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【事例紹介】集団で暴行し傷害罪で逮捕された少年事件

2023-06-28

【事例紹介】集団で暴行し傷害罪で逮捕された少年事件

少年らが共謀して暴行したとして傷害罪の容疑で逮捕された事例を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警東近江署は13日、傷害の疑いで、(中略)14~17歳の少年4人を逮捕した。
4人の逮捕容疑は共謀して(中略)同市内の神社に県内の少年(17)を呼び出して殴る蹴るなどの暴行を加え、顔や胸などに打撲などのけがを負わせた疑い。同署は4人の認否を明らかにしていない。
(後略)
(6月13日 京都新聞 「神社に17歳少年を呼び出し、殴る蹴るの暴行 容疑で少年4人逮捕」より引用)

傷害罪

傷害罪とは簡単に説明すると、人を暴行しけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
傷害罪は刑法第204条で規定されており、有罪になれば15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

今回の事例では、少年らが共謀して、被害者に殴る蹴るなどの暴行を加え、打撲などのけがを負わしたと報道されています。
暴行を加えけがを負わした場合には傷害罪が成立しますので、今回の事例は傷害罪が成立する可能性が高そうです。

少年事件と逮捕

加害者が20歳に満たない場合は少年法が適用されますので、今回の事例の容疑者らも少年事件として手続きが行われることになります。

通常の刑事事件では、逮捕された後72時間以内に勾留の判断が行われることになります。
少年事件と通常の刑事事件では、処分の決め方など大きく異なる点もあるのですが、少年事件の場合も刑事事件と同様に、逮捕後72時間の間に勾留の判断が行われます。

加害者である少年の勾留が決定してしまった場合、刑事事件と同様に最長で20日間、留置場で身体拘束を受ける可能性があります。
身体拘束期間は当然、学校に通うことができませんので、勾留が決定してしまった場合は成績などに悪影響を及ぼす可能性が高いですし、事件のことが学校に発覚し退学となるケースもあります。
弁護士が勾留の決定前に、検察官や裁判官に意見書を提出し学業への影響などを訴えることで早期釈放を実現できる可能性があります。
この意見書は逮捕後72時間以内に提出しなければなりません。
意見書の提出には、書類の作成などの準備を行わなければなりませんので、勾留阻止を考えていらっしゃる方は、できる限り早く弁護士に相談をする必要があります。

また、勾留が決定した場合であっても、弁護士が準抗告を申し立てることで、釈放される場合があります。
意見書の提出と同様に、準抗告を行う場合にも必要書類の作成など準備が必要ですので、早期釈放を目指す場合には、なるべく早く弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件に精通した法律事務所です。
弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、早期釈放を目指せるかもしれません。
また、少年事件刑事事件と異なる点が多々ありますので、お子様が傷害罪などの犯罪の嫌疑をかけられた際には、少年事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいといえます。
お子様が逮捕された場合には、土日祝日対応可能弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

(事例紹介)住居侵入盗撮事件などで保護観察付執行猶予判決となった事例

2022-10-05

(事例紹介)住居侵入盗撮事件などで保護観察付執行猶予判決となった事例

~事例~

(前略)
被告は、背筋を伸ばして判決の宣告を聞いた。懲役2年6月、保護観察付き執行猶予4年。
(中略)
性犯罪者の再犯防止のためには適切な治療が必要という考え方が、司法関係者に広がっている。法務省保護局は2006年以降、「性犯罪者処遇プログラム」を実施。保護観察になった男性加害者を対象にした最新の調査では、プログラムを受講しなかった場合の再犯率は26%だったのに対し、受講した場合は15%にとどまっている。
(中略)被告が問われたのは住居侵入、ストーカー規制法違反、滋賀県迷惑行為等防止条例違反などの罪。同僚女性の勤務時間を把握し、自宅への侵入を繰り返したという。公判では起訴内容を認め、認知行動療法による再犯防止プログラムを受講していることを明かした。大津地裁は判決で「自宅に盗撮のための侵入を繰り返され、被害者が受けた精神的苦痛は容易に言葉にできるものではない」と非難。更生の意欲などを考慮して執行猶予とした上で、「被害者との接触を厳に禁止するなどしながら、専門家の指導監督下に置くのが相当」として保護観察付きとした。
(※2022年9月30日11:00京都新聞配信記事より引用)

~保護観察付執行猶予~

犯罪をして捜査を受けることとなった場合、捜査を経て検察官がその事件を起訴するか不起訴にするかの判断をすることになります。
起訴されるとなった場合には、刑事裁判となり、公開の法廷で有罪・無罪が争われたり、有罪の場合の刑の重さが決められたりします。
容疑に争いがない場合、多くのケースで刑罰を減軽してほしいという訴えや、執行猶予を付けてほしいという訴えをすることになるでしょう。
特に、刑務所に行ってしまういわゆる実刑判決を受けてしまえば、その期間中社会から隔離されて過ごすこととなってしまうため、実刑判決を避けてほしい=執行猶予を獲得してほしいと望まれる方は多いでしょう。

そもそも、執行猶予とは、文字通り刑罰の執行を猶予する制度です。
例えば、「懲役1年6月、執行猶予3年」という判決が下った場合、執行猶予期間である3年間は懲役1年6月という刑罰の執行が猶予され、3年間を何事もなく過ごすことができれば、懲役1年6月という刑罰は受けずに済むということになります。
執行猶予期間である3年間のうちに再度犯罪をして有罪となった場合には、猶予されていた懲役1年6月の刑罰を受けることになりますし、それに加えて執行猶予期間中にしてしまった犯罪の刑罰も受けることになります。

