のない者などが、3年以下の懲役や禁錮、50万円以下の罰金の言い渡しをされたときに情状により刑の執行が猶予される場合があります。(刑法第25条)
刑の執行が猶予される判決を執行猶予付き判決といい、執行猶予付き判決を得られた際には、猶予期間中に犯罪を犯すなど、猶予が取り消しにならなければ刑務所に行かずに済むことになります。
執行猶予付き判決を得るためにはどうしたらいいのでしょうか。
執行猶予付き判決の獲得を目指す手段の一つとして、被害者との示談締結が挙げられます。
示談交渉を行う場合は、被害者の連絡先を知っている必要があります。
ですので、被害者の連絡先を警察官や検察官を通じて連絡先を教えてもらうことになります。
しかし、加害者自らが示談交渉を行う場合には、被害者保護や証拠隠滅防止の観点から、連絡先を教えてもらえない可能性があります。
弁護士であれば連絡先を教えてもらえる場合がありますので、示談交渉は弁護士を通じて行うことが望ましいといえます。
また、被害者の連絡先を知っている場合でも、安易に被害者と連絡を取ることで、証拠隠滅を疑われてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、示談交渉は弁護士に任せることが望ましいでしょう。
加えて、示談締結のほかにも不利な内容の供述調書の作成を防ぐことも重要です。
刑事事件では、取調べの際に供述調書が作成されます。
作成された供述調書は裁判で証拠として使用されますので、意に反した内容の供述調書が作成されることで、不利な状況に陥ってしまう可能性があります。
そういった事態を避けるためにも、事前に何を話すべきかを考えておくことが重要になります。
取調べ前に、弁護士と取調べの打ち合わせを行うことで、不利な内容の供述調書の作成を防げる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
詐欺罪で捜査を受けた方、ご不安な方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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【事例紹介】金づちで頭を殴り軽傷を負わせ、殺人未遂罪で逮捕
金づちで警察官の頭を殴り軽傷を負わせたとして、殺人未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
警察官の頭を金づちで殴ったとして滋賀県警草津署は(中略)公務執行妨害と殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。調べに黙秘しているという。
(中略)滋賀県草津市木川町の路上で自転車に乗ろうとしていた男に同署地域課の男性巡査部長(50)が職務質問したところ、男は逃げようとし、進路をふさがれると金づちで巡査部長の左側頭部を殴ったという。巡査部長は軽傷。
(2023年12月25日 「金づちで警官の頭を殴った疑いで60歳男逮捕…自転車に乗ろうとして職務質問される」より引用)
殺人未遂罪
刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
殺人罪は簡単に説明すると、殺す意図をもって人を殺した場合に成立します。
また、殺人罪は未遂も罰せられますので(刑法第203条)、死亡しなかった場合には殺人未遂罪が成立することになります。
今回の事例では、容疑者は警察官の頭を金づちで殴ったとされています。
この警察官は軽傷のようなのですが、こういった場合には殺人未遂罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、報道が事実なのであれば、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
大まかに説明すると殺人未遂罪は、殺そうと思って相手に危害を加え、その結果死に至らなかった場合に成立します。
ですので、相手が軽傷であっても上記の要件を満たしていれば殺人未遂罪が成立する可能性は十分にあります。
では今回の事例ではどうでしょうか。
報道によると容疑者は金づちで頭を殴ったとされています。
頭部には脳がありますから、頭部に衝撃を加えると死に至る可能性があります。
また、金づちで殴ると相当な衝撃を相手に与えるでしょうから、金づちで人の頭を殴ることで死んでしまう可能性があることは容易に想像できるでしょう。
殺人罪や殺人未遂罪では、殺意があったかどうかは、加害者本人の供述や使用した凶器、危害を加えた箇所などから総合的に判断されます。
殺意を否認している場合でも、その行為によって人が死ぬことを容易に想像できるような場合には、殺人罪や殺人未遂罪が成立する場合があります。
金づちで頭を殴ると死ぬ可能性があることは想像できるでしょうから、実際に容疑者が金づちで警察官の頭を殴ったのであれば、容疑者に殺人未遂罪が成立してしまうかもしれません。
殺人未遂罪と量刑
刑法第43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
未遂罪の場合、未遂でない場合と比べて科される刑罰が軽くなる可能性があります。
ですが、軽くなる可能性があるといっても、殺人罪の法定刑は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役ですので、有罪になれば懲役刑が科されることになるでしょうから、執行猶予付き判決を得ない限り刑務所に行くことになります。
殺人未遂罪と傷害罪
