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【事例紹介】家族への傷害事件で家族が逮捕された事例

2022-09-28

【事例紹介】家族への傷害事件で家族が逮捕された事例

滋賀県東近江市で起きた家族への傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

長女(13)に暴行しけがを負わせたとして、滋賀県警東近江署は21日、傷害の疑いで、滋賀県東近江市の無職の父親(42)とアルバイトの長男(16)を逮捕した。
逮捕容疑は、7月20日午前10時10分から22日午前9時半の間、長男と自宅で長女の腕や脚を蹴ったり、髪をつかむなどの暴行を加え、右脚などに打撲を負わせた疑い。
(後略)
(9月21日 京都新聞 「長女の腕や足を蹴り、けが負わせた疑い 42歳父と16歳兄逮捕「弟に暴力、腹立った」」より引用)

傷害罪

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第204条)

暴行し、人にけが負わせた場合は傷害罪にあたります。
今回の事例では、父親と長男が、長女の腕や脚を蹴る暴行を行い、長女に打撲(けが)を負わせているので、父親と長男の2人が傷害罪の容疑で逮捕されています。
傷害罪により有罪になった場合は、15年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されることになります。

家族内のトラブルだからと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、傷害罪の成立要件の中に加害者と被害者の関係性で限定はありません。
ですから、たとえ加害者と被害者が家族同士であったとしても、暴行をふるってけがをさせてしまえば、当然傷害罪に問われることになります。

では、実際に子供に蹴る暴行を加え、傷害罪で有罪になった場合にはどれ位の量刑が科されるのでしょうか。
実際に子供の腕や脚を蹴り、傷害罪で有罪になった事例をご紹介します。
(ご紹介する事例は、事件内容など今回の事例と異なります。)

岡山県警察本部の警察官は、自宅で小学生の子供に腕や脚を蹴るなどの暴行を行い、全治2週間から4週間の打撲を負わせました。
その後、警察官は傷害罪の容疑で逮捕され、略式命令により30万円の罰金が科されました。
(2022年8月23日 NHK NEWS WEB 「子どもに暴行 警察官に罰金30万円の略式命令」より)

岡山県の事例では全治2~4週間の打撲を負わせたとして、警察官は30万円の罰金が科されています。
今回の事例では、長女のけがの度合いはわかりませんが、岡山県の事例のように打撲を負わせていることから、同程度の罰金が科される可能性もあるといえるでしょう。
もちろん、けがの程度や、暴行の常習性の有無など、考慮されるべき事情は様々ですので、罰金刑でも金額が前後したり、懲役刑が妥当と考えられて起訴される可能性も否定できません。

また、今回の事例では10代の長男も傷害罪に問われていますが、こちらは10代の少年のため、少年事件の手続に則って処分が決められることとなります。
こちらについては、原則としては保護処分という更生を目指すための処分が下されることになりますが、社会内での更生が可能なのか、適切なのかといった部分によって、少年院送致などの施設送致の処分か、保護観察処分となるかが変わってくることになります。

今回取り上げた事例のように、家族など親しい人や知人への暴行・傷害事件の場合は、加害者が被害者に接触することが可能であることから、逮捕されやすい傾向にあります。
身柄解放活動は時間との勝負ですので、逮捕された場合は早期に弁護士に相談をすることがとても大切です。
もちろん、最終的な処分を適切なものとするためにも、早い段階から弁護士のアドバイスを受けるなどの弁護活動をしてもらうことが重要です。
逮捕の知らせを受けたときからすぐに弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスや無料法律相談を行なっています。
逮捕された方や傷害罪などの刑事事件でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】淫行による青少年健全育成条例違反事件で釈放に成功

2022-09-28

【解決事例】淫行による青少年健全育成条例違反事件で釈放に成功

事件

滋賀県草津市に住むAさんは、Vさんと共通の知人を通じて知り合い、ネット上でやり取りを行っていました。
AさんとVさんは実際に会うことになり、AさんはVさんに誘われたことから、18歳未満だと知りながらVさんと性行為をしました。
その後、Aさんは青少年の健全な育成に関する条例違反の容疑で滋賀県草津警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの逮捕後すぐにAさんの家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用しました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決のながれ