この執行猶予には、いくつか種類があります。
一般にイメージされる執行猶予は、「刑の全部執行猶予」を指すことが多いです。
これは、言い渡された刑罰のすべてが執行猶予の対象となるもので、先ほど例に挙げた「懲役1年6月、執行猶予3年」のケースはこの「刑の全部執行猶予」に当たります。

一方、「刑の一部執行猶予」という執行猶予も存在します。
この場合、執行が猶予される刑罰は全体の刑罰のうちの一部に限定され、例えば「懲役3年、うち1年につき3年の執行猶予」といった形になります。
例に挙げたケースでいうと、懲役3年のうち執行猶予されていない分の2年に関しては、刑が執行される=刑務所へ行くことになります。
そして、2年の刑期を終えて出所し、その後執行猶予の対象となった1年について3年間の執行猶予期間を過ごすということになります。
この3年間の執行猶予期間を何事もなく過ごせば1年分の懲役刑については受けることを免れられますし、逆に3年間の執行猶予期間で犯罪をしてしまえば、猶予されていた1年分の懲役刑としてしまった犯罪の分の刑罰を受けることとなります。

これらの執行猶予には、「保護観察」が付けられることがあります。
これが今回取り上げた事例の判決でも言い渡された「保護観察付執行猶予」です。
保護観察付執行猶予となった場合には、執行猶予期間中に保護観察官や保護司から指導監督を受けながら生活することになります。
例えば、「刑の全部執行猶予」の例で挙げた「懲役1年6月、執行猶予3年」のケースで保護観察付執行猶予であった場合、執行猶予期間である3年間は保護観察官や保護司から指導監督を受けながら生活することになります。
具体的には、最初に保護観察期間中に守るべき「遵守事項」(一般遵守事項と特別遵守事項があります。)が決められ、その「遵守事項」を守りながら生活するよう、定期的な面談・連絡を重ねながら指導・監督を受けることになります。
保護観察期間中の「遵守事項」のうち、「一般遵守事項」は保護観察付執行猶予判決を受けた人全員に共通して定められる事項であり、再犯をしないことや保護観察官・保護司の指導を誠実に受けることなどが定められています。
もう1つの「特別遵守事項」は、してしまった犯罪の傾向や個人の特徴によって定められるものであり、場合によっては「一般遵守事項」のみ定められ「特別遵守事項」は定められないこともあります。
例えば、共犯者のいる事件であれば共犯者との交際を断つということを定めたり、今回の事例で取り上げられている「性犯罪者処遇プログラム」などの再犯防止用プログラムの受講を定めたりすることが挙げられます。

単なる執行猶予ではなく保護観察付執行猶予が付されるケースとしては、今回の事例で裁判官が話していたような、実刑も考えられるが指導・監督や援助によって社会内での更生が期待できるというケースや、実刑までは考えられないが保護観察を付けることで社会福祉的な援助を期待するケースなどが考えられます。
例えば、再犯を何度も繰り返してしまい当事者だけでは更生が難しいもののプログラムの受講などの援助を受けることで更生が期待できるといったケースや、保護観察期間中に就労支援などを受けることで就労し生活環境を改善することが期待できるといったケースが想定されます。
今回取り上げた事例でも、認知行動療法などのプログラム受講などを遵守させることで、再犯防止に期待できると判断されたものと考えられます。

指導監督や援助を受けられるという意味では、保護観察付執行猶予は再犯防止や更生にプラスにはたらくと考えられますが、保護観察付執行猶予を受けた後に再犯をしてしまうと、再度の執行猶予を得ることはできません。
つまり、保護観察付執行猶予を受けた後に再度犯罪をしてしまえば、刑務所へ行くことになるということです。
ですから、「執行猶予になったから刑務所に行かなくて済んだ」と軽く考えるのではなく、保護観察付執行猶予を再犯防止・更生の機会として真摯に取り組む必要があります。
そういった環境を整えて刑事裁判に臨むためにも、早い段階から弁護士に相談し、準備していくことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を多数取り扱う弁護士が、捜査段階から刑事裁判での公判弁護活動まで、一貫してサポートを行います。
執行猶予獲得を目指したい、刑事裁判になるのが不安だとお悩みの際は、一度お気軽にご相談ください。

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまった!

2021-12-22

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまった!

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県高島市に住んでいる18歳の高校生です。
Aさんは、大晦日の夜に、友人のXさんら6人でバイク3台に分乗すると、滋賀県高島市内の道路を蛇行運転したり信号無視をしたりといった集団暴走をしました。
Aさんらがパトロール中の滋賀県高島警察署の警察官らの前でバイクを空ぶかしさせたり爆竹を鳴らしたりしたことから警察官らがAさんらを追跡。
最終的に、Aさんたちは滋賀県高島警察署集団暴走による道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの母親Bさんは、帰宅しないAさんを心配して滋賀県高島警察署に相談したところ、逮捕され留置されていることが判明しました。
警察官から、「本日から明日は会えないと思う。詳しいことも話せない」と伝えられたBさんは困ってしまい、少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※令和3年12月7日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・集団暴走で子どもが逮捕された!