人にけがを負わせた場合に成立する犯罪として、傷害罪を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪は暴行を加え人にけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
今回の事例では、容疑者が金づちで頭を殴ったとされています。
人を殴る行為は暴行にあたりますし、金づちで殴ったことでけがを負わせているようなので、実際に容疑者が金づちで頭を殴ったのであれば、傷害罪が成立する可能性も考えられるのですが、今回の事例では傷害罪は成立しないのでしょうか。
繰り返しになりますが、殺人罪、殺人未遂罪が成立するためには、人を殺そうとする意志が必要になってきます。
ですので、殺意が認められない場合には、殺人罪や殺人未遂罪は成立しないことになります。
ですので、今回の事例で殺意が認められない場合には、殺人未遂罪でなく傷害罪が成立する可能性があります。
傷害罪には罰金刑の規定がありますから、傷害罪は殺人罪や殺人未遂罪と比べて科される刑の軽い犯罪だといえます。
殺人未遂罪と傷害罪ではかなり科される刑罰が変わってくる可能性がありますから、殺人未遂罪を疑われている場合には、場合によっては傷害罪の成立を目指した弁護活動が必要になってくる可能性があります。
傷害罪の成立を目指すうえで取調べ対応が重要になります。
証拠というと、今回の事例の金づちのような、犯行で使われた凶器を思い浮かべる方が多いと思います。
金づちなどの凶器ももちろん証拠にあたるのですが、本人や被害者、目撃者などの話した内容も証拠となります。
取調べでは、供述調書というものが作成されます。
この供述調書は裁判で使用される重要な証拠となります。
供述調書は取調べで話した内容を基に作成されますので、不利な証拠の作成を防ぐためには、取調べで自分の不利になるようなことを離さないことが極めて重要になります。
ですが、警察官や検察官は、自分たちが思い浮かべたとおりの筋書きになるように、話す内容を誘導してくることがあります。
例えば、殺人未遂罪の容疑をかけられている場合には、「殺すつもりがあった」というような殺意を認める内容を話すように誘導されるおそれがあります。
一度供述調書が作成されてしまうと、内容を訂正することは容易ではありませんから、事前に取調べで話す内容などをあらかじめ考えておくことが重要です。
とはいえ、どういった内容を話せばいいのかわからない方がほとんどでしょうし、わからないことだらけで不安な方も多いと思います。
ですので、取調べで困っている場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士であれば法律の観点から、積極的に話した方が良い内容やそうでない内容の検討がつきますし、取調べに対してアドバイスを行うことができます。
後に窮地に陥るような事態にならないためにも、取調べ前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験をもつ弁護士に相談をすることで、望んだ結果を得られる可能性があります。
殺人未遂罪など、刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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刑事事件では示談をするといいってホント?
刑事事件では示談を成立することで不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できると聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本当に示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できるのでしょうか。
今回のコラムでは、示談の締結について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
刑事事件と示談
実際に刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
不起訴処分とは、その名の通り、起訴をしない処分のことで、嫌疑が不十分な場合や被害者が処罰を求めていない場合、悪質性が低い場合などでは、不起訴処分を下される可能性があります。
不起訴処分では、起訴されませんから、刑事罰は科されません。
ですので、前科もつくことはありません。
執行猶予とは、刑事罰を科すことを猶予することを指します。
例えば、懲役3年執行猶予5年の判決が出た場合には、猶予期間である5年間で犯罪を起こさなければ、懲役刑を受ける必要はありません。
執行猶予付き判決の場合は、有罪判決が下されたことになりますので、不起訴処分とは異なり、前科として扱われます。
示談を締結することで、上記のような不起訴処分や執行猶予付き判決を必ず獲得できるわけではありませんが、処分を判断する際や、判決の際に有利な事情として考慮される可能性が高いです。
ですので、被害者がいるような刑事事件では、示談締結も視野に入れて行動することが望ましいといえます。
加害者による示談交渉
示談を締結する際には、被害者と示談交渉を行わなければなりません。
示談交渉を行うためには被害者の連絡先を知っている必要があります。
ですので、加害者と被害者が知り合いでない場合には、連絡先を教えてもらうところから始めることになります。
連絡先は警察や検察を通じて教えてもらうことになるかと思いますが、被害者保護や証拠隠滅の観点から教えてもらえない可能性や加害者に個人情報を知られたくないという被害者の気持ちから連絡をとることを拒絶される可能性があります。
