Archive for the ‘財産事件’ Category

【事例紹介】大津市のスーパーで配管を盗んで逮捕

2023-02-22

大津市内にあるスーパーマーケットで真ちゅう製のバルブを盗んだ窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大津市のスーパーマーケットでトイレの配管を相次いで盗んだとして、滋賀県警大津署は8日、窃盗の疑いで、同市、土木作業員の男(56)を逮捕した。
(中略)大津市内のスーパーマーケット3店舗の男子トイレの個室から、水洗レバーが付いた真ちゅう製のバルブ(計約8万円相当)を盗んだ疑い。
同署によると、容疑者は盗んだ配管を県内のリサイクル業者に売却していた。「生活費に困ってやった」と話している、という。(後略)
(2022年12月8日 京都新聞 「スーパー3店のトイレからバルブ盗んだ疑い、土木作業員の男を逮捕「生活費に困り」」より引用)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

他人が占有している財物をその人の意思に反して盗むと窃盗罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が大津市内のスーパーマーケット3店舗から真ちゅう製のバルブを盗んだとされています。
真ちゅう製のバルブは財物にあたりますし、真ちゅうバルブの占有者はおそらくスーパーマーケットの店長でしょう。
ですので、容疑者が真ちゅう製のバルブを占有者の同意なく取ったのであれば、窃盗罪が成立する可能性があります。

また、今回の事例では、容疑者が盗んだ配管をリサイクル業者に売却していたと報道されています。
転売目的での窃盗だと判断されれば、悪質性が高いと判断される可能性がありますし、そうなると窃盗罪で有罪になった場合に、同種事案よりも重い量刑が科されてしまうかもしれません。

示談を締結していることで科される刑罰が軽くなったり、不起訴処分を獲得できる場合があります。
示談交渉は加害者自らが行うことも不可能ではありませんが、加害者が自ら連絡を取ることを嫌がられる場合もありますし、トラブルになる可能性もありますので、あまりお勧めできません。
また、示談を一度断られていたとしても、弁護士が連絡を取ることで示談を締結できることがありますので、示談交渉を行う際には弁護士を介して行うことが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
刑事事件に詳しい弁護士による的確なアドバイスや示談交渉により、不起訴処分の獲得や少しでも科される量刑を軽くできるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス、初回無料法律相談を行っています。
窃盗罪で逮捕された方、お困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、初回無料法律相談のご予約は0120ー631ー881で受け付けております。

【事例紹介】原材料を横領し、業務上横領罪で逮捕

2023-02-09

滋賀県近江八幡市で起きた業務上横領事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警近江八幡署は19日、業務上横領の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は(中略)滋賀県近江八幡市のプラスチック容器製造会社に契約社員として勤務していた時に、別の男(49)と共謀して会社内に保管されていたプラスチック製品の原材料10トン(約140万円相当)を持ち出した疑い。
(1月19日 京都新聞 「プラスチック原材料10トンを横領 容疑で61歳派遣社員の男を逮捕、滋賀」より引用)

業務上横領罪

業務上横領罪は、業務上自己の占有する他人の物を横領すると成立します。
例えば、業務の一環として管理を任されている他人の物を横領した場合は、業務上横領罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が別の男と共謀してプラスチック製品の原材料を横領したとされています。
業務上横領罪では、横領の対象となる物として現金をイメージする方も多いのではないでしょうか。
業務上横領罪の対象となる物は、業務上自己の占有する他人の物です。
ですので、今回の事例のようなプラスチック製品の原材料といった現金以外の財物であっても、その他の業務上横領罪の構成要件を満たすのであれば、業務上横領罪は成立します。

では、今回の事例では業務上横領罪の構成要件である「業務上自己の占有する」という要件を満たすでしょうか。

今回横領したとされているプラスチック製品の原材料は、報道によると会社内に保管されていた物ですので、会社の物だと思われます。

したがって、もしも容疑者が業務の一環として、このプラスチック製品の原材料の管理を任されていたのであれば、「業務上自己の占有する」他人の物を横領したことになりますので、業務上横領罪が成立します。
しかし、報道の通り会社が保管しているプラスチック製品の原材料を持ち出してはいたが、管理を任されていなかった場合は、業務上横領罪ではなく、窃盗罪又は単純横領罪が成立する可能性があります。

