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ペットの横領・窃盗事件①

2019-11-15

ペットの横領・窃盗事件①

ペット横領窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県草津市に住むAさん(72歳)は、親しくしていた近所のVさんから、「海外旅行に行っている間だけ、ペットの猫をAさんの家で預かってほしい」と頼まれました。
Aさんはその頼みを聞き、Vさんが海外旅行に行く1か月の間、Vさんのペットである猫Xを預かることになりました。
すると、ちょうど猫を預かり始めた頃、近所に住むAさんの孫がペットとして猫を欲しがっていると聞きました。
そこでAさんは、Vさんから預かっていた猫を孫の住む家に連れて行き、「ペットにしていいよ」と言いました。
AさんVさんが戻ってくる前に猫を自分の家に戻せばいいと思っていましたが、孫が猫をかわいがっていたようだったので、ついそのことを忘れてしまっていました。
しかし、その後、Vさんが帰宅してAさんに連絡しても一向にペットの猫を返してくれないことを不審に思い、Vさんが滋賀県草津警察署に相談。
Aさんは横領罪の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・横領罪

今回Aさんに容疑がかかっている犯罪は、刑法252条に規定されている横領罪です。

刑法252条(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

この横領罪は、業務上横領罪と区別するために「単純横領罪」などとも呼ばれることがあります。
横領罪の条文だけ見ると、非常にシンプルです。
しかし、この「自己の占有する他人の物を横領」という言葉の定義は実はとても複雑なものです。

まず、「自己の占有する他人の物」ですが、「占有」とは、事実上の支配だけでなく、法律上の支配も含まれます。
つまり、横領罪の客体は、「自分の支配下にある他人の物」ということになります。
ここで、横領罪の成立には、この「占有」=その物に対する支配が、その物の所有者と行為者(横領罪の被疑者)の間の委託信任関係に基づくものであることが必要です。
委託とは、契約等の法律行為や事務処理等を他の人に依頼することです。
すなわち、横領罪の成立には「その物の所有者に依頼されてその物を支配していた」という状況が必要となるのです。

そして、「横領」とは、委託された物について不法領得の意思を実現するすべての行為をいうとされています。
過去の判例では、「不法領得の意思」について、「他人の物の占有者が痛くの任務に背いてその物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思」であるとされています(最判昭和24.3.8)。

今回のAさんについて考えてみましょう。
今回のAさんは、Vさんから海外旅行の間、Aさんの家でペットの猫を預かるように依頼されています。
Aさんはこの依頼によってペットの猫を預かっていることから、委託信任関係によってペットの猫を管理・支配しているといえます。
ここで、ペットの猫が「物」なのか、と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
横領罪の「物」とは、財物を指します。
財物には動物も含まれるため、ペットの猫も横領罪の対象となる「物」となるのです。
ですから、Aさんの預かったペットの猫は「自己の占有する他人の物」なのです。

そのペットの猫をAさんは自分の孫に勝手に預けてしまっています。
Aさんが委託されたのはあくまでAさんの家でVさんの海外旅行期間中にペットの猫を預かることであり、この行為はその範囲を超えてしまっており、Vさんの委託した内容に背くものです。
さらに、ペットの猫をさらに他人に預けることは、所有者でなければできない処分でしょう。
そのため、Aさんは「他人の物の占有者が痛くの任務に背いてその物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思」を実現した=横領をしたと考えられるのです。

横領罪と聞くと、お金の絡んだ複雑な犯罪で、身近には起こらないようなイメージもあるかもしれません。
ですが、Aさんのケースのように、横領事件は身近でも起きる可能性のある犯罪です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした横領事件についてのご相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。

少年事件で保護観察獲得を目指す

2019-11-13

少年事件で保護観察獲得を目指す

少年事件保護観察獲得を目指す弁護活動・付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

高校1年生のAさんは、滋賀県大津市に住んでいます。
ある日、Aさんは高校の友人たちと数人と一緒に夜中に家を出ると、近くの公園などにたむろしながら飲食をしていました。
その行為を見とがめた通行人のVさんが注意すると、AさんたちはVさんにつかみかかって暴行をふるい、全治1か月の怪我を負わせてしまいました。
通報を受けた滋賀県大津警察署がAさんらを逮捕し、Aさんの両親にこのことを伝えました。
Aさんの両親は、Aさんが警察沙汰を起こしたことに驚き、少年事件に強いという弁護士にすぐに相談・依頼をしました。
そして弁護士の弁護活動付添人活動の結果、Aさんは家庭裁判所の審判を受け、保護観察処分となりました。
(※この事例はフィクションです。)