初回接見後、弁護活動の依頼を受けた弁護士は、Aさんの釈放を求める弁護活動に取り掛かりました。

Aさんが逮捕された直後から弁護活動を開始することができたため、Aさんに対する勾留(逮捕よりも長期の身体拘束)はまだ決まっていない状態でした。
そこで、弁護士は勾留を回避するために、勾留請求に対する意見書を作成し検察庁に提出しました。
意見書では、Aさんが逃亡や証拠隠滅をしないことや、家族がAさんの監督を行えること、Aさんがクリニックに通いカウンセリングを受ける必要性があることを検察官に訴えました。
しかし、その段階では弁護士の訴えは退けられてしまい、検察官はAさんの勾留を請求しました。

検察官の勾留請求後、弁護士は裁判所に勾留請求に対する意見書を提出しました。
裁判所へ提出した意見書も検察庁に提出したものと同様に、Aさんを勾留する必要性がないことや、Aさんを釈放する必要性があることを裁判官に訴えました。
裁判所に提出した意見書により弁護士の訴えが認められ、Aさんの釈放が決定しました。
釈放となったことで、Aさんは日常生活を送りながら取調べなどの捜査へ対応することが可能となりました。

その後、Aさんは略式手続により罰金刑が下されました。

検察官は逮捕後72時間以内に勾留を請求するかどうかの判断をします。
検察官が勾留を請求した場合は、裁判官が勾留を決定すべきかどうかを判断します。
弁護士は、検察官が勾留を請求する前や裁判官が勾留決定を下す前に、検察庁、裁判所それぞれに対して意見書を提出するなどして釈放を交渉することができます。
また、裁判官の判断により勾留が決定した後でも、勾留決定に対して準抗告申立書を裁判所に提出し、勾留決定の判断が妥当なのかを再度、別の裁判官に判断してもらうことができます。

釈放を求める弁護活動を行う上で、逮捕後の72時間の間の弁護活動はとても重要です。
今回の解決事例では、Aさんの逮捕当日から釈放を求める弁護活動を行えたため、検察官の勾留請求前、裁判官の勾留決定前の2回にわたって意見書を提出し、Aさんの釈放を実現することができました。
勾留が決定してしまったあとでは勾留請求に対して交渉することができませんので、その分釈放を求めることができる機会が減ってしまいます。

また、意見書を作成するための時間も必要になりますから、釈放を目指すためには早期に身柄解放活動に取り掛かる必要がありますから、そういった意味でも早期の相談・依頼が重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族が逮捕され弁護士を選任するかどうか迷っている方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
ご予約は0120―631―881で承っております。

【事例紹介】滋賀県野洲市 強盗未遂罪で逮捕

2022-09-21

【事例紹介】滋賀県野洲市 強盗未遂罪で逮捕

滋賀県野洲市で起きた強盗未遂事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警守山署は19日、強盗未遂の疑いで、滋賀県草津市、無職の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は、18日午後5時5分ごろ、同県野洲市西河原の仏壇店で、店を経営する男性(48)にカッターナイフを突き付けて「有り金全部出せ」などと現金を要求した疑い。
(後略)
(9月19日 京都新聞 「「有り金全部出せ」カッターナイフで仏壇店主を脅す 容疑で33歳男を逮捕」より引用)

強盗罪

刑法第236条第1項
暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪を簡単に説明すると、暴行や脅迫を用いて財物を強取する犯罪です。
強盗罪が成立するには、一般の人が反抗することができないと思われる程度の暴力や脅迫が必要です。
ですので、暴行や脅迫が上記の程度を満たしていない場合は、恐喝罪など別の罪に問われることになります。
また、強盗罪は未遂であっても罰せられます。(刑法第243条)

今回の事例ではカッターナイフを突き付けることで男性を脅し、お金を奪い取ろうとしています。
カッターナイフで脅された状態で相手に逆らうことは、命の危険もあり一般的に見ても困難でしょうから、今回の事例では強盗罪が適用されているのでしょう。
また、「現金を要求した疑い」と記載されていることから、事例の男性がお金を奪い取ることができなかったと推測されます。
事例の男性はお金を奪い取ることができなかったので、今回の事例では強盗未遂罪の容疑で逮捕されたのだと考えられます。

強盗罪で有罪になった場合は5年以上の有期懲役が科されることになりますが、未遂であった場合は刑罰の減軽や刑が免除される場合があります。(刑法第43条)
では強盗未遂罪で有罪になった場合はどれくらいの量刑が科されるのでしょうか。

福島県にある信用金庫などに刃物を持って押し入り、現金を奪おうとした強盗未遂事件では、被告人に懲役3年6月の実刑判決が下されました。
(9月16日 福島テレビ 「福島・南相馬市強盗未遂事件で 被告の66歳の男に 懲役3年6か月の実刑判決」より)

