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SNSでの名誉毀損事件②

2020-01-22

SNSでの名誉毀損事件②

SNSでの名誉棄損事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、滋賀県草津市にある勤め先の同僚Vさんとその上司が不倫関係にあることを知りました。
日頃からVさんのことをよく思っていなかったAさんは、Vさんが上司と不倫している旨の書き込みをSNS上にて公開しました。
Vさんはその書き込みに気が付くと、滋賀県草津警察署へ被害届を提出しました。
そして、被害届を受けた滋賀県草津警察署はVさんに対する名誉毀損事件として捜査を開始しました。
滋賀県草津警察署の捜査により、書き込みを行った人物がAさんであることが判明し、滋賀県草津警察署はAさんについて名誉毀損罪の容疑で在宅での捜査を行うこととしました。
(※事例はフィクションです。)

・名誉毀損罪で罰せられないこともある?

前回の記事では、Aさんが容疑をかけられている名誉毀損罪について詳しく触れていきました。

刑法230条1項(名誉毀損罪
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

しかし、実は前回までの記事で見てきた名誉毀損罪成立の条件に当てはまる行為であっても、全て罰せられるという訳ではありません。
次の条文に該当した場合には名誉毀損罪で処罰されないことになります。

刑法第230条の2
1項 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2項 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3項 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
(※注:「前条第1項」とは、名誉毀損罪が定められている刑法230条1項のことを指します。)

刑法230条の2の1項にある「公共の利害に関する事実」(事実の公共性)とは、多数一般の利害に関する事実、つまり、公共の利益に役立つ事実をいいます。
もっとも、「公共」といっても社会全体のことに関する事実のみ指しているわけではなく、一定のグループのみの利益に関する事実は当該グループ内において公表する場合にのみ公共性を肯定できるとして、「公共」概念の相対性を認められています。

刑法230条の2の2項でいう「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実」は、先ほど取り上げた「公共の利害に関する事実」=多数一般の利害に関する事実、つまり、公共の利益に役立つ事実であるとみなされるということになります。

一方、刑法230条の2の3項では、名誉毀損罪にあたる行為が公務員や公選による公務員の候補者(例えば市議会議員候補者等)に関する事実に関わるものである場合について定めています。
この場合、刑法230条の2の1項で取り上げた「公共の利害に関する事実」であるかどうか=「事実の公共性」があるかどうかに加えて、「目的の公共性」も存在するものとみなされる結果、名誉毀損行為によって摘示された「事実」が真実かどうかの判断のみで名誉毀損罪として罰せられるかどうかが判断されます。

なお、刑法230条の2の1項にある「その目的が専ら公益を図る」とは、公益を図ることが主たる動機であればよいとされています。
真実性の証明ができた場合には、刑法第230条の2第1項により、名誉毀損罪によって罰せられることはありません。

・真実だと思って名誉毀損行為をしていた場合

では、名誉毀損行為をした人が、本当は嘘の「事実」であったにもかかわらず、摘示した「事実」は真実であると信じて名誉毀損行為をしていた場合はどのような結果になるのでしょうか。
この場合、「事実」についての裏付けもしていない軽率な言論行為についてまで、「名誉毀損行為をした人が真実であると思っていた」という点のみで名誉毀損罪として処罰しないとすれば、名誉保護の観点から妥当ではありません。
そのため、証明可能な程度の資料・根拠をもってその「事実」を真実であると誤信していた場合にのみ、名誉毀損罪によって処罰しないこととされています。

なお、今回のAさんは、あくまでVさんを快く思っていなかったことから不倫の事実をSNSに書き込んでいます。
これは公益を図ることが主な動機であるとは言えませんし、Vさんもその上司も公務員や公選による公務員の候補者というわけではなさそうです。
ですから、Aさんの名誉毀損事件では、刑法230条の2は適用されないと考えられます。

名誉毀損事件では、刑法230条の2が適用されるかどうかを争う複雑な事案も存在します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門弁護士がそういった複雑な刑事事件のご相談にも丁寧に対応いたしますので、まずはお気軽にご連絡ください(フリーダイヤル:0120-631-881)。