今回の事例のAさんは、友人のXさんらと一緒に3台のバイクに乗り、一緒になって蛇行運転や信号無視をする集団暴走をしています。
こうした集団暴走行為は、交通事故を誘発する可能性のある、非常に危険な行為です。
そのため、集団暴走行為は「共同危険行為」として道路交通法によって禁止されています。

道路交通法第68条(共同危険行為)
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

道路交通法第117条の3
第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

集団暴走という単語からは、暴走した人数や自動車・バイクなどの数が多くなければ犯罪にならないように思えますが、道路交通法にある通り、人数は「二人以上」、自動車・バイクなどの数は「二台以上」であればよいため、例えば2人が2台のバイクや自動車などに分乗して暴走行為をしても集団暴走、「共同危険行為」として道路交通法違反という犯罪になります。
道路交通法での「共同危険行為」とは、このように複数人が複数の自動車やバイクなどを連ねて又は並べて道路を運転する際、一緒に著しい道路上の危険や他人への迷惑を発生させることが該当の条件となっています。
今回のAさんらの集団暴走行為では、蛇行運転や信号無視といった行為が行われています。
先ほども触れたように、蛇行運転や信号無視は交通事故を引き起こし得る、非常に危険な行為であることに間違いありませんから、Aさんらは複数人・複数台で「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ」たと考えられるでしょう。
こうしたことから、Aさんらは集団暴走行為をしたことによる道路交通法違反(共同危険行為)と判断され、逮捕されたのでしょう。

さて、今回の事例のAさんは、滋賀県高島警察署逮捕されています。
集団暴走行為によって刑事事件・少年事件となった場合、逮捕によって身体拘束されてしまうケースも珍しくありません。
集団暴走行為は当然複数人で行われるものですから、事件関係者が複数人存在することになります。
そうなると、口裏合わせなどによって証拠隠滅されてしまうおそれがあるとして、逮捕によって身体拘束をした上で捜査を進めるという判断がされる場合が出てくるのです。

さらに、今回の事例のAさんのように、少年事件である場合には、捜査が終了した後も、更生のためには集団暴走行為をする環境から切り離すべきと判断される可能性もあります。
そういった場合、当事者が予想していたよりも長期間に渡って身体拘束が続いてしまい、身体的・精神的負担が大きくなってしまうことも心配されます。
弁護士などの専門家の力を借りることで、釈放を求めたり、逮捕などによる身体拘束中の負担を減らすべくサポートをしたりすることができます。
まずは弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、集団暴走によって子どもが逮捕されてしまったというお悩みにも迅速に対応できるよう、お問い合わせ用フリーダイヤルを設置しています。
まずはお気軽に問い合わせください。

少年事件の試験観察とは?

2021-12-01

少年事件の試験観察とは?

少年事件試験観察とはどういったものなのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県東近江市に住んでいる高校1年生のAさんは、学校から自宅へ帰る道中に、別の高校に通う生徒と口論の末に喧嘩となり、相手の生徒を殴って骨折などの大けがを負わせてしまいました。
喧嘩を目撃していた通行人が滋賀県東近江警察署に通報したことで警察官が現場に駆け付け、Aさんは傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、たびたびこうした暴行・傷害事件を起こしており、中学生の時にも逮捕され、保護観察処分となった経緯がありました。
そういった経緯から、今回は少年院送致となるかもしれないと聞いたAさんの両親は、少年事件に対応している弁護士に相談。
そこでAさんの両親は、少年事件には試験観察という制度があると聞き、弁護士に試験観察について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年事件の終局処分

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、少年事件の手続や処分には、成人の刑事事件と異なるものが多くあります
未成年の者は可塑性が高い=矯正教育などをすることで更生できる可能性が高いとされているため、少年事件では少年の更生を重視した手続・処分が取られることとなっているのです。

少年事件では、基本的には家庭裁判所での調査を経た上で家庭裁判所で開かれる審判を受けることになります。
少年事件では全件送致主義という主義に基づいて、警察などの捜査機関での捜査が終わった事件については、基本的にすべての事件が家庭裁判所へ送られるためです。
こうして少年事件の専門家の調査を受け、審判によって処分が決められるのです。

家庭裁判所の審判で下される処分は、成人の刑事事件で処される刑罰とは異なり、あくまで少年の更生のための処分(保護処分)という扱いです。
ですから、例えば少年院送致のように、特定の施設に収容されるような処分であっても、その非行をしたことによる罰というわけではありません。
少年院送致も少年の更生のために行われる処分であり、少年院内では矯正教育やその後の自立のための職業訓練などが行われています。

・試験観察とは?

しかし、少年院送致が少年のための処分であったとしても、少年院に入っている間は社会から切り離されて生活することになります。
通っていた学校に通えなくなってしまったり、働いていた会社で働けなくなってしまったりというデメリットがあることもまた事実です。
一度社会から離れてしまうことによるデメリットを避けるために、少年院送致を回避したい、社会内で更生を目指したいと考える方ももちろんいらっしゃいます。

こうした少年事件においては、試験観察を目指すという付添人活動をおこなう場合があります。
試験観察とは、文字通り、試験的に観察する期間を設ける処分を指します。
試験観察は、審判の場で少年の処分をどういったものにするのかすぐに決められない場合に取られます。
試験観察となった場合、決められた期間を家庭裁判所の観察のもと過ごし、その期間中の少年の生活態度や様子などによって最終的な処分が決められることになります。
この試験観察期間は、少年の自宅で過ごす場合もあれば、民間の協力者や専門施設に指導を委ねてその指定された場所で過ごす場合(補導委託)もあります。