ご紹介した裁判例では、被告人に懲役3年6月が言い渡されています。
強盗罪で有罪になった場合は5年以上の有期懲役になりますので、未遂などを理由に刑罰が軽減されたことが伺えます。

今回の事例と裁判例では事件内容など異なる点はありますが、どちらの事例も刃物を用いた強盗未遂事件です。
今回の事例の男性が有罪になった場合にも、紹介した裁判例と同様に未遂であることが考慮されることも考えられます。
しかし、たとえ刑罰が減軽されたとしても、紹介した裁判例と同様に執行猶予が付かず、懲役刑が科されてしまった場合は刑務所に収容されることになります。
こうしたケースで、例えば執行猶予付き判決を得たいというような場合には、公判に向けてより入念な準備が必要になってくるといえるでしょう。
公判に向けての準備や身柄解放活動を行うためにも、早い段階から弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
刑事事件に強い弁護士をつけることによって、執行猶予付き判決を目指したり、刑罰の減軽を求めたりする弁護活動をスムーズに進めることが期待できます。
強盗未遂罪についてお困りの場合や、ご家族ご友人が逮捕されてしまってお悩みの場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。 

【事例紹介】滋賀県長浜市 グラウンドに侵入して建造物侵入罪

2022-09-14

【事例紹介】滋賀県長浜市 グラウンドに侵入して建造物侵入罪

滋賀県長浜市にある中学校のグラウンドで車を走行させ、建造物侵入罪で逮捕された事例を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

8日午前9時5分ごろ、滋賀県長浜市高田町の長浜西中で、「不審な車がグラウンドを走り回り、横転した」と110番があった。生徒らにけが人はなかった。
滋賀県警長浜署は、建造物侵入の疑いで、現場にいた運転者の同市の女(48)を現行犯逮捕した。
(後略)
(9月8日 京都新聞 「中学校のグラウンド「不審な車走り回り、横転」 侵入容疑で48歳の女逮捕」より引用)

建造物侵入罪

建造物侵入罪は、刑法第130条で規定されています。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第130条では建造物以外のものへの侵入に対する犯罪も規定されており、住居、邸宅、建造物、艦船に侵入した場合にも刑法第130条に該当することになります。

刑法第130条で定められる建造物は、日々生活を行う場所(住居)や、人が住むために造られた住居以外の建造物(邸宅)を除いた建造物を指します。
今回事件があった学校のほか、工場や商業施設、会社などがこの建造物にあたります。

では、今回の事例に当てはめて考えていきましょう。

今回の事例ではグラウンドを車が走り回り、運転していた女性が建造物侵入罪で逮捕されています。
グラウンドは日々生活を行う場所ではありませんし、人が住むための建物でもありませんので住宅や邸宅にあたらないことがわかります。

次に、グラウンドが刑法第130条でいう「建造物」にあたるのという問題ですが、そもそもグラウンドは「建造物」といえるのでしょうか。
こうした部分から、今回の事例の女性が建造物侵入罪で逮捕されたことに疑問を持った方も多いと思います。
では、なぜグラウンドへの侵入が建造物侵入罪にあたるのかを1つの判例を用いて解説していきます。

ご紹介するのは、その裁判の被告人らの行為が建造物侵入罪にあたるのかについて争われた事件の判例です。
この事件では、被告人らは、ほか数十名の学生らとともに、正門を閉鎖し通路を金網柵で遮断された部外者以外立ち入り禁止のA構内へ、金網柵を引き倒して乱入しました。
被告人らが侵入した場所は、A建物の通用門からC構内の建物やグラウンドへの通路、並びに駐車場に利用されている土地でした。

この建造物侵入事件の第1審では、被告人両名に懲役3月執行猶予2年に処しましたが、その後の控訴審では建造物侵入罪にあたらないとして無罪を言い渡しました。

その後の上告審で、その土地が、建物に接してその周辺に存在し、管理者が外部との境界に門塀等の囲障を設置し、建物の附属地として建物利用のために供されるものであることを明示されれば、囲繞地にあたると裁判官は判断しました。
刑法第130条で規定されている「建造物」には囲繞地が含まれており、囲繞地に侵入した場合は建造物侵入罪が成立します。

今回の被告人らが侵入した土地は、A建物の囲繞地であり建造物侵入罪にあたるため、東京高等裁判所への差し戻しが決まりました。
昭和51年3月4日 最高裁判所より)