また、連絡先を教えてもらえた場合でも、加害者本人が連絡を取ることで、被害感情を逆なでしてしまったり、思わぬトラブルに発展してしまう可能性もあります。
ですので、加害者本人が被害者と直接示談交渉を行うことは不可能ではありませんが、上記のような事態を避けるためにも、弁護士を介して行うことをお勧めします。
弁護活動と示談交渉
加害者本人に連絡先などの個人情報を教えることはしたくないが、弁護士であれば連絡先を教えてもいいと思われる被害者も少なくありません。
また、一度、示談交渉を断られていても、再度、弁護士がコンタクトをとることで、示談交渉に応じてもらえる場合もあります。
ですので、示談を考えている際は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
加えて、弁護士が示談交渉を行う場合には、示談書面も弁護士が作成します。
どのような示談書面を作成すればいいのかわからない方もいらっしゃるかと思いますので、被害者の連絡先を知っている場合や連絡先を教えてもらえた場合にも、弁護士を入れて示談締結を目指すことをお勧めします。
弁護士と刑事事件
刑事事件では、示談締結だけでなく、取調べ対応なども重要になってきます。
例えば、取調べでの供述を基に作成される供述調書は裁判で証拠として扱われたり、起訴・不起訴の判断をする際の判断材料にもなります。
ですので、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指すうえで、意に反した供述調書の作成を防ぐことが重要になります。
取調べでは、警察官や検察官の意に沿った供述調書ができるように供述を誘導される可能性があります。
誘導されるがまま供述を行うことで、事実とは異なった内容の供述調書が作成されてしまい、不利な状況に陥ってしまうことが考えられます。
落ち着いて取調べをうけることで供述の誘導にのせられることを防げる可能性があります。
ただ、取調べではどうしても緊張してしまうでしょうから、落ち着いた精神状態で取調べを受けることが難しいかもしれません。
事前に弁護士と供述する内容とそうでない内容を話し合っておくことで、少しでも取調べの際の不安を和らげられる可能性があります。
弁護士は取調べの際に聞かれるであろう内容をある程度予想できますので、万全な状態で取調べに挑むためにも、事前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
弁護士による示談交渉や取調べ対応などの弁護活動により、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
示談をお考えの方や取調べに不安を抱いている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120-631―881で受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
【事例紹介】サバンナオオトカゲを逃がしてしまい軽犯罪法違反の嫌疑をかけられた事例
滋賀県大津市の民家からサバンナオオトカゲが逃げ出した事件で、サバンナオオトカゲの管理を怠り逃がしたとして軽犯罪法違反の罪に問われた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
8月に大津市の民家からサバンナオオトカゲ1匹を逃がしたとして、軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたペットショップのアルバイト店員の女性(中略)について、大津区検は11日、不起訴(起訴猶予)にした。「情状を総合的に考慮した」としている。
女性は(中略)自宅で、危害を加える恐れがあるサバンナオオトカゲの管理義務を怠り、逃がしたとして9月に書類送検された。
(12月11日 京都新聞 「オオトカゲ逃がした飼い主を不起訴 滋賀・大津区検」より引用)
オオトカゲの管理と刑犯罪法
軽犯罪法第1条12項では、「人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠つてこれを逃がした者」は、拘留又は科料に処すると規定しています。
上記行為に違反して軽犯罪法違反で有罪になり、拘留になれば短期間刑事施設に拘置され、科料になれば1000円以上1000円未満のお金を払うことになります。
また、情状により、刑が免除される場合や、拘留と科料が併科される可能性があります。(軽犯罪法第2条)
今回の事例では、軽犯罪法違反が成立するのでしょうか。
報道によると、容疑者は危害を加える可能性のあるサバンナオオトカゲを管理義務を怠ったことで、逃がしたとされています。
サバンナオオトカゲは肉食だそうで、人に噛みつく可能性もあるようです。
噛まれたらけがをする可能性がかなり高いでしょうから、サバンナオオトカゲが軽犯罪法で規定する人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類に該当すると考えられます。
ですので、容疑者が看守を怠ってサバンナオオトカゲを逃がしたのであれば、軽犯罪法違反の罪が成立する可能性があります。
不起訴処分とは
今回の事例では、起訴猶予による不起訴処分となったようです。
不起訴処分とはどのような処分なのでしょうか。
不起訴処分とは、その名の通り、起訴をしない処分のことをいいます。
刑事事件では、起訴されない限り刑罰を科されませんから、不起訴処分になれば前科がつくことも避けることができます。
実際に犯罪が成立するような行為をしてしまった場合には、刑罰を免れないのではないかとご不安な方もいらっしゃるかもしれません。