今回のAさんの事例では、Aさんは以前にも同じような傷害事件を起こして家庭裁判所から保護処分を受けているにも関わらず、Aさんは同様の少年事件を起こしているという状況です。
社会内での更生を目指す保護観察処分を経てもまた同じことを繰り返してしまっていますから、前回同様の処分だけでは公正に不十分と考えられ、少年院で矯正教育を受けながらの生活が必要と判断される可能性も十分あると考えられます。
ですから、まずは前回よりもより具体的な手段を示して、社会内での更生が可能であることや、そのためにAさん本人やその周囲の家族が具体的に行動し続けられることを示していく必要があると考えられます。
そのために、弁護士と共にAさんやその家族で更生のための環境づくりを行うと共に、その成果を家庭裁判所に示して判断をしてもらえるよう試験観察を目指していく活動が有効であると考えられるのです。

ただし、試験観察はあくまでその期間中試験的に少年やその周囲を観察し、その様子によって最終的な処分を決めるものです。
試験観察を目指すことを最終目的としてしまうのではなく、さらにその先も見据えながら、更生できる環境を整えることが重要です。
そのためには、少年事件の専門知識がある弁護士のサポートを受けることが効果的です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、成人の刑事事件だけでなく少年事件の取り扱いも行っております。
滋賀県の少年事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

逮捕なしの少年事件と弁護士

2021-11-27

逮捕なしの少年事件と弁護士

逮捕なしの少年事件弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

中学3年生のAさんは、滋賀県守山市内に外出した際、市内の駅構内で、駅の利用客である女性Vさんのスカートの中を盗撮してしまいました。
駅員がAさんの盗撮行為を目撃して滋賀県守山警察署に通報したことで、Aさんは盗撮事件の被疑者として滋賀県守山警察署まで任意同行されました。
Aさんは警察署で取調べを受けた後、両親の迎えを受けて逮捕されることなく自宅へ帰されました。
Aさんの両親は、逮捕されずに帰宅を許されたことから、弁護士に相談するなどの対応はしなくてよいのではないかと思っていましたが、インターネットなどで調べたところ、逮捕されていない少年事件でも弁護士に相談した方がよいとの記事が出てきたため、どうしようか悩んでいます。
(※この事例はフィクションです。)

・逮捕なしの少年事件と弁護士

上記事例のAさんは、盗撮事件を起こしたことから滋賀県守山警察署に任意同行された後、逮捕されることなく帰宅を許されたようです。
多くの場合、逮捕されずに捜査が進むということになれば、何度か警察などに呼び出しを受けて取調べを受けるという流れをたどります。
こうした逮捕なしの刑事事件少年事件は、被疑者・被告人となった人が通常の生活を送りながら=家で暮らしながら刑事手続きが進められることから、在宅事件とも呼ばれます。

逮捕されずに手続きが進んでいく在宅事件の場合、取調べなどで呼び出されること以外に日常生活に大きな変化が見えないため、切迫性に欠ける印象を受けるかもしれません。
「重大な刑事事件少年事件を起こすと逮捕される」というイメージのせいで「逮捕されていないのであればたいしたことではない」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
ですから、Aさんの両親のように、逮捕されていないのであれば弁護士への相談等はいらないと考えられる方も少なくありません。
しかし、逮捕されていない在宅事件においても弁護士の役割は非常に大きいものとなります。

例えば、上記事例のAさんのような場合、成人の刑事事件とは異なる少年事件として手続きが進んでいくことになります。
少年事件の場合、たとえ捜査段階で逮捕されずに在宅事件として進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致された後、観護措置という措置が取られる可能性があります。
観護措置となれば、その少年は一定期間(平均的には4週間程度)、鑑別所に収容されることとなってしまいます。
そうなれば、学校へ行けなかったり、就業先に行けなかったりといった不都合が出てくることはもちろん、少年本人や家族にも負担がかかってしまうことになりかねません。

そして、家庭裁判所へ送致されるまでの取調べ等の手続きは、成人の刑事事件とほとんど同様の手続きによって行われます。
たとえ未成年でも、被疑者として1人で取調べに臨まなければならないのです。
未成熟な少年が、捜査官相手にきちんと主張したいことを貫けるかどうか、という問題も出てきます。
かけられている容疑が冤罪であった場合はもちろん、そうでなくとも目的や手段、実際にやったこと等を自分の認識通り話せるかどうかによって、処分にも大きな影響が出てしまう可能性があります。

また、上記事例の盗撮事件のように、被害者の存在する事件であれば、被害者の方への謝罪や賠償も考えられるでしょう。
特に盗撮事件においては、被害者の方は見ず知らずの方であることも多いです。
そうした中で謝罪や賠償を行っていくには、まずは被害者の方と連絡を取るために連絡先を教えてもらわなければなりませんが、通常、捜査機関は盗撮をした当事者に直接被害者の連絡先を教えることはしません。
盗撮された被害者としては、当然加害者側に対して処罰感情や恐怖を感じていることも多いためです。
そうすると、被害者に対して自分たちだけで謝罪や弁償をするということは難しくなってしまいます。

そして、少年事件の場合、終局処分は家庭裁判所が少年の更生にとって適切な処分を判断することで決まります。
少年の更生にとってよい環境を自分たちで作れているかどうかという点は、この判断の際に重視されることの1つです。
そのためには、少年の更生のためにどういったことが必要なのか、現在の環境からどこをどう変えるべきなのか適切に把握し、行動する必要があります。