つまり、この判例によると、土地が門や塀などに囲まれていて建物の附属地として使用されていれば囲繞地=建造物侵入罪の対象である「建造物」として認められます。

では、今回の事例のグラウンドは囲繞地にあたるのでしょうか。
事例に当てはめて考えていきましょう。

通常、中学校のグラウンドは門や塀、柵などで囲まれて、外の道路などとは分けられていることが多いでしょう。
また、グラウンドは校舎に接しているでしょうし、校舎の附属地でもあります。
グラウンドでは体育の授業などを行うでしょうから、校舎の附属地として利用されているといえます。
事例のグラウンドは囲繞地としての条件を満たしていますので、囲繞地にあたるだろうと考えられます。

となると、刑法第130条で規定している「建造物」には囲繞地も含まれますので、今回の事例の女性が建造物侵入罪で逮捕されたことは不思議ではないことがわかります。

このようにして、建造物侵入罪のような一般に名前が知られているような犯罪であっても、イメージ通りではないケースが存在します。
刑事事件の知識・経験のある弁護士に相談しておくことで、こうしたイメージとのギャップをなくして刑事手続へ適切に対応できるようになることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、在宅捜査を受けている方にも逮捕・勾留されて捜査を受けている方にもご利用いただけるサービスをご用意しています。
建造物侵入事件を含む刑事事件でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

【事例紹介】死亡事故、労働安全衛生法違反で書類送検

2022-09-07

【事例紹介】死亡事故、労働安全衛生法違反で書類送検

滋賀県で起きた労働安全衛生法違反事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県東近江労働基準監督署は2日、労働安全衛生法違反の疑いで、京都府八幡市のリサイクル会社と滋賀県湖南市の同社滋賀営業所の男性所長(47)を書類送検した。

書類送検容疑は、(中略)作業員(74)がフォークリフトにひかれ、死亡した事故で、フォークリフトと接触する恐れのある場所に作業員を立ち入らせない措置を講じなかった疑い。
(9月2日 京都新聞 「フォークリフトにひかれ作業員死亡、京都・八幡のリサイクル会社を書類送検」より引用)

労働安全衛生法

労働安全衛生法第21条
1、事業者は、掘削、採石、荷役、伐木等の業務における作業方法から生ずる危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2、事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

フォークリフトは荷役作業(荷物の運搬作業)に使われます。
また、労働安全衛生法では、荷役に生じる危険を防止するための措置の実施を義務付けています。

今回の事例ではフォークリフトにより事故が起きており、フォークリフトは荷役作業に使用されますので、事例の事故当時は荷役作業中だったと考えられます。
前述したように、荷役作業で生じる危険については防止措置を講じる必要がありました。
今回の事例では、「フォークリフトと接触する恐れのある場所に作業員を立ち入らせない措置を講じなかった」と記載されていることから、荷役作業の危険防止措置が講じられていなかったことが伺えます。
繰り返しになりますが、荷役作業に生じる危険に対して防止措置を講じることは事業者に科される義務です。
ですので、防止措置を講じなかった場合は、労働安全衛生法違反になります。
労働安全衛生法第21条に違反し有罪になった場合は、6月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。(労働安全衛生法第119条)

では、実際に労働安全衛生法第21条で違反した場合はどのような量刑が科されるのでしょうか。
実際の事件を基に解説していきます。
※ご紹介する事件は労働安全衛生法第21条第2項に違反した事件です。今回の事例とご紹介する事件では事件内容が異なります。

この事例では、段ボール製造販売会社の工場で、屋根上の清掃作業をしていた男性が屋根の板部分を踏み抜き地面に墜落し死亡しました。
墜落防止措置を講じていなかったとして、労働安全衛生法違反の容疑で会社と次長が書類送検されました。
その後、会社と次長には、略式手続により罰金20万円が科されました。
(2021年12月2日 京都新聞 「屋根を踏み抜いて墜落死、会社と次長に罰金20万円の略式命令」より)

労働安全衛生法第21条第2項では、墜落するおそれのある場所の危険を防止する措置を講じなければならないと規定されています。
男性が墜落死した事件では、「墜落防止措置を講じていなかった」と記載されていることから労働安全衛生法第21条第2項に違反していると考えられます。

労働安全衛生法第21条第2項に違反した場合は、同条の第1項と同様の量刑が科されます。
ですので、今回の事例とご紹介した事件では事件内容や根拠となる条文が異なりますが、今回の事例でもご紹介した事件と同様に罰金刑が下される可能性があります。
罰金刑は前科になります。
前科が付いてしまうと資格のはく奪や、新しく資格を取得できなくなるおそれがあります。
早期に弁護士に相談し、弁護士が検察官に働きかけを行うことで不起訴処分を得られる可能性や、刑罰を軽減できる可能性があります。
労働安全衛生法違反でお困りの方は、刑事事件を多数取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