SNSでの名誉毀損事件①

2020-01-20

SNSでの名誉毀損事件①

SNSでの名誉棄損事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、滋賀県草津市にある勤め先の同僚Vさんとその上司が不倫関係にあることを知りました。
日頃からVさんのことをよく思っていなかったAさんは、Vさんが上司と不倫している旨の書き込みをSNS上にて公開しました。
Vさんはその書き込みに気が付くと、滋賀県草津警察署へ被害届を提出しました。
そして、被害届を受けた滋賀県草津警察署はVさんに対する名誉毀損事件として捜査を開始しました。
滋賀県草津警察署の捜査により、書き込みを行った人物がAさんであることが判明し、滋賀県草津警察署はAさんについて名誉毀損罪の容疑で在宅での捜査を行うこととしました。
(※事例はフィクションです。)

そもそも、今回のAさんが容疑をかけられている名誉毀損罪とはどのような犯罪なのでしょうか。
名誉毀損罪の条文を見てみましょう。

刑法230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

・名誉毀損罪と「公然と」の意味

名誉毀損罪の条文にある「公然と」とは、不特定又は多数人が認識し得る状態のことをいいます。
このうち、「不特定」の人とは、相手方が特殊の関係によって限定された範囲に属する者でないことをいいます。
例えば、公開の場所や公道における演説会、雑誌やインターネットで事実を摘示すれば、無関係の人たちがその事実を認識することになるわけですから、「不特定」の人が見るものだといえるでしょう。
一方、「多数人」とは、単なる複数ではなく、相当の多数を意味するものとされています。

つまり、名誉毀損罪においては、特定されていても多数であれば「公然と」という状況であり、不特定であれば少数でも「公然と」という状況となることになります。
もっとも、形式上は公然には当たらない場合、つまり特定かつ少数の場合であっても、それが不特定又は多数人へと伝播する可能性があるときには、「公然と」に当たると判例は解していますから、名誉毀損罪の「公然と」という条件に当てはまるのかどうかの判断にも、専門的な知識や経験が必要となってくるでしょう。

今回のAさんはSNSに書き込みをしていますが、SNSはまさにインターネットがつながっていれば誰でもアクセスできるツールですから、「不特定」又は「多数人」にその書き込みを認識し得る状態にしているといえるでしょう。
すなわち、Aさんは名誉毀損罪の「公然と」という条件を満たしていることになります。

・名誉毀損罪と「事実を適示し」の意味

名誉毀損罪の条文に戻り、次は「事実を摘示」するという言葉に注目してみましょう。
これは、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的な事実を表示することをいいます。

名誉毀損罪における「事実」とは、人格的価値にかかわる事実のみならず、プライバシーに属する事実も含みます。

さらに、摘示された「事実」は、必ずしも非公知のものであることは必要ではなく、公知の事実であっても構いません。
公知といっても、まだ知らない人がいないとはいえず、また、公知によって低下した社会的評価のさらなる悪化の可能性もあるからです。
また、「事実の有無にかかわらず」とあるため、「事実」は真実である必要ではなく、嘘や虚偽の「事実」であっても名誉毀損罪の処罰対象になりますし、逆に言えば本当のことであっても社会的評価を落とす「事実」であれば名誉毀損罪として処罰される可能性があるのです。
「嘘を広められた」「嘘によって誹謗中傷された」ということで名誉毀損罪が成立するイメージのある方もいるかもしれませんが、名誉毀損罪の成立には、基本的には「事実」が本当かどうかは関係ないのです(例外として次回の記事で取り上げる刑法230条の2があります。)。

今回のAさんの事例で考えてみましょう。
不倫をするということは、一般的に倫理に反することであると思われています。
さらに、AさんはVさんが誰と不倫をしているのかも具体的に示しています。
こうしたことから、AさんがSNSで示したVさんの不倫の事実は、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的な事実であると考えられそうです。