このように、たとえ逮捕をされていなくとも、刑事事件少年事件の専門的知識が必要な活動は多く存在します。
特に、少年事件の場合は、前述のように家庭裁判所に事件が送致されてからも身体拘束のリスクがある上に、終局処分での判断が少年の更生に適切かどうかという点で考えられることから、逮捕されていないから軽く済むに決まっている、ということはありません。
滋賀県少年事件でお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで、ご相談ください。
初回無料法律相談もございますので、逮捕なしの少年事件でまずは弁護士の話を聞いてみたいという方もお気軽にご利用いただけます。

子どもが未成年相手に強制わいせつ事件を起こしてしまった

2021-11-13

子どもが未成年相手に強制わいせつ事件を起こしてしまった

子どもが未成年相手に強制わいせつ事件を起こしてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県高島市に住む高校2年生のAさんは、近所に住んでいる中学生1年生で12歳のVさん(女子)と交流がありました。
ある日、Aさんは、女の子の体に興味がわき、Vさんの服の中に手を入れ、胸や臀部を触りました。
Vさんは特に嫌がるそぶりを見せず、「くすぐったい」等と言って笑っていました。
Aさんはこの行為についてただのじゃれあいで終わったと問題視することはなかったのですが、Vさんが帰宅後、そのことを両親に話したことがきっかけとなり、滋賀県高島警察署に被害届が出され、Aさんは強制わいせつ罪の容疑で任意同行され、取調べを受けることになってしまいました。
Aさんの両親はまさか自分の息子が性犯罪を犯すとは思わず、どうしてよいか分かりません。
さらに、取調べから帰宅したAさんに「Vさんは嫌がっていなかったし笑っていた。無理矢理触るようなことはしていない」と言われ、さらに困惑しています。
(※この事例はフィクションです。)

・子どもが未成年者相手に強制わいせつ事件を起こした

強制わいせつ罪は、刑法第176条に定められている犯罪です。

刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪の条文の前段部分では、13歳以上の者に対し暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をした者を、6月以上10年以下の懲役に処するとしています。
また、強制わいせつ罪の条文の後段部分では、13歳未満の者にわいせつな行為をした者についても、同様とするとしています。
すなわち、13歳未満の者にわいせつな行為をした場合、相手方の同意の有無や、暴行や脅迫の有無にかかわりなく、強制わいせつ罪が成立するということになります。
したがって、上記事例の被害者であるVさんは12歳=13歳未満ですから、AさんがVさんの体に触れる行為について、Vさんが同意していようがいまいが、強制わいせつ罪にあたる行為となると考えられるのです。

ちなみに、強制わいせつ罪は「わいせつな行為」をしたときに成立するものですから、AさんがVさんの身体に触れる行為が「わいせつな行為」でないとすれば成立しないことになります。
しかし、この「わいせつ」については、「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」であると考えられています(名古屋高裁金沢支部判決昭和36.5.2)。
通常、人の衣服の中に手を入れて胸部や臀部を触るという行為は、この定義に当てはまる行為でしょう。
こうしたことから、Aさんの行為は強制わいせつ罪の「わいせつな行為」であると考えられ、やはりAさんには強制わいせつ罪が成立する可能性があるということになるのです。

また、今回の強制わいせつ事件では、加害者・被害者ともに未成年ですが、Aさんには強制わいせつ罪が成立することの妨げとはなりません。
ただし、Aさんが20歳未満であることから、この事件は少年事件として扱われ、最終的には家庭裁判所で調査・審判(必要だと認められる場合には観護措置も)を受け、処分が決定されることになります。

・未成年者の強制わいせつ事件と示談

強制わいせつ事件では、上記事例のVさんがそうであるように被害者の方が存在し、そのような事件で弁護士に弁護活動を依頼した場合、示談交渉に臨むことになる場合が多いです。
Aさんの事件は少年事件ですから、示談交渉の結果が、成人の事件のように処分についてすぐに効果が出やすいわけではありませんが、それでも、被害者の方に謝罪・弁償を行うことは、少年の更生のためにも、被害者の方の今後のためにも重要です。

しかし、今回の被害者であるVさんは未成年ですから、示談交渉の相手はVさんのご両親ということになるでしょう。
お子さんが被害に遭われたご両親が示談に応じてくれるのか、そもそも話し合いの場についてくれるのかと不安な場合こそ、専門家である弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、客観的な立場と専門的な知識・経験に基づいて、双方が納得できる示談締結を目指して交渉していくことができますし、被害者としても、弁護士であれば被害者の情報を勝手に加害者側に漏らすという心配もありませんから、安心して話をすることができるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が、初回は無料の法律相談を行っています。
未成年相手に性犯罪事件を起こしてしまったがなんとか謝罪したい、とお悩みの方は、まずは弊所の弁護士まで、ご相談ください。

少年事件の現行犯逮捕から釈放を目指す

2021-11-10

少年事件の現行犯逮捕から釈放を目指す

少年事件の現行犯逮捕から釈放を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県長浜市に住んでいる中学3年生のAくんは、動画サイトで痴漢を模した行為をしている動画を見たことをきっかけとして痴漢行為に興味を持ちました。
そして、興味を抑えられなくなったAくんは、自宅近くの路上で通行人Vさん相手に痴漢事件を起こしてしまいました。
Vさんが声を上げたことで他の通行人が痴漢行為に気付き、滋賀県木之本警察署に通報。
滋賀県木之本警察署の警察官が駆け付け、Aくんは痴漢事件の被疑者として現行犯逮捕されました。
Aくんの両親は、すぐに少年事件の逮捕に対応できる弁護士に連絡し、釈放を目指した弁護活動をしてもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・現行犯逮捕から釈放を目指す弁護活動