・保護観察処分を目指す

少年事件の最終的な処分は、原則的に少年院送致や保護観察といった保護処分と言われる処分になります。
保護処分は、少年の更生に重きをおいた処分で、成人の刑事事件で科せられる刑罰とは性質が異なり、犯罪をしたことによる「罰」ではありません。
保護処分には、少年院等の施設への送致や保護観察が挙げられますが、その少年が更生するためにどういった措置や環境が必要かによってどの保護処分となるのかが決められます。

保護観察処分は少年院送致とは違い、施設に入ることなく、社会内で少年の更生を目指す処分のことです。
保護観察処分となった場合、定期的に保護司や保護観察官と会ったり連絡を取ったりすることで保護観察所の指導を受け、学校に通ったり仕事に行ったりしながら、更生を目指していくことになります。

少年院送致も先ほど触れたように、「罰」として科されるものではなく、少年の更生のために行われる処分です。
ですから、少年院送致されたからといって少年にとって全てが悪いことばかりというわけではないでしょう。
しかし、少年院送致されてしまえば、その間社会とは隔離されて過ごすこととなってしまいます。
だからこそ、少年院送致を回避したいという方も多いです。
そのためには保護観察処分を目指すことが考えられます。

前述のように保護観察処分になれば少年院に行かずに済むわけですが、実はこれは絶対ではありません。
保護観察中の態度が悪かったり、問題を起こしたりしてしまえば、少年院送致となってしまう可能性もあります。
保護観察処分をもらったからといって終わりではなく、そこから更生を図ることが重要なのです。

その保護観察処分をもらうには、少年が施設(少年院等)に入らなくても更生できるということを証明しなければなりません。
家庭環境が悪いままであったり、就学先や就労先が不安定であったりすれば、少年が社会内で更生できるとは言いづらく、少年院等の施設へ入れた方がよいと判断されてしまう可能性もありますし、前述のように、保護観察をもらってもその期間中に問題を起こしてしまっては、意味がありません。
保護観察処分を獲得するためには、少年が更生可能な環境を、本人だけでなくその周りの人たちが協力して作り上げなければならないのです。

そのためのお手伝いができるのが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士です。
弊所の弁護士は、刑事事件少年事件専門の弁護士ですから、数多くの少年事件に携わってきました。
少年事件の経験が豊富な弁護士が、保護観察処分を目指すためのお力添えをさせていただきます。
まずは0120-631-881から、無料相談予約・初回接見サービスのお申込みについてお問い合わせください。

危険ドラッグ使用で薬機法違反

2019-11-11

危険ドラッグ使用で薬機法違反

危険ドラッグ使用薬機法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
滋賀県大津市に住んでいるAさんは、ある日、インターネットで「ヒーリング効果のあるハーブ」「疲れの取れるお香」とうたわれている商品を見つけました。
掲示板の印象や商品のイメージから、もしかすると違法な薬物なのではないか、という不安をもったAさんでしたが、「これは覚せい剤や麻薬ではありません」という文章があったことから、それらのハーブやお香を購入し、使用していました。
するとある日、滋賀県大津北警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、家宅捜索をし、ハーブやお香を押収しました。
そして、Aさんに任意で尿の提出を求めました。
Aさんは素直に従って捜査に協力したのですが、もしかすると自分の使用していたものは違法なものだったのかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・危険ドラッグ

警察等が中心となって周知活動を行っていることもあり、危険ドラッグの存在も、世間に知られるようになりました。
危険ドラッグは、「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」「デザイナーズドラッグ」等とも呼ばれている薬物です。
危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬とは別物ではありますが、こうした違法薬物同様に、快感を高める薬物とされ、販売・使用されているようです。
危険ドラッグは、麻薬や覚せい剤よりも比較的安価に手に入ると言われています。
また、危険ドラッグが販売される際には芳香剤やお香、ハーブといった形を装って販売されることが多く、気軽に手に取ってしまいやすいという特徴もあります。
しかし、その成分には麻薬や覚せい剤よりも危険な物質が多く含まれているというケースもあるため、注意が必要です。

先ほど紹介した危険ドラッグの別称に「合法ドラッグ」や「脱法ハーブ」といったものがありましたが、危険ドラッグは「指定薬物」として法律で禁止されています。
「指定薬物」として危険ドラッグを規制しているのは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:薬機法)という法律です。

薬機法76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

薬機法84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
26号 第76条の4の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)

危険ドラッグの所持や使用による薬機法違反では、薬物犯罪には珍しく罰金刑の規定も存在します。
ですから、態様等によっては、正式裁判にならないよう、罰金刑での事件終了を目指していくという弁護活動も考えられるでしょう。
しかし、100万円よりも多額の罰金が求刑される予定であれば、正式裁判とならざるを得ませんし、これだけ重い刑罰の犯罪ですから、そもそも懲役刑を求刑される可能性も低くはありません。
危険ドラッグの所持や使用で薬機法違反を疑われたら、弁護士に相談して今後の処分の見通しを立ててもらうことが重要となるでしょう。