・名誉毀損罪と「毀損」の意味

それでは、名誉毀損罪の条文にある「名誉を毀損した」とはどういったことを指すのでしょうか。
一般的には、事実を摘示して人の社会的評価が害される危険を生じさせることであるとされています。
そして、ここで注意すべきなのは、名誉毀損罪が成立するには、あくまで人の社会的評価が害される危険が生じればよく、実際に社会的評価が下がったということは必要ないということです。

今回のAさんの事例では、Aさんは不倫という一般的に許されていないことをVさんがしているという事実をSNS上で摘示しています。
一般的に倫理に反すると考えられている不倫をしていると知られれば、Vさんの社会的評価が下がる可能性はあるでしょう。
先述したように、名誉毀損罪では人の社会的評価が下がる危険が生じていれば「毀損」にあたるため、Aさんの行為は名誉毀損行為であると考えられるのです。

このように、名誉毀損罪1つとっても、該当する条文に明記されていない解釈があり、自分の関わっている刑事事件と1つ1つ照らし合わせながら考えていく必要があります。

刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、わかりにくい刑事事件についても弁護士が丁寧にご説明いたしますので、まずは遠慮なくご相談ください。

成人式で新成人が暴行事件

2020-01-18

成人式で新成人が暴行事件

成人式新成人暴行事件を起こしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさん(20歳)は、滋賀県大津市で開かれる成人式に参加する新成人でした。
Aさんは、成人式の前から同級生たちと飲酒しており、酔っぱらって気が大きくなっていました。
すると、成人式の参加者である新成人Vさんと肩がぶつかったことがきっかけで口論となり、AさんはVさんを突き飛ばすなどの暴行を加えてしまいました。
周囲の人が通報し、Aさんは滋賀県大津警察署暴行罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんが成人式の会場でAさんが暴行事件を起こし逮捕されたと滋賀県大津警察署から連絡を受けました。
そこで、Aさんの家族は速やかに接見に向かってくれる弁護士を探し、逮捕されているAさんのもとへ行ってもらうことにしました。
(※令和2年1月13日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・成人式で暴行事件を起こしてしまった…

1月13日は成人の日でした。
この記事を読んでいる方の中にも、成人式に参加した新成人の方や新成人のご家族・ご友人がいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の事例は、そんな新成人を祝う成人式での刑事事件です。
成人となればお酒も飲むことができますし、さまざまな制約がなくなります。
しかし、それと同時に、成人すればそれだけの責任も負うことになります。

20歳となって成人すると、犯罪をしてしまった時に少年事件ではなく刑事事件として取り扱われることとなります。
ですから、新成人のうちすでに20歳になっている人たちについては、成人式で犯罪を起こしてしまえば刑事事件として取り扱われることになります(成人式時点でまだ19歳の新成人もいるかと思いますが、その場合は少年事件として取り扱われます。ただし、20歳を過ぎてしまえば刑事事件として取り扱われることとなるため、注意が必要です。)。
少年事件と刑事事件の具体的な違いとしては、少年事件では原則として刑罰を受けることはなく、少年の更生のための処分(保護処分)を受けますが、刑事事件では有罪になれば刑罰を受けることになることとなり、それは前科となること等が挙げられます。
さらに、刑事事件の場合、事件の内容によっては報道機関によって実名報道がなされる場合もあります。

Aさんのように、成人式の新成人同士の喧嘩で暴行を振るってしまった場合、刑法の暴行罪が成立することになるでしょう。

刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

さらに、暴行の結果、相手が怪我を負ってしまったような場合には、刑法の傷害罪が成立します。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回の事例のAさんは暴行罪の容疑で逮捕されていますが、Vさんの怪我が判明し診断書が出たような場合には、容疑が暴行罪から傷害罪へと切り替わることも考えられます。