事例では、Aくんの両親がA君の釈放を求めて弁護士に相談・依頼をしていますが、逮捕されてしまった方の釈放を目指すのであれば、早期に弁護士へご相談されることがおすすめです。
逮捕されてしまってからは、厳格な時間制限のもとに逮捕から引き続く身体拘束(勾留)がなされるかどうかの手続きが進んでいきます。
勾留は延長を含めると最大20日間の身体拘束となりますが、この勾留が決定するまでには逮捕から最大72時間しか時間がありません。
最大で72時間ということですから、当然それよりも早い段階で勾留決定となる場合も存在します。
勾留が決定されてからも不服申立てを行うことで釈放を求めることはできますが、一度決定したものを覆すことは困難ですから、勾留が決定される前に検察官や裁判官に交渉し、釈放を求める機会・タイミングを十分に生かすことが重要です。
つまり、逮捕されてから最大72時間という時間制限がある中で、その時間内で釈放を目指す活動をスタートさせられることが最善であるため、弁護士に相談するのに早すぎるということはないのです。
これは成人の刑事事件であっても少年事件であっても同じことですから、「子どもの起こした事件だから」などと軽く考えず、弁護士に頼ってみることがおすすめされます。

今回の事例のAくんは、痴漢事件を起こして現行犯逮捕されてしまっています。
現行犯の場合には、まさに犯罪をしている又は実行し終えた直後であることから冤罪の危険性が少ないこともあり、逮捕状の請求なしに逮捕が行われます。
そのため、被疑者本人にとってもその家族など周囲の方にとっても唐突な逮捕となることが多いです。
だからこそ、状況をきちんと把握するためにも、弁護士と一度会って話をするということが、被疑者本人にもご家族にも大きなメリットとなり得ます。

そして、現行犯逮捕の場合には、警察官等捜査機関の人間以外に、一般人でも逮捕ができるという特徴があります。
そのため、通常であれば逮捕される可能性の低い環境下にいる被疑者であっても、現行犯であったために逮捕されてしまったというケースもあります。
こうした場合、特に弁護士が介入して釈放を求めて検察官や裁判官と交渉することで釈放が実現する可能性も出てきます。

どういったケースにせよ、まずはどういった事件・状況で逮捕が行われたのか、そうした事件・状況で釈放のために何ができるのかを知っていく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、そうした釈放を目指すための足掛かりとしてご活用いただける初回接見サービスを行っています。
刑事事件・少年事件の逮捕にお困りの方、釈放を目指したいと考えている方は、遠慮なく弊所フリーダイヤルまでお問い合わせください(0120-631-881)。

子どもが恐喝事件を起こしたら

2021-11-03

子どもが恐喝事件を起こしたら

子どもが恐喝事件を起こしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県守山市に住んでいるAさん(17歳)は、いわゆる不良仲間とつるんでいました。
ある日、Aさんが仲間といたところ、中学生のVさんとその友人が歩いてきました。
Vさんらがお年玉をたくさんもらったという話をしていたことから、AさんらはVさんらからお金を巻き込んでやろうと数人でVさんらを取り囲み、「金を渡さないと痛い目を見る」などと言ってカツアゲを行いました。
VさんらはAさんらにリンチされるのではないかと怯え、持っていたお金をAさんらに渡しました。
その後、Vさんらが帰宅して親に相談をしたことからこのカツアゲが発覚し、後日、Aさんは滋賀県守山警察署に恐喝罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、まさか息子が逮捕されるような事態になるとは思わず、慌てて少年事件を取り扱っている弁護士に相談に行きました。
(※この事例はフィクションです。)

・恐喝罪

脅して金品を巻き上げる行為、いわゆるカツアゲは、刑法上の恐喝罪にあたるとされています。
恐喝罪は、刑法249条に規定されている犯罪で、「人を恐喝して財物を交付させた者」に成立します。
今回のAさんの起こした事件は少年事件として処理されるため、原則として刑罰を受けることにはなりませんが、成人の刑事事件で恐喝罪として検挙された場合には、10年以下の懲役という刑罰を受ける可能性が出てきます。

そもそも「恐喝」するとは、財物を交付させるために暴行又は脅迫によって相手を畏怖させることを言います。
今回のAさんも、Vさんらからお金を巻き上げるために不良仲間とVさんらを取り囲んで脅していることから、恐喝をしていると言えそうです。
そして、Vさんらはその脅し怯え、Aさんらにお金を渡していることから、AさんらはVさんらに「財物」を「交付させた」と言えそうです。
このことから、Aさんには恐喝罪が成立すると考えられるのです。
ただし、注意すべきは恐喝罪の「恐喝」にあたる暴行又は脅迫は、相手の反抗を抑圧しない程度のものであることが必要とされるという点です。
もしも相手の反抗を抑圧するほどの暴行又は脅迫であると認められれば、恐喝罪ではなく、強盗罪が成立する可能性が出てきます。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっていますから、恐喝罪と比べても重い犯罪であることが分かります。
Aさんの場合は少年事件ですから、原則こうした刑罰は受けませんが、それでもより重い犯罪が成立することで、処分に影響が出てくる可能性があります。