業務上横領罪の法定刑は、10年以下の懲役です。(刑法第253条)
一方で、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)であり、業務上横領罪とは違って罰金刑が規定されています。
また、単純横領罪の法定刑は、5年以下の懲役です。(刑法第252条1項)

業務上横領罪が成立するためには、業務上自己が占有していたと認められる必要があります。
もしも検察官や裁判官が、業務上自己が占有していたとするには合理的な疑いが残ると判断した場合には、業務上横領罪ではなく罰金刑の規定がある窃盗罪や、業務上横領罪より法定刑の軽い単純横領罪が適用される可能性がありますし、業務上横領罪については不起訴処分又は無罪になるかもしれません。

業務上横領罪窃盗罪単純横領罪のどの罪が成立するかは、事件の内容次第で異なります。
事件の内容によっては、業務上横領罪窃盗罪単純横領罪ではなく、全く別の罪が成立する可能性もあるかもしれません。
成立する罪によって法定刑も変わってきますから、一度刑事事件に詳しい弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強い法律事務所です。
刑事事件に強い弁護士に相談をすることで、少しでもいい結果を得られるかもしれません。
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業務上横領罪窃盗罪単純横領罪、その他刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】業務上横領罪で逮捕 滋賀県湖南市

2022-12-07

【事例紹介】業務上横領罪で逮捕 滋賀県湖南市

滋賀県湖南市で起きた業務上横領事件を基に、業務上横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警捜査2課と甲賀署は11月30日、業務上横領の疑いで、滋賀県甲賀市、アルバイトの女(54)を逮捕した。
逮捕容疑は、湖南市の石部自動車教習所に経理担当事務員として勤めていた2020年4月4日と8日、入所者から預かった教習料金計60万円を着服した疑い。
県警によると、(中略)県自動車協同組合が(中略)入所者らから受領した料金計5400万円を横領したとして県警に告訴していた。女は「生活費や旅行代金などに使った」と話しているという。
(11月30日 京都新聞 「自動車教習所パートの女、横領疑いで逮捕「生活費や旅行代金などに使った」」より引用)

業務上横領罪

刑法第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

業務上横領罪を簡単に説明すると、業務上、自分が管理している他人のお金などを取った際に成立する犯罪です。

今回の事例では、容疑者が勤務していた自動車教習所から60万円を着服したと報道されています。
報道によれば、容疑者は過去に経理担当事務員として勤務しており、教習料金を入所者から預かっていたようですから、おそらく教習料金など自動車教習所内の金銭の管理を業務として行っていたのでしょう。
また、容疑者が着服したとされている60万円は入所者から教習料金として預かったものであり、容疑者のものではありません。
業務により、自分が管理している他人のお金を着服した場合は業務上横領罪にあたりますので、報道が事実であれば、容疑者の行為は業務上横領罪に該当するといえます。

業務上横領罪の量刑

業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役です。
しかし、業務上横領罪にあたる行為を実際に行っていたからといって、必ず刑務所に行くというわけではありません。

例えば、過去には、男性職員が労働組合費66万円を競馬に使い、業務上横領罪の疑いで書類送検された事件が起こっていますが、この業務上横領事件では、男性職員に対して不起訴処分の判断が下されています。(2022年9月17日 京都新聞 「労働組合費66万円を競馬に使い込み 京都市が職員処分「収入限られ」」より)

被害金額がどれほどのものか、被害弁償はできているのかなど、様々な事情によりますが、業務上横領罪でも不起訴を目指すことが全くできないというわけではないのです。

業務上横領罪の条文を見ていただければ分かる通り、業務上横領罪は有罪になると、執行猶予が付かない限り刑務所に入らなければなりません。
今回の事例では、報道によると容疑者は60万円を着服した疑いで逮捕されていますが、報道では着服額を5400万円として告訴されているという話も出てきています。
被害額が高額であれば、それだけ厳しい処分が下されやすくなりますから、実際の着服額が5400万円であり、残りの額についても業務上横領罪で立件された場合には、実刑判決が下される可能性が高まるといえるでしょう。