なお、Aさんの暴行相手が警備中の警察官等、職務中の公務員であった場合には、刑法の公務執行妨害罪が成立することになることにも注意が必要です。

刑法95条(公務執行妨害罪)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

・暴行事件と弁護活動

暴行事件には、Vさんのような被害者がいます。
暴行事件の弁護活動としては、まずは被害者への謝罪やその被害の弁償をし、示談交渉をすることが考えられるでしょう。
Vさんがすでに成人済の新成人であれば、弁護士はVさんと示談交渉をすることになりますし、仮にVさんがまだ19歳の新成人であれば、Vさんの保護者である両親等と示談交渉をすることになるでしょう。
知人同士で連絡先が分かっている間柄であれば謝罪をしやすいかもしれませんが、成人式でたまたま顔を合わせただけの関係であれば、謝罪をしようにも連絡の取りようがありません。
通常、警察等の捜査機関は被害者の同意なしに被害者の個人情報を加害者側に教えることはしませんから、弁護士を通じて示談交渉ができないか打診していくことが望ましいでしょう。

また、Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されてしまっています。
刑事事件の捜査段階では、逮捕を含めて最長23日間の身体拘束がなされる可能性があります。
それだけの期間身体拘束されてしまうことは、就学先や就職先に迷惑をかけてしまうだけでなく、就学先・就職先に居られなくなってしまう可能性も出てきてしまうことになります。
だからこそ、早い段階で弁護士に釈放を求める活動を始めてもらう必要があるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に迅速に対応できるよう、お問い合わせを24時間いつでも受け付けています。
土日祝日も変わらずお問い合わせいただけますので、刑事事件にお困りの際はお気軽に、お早めにご連絡ください。
(フリーダイヤル:0120-631-881

少年の覚せい剤使用事件で再犯防止

2020-01-16

少年の覚せい剤使用事件で再犯防止

少年の覚せい剤使用事件再犯防止に取り組む弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県大津市に住んでいる高校2年生のAさんは、SNSで知り合ったBさんに覚せい剤をもらったことから覚せい剤を使用するようになっていました。
しかし、覚せい剤使用によってAさんの挙動がおかしいことに気づいた家族が滋賀県大津北警察署に相談。
その後の操作の結果、Aさんに覚せい剤の陽性反応が出たことから、Aさんは滋賀県大津北警察署の警察官に、覚せい剤取締法違反で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、まさか本当に未成年で学生であるAさんが覚せい剤を使用していたとは思わなかったため驚くとともに、覚せい剤のような違法薬物は繰り返し使用してしまうイメージがあったことから、今後Aさんが再犯を犯さないか心配しています。
そこでAさんの家族は、少年事件刑事事件に強い弁護士に相談し、Aさんの覚せい剤使用事件の弁護活動や、再犯防止のための活動について詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年の覚せい剤使用と再犯防止

上記事例のように、たとえ少年であっても、覚せい剤の所持や使用で検挙されることはあります。
この記事を読んでいる方の中にも、中学生や高校生、大学生が覚せい剤や大麻、危険ドラッグといった違法薬物の所持や使用で検挙されたというニュースを目にしたことのある方もいるかもしれません。
警察庁の統計でも、年々減ってはいるものの、毎年未成年者が覚せい剤事犯で検挙されていることが分かります。
上記事例のAさんのように、スマートフォンの普及やSNSの発達によって、たとえ未成年であっても、やろうと思えば違法薬物に関連した物事に簡単にアクセスできてしまう環境であることも関係しているのかもしれません。

Aさんの家族が心配しているように、覚せい剤は、皆さんご存知の通り依存性のある違法薬物です。
覚せい剤自体に依存性があることはもちろんなのですが、覚せい剤を一度使ったことにより、二度目、三度目の使用へのハードルが下がってしまうことから、覚せい剤の使用にためらいがなくなり、何度も使用してしまうのです。
そうした覚せい剤使用を繰り返していくうちに、覚せい剤へ依存してしまいます。
覚せい剤などの違法薬物は、その依存性もあってか、再犯率の高い犯罪として知られています。
少年だからすぐに立ち直れる、若いから大丈夫、ということではありません。

覚せい剤再犯防止には、覚せい剤を使用してしまった少年本人の努力はもちろん、家族などの周りの方の支えや、専門機関での治療など、多くのことが要求されます。
しかし、何をすれば再犯防止に有効であるのかなど、少年本人やそのご家族だけでは、なかなか思いつかないことでしょう。
専門家である弁護士に依頼することで、覚せい剤の再犯防止への助言やサポートを受けることができます。