・危険ドラッグかもしれない…それでも使ったら

危険ドラッグの薬機法違反に限らず、犯罪は「故意」がなければ成立しません。
しかし、では全て「そのつもりがなかった」と言えば無罪放免となるかというと、そういうわけでもありません。
例えば今回のAさんは、「危険ドラッグを使おう」と積極的に考えていたわけではないでしょう。
しかし、「違法な薬物なのではないか」という考えも持っていたこともたしかです。
こうした場合、「違法な薬物でもいいだろう」とあえて使用したような場合では、故意があると判断される可能性もあります。
特に最近では、危険ドラッグについての情報も周知されていることから、「危険ドラッグかもしれない」という認識があったのではないかと調べられることになるでしょう。

Aさんが危険ドラッグの認識について争うつもりであろうとなかろうと、危険ドラッグによる薬機法違反事件の場合、家宅捜索や逮捕を伴う取調べなど、強制力のはたらく捜査がなされる可能性が高まります。
薬物犯罪では、証拠隠滅が比較的容易であるとされているためです。
現在Aさんは警察からの連絡待ちというような状態ですが、この後、家宅捜索で押収されたものの鑑定結果や尿の鑑定結果が出れば、警察から何らかの連絡が来たり、逮捕されたりということが考えられます。
Aさんがそうしたアクションが起こる前に弁護士に相談をしに行ったのは非常に大切なことと言えます。
なぜなら、逮捕されてしまった場合、すぐに自分自身で弁護士に会いに行って相談する、ということはできませんから、最初から専門家のアドバイスを頭に置きながら対応していくことが難しくなってしまうからです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談を行っていますので、刑事事件で不安なことがあれば、早めに弁護士に相談していただくことが可能です。
また、弁護士に相談する前に逮捕されてしまったという方にも迅速に対応できるよう、初回接見サービスの実施も行っています。
どちらも24時間対応のフリーダイヤル0120-631-881でお問い合わせを受け付けていますので、まずはこちらまでお電話ください。

滋賀県高島市で落書き事件

2019-11-09

滋賀県高島市で落書き事件

滋賀県高島市での落書き事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

滋賀県高島市に住むAさんは,近隣にラブホテルが建設されることを知り,その建設に反対していました。
反対むなしく工事は完了しましたが,快く思わないAさんはそのラブホテルを取り囲む塀にラッカースプレーで「わいせつ物」「景観を壊すな」などと毎晩およそ8カ所に落書きしました。
ある日,ラブホテルの管理者から通報を受けた滋賀県高島警察署の警察官がパトロールしていると,Aさんが落書きを行っていたのでAさんを建造物損壊罪の現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

【建造物損壊罪】

建造物損壊罪は,他人の建造物を損壊した場合に成立する犯罪で,法定刑は5年以下の懲役です(刑法第260条)。

類似の犯罪である器物損壊罪(刑法第261条)の法定刑が3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料とされているのと比較して,建造物損壊罪にはより重い法定刑が規定されています。
また,器物損壊罪は親告罪で告訴がなければ起訴されませんが,建造物損壊罪は非親告罪ですので告訴がなくとも起訴される可能性があります。
以下,少し詳しく建造物損壊罪について解説していきます。

建造物損壊罪にいう建造物とは,家屋その他これに類似する建築物をいい,屋根があって壁または柱により支持されて土地に定着し,少なくともその内部に人が出入りできるものを指します。
屋根瓦は建造物の一部となり得ますが,雨戸や板戸,窓ガラスなど損壊しなくても自由に取り外すことのできるものは建造物の一部とはなりません。

ここで,建造物に取り付けられた物が建造物損壊罪の客体になるかどうかの判断基準について,判例(最決平成19・3・20刑集61巻2号66頁)は,「建造物に取り付けられた物が建造物損壊罪の客体に当たるか否かは,当該物と建造物との接合の程度のほか,当該物の建造物における機能上の重要性をも総合考慮して決すべき」としています。
また,この判例で問題とされた住居の玄関ドアは,外壁と接続し,下界との遮断,防犯,防風,防音等の重要な役割を果たしていることから建造物損壊罪の客体に当たるとし,「適切な工具を使用すれば損壊せずに同ドアの取り外しが可能であるとしても,この結論は左右されない」としました。
よって,例えば窓ガラスであってもはめ殺しにされているものなど容易に取り外しのできないものはもちろん,公道等に面しているドアや窓も建造物の一部となり得ます。