また、着服額が逮捕容疑のとおり60万円だった場合であっても、必ず不起訴処分を得られるとは限りませんので、こちらの場合でも懲役刑が下される可能性はあります。
しかし、示談や賠償をすることで執行猶予や不起訴処分の獲得を望める場合があります。
示談や賠償を行う際には、トラブルを避けるためにも弁護士を付けることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
業務上横領罪でお困りの際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

2022-08-31

(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

~事例~

大津市の住宅に空き巣に入ったとして、広島、三重両県警の合同捜査本部は29日、住居侵入と窃盗の容疑で、(中略)容疑者(35)ら4人を逮捕したと発表した。
広島県警捜査3課によると昨夏以降、中部、近畿、中国地方で、2階以上の無施錠の部屋から侵入するなど似たような窃盗事件が約100件あり、関連を調べる。
逮捕容疑は、3月中旬ごろ~4月16日、共謀して大津市朝日の住宅に侵入し、現金3万円と腕時計1本など5点(計約85万5千円相当)を盗んだとしている。
(後略)
(※2022年8月29日18:24産経新聞配信記事より引用)

~空き巣事件と余罪~

今回取り上げた事例では、滋賀県大津市空き巣に入った容疑者らが住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されたという報道の内容となっています。
空き巣は、その家に住む人が留守の間を狙って家に忍び込み、金品を盗んでしまうという窃盗行為の手口の1つです。
空き巣事件では、他人の家に勝手に侵入していることから住居侵入罪が、他人の家の中のものを盗んでいることから窃盗罪がそれぞれ成立するため、今回の報道でも逮捕容疑が住居侵入罪窃盗罪の2つになっています。

空き巣のように、「窃盗罪にあたる行為をするために住居侵入罪にあたる行為をする」という関係性で2つの犯罪が成立する場合には、「牽連犯」という考え方で刑罰の重さの範囲が決められます(刑法第54条第1項)。
牽連犯」は、ある犯罪の手段として別の犯罪をするという関係性で複数の犯罪が成立する際に用いられる考え方で、空き巣事件のような侵入盗事件では住居侵入罪窃盗罪の2つが手段と目的の関係となるため、この「牽連犯」にあたるということになります。
牽連犯」の考え方では、その最も重い刑により処断されることとなるため、住居侵入罪の「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」(刑法第130条)と窃盗罪の「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条)のうち、重い方の窃盗罪の法定刑の範囲で刑罰が決められることとなります。
犯罪が2つ成立しているからといって、単にそれぞれの犯罪の刑罰を足せばよいというわけではないのです。

しかし、今回取り上げた事例のように、余罪(すでに検挙されている犯罪とは別に起こしている犯罪)が多数ありそうであるというケースでは、住居侵入罪窃盗罪が成立する事件が複数あるということが考えられます。
こうした場合には、1件目の空き巣は2件目の空き巣の手段でも目的でもないということになりますから、先ほどの「牽連犯」の考え方ではない考え方によって刑罰の重さが決定されます。
今回取り上げた事例のように、複数件余罪があるというようなケースでは、「併合罪」という考え方で刑罰の重さが決められます(刑法第45条)。

「併合罪」では、有期の懲役刑・禁錮刑については、その最も重い刑の長期にその刑の2分の1を加えたものか、それぞれの刑の長期を加えたものが長期となります(刑法第47条)。
例えば、空き巣事件が2件起訴された場合、それぞれの空き巣事件について住居侵入罪と窃盗罪が成立することになります。
この場合、空き巣事件2件に関しては「併合罪」の処理がされるため、窃盗罪の長期である「10年以下の懲役」の1.5倍である「15年以下の懲役」が刑の長期になるということになります。

このように、起こした刑事事件自体が複数の犯罪に触れるものであったり、余罪が多数あったりという事情がある場合、その刑事事件の最終的な見通しは複雑になりがちです。
お早めに弁護士に相談いただくことで、こうした見通しを把握した上で手続に対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