・子どもが恐喝事件をおこしたら

今回のように、20歳未満の者が法律に触れる事件を起こした場合には、少年事件として扱われ、最終的に家庭裁判所の判断によって処分が決められることになります。
繰り返し記載しているように、少年事件では、法定刑の重い犯罪だから必ず少年院に行くとも限りませんし、逆に法定刑の軽い犯罪だから何も処分を下されないとも限りません。
通常の成人の刑事事件とは違い、少年事件ではその少年のその後の更生が第一に考えられるためです。

しかし、では少年事件において、通常の成人の刑事事件と同じような弁護活動は不要か、というとそういうわけでもありません。
例えば、今回のAさんのカツアゲによる恐喝事件では、Vさんという被害者がいます。
この被害者に対して謝罪をする、被害に遭った分について賠償をする、ということは、少年事件であっても全く不要というわけではありません。
確かに、起訴・不起訴を決める成人の刑事事件に比べれば、少年事件では示談は必須というわけではありませんが、少年が反省しているのかどうか、少年自身やその家族・周囲の人がどのように事件について受け止めているのか、といった事情を示す1つの材料として、被害者に謝罪をしていることや示談をしていることは有効であるのです。

ただし、今回の事件のように、子どもの間で起きてしまった少年事件では、示談するにも困難が伴うことも多々見られます。
未成年者との示談では、示談交渉の相手は親となりますが、自分のお子さんが被害に遭ったとなれば、当然のことながら被害感情も小さくありません。
もしもお互い感情的になってしまえば、示談交渉前よりも溝が深まってしまう、という可能性も出てきてしまいます。
だからこそ、少年事件の弁護活動にも、専門家である弁護士を介入させることが望ましいと言えるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、成人の刑事事件だけでなく、少年事件も幅広く取り扱っています。
示談交渉だけでなく、釈放を目指した身柄解放活動や取調べ対応のレクチャーまで、一貫した弁護活動をご提供いたします。
少年事件は成人の刑事事件とは違った手続きもあり、複雑な面があります。
少年事件の取り扱いも多い弊所弁護士に、ぜひご相談下さい。

少年事件の刑事弁護活動と付添人弁護活動

2021-10-09

少年事件の刑事弁護活動と付添人弁護活動

少年事件の刑事弁護活動と付添人弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県守山市に住んでいる16歳のAさんは、しばしば学校をさぼって不良仲間とたむろするなど、素行不良な面が目立っていました。
Aさんの両親は、よくないと思いながらも、「ある程度のやんちゃは年頃だから仕方ないのかもしれない」と思っていました。
しかし、ある日、Aさんは滋賀県守山警察署に恐喝罪の容疑で逮捕されてしまいました。
どうやらAさんは不良仲間と一緒になってカツアゲをしていたようで、警察の話によると、Aさんが起こした恐喝事件は1件だけではないようです。
Aさんの両親は、少年事件成人の刑事事件とは違うと聞いた事もあり、今後のことを含めてどうにかAさんの力になれないかと考え、少年事件の刑事弁護活動や付添人活動をしている弁護士の下へ相談に行くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年事件の刑事弁護活動

被疑者が未成年である少年事件であっても、家庭裁判所に事件が送致される前は成人の刑事事件とほぼ同様に、少年も被疑者として捜査機関から捜査を受けることになります。
少年だから逮捕されない、取調べを受けない、ということはありません。

例えば、今回のAさんも恐喝罪の容疑で逮捕されているようです。
今回のAさんの事例では、恐喝罪という重い犯罪をして逮捕されていることももちろん注意が必要ですが、Aさんが不良仲間と起こした恐喝事件が1件ではないようだということにも注意が必要です。
このように現在捜査されている事件以外にも事件を起こしている場合、つまり、いわゆる「余罪」がある場合には、理論上その余罪の数だけ逮捕や勾留が繰り返され、身体拘束が長期化することも考えられるからです。
今回のAさんの事例では、例えばVさんへの恐喝事件の容疑で1回逮捕・勾留されたとしても、その後、さらにXさんに対する恐喝事件を起こしていれば、Xさんに対する恐喝事件の容疑で再度逮捕・勾留されてしまう可能性があるということになるのです。
そうなれば、捜査段階だけでも1か月以上の身体拘束をされてしまうおそれもあります。

そこで、弁護士に釈放のための活動をしてもらったり、再逮捕・再勾留を防ぐための交渉をしてもらうことが重要となってきます。
今回のAさんの事例では、恐喝罪という重い犯罪であることに加えて不良仲間の共犯者がいること、余罪のあることも考えれば、釈放のハードルは高いと考えられます。
しかし、Aさん本人の反省やご家族がAさんの監督に協力すること、被害者の方への示談交渉等、釈放のための環境を弁護士とともに作り上げること、それを弁護士に適切に主張してもらうことによって、釈放の可能性も上がります。

さらに、先述した通り、少年事件であっても取調べは行われますから、そういった取調べに際してのアドバイスも重要な刑事弁護活動の1つです。
少年は未発達・未成熟な面もあるため、取調べで自分の考えていることや認識をしっかりと話すことができるかどうか、少年本人だけでなくご家族も不安に思われることでしょう。
弁護士から随時アドバイスを受けることで、不本意な自白をしてしまったり、被疑者の権利を把握せずに取調べを受けてしまったりというリスクを軽減することが期待できます。
特に容疑を否認しているような少年事件では、こういった取調べへの対応お重要な刑事弁護活動の1つとなります。