次に,損壊とは建造物の実質を毀損すること,またはその他の方法によって建造物の使用価値を滅却もしくは減損することを意味します。
建造物の実質を毀損することとは,壁や柱,屋根などを壊すことをいいます。
建造物の使用価値を下げることも損壊に当たるので,窓ガラスの採光を妨げるように目隠しをしたり,建具の開閉ができないようつっかえ棒を挟むことなども損壊となります。
また,建造物の外観を汚すことについて,判例(最判平成18・1・17刑集60巻1号29頁)は,「建物の外観・美観を著しく汚損し,そのままの状態で一般の利用に供することを困難にするとともに,再塗装を要するなど原状回復に相当の困難を生じさせた行為は建造物損壊罪にいう損壊に当たるとしました。

以上の点を踏まえて,Aさんの事件を見ていきますと,Aさんが落書きしたのはラブホテルを取り囲む塀であって,塀には屋根はもちろん人が出入りすることはできませんので建造物に当たりません。
よって,Aさんが落書きしたことについては建造物損壊罪ではなく器物損壊罪が成立するにとどまるでしょう。

ただし,「わいせつ物」などと書いたその内容によっては侮辱罪(刑法第231条)に当たる可能性もあります。

器物損壊罪も侮辱罪もともに親告罪ですので,被害者との示談の締結が訴追回避や執行猶予の獲得に非常に有効な手段となります。

もし塀や外壁などの不動産への落書き行為で取調べを受けたり逮捕されてしまったら,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

滋賀県長浜市で強制わいせつ事件

2019-11-07

滋賀県長浜市で強制わいせつ事件

滋賀県長浜市強制わいせつ事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

滋賀県長浜市に住むAさんは,妻の不倫に始まるトラブルによって離婚調停中です。
どうしても妻を許すことができないAさんは,妻に対して復讐したいと考えるようになりました。
Aさんは婚姻関係の継続を望む妻を「話がしたい」と滋賀県長浜市内のホテルの一室に呼び出しました。
Aさんは部屋に入ってきた妻を押し倒し無理矢理衣服を脱がせて,上半身が露出した状態の姿を撮影しました。
後日,妻が滋賀県木之本警察署に相談したことをきっかけにAさんは強制わいせつ罪の容疑で滋賀県木之本警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【強制わいせつ罪】

強制わいせつ罪については,刑法第176条に規定があります。

刑法第176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは,被害者の意思に反して身体的内密領域を侵害し,そのことによって被害者の性的羞恥心を害し,かつ一般人でも性的羞恥心を害されるであろうとされる行為のことをいいます。
具体的には,陰部・乳房・尻・太もも等に触れたりもてあそんだりする行為,裸にして写真を撮る行為,無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。
加えて,被害者に行為者自身の性器等に触れさせる行為も,強制わいせつ罪にいうわいせつな行為に含まれます。
着衣の上から尻や乳房等を撫でまわしたりする行為は,各都道府県の迷惑防止条例違反として取り締まられていますが,その程度や執拗さ等によってはより重い強制わいせつ罪の適用も考えられます。
強制わいせつ罪では,これらの行為の被害者は女性のみならず男性もなり得ます。
また,加害者にも性別の限定はありません。

そして,被害者が13歳以上であった場合,わいせつな行為をする手段として暴行・脅迫がなければ強制わいせつ罪は成立しません。
強制わいせつ罪の成立に必要な暴行・脅迫は,被害者の反抗を著しく困難にする程度に強いものでなければなりません。

【強制わいせつ罪と「性的意図」】

従来,強制わいせつ罪について判例は「犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図」(最判昭和45・1・29刑集24巻1号1頁)がなければ成立しないものとしていました。
この見解によると,今回のAさんのように専ら報復や侮辱の目的で女性を裸にして写真撮影する行為については強制わいせつ罪は成立しないことになります。

しかし,2017年に判例変更がなされ,これによれば必ずしも性的意図が必要ではなく,その行為が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば,行為者自身に性的意図がなくても強制わいせつ罪の成立に影響がないこととされました(最大判平成29・11・29刑集71巻9号467頁)。
したがって,現在では撮影行為であってもその内容が客観的に見て明らかに性的な意味の強いものであれば復讐や侮辱目的であっても強制わいせつ罪に問われる可能性があることになります。

今回の事件においては,Aさんは妻を押し倒し無理矢理衣服を脱がせており,強制わいせつ罪における手段としての暴行が認められそうです。
ただし,Aさんは専ら復讐心を満足させるために撮影に及んだのであって,性的意図はありません。
性的意図の不存在によって故意がないといえるためには,その行為が客観的に見ても明らかに性的な意味の強いものであるとはいえないようなものでなければなりません。
Aさんは妻の服を脱がせ上半身裸にして写真を撮っていますから,これが性的な意味の強いものと認められる可能性は十分考えられるでしょう。
そうなれば,Aさんが強制わいせつ罪に問われる可能性も十分考えられるということになります。