(事例紹介)滋賀県のオレオレ詐欺(特殊詐欺)事件で逮捕

2022-06-15

(事例紹介)滋賀県のオレオレ詐欺(特殊詐欺)事件で逮捕

~事例~

滋賀県警守山署などは23日、詐欺の疑いで、大阪府茨木市、無職の男(20)と同府摂津市、建設業の男(20)を逮捕した。
(中略)
 逮捕容疑は、仲間と共謀して4月12日、滋賀県近江八幡市の女性(79)に息子の上司や息子を装って電話をかけてうそを言い、息子の上司を装った無職の男が女性宅を訪れ、現金250万円をだまし取った疑い。
(※2022年5月23日18:41京都新聞配信記事より引用)

~オレオレ詐欺事件~

いわゆる「オレオレ詐欺」に代表される特殊詐欺の被害は後を絶ちません。
今回取りあげた事例も、被害者の女性の息子やその上司を装って電話をかけ、現金をだまし取るという典型的なオレオレ詐欺事件であるといえるでしょう。
こうした特殊詐欺事件については、近年厳しい判断が下されることが多くなっているように思われます。

例えば、以下のような報道を見てみましょう。
・特殊詐欺グループの起こした複数の特殊詐欺事件(被害金額1660万円)に関与し、被害者からキャッシュカードを盗むなどした窃盗罪に問われた元警察官に対して懲役5年の実刑判決が言い渡された事例(2020年4月8日17:49産経新聞配信記事より)
・警察官などを名乗って複数の高齢者から現金やキャッシュカードをだまし取った窃盗罪や詐欺罪(被害金額約1500万円)に問われた男性が懲役4年6月の実刑判決を受けた事例(2020年2月12日18:41朝日新聞デジタル配信記事より)

詐欺罪では、その刑罰が「10年以下の懲役」と定められています(刑法第246条)。
昨今の特殊詐欺事件では、被害者の隙を見てキャッシュカードを盗む手口もあるため、詐欺罪ではなく窃盗罪が成立する場合もありますが、窃盗罪に定められている刑罰は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっています(刑法第235条)。
このことから、詐欺罪や窃盗罪で有罪となった場合には、「10年以下の懲役」という範囲で刑務所に行く可能性が出てくることとなります。

今例として挙げた事例では、複数件の特殊詐欺事件に関わっていたり、被害金額が多額であったりといった事情もあり、長期間の実刑判決が下されています。
実際に、先ほども触れた通り、特殊詐欺事件については厳しい判断が下される傾向にあります。
法務省による「2021年版犯罪白書」では、特殊詐欺事件で「受け子」や「出し子」と呼ばれる役割を担ったと判明している被告のうち、過半数の54.9%が実刑判決を受けているという統計が出ています。
「受け子」や「出し子」は特殊詐欺グループの末端が担うことも多い役割ですが、それでも過半数が実刑判決を受けているということからも、厳しい判断が下される可能性が高まっていることが分かります。

当然、かかわった詐欺事件の件数や被害金額などにもよりますが、特殊詐欺事件では末端であっても厳しい判断が下されやすいということからも、早期に弁護士のサポートを受けることが望ましいと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、オレオレ詐欺事件などを含む詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
0120-631-881ではいつでもお問い合わせを受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)預かっていた自転車を無断で売却し逮捕された事例

2022-05-18

(事例紹介)預かっていた自転車を無断で売却し逮捕された事例

今回は、実際に起きた自転車横領事件を例にとり、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

今年1月27日、鳥取市内の更生保護施設から預かっていた時価2000円相当の自転車1台を、リサイクルショップで販売して横領した疑いで、30代の男性が逮捕されました。
30代男性は前記被疑事実について認めており、警察は動機などを詳しく捜査する方針です。
(BSS山陰放送 「預かっていた自転車を勝手に売却…男を逮捕」より引用)

~横領の罪について解説~

横領罪は、「単純横領」(刑法第252条)、「業務上横領」(刑法第253条)、「遺失物等横領」(刑法第254条)の各罪から構成されており、ケースの場合は単純横領罪に問われている可能性が高いのではないでしょうか(事情によっては、業務上横領罪を構成するかもしれません)。