犯罪にあたるような行為をしていた場合でも、起訴猶予により不起訴処分を獲得できる可能性があります。
例えば、被害者が容疑者の処罰を求めていない場合や、再犯防止策を講じている場合、事件の悪質性が低い場合には、起訴猶予により不起訴処分を獲得できる可能性があります。
不起訴処分に向けた弁護活動
起訴をするかどうかの判断を行うのは検察官です。
ですので、不起訴処分を獲得するためには、検察官に対してアプローチすることが重要になります。
弁護士は検察官に対して不起訴処分を求める交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に、容疑者の有利になるような事情を訴え、不起訴処分を求めることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
また、検察官が起訴、不起訴の判断を行ううえで、取調べの際に作成される供述調書も判断材料の一つになりますので、取調べ対策も重要になります。
ただ、取調べ対策をする必要があるといっても、どういった対策を練ればいいのかわからない方がほとんどだと思います。
ですので、取調べを受ける際には弁護士と打ち合わせを行ってから挑むことをお勧めします。
事前に弁護士に相談をすることで、不利になるような事情を供述することを防げる可能性や、警察官や検察官による供述の誘導に乗ってしまうことを避けられる可能性があります。
不利になるような供述調書が作成されてしまうと、その内容を訂正することは容易ではありませんし、裁判などで窮地に陥るおそれもあります。
そういった事態を避けるためにも、取調べ前に一度弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
刑事事件の経験豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数多くの事件で不起訴処分を獲得しています。
軽犯罪法違反やその他の刑事事件でお困りの方、不起訴処分の獲得を目指している方は、刑事事件に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120―631―881にて、24時間365日受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
年末年始も即日対応 刑事事件でお困りの方はご相談ください
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【事例紹介】工事現場から銅線計220メートルが盗まれた事例
滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警甲賀署は14日、滋賀県甲賀市(中略)の工事現場から銅線計220メートル(時価200万円相当)が盗まれた、と発表した。同じ工事現場では1カ月前に銅線320メートルが盗まれており、同署が同一犯による窃盗事件として調べている。
(後略)
(12月14日 京都新聞 「工事現場から時価200万円相当の銅線盗まれる 1カ月前にも被害、同一犯か」より引用)
窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は簡単に説明すると、人の物を勝手に自分の物や他の人の物にすると成立する犯罪です。
今回の事例では、滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれたようです。
この銅線は工事現場にあったわけですから、銅線の持ち主は工事現場の責任者になるでしょう。
この銅線を持ち主の許可なく勝手に持ち出したのであれば、持ち出した人は窃盗罪の罪に問われる可能性があります。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ですので、窃盗罪で有罪になってしまった場合には、懲役刑が科される可能性があります。
初犯であれば、窃盗罪で懲役刑は科されないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の事例では銅線計220メートル、時価200万円相当の被害が出ています。
また、1か月前にも同様の被害が出ており、同一犯とみて捜査していると報道されています。
今回の事件だけでもかなり高額の被害額ですし、1か月前の事件も同一犯が起こしていたのであれば、被害額は倍になります。
被害額が高額に及ぶ場合には、初犯であっても、裁判が開かれ懲役刑が科される可能性があります。
また、転売目的での窃盗だと判断された場合には、より重い処罰を科される可能性が高いです。
建造物侵入罪
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪は簡単に説明すると、正当な理由や許可なく建造物に進入すると成立する犯罪です。
建造物とは、人が住んでいる家などの住居、使用していない別荘などの邸宅を除いた建物を指します。
今回の事例では、工事現場から銅線が盗まれたと報道されています。
どういった工事現場なのかは報道からでは明らかではありませんが、場合によっては、窃盗罪だけでなく、建造物侵入罪も成立してしまう可能性があります。
例えば、今回の事例の工事現場が新しくできるお店の工事現場であり、お店が建てられていた場合、お店は住居や邸宅にはあたらないので建造物にあたります。
ですので、そのお店に窃盗をする理由で侵入したのであれば、正当な理由や責任者の許可なく建造物に進入したことになりますので、建造物侵入罪が成立する可能性があります。
ですので、場合によっては今回の事例の窃盗犯も、窃盗罪だけでなく建造物侵入罪に問われる可能性があるかもしれません。