強制わいせつ罪を含む性犯罪は一般に被害者の処罰感情が強い犯罪です。
もし強制わいせつ罪の被疑者となってしまった場合は早急に被害者に謝罪を申し入れ,示談を成立させることで不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることができます。
性犯罪では被害者が加害者との面会・交流を拒否するケースが非常に多く,また事件の性質上デリケートな部分も多いため,性犯罪に強い弁護士に事件を依頼することをおすすめします。

強制わいせつ罪の被疑者となってしまった方,滋賀県木之本警察署で取調べを受けることになってしまった方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
お問合せは0120-631-881までお電話ください。

滋賀県長浜市で恐喝事件

2019-11-05

滋賀県長浜市で恐喝事件

滋賀県長浜市恐喝事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】
滋賀県長浜市に住む会社員のAさんは,クレジットカードを使い過ぎてしまい支払いの目途が立っていませんでした。
仕方がないので親しくしていた同僚のVさんにお金を借りられないかと相談しましたが,結局,Vさんからお金を借りることはできませんでした。
そこで,Vさんが長年にわたって不倫していることを知っていたので,Aさんは金を渡せないのならVさんの妻に不倫の事実を告げると脅し,現金50万円を受け取りました。
後日,Vさんの告発により,Aさんは滋賀県長浜警察署の警察官から恐喝罪の容疑で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【恐喝罪】

恐喝罪とは,人を恐喝して財物を交付させた場合や,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた場合に成立する犯罪で,法定刑は10年以下の懲役です(刑法第249条)。
恐喝罪の「恐喝」とは,暴行または脅迫を手段として相手方をその反抗を抑圧する程度に至らない程度に畏怖させ,畏怖した心理状態で財物の交付またはその他の財産上の利益の処分を行わせることをいいます。
典型例としては,理由にならないことを口実に語気強く迫り相手を脅して金品を出させることや,被害者が隠したい事実を暴露すると脅して口止め料を出させることなどがあります。

なお,暴行・脅迫によって財物の交付や財産上の利益を処分させる罪には,他に強盗罪(刑法第236条)があります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役(上限は20年)なので,強盗罪は恐喝罪に比べて相当に重い犯罪であるといえます。
強盗罪と恐喝罪とを区別するのが,暴行・脅迫によって生じた畏怖の程度が被害者の反抗を抑圧する程度に至ったかどうかという部分です。
「恐喝」といいうるためには,人に恐怖心を生じさせ,意思決定の自由を制約するに足りる程度のものでなければなりません。
しかし,畏怖の程度が被害者の反抗を抑圧するに足りる程度であったか,あるいはそれほどまでに至らなかったかという判断には微妙なものがあります。

判例の中には,ある地方新聞社の経営者が新聞紙上に医師の人気投票を掲載し,市の医師会を困惑させ,中止してほしいと申し入れた医師会に対して現金を要求してこれを交付させたという事件で,恐喝罪の成立を認めたものがあります(大判昭和8・10・6刑集12巻1807頁)。
このように,裁判所の判断の中には,相手を困惑させたり嫌悪の念を生じさせたりすることも恐喝にあたるとするものがあります。
裁判所が暴行・脅迫によって生じた畏怖の程度を判断する基準としては,暴行・脅迫の内容や方法の他に行為者や被害者の年齢,社会的身分,性別や体格差,周囲の環境などが考えられます。

したがって,もし明らかに被害者の反抗が抑圧されたとはいえないような,本来であれば恐喝罪にとどまる事件で強盗罪の被疑者となってしまった場合には,社会的に相手方が優位にあったことや,相手の方が体格あるいは体力において優っていたことなどの主張をすることなどの事情があれば,そういったことを主張し,不要に重い犯罪で処罰されることを避けていく必要があるでしょう。

そして,恐喝罪で財産上不法の利益を得る場合とは,債務の履行を一時猶予させることなどが挙げられます。
例えば,飲食店側が飲食代金の支払いを求めたところ,「俺の顔を汚す気か,なめたことをいうな,こんな店をつぶすくらい簡単だ」などと言って支払いを一時断念させた事件で恐喝罪の成立が認められた判例があります(最決昭和43・12・11刑集22巻13号1469頁)。

今回,Aさんは不倫の事実を妻に告げると言ってVさんを脅して現金50万円を交付させました。
これは被害者が隠したい事実を暴露すると脅して口止め料を出させることにほかならず,恐喝罪の典型例といえます。