横領」とは、「自己の占有する他人の物又は公務所から保管を命じられた自己の物を不法に領得すること」をいいます(判例通説)。
典型的な横領行為として、他人から預かっている物を無断で売却したり、質入れする行為が挙げられます。
また、ローンで自動車や高級腕時計などを購入した場合、代金の完済までは所有権が売主やクレジット会社に帰属していることが通常です。
購入した商品をローンの完済までに無断で売却するなどした場合においても、横領罪に問われる可能性があります。
今回取り上げたケースでは、施設から預かっていた自転車をリサイクルショップに売ってしまっているため、「横領」行為にあたると判断されたのでしょう。

単純横領罪について有罪判決が確定すると、5年以下の懲役に処せられます。
単純横領罪には罰金刑がないため、起訴されるということは刑事裁判を受けるということでもあります。
刑事裁判を見据えた活動を早い段階から行う必要がありますから、横領事件刑事事件化した場合には、早めに弁護士に相談・依頼することがおすすめされます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
逮捕されてしまった場合において円滑な社会復帰を実現するためには、早期に弁護士を依頼し、積極的な弁護活動を展開することが非常に重要となります。
ご家族が横領の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】執行猶予中の窃盗事件で保釈・刑罰の減軽を実現

2022-04-27

【解決事例】執行猶予中の窃盗事件で保釈・刑罰の減軽を実現

~事例~

滋賀県近江八幡市在住のAさんは、近所のスーパーマーケットで万引きをしてしまい、滋賀県近江八幡警察署窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、今までにも万引き事件を起こして有罪判決を受けたことがあり、前回の窃盗事件では執行猶予付きの有罪判決を受けていました。
今回の窃盗事件は、前回の窃盗事件で受けた執行猶予期間中に起こしてしまった窃盗事件でした。
その後、Aさんは10日間の勾留を経て起訴されましたが、なかなか保釈が実現しないことなどを不安に思い、Aさんのご家族が弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談に来られました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

執行猶予中の再犯であったことから、Aさんには厳しい刑罰が下されることが予想され、保釈を実現することのハードルが高い状況でした。
しかし、Aさんは執行猶予期間中にも関わらず万引きを繰り返してしまうという状態であったことから、万引きを自分の意思で止められない可能性があるとして、ご家族やご本人と相談の結果、専門家のカウンセリングや依存症治療を受けたいというお話もありました。
こうした事情や、Aさんが高齢であるという事情、Aさんのご家族が監督協力をするという事情などにより、早急に保釈の必要があると弁護士から裁判所に訴えた結果、Aさんは保釈を許されました。
保釈が許された後、Aさんは自身の治療のため、専門家のカウンセリングや入院治療を受けるなどして、二度と窃盗行為を繰り返さないように再犯防止活動に取り組みました。

また、万引きの被害を受けたスーパーマーケットには、被害弁償と謝罪を行いました。

こういったAさんの取り組みなどを刑事裁判で主張した結果、Aさんには、検察官から求刑された刑罰よりも4ヶ月軽い懲役刑が言い渡されました。

執行猶予中に再犯をしてしまった場合、実刑判決が見込まれることから逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断されてしまうことも多く、保釈を実現することのハードルが上がってしまいます。
だからこそ、保釈を求めるための準備を早い段階からスタートさせ、保釈を求める環境を整えた上で保釈請求に臨むことが望ましいといえます。

さらに、実刑判決が見込まれる場合には、刑罰をできるだけ軽減してほしいと考えられる方も多いでしょう。
そのためには、被害者への謝罪・弁償だけでなく、再犯防止のための活動に取り組むことなども重要です。
こういった活動は刑事裁判直前に取りかかり始めても間に合いませんから、こちらも早い段階からスタートすることが重要です。

こういったことからも、早期に弁護士に相談・依頼することが重要といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を中心に取り扱う弁護士が、刑事裁判となった事件の弁護活動についてもご相談・ご依頼を承っています。
保釈を実現したい、刑罰の減軽を実現したいとお悩みの際は、一度ご相談ください。