建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
建造物侵入罪についても、有罪になれば懲役刑が科される可能性があります。
窃盗事件は弁護士にご相談を
自分が起こしてしまった事件や似たような事件が報道されると、逮捕されるんじゃないか、刑務所に行くことになるかもしれないんじゃないかなど、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
逮捕される前や警察署からの連絡がある前に弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。
例えば、逮捕される前に弁護士を選任し弁護士と一緒に警察署へ出頭することで、逮捕のリスクを減らせる可能性があります。
また、警察側が犯人を全く特定できていないなどの場合には、自主をすることで自主が成立する可能性もあります。
自主が成立した場合には、科される刑罰が軽くなる場合があります。
しかし、自主にはデメリットもあり、自主しなければ犯人だとバレなかったのに自主したことで犯人であることが明るみになり、結果、有罪になって前科がついてしまうなどの可能性もあります。
自主した方が良い場合やそうでない場合は、事件によって異なりますので、事件を起こしてしまった方は、弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
経験豊富な弁護士に相談をすることで、逮捕の回避や執行猶予付き判決の獲得など、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
事件を起こしてご不安な方、既に警察の捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
【事例紹介】公衆浴場の脱衣所で男子高校生の裸を盗撮し逮捕された事例
滋賀県草津市内の公衆浴場の脱衣所で男子高校生の裸を盗撮したとして、性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警草津署は11月19日、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで、滋賀県守山市、会社員の男(49)を逮捕した。
逮捕容疑は19日午後7時20分ごろ、滋賀県草津市内の公衆浴場の脱衣所で男子高校生(16)の裸をスマートフォンで撮影した疑い。
(後略)
(11月20日 京都新聞 「男子高校生の裸体撮影した49歳会社員男を逮捕 公衆浴場の脱衣所」より引用)
性的姿態等撮影罪
今年の7月13日より、新たに性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」といいます。)が施行されました。
性的姿態撮影処罰法が成立したことにより、性的姿態等撮影罪が新たに規定されました。
今までは、盗撮を行った場合には各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していましたが、今後は盗撮を行った場合には原則として性的姿態等撮影罪が成立することになります。
性的姿態撮影処罰法第2条
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1項1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
(1項2号以下省略)
今回の事例では、容疑者が公衆浴場の脱衣所で男子高校生の裸をスマートフォンで盗撮したとされています。
裸の状態で写真を撮れば性的な部位が撮影されるでしょう。
また、公衆浴場の脱衣場で写真を撮る正当な理由はないように思われますから、実際に容疑者が男子高校性の裸を盗撮していたのであれば、性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)が成立する可能性があります。
盗撮と量刑
先ほど、以前盗撮を行った場合には各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していたと書きましたが、性的姿態撮影処罰法の成立により量刑に変化はあるのでしょうか。
滋賀県迷惑行為等防止条例では、不特定多数の人が利用し服を着ていないような浴場や更衣室などで盗撮をした場合の法定刑は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。(滋賀県迷惑行為等防止条例第11条1項1号)
また、常習として盗撮していたと判断された場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。(滋賀県迷惑行為等防止条例第11条3項)
性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)の法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金ですので、滋賀県迷惑行為等防止条例違反と比べて性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)の方が科される量刑が重いことがわかります。
盗撮と示談
盗撮事件では被害者と示談を締結することで、不起訴処分を得られる場合があります。
今回の事例では、被害者は16歳の男子高校生ですので、示談をする場合は被害者の親と行うことになります。
親との示談の場合、大切なわが子が犯罪に遭ったわけですから、厳しい処罰を求めている場合が多く、示談交渉が難航する可能性が高いです。