【弁護活動の方針】

今回の事件でAさんから依頼を受けた弁護士はどのような活動をすることになるでしょうか。

まずは早急にVさんに対して謝罪を行い,示談の締結に向けて交渉を進めることが考えられます。
示談を成立させることができれば,不起訴処分や執行猶予を得られる可能性が高くなります。

次に,もし起訴されてしまった場合は,裁判所に対してAさんが社会内で更生できることを示すことによって執行猶予の獲得を目指すことが予想されます。
具体的には,今回の原因はクレジットカードの使い過ぎなので,カードを停止することや新たに大型ローンを組まないようにすることなどを誓約し,同じような状況に陥らないようにしていることを主張していくことが考えられます。
もしAさんが初犯であった場合,そのことを主張することも有効です。

恐喝事件では被害者への早急な謝罪が重要です。
刑事事件に慣れた弁護士を介することによって,自分自身だけの場合に比べて謝罪を聞き入れてもらいやすくなったり,円滑に示談交渉を進めることができます。
恐喝事件の被疑者となってしまった方,滋賀県長浜警察署で取調べを受けることになってしまった方は,財産犯罪に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

けんかの暴行事件で勾留回避

2019-11-03

けんかの暴行事件で勾留回避

けんかでの暴行罪勾留回避について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aさんは,滋賀県米原市内の飲食店で妻とけんかになってしまったころ,滋賀県米原市在住の偶然居合わせた客であるVさんが,けんかを仲裁しようとしました。
Aさんは,自分と妻の間に入ってきたVさんの髪を掴みました。
その様子をみていたWさんが通報し,Aさんは,暴行罪の容疑で滋賀県米原警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
Aさんの妻はAさんが逮捕されてしまったことに驚き,すぐに弁護士に相談。
初回接見サービスを利用し,ひとまず弁護士にAさんと面会してもらうことにしました。
(フィクションです。)

~暴行罪~

人に暴行を加えた者には,暴行罪(刑法208条)が成立し,2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料が科せられます。
拘留とは,30日未満の間身体を拘束される刑罰です(刑法16条)。
科料とは,1000円以上1万円未満の財産刑です(刑法17条)。

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪の「暴行」とは,人の身体に対する不法な有形力の行使のことです。
今回のAさんがしたような,人の髪の毛を掴むことも暴行罪のいう「暴行」に当たります。
そのため,Aさんの行為は暴行罪に当たる可能性が高いです。

暴行罪は,髪の毛をつかむといった行為でも成立しうるため,軽い犯罪なのではないかと思われがちです。
しかし,前述した通り,暴行罪の法定刑には懲役刑も含まれており,決して軽視できるものではありません。
現行犯であったり,態様が悪質であったりすれば,逮捕されてしまう可能性もあります。
実際に今回のAさんも暴行罪の容疑で逮捕されてしまっています。

このように暴行罪で逮捕されてしまった場合には,弁護士に依頼して,勾留を避けるために動いてもらうことが望ましいです。
勾留は,逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれがある場合につけられる身体拘束です。
弁護士は,勾留を避けるために,検察官や裁判所に対し,同居の家族の監督が期待できること,扶養家族がいること,職場で責任ある立場にあること,被疑者と被害者は全く面識がないこと,被疑者が罪を認め反省していること,示談が成立しそうであることなどの事情があれば,そうした事情とともに勾留の必要がないことを主張し,勾留回避に向けて活動することができます。
勾留が付くか付かないかの判断は,逮捕から最大3日間の間に決められてしまいます。
それだけの短い期間で長期の身体拘束がなされるかどうかが決まってしまうため,弁護士に動いてもらうのであれば早い方がよいのです。

また,弁護士の活動としては,示談のための活動も考えられます。
被害者と連絡を取り,被疑者に代わって謝罪の意思を伝え,損害を賠償することで示談締結を目指すことができます。
示談によって勾留回避が可能となる事件もあるため,やはり弁護士への相談は早めにすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,お問い合わせを24時間いつでも受け付けています。
逮捕にお困りの方,勾留回避にお悩みの方は一度,遠慮なくお問い合わせください。

赤信号無視の危険運転致死事件

2019-11-01

赤信号無視の危険運転致死事件

赤信号無視危険運転致死事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aさんは,滋賀県彦根市の路上で自動車を運転している最中,赤信号を意図的に無視して交差点に進入し,歩行者のVさんをはねて死亡させました。
近くにいた人が通報したことで,すぐに滋賀県彦根警察署の警察官が駆け付け,Aさんは,自動車運転処罰法違反(危険運転致死罪)の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は,Aさんが逮捕されたことを知ると,弁護士に相談すると同時に,弁護士にAさんの接見に向かってもらいました。
弁護士と接見したAさんは,弁護士から自分のしたことが赤信号無視による危険運転致死罪であることを説明されました。
(フィクションです。)