【解決事例】万引きによる窃盗事件で執行猶予獲得

2022-04-13

【解決事例】万引きによる窃盗事件で執行猶予獲得

~事例~

Aさんは、滋賀県守山市内にあるスーパーマーケット複数店舗から、食品などを万引きしました。
スーパーの職員に万引きを発見され、滋賀県守山警察署窃盗罪の容疑で捜査されることになったAさんでしたが、過去に同じく万引きによる窃盗罪で捜査され有罪となった前科前歴があったため、今後の処分について不安を感じていました。
そこでAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部に相談に来られました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、被害弁償と謝罪を被害店舗に対して行っていました。
これに加えて、弁護士は被害店舗と交渉し、Aさんの反省を伝えるとともに、Aさんの家族が協力してAさんの監督をすることなども説明し、被害店舗からお許しの言葉をいただくこともできました。

被害店舗からはお許しの言葉をいただけたものの、Aさんに同種前科(窃盗罪での前科)があったこともあり、Aさんは窃盗罪で起訴されることとなりました。
Aさんは刑事裁判を受けることが初めてであったため、刑事裁判での対応を心配していました。
そこで、弁護士と刑事裁判に向けた入念な打合せを行い、Aさん本人だけでなく、証人として参加するご家族とも刑事裁判の流れや受け答えについてアドバイスを行い、打合せを重ねました。

刑事裁判本番では、被害店舗のお許しがあることやAさん自身がカウンセリングなどの受診を実行していること、Aさんのご家族のサポートがあることなどを適切に提示することができ、Aさんは執行猶予を獲得することができました。

起訴され刑事裁判となった場合、その裁判本番でどのようなことをするのか、どのような対応をすべきなのかといったことは、なかなか分かりづらいものです。
刑事事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士が事件の発生から刑事裁判の終わりまでフルサポートします。
執行猶予の獲得を目指したい、万引きによる窃盗事件で悩んでいるという方は、お気軽にご相談ください。

保険金の水増し請求で詐欺罪に

2021-12-25

保険金の水増し請求で詐欺罪に

保険金の水増し請求で詐欺罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県大津市で整骨院を経営していました。
Aさんは、交通事故に遭って治療のためにやってきた患者Bさんと共謀して、Bさんの通院日数や治療内容を偽造し、保険会社に保険金を水増しして請求しました。
しかし、保険会社の調査が入り、AさんとBさんが共謀して保険金を水増し請求をしていたことが発覚。
保険会社は滋賀県大津北警察署に通報し、滋賀県草津警察署は捜査を開始しました。
その結果、AさんとBさんは、詐欺未遂罪の容疑で、滋賀県大津北警察署に逮捕されることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)

・保険金の水増し請求で詐欺罪に

実際には行っていない治療や入院、通院を偽造して保険会社へ保険金を水増し請求し、水増しされた保険金を受け取れば、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺事件というと最近ではオレオレ詐欺などに代表される振り込め詐欺が有名ですが、こうした水増し請求による詐欺事件も、詐欺事件の典型例です。

保険会社としては、請求された分の治療や入院・通院があることを基にして、その分の保険金を支払っています。
ですが、実はその治療等が存在しない水増し請求であったとなれば、保険会社から水増し分の保険金をだまし取っている=「人を欺いて」保険金を得ているので、詐欺罪が成立しうるということになります。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪にいう「人を欺く」行為とは、その財物を交付する際に交付の判断を左右するような重要な事実を偽ることであるとされています。

今回の事例のような保険金の水増し請求の事例では、保険会社がその保険金額を支払う根拠となる通院日数や入院日数、治療内容といった部分に嘘があるということになりますから、詐欺罪のいう「人を欺」くことに該当するのです。
そして、今回の事例では、保険金が支払われる前に保険会社が保険金の水増し請求に気づいていますが、こうした場合でも、水増し請求を行った時点で詐欺未遂罪が成立します。

保険金の水増し請求による詐欺事件では、今回の事例のように、客や整骨院・病院の従業員が一緒になって詐欺行為をする手口が取られやすいです。
すなわち、詐欺事件の事件関係者が複数人存在するということになるため、捜査機関や裁判所は、口裏合わせなどによって証拠隠滅されるのではないかと懸念することが予想されます。
こうしたことから、逮捕や勾留によって身体拘束されたうえで捜査されることも充分考えられます。