2022-08-31

(事例紹介)滋賀県の空き巣事件で逮捕 余罪多数の事例

~事例~

大津市の住宅に空き巣に入ったとして、広島、三重両県警の合同捜査本部は29日、住居侵入と窃盗の容疑で、(中略)容疑者(35)ら4人を逮捕したと発表した。
広島県警捜査3課によると昨夏以降、中部、近畿、中国地方で、2階以上の無施錠の部屋から侵入するなど似たような窃盗事件が約100件あり、関連を調べる。
逮捕容疑は、3月中旬ごろ~4月16日、共謀して大津市朝日の住宅に侵入し、現金3万円と腕時計1本など5点(計約85万5千円相当)を盗んだとしている。
(後略)
(※2022年8月29日18:24産経新聞配信記事より引用)

~空き巣事件と余罪~

今回取り上げた事例では、滋賀県大津市空き巣に入った容疑者らが住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されたという報道の内容となっています。
空き巣は、その家に住む人が留守の間を狙って家に忍び込み、金品を盗んでしまうという窃盗行為の手口の1つです。
空き巣事件では、他人の家に勝手に侵入していることから住居侵入罪が、他人の家の中のものを盗んでいることから窃盗罪がそれぞれ成立するため、今回の報道でも逮捕容疑が住居侵入罪窃盗罪の2つになっています。

空き巣のように、「窃盗罪にあたる行為をするために住居侵入罪にあたる行為をする」という関係性で2つの犯罪が成立する場合には、「牽連犯」という考え方で刑罰の重さの範囲が決められます(刑法第54条第1項)。
牽連犯」は、ある犯罪の手段として別の犯罪をするという関係性で複数の犯罪が成立する際に用いられる考え方で、空き巣事件のような侵入盗事件では住居侵入罪窃盗罪の2つが手段と目的の関係となるため、この「牽連犯」にあたるということになります。
牽連犯」の考え方では、その最も重い刑により処断されることとなるため、住居侵入罪の「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」(刑法第130条)と窃盗罪の「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条)のうち、重い方の窃盗罪の法定刑の範囲で刑罰が決められることとなります。
犯罪が2つ成立しているからといって、単にそれぞれの犯罪の刑罰を足せばよいというわけではないのです。

しかし、今回取り上げた事例のように、余罪(すでに検挙されている犯罪とは別に起こしている犯罪)が多数ありそうであるというケースでは、住居侵入罪窃盗罪が成立する事件が複数あるということが考えられます。
こうした場合には、1件目の空き巣は2件目の空き巣の手段でも目的でもないということになりますから、先ほどの「牽連犯」の考え方ではない考え方によって刑罰の重さが決定されます。
今回取り上げた事例のように、複数件余罪があるというようなケースでは、「併合罪」という考え方で刑罰の重さが決められます(刑法第45条)。

「併合罪」では、有期の懲役刑・禁錮刑については、その最も重い刑の長期にその刑の2分の1を加えたものか、それぞれの刑の長期を加えたものが長期となります(刑法第47条)。
例えば、空き巣事件が2件起訴された場合、それぞれの空き巣事件について住居侵入罪と窃盗罪が成立することになります。
この場合、空き巣事件2件に関しては「併合罪」の処理がされるため、窃盗罪の長期である「10年以下の懲役」の1.5倍である「15年以下の懲役」が刑の長期になるということになります。

このように、起こした刑事事件自体が複数の犯罪に触れるものであったり、余罪が多数あったりという事情がある場合、その刑事事件の最終的な見通しは複雑になりがちです。
お早めに弁護士に相談いただくことで、こうした見通しを把握した上で手続に対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

【事例紹介】労災かくしの労働安全衛生法違反事件

2022-08-24

【事例紹介】労災かくしの労働安全衛生法違反事件

滋賀県で起きた労災かくしによる労働安全衛生法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

東近江労働基準監督署は19日、労働安全衛生法違反(労災かくし)の疑いで、滋賀県甲賀市の製造業(中略)と同社の男性課長(45)を書類送検した。
書類送検容疑は、2020年8月25日、(中略)労働災害があったのに、今年4月28日まで同労基署に報告しなかった疑い。
(後略)
(8月19日 京都新聞 「作業員骨折を労基署に報告せず 労災かくし容疑で会社と課長を書類送検」より引用)