~赤信号無視による危険運転致死罪~

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(いわゆる自動車運転処罰法)では,一定の危険な態様で自動車を運転して人を死傷させたような場合について,危険運転致死傷罪という重い犯罪を定めています。
例えば,今回Aさんが容疑をかけられている危険運転致死罪が成立する時の例としては,アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で自動車を走行させたり,赤信号をあえて無視して運転をしたような場合に,人を死亡させてしまったときが挙げられます。
危険運転致死罪が成立した場合には,1年以上の有期懲役が科せられます(自動車運転処罰法2条1号,5号)。

自動車運転処罰法2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
5 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
6 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

Aさんは,あえて赤信号を無視して交差点に進入しVさんをはねて死亡させているので,このうち5号の「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」にあたり,危険運転致死罪が成立する可能性があるといえます。
ここで,「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し」とは,「殊更」とあるだけに,単純に赤信号無視しただけではこの条文に該当しないことがわかります。
この「殊更に無視」とは,「およそ赤色信号に従う意思のないものをいい,赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても,信号の規制自体に従うつもりがないため,その表示を意に介することなく,たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為も,これに含まれると解するべきである。」(最決平成20.10.16)と解されています。
ですから,どのような態様で赤信号無視をしてしまったのかが,危険運転致死罪となるかどうかにかかわってくることになります。

~危険運転致死事件の弁護活動~

交通事故の加害者となり,刑事責任を問われるような場合は,弁護士に相談して示談を試みるなどの対応をすることをお勧めします。
裁判では,情状として,被害者遺族との示談や被害弁償,任意保険や自賠責保険に加入している場合はその支払い状況等を主張していくことが考えられます。
加えて,弁護士は,被害者遺族との示談等以外にも,加害者が交通事故事件を起こしたことと真摯に向き合い反省している情状として,加害者が自ら所有していた車を処分したことや,再犯防止のために交通ルールを学ぶ講習などに参加したことなどの事情があれば,そういった事情も主張していくことになるでしょう。

どういった弁護方針となりそうか,どのような弁護活動が可能かは事件ごとに異なりますので,まずは弁護士に相談されることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,赤信号無視による危険運転致死事件などの交通事故事件のご相談も承っています。
まずはお気軽にご相談ください。

器物損壊事件の示談を相談

2019-10-30

器物損壊事件の示談を相談

器物損壊事件示談弁護士への相談について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

滋賀県東近江市在住のAさんは,滋賀県東近江市内のとある駅前に設置されている銅像の左手にあった竿を抜き取って折りました。
目撃者のWさんが滋賀県東近江警察署に通報し,Aさんは器物損壊罪の容疑で滋賀県東近江市を管轄するの滋賀県東近江警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの家族は,逮捕されたAさんのもとへ弁護士を派遣し,Aさんに刑事事件の手続きを説明してもらうと同時に,自分たちも今後可能な弁護活動について相談することにしました。
その場で示談交渉についての相談をしたAさんの家族は,そのまま弁護士に弁護活動を依頼,すぐに示談交渉に取り掛かってもらうことにしました。
(フィクションです。)

~器物損壊罪~

他人の物を損壊した者には,器物損壊罪(刑法261条)が成立し,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金もしくは科料が科せられます。
科料というのは,1000円以上1万円未満の財産刑です(刑法17条)。

刑法261条
前三条に規定するもののほか,他人の物を損壊し,又は傷害した者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪の「損壊」とは,その物の効用を害する一切の行為をいいます。
Aさんは,銅像という他人の物の一部である竿を勝手に抜き取って折っています。
これにより,銅像の効用が害されているといえますから,Aさんの行為には,器物損壊罪が成立する可能性が高いです。

~器物損壊罪と示談~

器物損害罪の法定刑は前述のとおりです。
器物損壊罪は他の犯罪と比較して軽い部類の犯罪といえます。
しかし,他の犯罪と比較して軽い部類の法定刑であるからといって,逮捕されないというわけではありません。
Aさんのように,器物損壊事件でも逮捕され身体拘束を受けて捜査される人も少なくありません。

ですから,器物損壊事件を起こした場合,なるべく早く弁護士に相談し,できる弁護活動に取り掛かってもらうことがおすすめです。

例えば,弁護士のできる活動の1つに,被害者との示談交渉があります。
器物損壊罪は,被害者の告訴がなければ起訴ができない親告罪です。

刑法264条
第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

告訴とは,犯罪被害の申告(これのみのものがいわゆる被害届です)に加え,処罰を望む意思を表明するものです。
親告罪の場合,告訴がなくとも被害届が出されたり目撃した人によって通報されたりした時点で捜査が開始されるものもありますが,起訴するためにはこの告訴が必要となってきます。