また、余罪があるのではないかと疑われることや、余罪が存在する場合は再逮捕が繰り返されて長期間の身体拘束となることも考えられます。
早めに弁護士に相談・依頼することで、このような事態にも迅速に対応してもらえることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、保険金の水増し請求による詐欺事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
突然の逮捕にお困りの方、水増し請求による詐欺事件にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

ひったくりと事後強盗罪

2021-11-24

ひったくりと事後強盗罪

ひったくり事後強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県草津市内の路上を自転車に乗って走行中、自転車の前かごにバッグを入れて歩いているVさんを見かけました。
Aさんは、「荷物を簡単に取れそうだ」と思い、Vさんの横を通り過ぎざまに、Vさんのバッグをひったくり、そのまま立ち去ろうとしました。
しかし、VさんはすぐにAさんを追いかけ、Aさんの服を掴んでバッグを取り返そうとしました。
Aさんは、バッグを取り返されまいと、追いすがるVさんを突き飛ばして転倒させ、Vさんを振り切るとそのまま逃走しました。
一部始終を目撃していた人が滋賀県草津警察署に通報したことで捜査が開始され、Aさんは事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
ひったくりのつもりが強盗罪という容疑で逮捕されたAさんは驚き、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・ひったくりが強盗罪となるケースは?

前回の記事では、一般にひったくり窃盗罪に問われるケースが多いものの、被害者の生命・身体に及ぼす危険の高い暴行によって財物を奪取したことが認められる場合になどには、強盗罪とされるケースもあるということを取り上げました。

そのようなケース以外にも、ひったくり強盗罪とされうるケースとして、今回の事例のようなケースが考えられます。
刑法では、事後強盗罪という犯罪を定めています。

刑法第238条(事後強盗罪)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪は、大まかにいえば、通常の強盗罪とは成立の条件の順序が逆になっている強盗罪です。
通常の強盗罪は、暴行・脅迫を手段として財物を奪うという犯罪です。
対して事後強盗罪は、財物を取得した後に、その財物を取り返されることや逮捕の回避、罪跡を隠滅する目的で暴行・脅迫をした者に成立する犯罪です。
文字通り、事後的に暴行・脅迫した場合に成立する強盗罪ということになるでしょう。
事後強盗罪の暴行・脅迫も、強盗罪と同様に相手方の反抗を抑圧しする程度の強度が要求されます。

事後強盗罪の条文の主語が「窃盗が」となっていることからわかるように、事後強盗罪の主体は、窃盗犯人(未遂を含む)でなければなりません。

事後強盗罪が成立するためには、窃盗犯人が行った暴行・脅迫が、

①財物を得てこれを取り返されることを防ぐ目的
②逮捕を免れる目的
③罪跡を隠滅する目的

のいずれかの目的で行われなければなりません。

たとえ窃盗罪にあたるひったくりであっても、財物を奪った後に上記①~③の目的で暴行・脅迫を行った場合には事後強盗罪に問われる可能性があるということになります。
例えば、今回の事例のAさんの場合、Aさんは一度ひったくり窃盗罪にあたる行為をしてVさんのバッグを得ていますが、Vさんがバッグを取り返そうと追いすがってきたため、バッグを取り返されまいとしてAさんを突き飛ばすといった暴行を加えています。
これは①にあたる目的で暴行を加えたものと考えられますから、Aさんには事後強盗罪の容疑がかかったのでしょう。

ひったくりというと聞こえは軽いかもしれませんが、事情によっては強盗罪のような重大犯罪にも発展し得る犯罪行為です。
そこから強盗致傷罪や強盗致死罪に発展してしまえば、裁判員裁判の対象ともなるため、さらに複雑な刑事手続が予想されます。

強盗罪まで至らずとも、ひったくりの際に被害者に怪我をさせてしまったり暴行を加えてしまったりしたことで、傷害罪や暴行罪といった別の犯罪が成立するケースもあります。
単純な犯罪のように見えますが、たかがひったくりと考えず、早い段階から弁護士に相談しておきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ひったくりを含む刑事事件についてのご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にご相談下さい。

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