労災かくし

労働災害、いわゆる労災の報告を行わなかったことを労災かくしといいます。
労働災害の報告(労働者死傷病報告の提出)は、厚生労働省令である労働安全衛生規則第97条1項で義務づけられています。
労働災害の報告は義務ですので、報告を行わなかった場合には労働安全衛生法違反の罪に問われることになります。

ここで、労働災害の報告を義務付けているのは労働安全衛生規則ですから、労災かくしをした際の容疑が、労働安全衛生規則違反ではなく労働安全衛生法違反になっているのかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
実は、労働安全衛生規則には罰則の規定はありません。
一方で、労働安全衛生法には報告についての規定があり、違反した場合の罰則もこちらの法律で定められています。

労働安全衛生法第100条
1 厚生労働大臣、都道府県労働局長または労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者またはコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、または出頭を命ずることができる。
3 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業者または労働者に対し、必要な事項を報告させ、または出頭を命ずることができる。

労働安全衛生法第120条
次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
5 第100条第1項または第3項の規定による報告をせず、もしくは虚偽の報告をし、または出頭をしなかった者

労働安全衛生法第100条第1項をおおまかに説明すると、労働基準監督署長は厚生労働省令で定められている事項について事業者に報告させることができるということです。
前述しましたように、労働安全衛生規則は厚生労働省令ですので、労働災害の報告については労働安全衛生法第100条でも規定されていることになります。
労働安全衛生法第120条では、第100条第1項、第3項に定められた報告をしなかった場合は、50万円以下の罰金に処すると規定されていますので、労働災害を報告しなかった(労災かくしを行った)場合は50万円以下の罰金が科されることになります。

労災かくし労働安全衛生法違反はあまり耳なじみがないかもしれませんが、今年の6月に和歌山県でも、労災かくし事件が起こっています。
和歌山県の労災かくし事件でも、ご紹介した事例と同様に、会社と社長が労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されています。
(6月10日 和歌山放送ニュース 「海南市の測量会社が「労災かくし」で書類送検」より)

労災かくしによる労働安全衛生法違反は、なじみのない刑事事件だけに、どのように対応すべきなのか分かりづらい部分もあるでしょう。
刑事手続自体も当事者だけで対応することに不安を感じるケースが多いでしょうから、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取り扱う法律事務所です。
刑事事件でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】滋賀県日野町の談合事件と公契約関係競売等入札妨害罪

2022-08-17

【事例紹介】滋賀県日野町の談合事件と公契約関係競売等入札妨害罪

公契約関係競売入札妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県日野町発注の排水処理施設改修工事の入札を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反などの罪に問われた町上下水道課主任の男(43)の判決が28日、大津地裁であり、西脇真由子裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決によると、主任の男は2020年9月18日に行われた東桜谷地区農業集落排水処理施設の改修工事の指名競争入札で、大津市の水道設備メンテナンス会社の元営業工事部課長(57)=公契約関係競売入札妨害罪で有罪が確定=に、非公表の最低制限価格が810万円に近い金額だと教え、809万円で同社に落札させた。
(後略)
(7月28日 京都新聞 「滋賀・日野町の官製談合事件、町上下水道課主任の男に有罪判決 大津地裁」より引用)

公契約関係競売入札妨害罪

前回の記事では、談合事件が起こった際に官製談合防止法という特別法に違反する犯罪が成立するケースについて取り上げました。
しかし、談合事件で成立し得る犯罪はその官製談合防止法違反だけではありません。
今回の記事では、談合事件で成立し得る犯罪の1つであり、すでに有罪が確定している業者の男性が問われていた、公契約関係競売入札妨害罪という犯罪を取り上げます。

公契約関係競売入札妨害罪は、刑法第96条の6第1項で規定されています。

偽計または威力を用いて、公の競売または入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、3年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。(刑法第96条の6第1項)

「偽計」とは、分かりやすく言えば人を欺くこと、人の判断を誤らせるためにすることを指します。
例えば、特定の金額に最も近い入札価格を出した業者を落札者とする場合において、特定の業者にその金額を教えておき、その情報に基づいて業者に入札させるといった場合に、こうした「偽計」に当てはまる可能性が出てきます。
こうした偽計によって入札等の公正を害すべき行為をした場合に、公契約関係競売等妨害罪が成立することになります。
入札等の公正を害すべき行為という部分に関しては、そもそも特定の業者に入札予定価格などを教えてしまえば、その入札は不平等なものとなってしまいますから、入札の公正を害すべき行為といえるでしょう。