そのため,器物損壊事件では,示談の成立により告訴を取り下げてもらうか告訴をしないという約束をもらうことができれば,不起訴処分となります。
刑事事件化しても,不起訴処分であれば,前科はつきません。

また,器物損壊罪で起訴され裁判になってしまった場合でも,器物損壊事件の被害者との間で示談や被害弁償を行うことで,罰金での終結や執行猶予処分の獲得ができる可能性があります。
略式罰金手続きとなれば,罰金を支払うことで事件を終わらせることができますし,執行猶予となれば執行猶予中に新たな犯罪を犯さないかぎり,刑務所に入らないで済むことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件専門の弁護士が,器物損壊事件を含む刑事事件示談交渉についてのご相談・ご依頼もいただいています。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。

カラーコピーは文書偽造罪?②

2019-10-28

カラーコピーは文書偽造罪?②

前回に引き続き、カラーコピー文書偽造罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
滋賀県近江八幡市に住んでいるAさんは、医師の診断を受けて睡眠薬を処方されました。
しかしAさんは、「自分の症状にはこれだけの睡眠薬では不足している。もっと睡眠薬をもらわなければならない」と考え、医師からもらった処方箋を自宅で何枚かカラーコピーし、それぞれ別の薬局に提出して睡眠薬を受け取り、代金を支払いました。
その後、全く同じ内容の処方箋がカラーコピーされて提出されていることに近隣の薬局が気づき、滋賀県近江八幡警察署に相談されました。
そして滋賀県近江八幡警察署の捜査の結果、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年10月23日京都新聞配信記事(24日に更新)を基にしたフィクションです。)

・カラーコピーは文書偽造罪?

前回の記事では、私文書偽造罪・変造罪について詳しく見ていきました。
今回の記事では、Aさんが処方箋をカラーコピーして使用した行為を具体的に照らし合わせて考えていきます。

まずは、前回確認した私文書偽造罪・私文書変造罪についてもう一度条文を確認してみましょう。

刑法159条(私文書偽造等)
1項 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
2項 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3項 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

今回、Aさんがカラーコピーした「処方箋」は、医師等の印章(いわゆるハンコ)が使用されており、その患者に処方箋にある薬が必要であるという医師の診断という事実を証明する文書ですから、「有印私文書」となるでしょう(ただし、公立病院であった場合には公務員が作成する書類となりますので、「私文書」ではなく「公文書」となります。)。
そして、Aさんは睡眠薬を本来よりも多くもらうため=カラーコピーの処方箋を薬局に提出して使用するために処方箋をカラーコピーしているわけですから、「行使の目的」であると考えられます。
ここまでは、Aさんの行為について、有印私文書偽造罪または有印私文書変造罪に当てはまるといえます。
そのため、Aさんが処方箋を「偽造」もしくは「変造」していると考えられれば、Aさんには私文書偽造罪もしくは私文書変造罪が成立する可能性があるということになりますが、Aさんの行為は処方箋を「偽造」もしくは「変造」しているといえるのでしょうか。

前回の記事で確認した通り、有印私文書偽造罪の「偽造」とは、その文書を作成する権限を持たない者が、他人の名義を同意を得ずに使用して文書を作成すること(=有形偽造)をいいます。
今回のAさんが行ったのは、処方箋のカラーコピーです。
すでに処方箋という文書を作成する権限のある医師が作成した処方箋をそのままそっくりコピーしているわけですから、Aさん自身が処方箋を作成したわけではありません。
ですから、Aさんのカラーコピーした処方箋の作成者と名義人は一致していることになります。
そうなると、その文書を作成する権限を持たない者が、他人の名義を同意を得ずに使用して文書を作成していることにはならず、Aさんの行為は「偽造」しているとはいえず、有印私文書偽造罪とはならないと考えられるのです。

ただし、カラーコピーの処方箋について医師名を変更したり薬の種類を変更したりすれば、「偽造」ととらえられ、私文書偽造罪となることも考えられます。
また、日付を変更するなどしていた場合には、私文書変造罪となることも考えられます。
どういった態様で行ったかによって犯罪の成立・不成立が変わってきますので、文書偽造事件で容疑をかけられてしまった場合には、専門家である弁護士に詳しい事情を話して相談してみましょう。

刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件や文書偽造事件についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
24時間いつでも申し込みが可能のフリーダイヤルで、専門スタッフがサービスをご案内しています。
まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。

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