また、加害者本人が示談交渉を行ってしまうと、より処罰感情を苛烈にさせてしまう場合も少なくないため、示談交渉を行う際には弁護士を代理人として行うことが望ましいでしょう。
加えて、盗撮事件では、被害者の連絡先を知らないことがほとんどだと思います。
連絡先や名前などの個人情報を加害者に知られたくないという方も多くいらっしゃいますので、加害者本人が示談交渉を行う際には連絡先を教えてもらえず、示談交渉すら行えない場合があります。
弁護士であれば連絡先を教えてもいいと思ってもらえる場合がありますので、示談を考えている方は、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
盗撮の容疑で捜査を受けた方、その他刑事事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120―631―881までご連絡くださいませ。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
【事例紹介】病気の犬に治療を受けさせなかったことで逮捕された事例
ペットショップで販売している犬に獣医師の治療を受けさせなかったとして、動物愛護法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
滋賀県甲賀市のペットショップで病気にかかった犬に治療を受けさせなかったとして、滋賀県警生活環境課と甲賀署は11月28日、動物愛護法違反(虐待)の疑いで、ペットショップ経営会社「(中略)」(名古屋市)の営業部長の女(44)=大津市=を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は3月21~25日、同社が運営する甲賀市のペットショップ「(中略)」で、当時の店長(21)と共謀し、販売していた犬3匹が何らかの病気にかかったのに、獣医師の治療を受けさせるなどの適切な保護をしなかった疑い。
同課によると、3匹とも同月中に死んだという。犬種はパグ、ジャックラッセルテリア、シバイヌで、いずれも生後6カ月前後だった。女は滋賀県内の店舗の運営を管理する立場だったという。
(後略)
(11月28日 京都新聞 「病気の犬に治療受けさせず、ペットショップ社員の女を容疑で逮捕 3匹はその後死ぬ」より引用)
病気と動物愛護法
今回の事例では、ペットショップで販売していた犬3匹が病気にかかったのに獣医師の治療を受けさせなかったとして動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護法」といいます。)違反の容疑で逮捕されています。
動物愛護法違反と聞くと、動物への虐待を想像する方がほとんどだと思います。
病気にかかった犬に獣医師の治療を受けさせない場合には、動物愛護法違反の罪が成立するのでしょうか。
動物愛護法第44条2項
愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
動物愛護法第44条2項では、自分が飼育している愛護動物や保管している愛護動物が病気にかかった場合に適切な保護を行わないことを禁止しています。
病気にかかった際の適切な保護には、受医師の治療を受けさせることも含まれると考えられます。
また、動物愛護法第44条2項が規定する愛護動物とは、犬や猫、いえうさぎなどが該当します。(動物愛護法第44条4項1号)
ですので、自分の飼育または保管している犬が病気にかかった場合に獣医師の治療を受けさせないと、動物愛護法違反が成立する可能性があります。
今回の事例で逮捕された女性は、滋賀県の店舗の運営を管理する立場だったようです。
この女性が病気にかかった犬を飼育または保管していたといえるのでしょうか。
病気で亡くなった犬3匹はペットショップで販売されていたと報じられています。
ですので、この3匹の犬はペットショップが管理していることになります。
滋賀県の店舗の運営をする立場である女性が直接お世話をしていなかったとしても、滋賀県内にある店舗の責任者である立場ゆえに間接的に飼育、保管をしていたとみなされるおそれがあり、女性に動物愛護法違反が成立する可能性があります。
共犯と釈放
今回の事例では、店長と共謀して病気の犬に獣医師による治療を受けさせなかったとされています。
共犯者がいる事件では、口裏合わせなどによる証拠隠滅を防止するために、釈放が認められない場合が多々あります。
釈放されない場合、勾留決定から20日間、身体拘束を受け続ける可能性があります。
また、そのまま釈放されずに起訴された場合には、保釈が認められない限り、身体拘束を受け続けることになります。
釈放を求める弁護活動として、勾留判断前に意見書を提出する方法があります。
身元引受人である家族が監視監督を行うことで、共犯者と連絡をとれないようにすることや、逃亡はさせないことなどを検察官や裁判官に訴えることで釈放が認められる可能性があります。
この意見書の提出は、検察官が勾留請求を行う前と裁判官が勾留の判断を行う前の2回チャンスがあります。
この2回の機会を逃すと、勾留満期までに釈放を求められる機会は準抗告の申し立ての1回のみになります。
釈放を求める機会を少しでも多く手に入れるためにも、逮捕された場合には速やかに弁護士に相談をすることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士による身柄開放活動で釈放を実現できるかもしれません。
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