前回の記事で取り上げた官製談合防止法違反が公務員などの「職員」に行為者が限定されている一方、公契約関係競売等妨害罪はその罪を犯す者の限定はされていません。
実際に、今回取り上げた事例では、業者側の男性が公契約関係競売等妨害罪に問われて有罪判決を受けていることが報道されています。
町の職員であった男性については、公契約関係競売等妨害罪に問われているかどうかは報道からは明らかではありませんが、「官製談合防止法違反など」に問われているという表記から、容疑のかかった犯罪に公契約関係競売等妨害罪が含まれている可能性もあります。

官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害罪の裁判例

ここで、今回の事例に類似した裁判例をご紹介します。

その裁判の被告人は、大阪市建設局企画部工務課の職員として積算等の職務に従事していました。
Aさんは電気工事を請負うB会社の経営に関与し入札業務等を統括していました。
Aさんは大阪市発注の電気工事等3件で、被告人に最低制限価格帯算出の根拠となる各直接工事費を教えてもらえるように頼み、被告人はAさんに工事費を教えました。
被告人とAさんを引き合わせたのは被告人の先輩にあたる職員であり、被告人は先輩職員の言に従って共犯者に求められるまま、工事費を教えていました。
被告人が受動的な面があることや前科前歴がなく反省していること、懲戒免職になり今後妻が被告人を支えていくことを約束したことが考慮され、被告人は官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害罪で懲役1年6月執行猶予3年が言い渡されました。
(令和元年10月3日 大阪地方裁判所)

談合事件では、成立する犯罪が複数あることが予想されるだけでなく、そもそも事件の内容が複雑であることが多いです。
だからこそ、事件が発覚した段階からすぐに弁護士に相談し、事件の内容を整理し、今後の手続や被疑者・被告人の権利を把握した上で刑事手続きに臨むことが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス初回無料法律相談を行っております。
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【事例紹介】滋賀県日野町の談合事件 官製談合防止法違反

2022-08-10

【事例紹介】滋賀県日野町の談合事件 官製談合防止法違反

官製談合防止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県日野町発注の排水処理施設改修工事の入札を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反などの罪に問われた町上下水道課主任の男(43)の判決が28日、大津地裁であり、西脇真由子裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決によると、主任の男は2020年9月18日に行われた東桜谷地区農業集落排水処理施設の改修工事の指名競争入札で、大津市の水道設備メンテナンス会社の元営業工事部課長(57)=公契約関係競売入札妨害罪で有罪が確定=に、非公表の最低制限価格が810万円に近い金額だと教え、809万円で同社に落札させた。
(後略)
(7月28日 京都新聞 「滋賀・日野町の官製談合事件、町上下水道課主任の男に有罪判決 大津地裁」より引用)

官製談合防止法

今回取り上げた事例は、町の職員であった男性が、官製談合防止法違反などの罪に問われたという談合事件のようです。
まずは、報道にも出ている「官製談合防止法違反」という犯罪について確認してみましょう。

官製談合防止法は、「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」の略称です。
職員による入札の妨害は、その第8条に規定されています。

職員が、その所属する国等が入札等により行う売買、賃借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示することまたはその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、5年以下の懲役または200万円以下の罰金に処する。(官営談合防止法第8条)

条文によると、職員が特定の入札予定者に予定価格などの入札に関わる機密事項を教えた場合に、官製談合防止法違反が成立するということになります。
ここでいう「職員」とは、「国若しくは地方公共団体の職員又は特定法人の役員若しくは職員」とされています(官製談合防止法第2条第5項)。
つまり、大まかにまとめると、公務員や特定の法人の役員・職員が、特定の入札予定者に対して入札に関連する機密事項を教えることで、官製談合防止法違反となるのです。
こうした官製談合防止法違反で有罪となった場合には、5年以下の懲役または250万円以下の罰金が科されることになります。(官製談合防止法第8条)

今回の報道の事例を考えてみましょう。
有罪判決を受けた男性は、町の水道課に勤務していたようですから、公務員、すなわち官製談合防止法のいう「職員」にあたります。
この男性が、町の排水処理施設の改修工事について、特定の業者に入札の最低制限価格を教えたということですから、「所属する国等が入札等により行う…請負その他の契約締結に関し」「事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示」したといえます。
これによって、男性は官製談合防止法違反に問われたということなのでしょう。
入札予定価格を教えたといった談合事件では、こうして官製談合防止法違反が成立することが多いです。