・家庭裁判所送致後の付添人活動

少年事件では、事件が家庭裁判所に送致されると、捜査機関の捜査段階では弁護人としてついていた弁護士が今度は付添人と名前を変えてサポートにつくことになります。
少年事件では、少年が更生するために適切であると考えられる処分が下されます。
例えば、少年院への送致であったり、保護観察処分であったりが挙げられます。
こうした処分は保護処分と呼ばれ、少年が更生するための矯正教育などが含まれています。
そのため、処分を受けるからといって少年にとって悪いことばかりというわけではないのですが、例えば少年院に行くことになれば一定期間外界から切り離されて生活をしなければいけない=学校や職場がある少年はそこから離れてしまうことになるなど、デメリットとなってしまう部分があることも確かです。
だからこそ、少年の状況にあった適切な処分を求めていく必要があります。

そのためには、まずは弁護士と少年本人、その周囲のご家族などと協力し、少年が更生していける環境を整える、環境調整活動を行っていくことが重要です。
少年やご家族などの周囲の方で、今ある環境を更生に適切な環境に変えることができれば、保護処分に頼らずとも更生が期待できるというわけです。
例えば、交友関係の見直しや生活態度の改善、少年の反省の深まりなどの事情によっては、社会内での更生が可能であると考えられて、少年院送致ではなく試験観察で様子を見てみることになったり、保護観察で社会内での更生を目指すことになったりすることも考えられます。
そのための環境調整を行うことが、付添人活動の主だった部分となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
少年事件の捜査段階から家庭裁判所での審判まで、専門家である弁護士が一貫してサポートを行います。
滋賀県少年事件にお困りの際は、遠慮なくご相談ください。

少年院では何をしている?

2021-10-02

少年院では何をしている?

少年院で何をしているのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさん(17歳)は、滋賀県大津市で強盗事件を起こし、滋賀県大津警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、強盗事件を起こして逮捕されたAさんが少年院に送致されるかもしれないという話を聞き、不安になりました。
Aさん自身もAさんの家族も少年事件少年院について知っていることがほとんどなかったため、少年事件に強い弁護士に相談し、少年院について詳しい手続きや内容について聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年院では何をしている?

少年院は、刑罰を科すための刑事施設ではなく、少年を更生させるという目的のもと処遇を行う施設です。
ですから、少年院では、少年の更生と社会復帰を目指した活動が行われています。
少年院の1日は、起床してから朝食をとり、その後朝礼をして「矯正教育」と呼ばれる指導を受けたり、進路指導や運動を行ったりしてから昼食をとり、そこからまた「矯正教育」を受けて夕食、その後面接や自主学習等を行ってから就寝という流れで進んでいくのが一般的です。

少年院で行われている「矯正教育」とは、その少年の特性に合わせて生活指導職業指導教科指導体育指導特別活動指導を組み合わせて行う、少年が社会生活に適応できるように必要な知識や能力を習得することを目的とするものです。
少年院での矯正教育の中心となるのはこのうち生活指導職業指導教科指導です。

(生活指導)
少年事件においては少年が更生するのに適切であると判断された処分が下されます。
つまり、少年院送致という判断が下されるということは、その少年が更生するのにはいったん社会や現在の環境から離れた場所で教育を受けることが望ましいと判断されたということになります。
そうした少年の中には、生活習慣が身についていなかったり、他人とコミュニケーションを取ることが不得手であったりという少年も少なからず存在します。
そうした少年たちが社会で自立できるよう、生活態度の改善を促したり、適切な人間関係を築くための知識や能力を身につけられるよう指導したり、保護者やそれに類する人たちとの関係を改善するよう調整を行ったり、被害者の気持ちについて考える機会を与えていくのが少年院の生活指導です。

(教科指導)
少年院は主に20歳未満の少年を収容している施設ですから、義務教育を終了していない少年や高校生の少年、進学を希望している少年も少年院に存在していることになります。
そういった少年たちのために、少年院では教科指導と言って、勉強の指導を行うものがあるのです。
現在では少年院内で高卒認定試験を受けることも可能となってきており、少年が少年院から出ても社会復帰しやすいよう、教育のサポートも行われているのです。

(職業指導)
職業指導は、職業上有用な知識や技能を習得することを目的として行われている少年院の矯正教育の1つです。
少年院から出た少年の中には、就職を希望している少年もいますが、職業指導で就職に有利となる資格や技能を身に着けることでその就職をサポートし、少年の社会復帰を助けようという指導です。
少年院で行われる職業指導の中には、ビジネスマナー講座の受講やパソコンでの処理などの事務処理能力の習得のためのプログラム受講なども存在します。

ここに挙げた矯正教育はあくまで一例であり、全国の少年院では、その他にも様々な活動が行われています。
それでも、少年院に入るということは、一定期間社会から隔離されてしまうということです。
少年院が少年を更生させる場所だとしても、そのデメリットを回避したいという方も多いでしょう。
だからこそ、まずは少年事件に精通した弁護士に相談してみることがお勧めです。
滋賀県少年事件にお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
少年事件も多く取り扱う弁護士が対応するからこそ、少年院についての不安や少年事件の手続きについてのお悩みも遠慮なくご相談いただけます。
お問い合わせは弊所フリーダイヤル0120-631-881でいつでも受け付けていますので、お気軽にお電話ください。

 

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