談合事件は世間からの関心度も高く、さらに、社会的責任も重いと考えられ、厳しい判断が下される可能性もある刑事事件です。
早い段階から、法律のプロである弁護士のサポートを受けながら、刑事手続きに対応していくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は数多くの刑事事件を解決に導いてきました。
官製談合防止法違反などの刑事事件でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください

次回の記事では、公契約関係競売入札妨害罪について解説します。

(事例紹介)卑わいな行為を見せて強制わいせつ罪に問われた事例

2022-08-03

(事例紹介)卑わいな行為を見せて強制わいせつ罪に問われた事例

~事例~

滋賀県警草津署は25日、強制わいせつの疑いで、滋賀県草津市の放課後児童支援員の男(35)を逮捕した。
容疑を否認しているという。
逮捕容疑は今年5月ごろ、自宅で市内の小学生女児に自慰行為を見せた疑い。
同署によると、男は学童保育の勤務の傍ら、自宅を子どもの遊戯スペースとして無償で開放していたという。
(※2022年7月25日18:44京都新聞配信記事より引用)

~触らなくても強制わいせつ罪になる?~

今回取り上げた事例では、男性が強制わいせつ罪の容疑で逮捕されていますが、容疑の内容は、小学生女児に自慰行為を見せたというものです。
強制わいせつ罪は痴漢などで成立することの多い犯罪であることもあり、「卑わいな行為を見せた」ということをもって強制わいせつ罪の容疑がかけられていることに疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、この報道の事案と照らし合わせながら強制わいせつ罪について確認していきましょう。

まず、強制わいせつ罪は刑法で以下のように定められています。

刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪では、被害者が13歳以上の方か13歳未満の方かによって、手段として暴行又は脅迫が用いられる必要があるかどうかが異なります。
被害者が13歳以上の方である場合には、暴行又は脅迫を用いて「わいせつな行為」をすることで強制わいせつ罪が成立します。
こうしたケースは、多くの方がイメージする強制わいせつ罪と合致しやすいのではないでしょうか。
対して、被害者が13歳未満の方であれば、暴行・脅迫なしであっても「わいせつな行為」をした時点で強制わいせつ罪が成立します。
こちらについては、なかなか世間一般のイメージにない部分かもしれません。

今回取り上げた事例にあてはめてみると、報道によると被害者は小学生女児です。
小学生は「13歳未満の者」ですから、たとえ暴行や脅迫がなくとも、「わいせつな行為」をしたのであれば強制わいせつ罪が成立するということになります。

では、「わいせつな行為」とはどういったことを指すのでしょうか。
強制わいせつ罪の「わいせつ」は、「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」と解されています(名古屋高裁金沢支部判決昭和36.5.2)。
加えて、キスをしたという行為について強制わいせつ罪の成否が争われた事例で「すべて反風俗的のものとし刑法にいわゆる猥褻の観念を以て律すべきでないのは所論のとおりであるが、それが行われたときの当事者の意思感情、行動環境等によつて、それが一般の風俗道徳的感情に反するような場合には、猥褻な行為と認められることもあり得る」(東京高裁決定昭和32.1.22)とされた裁判例もあります。
こうした裁判例から、身体触るという行為でなくとも強制わいせつ罪の「わいせつな行為」となり得ることが分かります。
今回の報道の事例では、容疑の内容のうち自慰行為を見せつけるという行為が「わいせつな行為」に当たると考えられて、男性は強制わいせつ罪の容疑をかけられているということなのでしょう。

このように、刑事事件では一般に浸透しているイメージとは異なる内容であってもその犯罪が成立したり容疑をかけられたりというケースが存在します。
報道によれば男性は容疑を否認しているとのことですが、否認事件の場合には、どの部分を否認しているのかによっても、適切な対応は異なってきますし、成立し得る犯罪が変わる場合もあります。
だからこそ、何かしらの犯罪に問われ刑事事件となった場合に早期に弁護士に相談するメリットは大きいのです。
弁護士に相談することで、自分に容疑がかけられている犯罪はどういったものなのか、なぜその犯罪の容疑がかけられているのか、自分の認識・主張でその犯罪が成立するのかといったことをきちんと把握しながら刑事手続に臨むことが期待できるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、在宅捜査を受けている方から逮捕・勾留されている方まで幅広くご相談いただける体制を整えています。
0120-631-881では、スタッフがご相談者様の事情に合わせたサービスの案内を行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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