さらに、少年事件の終局処分が判断される際には、少年がその後更生するためにはどういった処分が適切かといったことが考えられます。
つまり、少年側ですでに再犯防止ができる環境を整えられていれば、少年を社会から切り離して更生を図ることをせずに済む=少年院送致といった処分をしなくて済むということになるのです。
ですから、少年による覚せい剤使用事件では、再犯防止のための活動を少年本人はもちろん、その周辺の方々と一緒に取り組み、弁護士が適切に裁判所に訴えていく必要があるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件少年事件専門の弁護士が、初回無料法律相談や初回接見サービスを行っています。
少年が覚せい剤事件を起こしてしまった場合、その再犯防止に力を注ぐことは、事件の処分結果に関わってくることにもなりますし、何より少年のその後に大きく影響することです。
まずは弁護士に相談してみましょう。

性交を撮影で児童ポルノ製造 

2020-01-14

性交を撮影で児童ポルノ製造 

性交を撮影し児童ポルノ製造になったケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは,SNSで知り合った16歳のVさんと,滋賀県高島市内のホテルで性交し,その様子を撮影しました。
その後,AさんとVさんは特にトラブルもなく分かれ,それぞれ帰宅したのですが,後日,Vさんが滋賀県高島警察署の警察官に別件で補導されたことをきっかけに,AさんとVさんの関係が発覚しました。
捜査の中で,AさんがVさんとの性交の様子を撮影していたことも分かり,Aさんは,児童ポルノ規制法違反(製造)と滋賀県青少年健全育成条例違反の容疑で滋賀県高島警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)

~児童ポルノ規制法~

児童ポルノを製造することは,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律児童ポルノ規制法)で禁止されています。
児童ポルノを製造した場合,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます(児童ポルノ規制法7条4項,2項)。

このように,児童ポルノ製造は重い罪であることがわかります。
刑罰が重いことに加え,児童ポルノ製造事件では,加害者側が被害者となっている児童の連絡先を知っていることも多く,被害児童との接触のおそれもあると考えられてしまい,刑事事件化すれば逮捕されることも十分あり得ます。

今回のAさんの事例では,18歳未満の児童であるVさんとの性交の様子を撮影した動画は児童ポルノ児童ポルノ規制法2条3項1号)に該当します。
Aさんはその児童ポルノを撮影によって作り出しているわけですから,Aさんの行為は児童ポルノを製造したものといえ,児童ポルノ製造として児童ポルノ規制法違反となると考えられます。

~青少年健全育成条例違反~

今回のAさんの事例では,児童ポルノ製造による児童ポルノ規制法違反に加え,Vさんと性交した点についてさらに滋賀県青少年健全育成条例違反となる可能性があります。
青少年健全育成条例は,各都道府県ごとに定められている条例で,よく「淫行条例」と呼ばれている18歳未満の者との淫行を取り締まる条文がある条例です。
滋賀県では,青少年との淫行をすると1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます(滋賀県青少年健全育成条例24条1項,同条例27条1項)。

なお,AさんがVさんに性交の対価を支払ったり渡したりしていたり,その約束をしていたような場合には,滋賀県青少年健全育成条例違反ではなく,児童買春として,児童買春規制法違反(法律としては先ほどまで挙げていた児童ポルノ規制法と同じものです。)となることが考えられます。

~児童ポルノ製造事件での弁護活動~

児童ポルノ製造により児童ポルノ規制法違反事件で警察の捜査を受ける事になれば,逮捕されるだけでなく,自宅や職場等を捜索される事があり,事件が周囲に知れてしまうおそれがあります。
また,逮捕後の取調べでは,余罪についても追及されることになると考えられるので,事前に信頼できる刑事事件専門の弁護士に相談する事をお勧めします。

児童ポルノ規制法違反事件の依頼を受けた弁護士の活動としては,まずは被疑者に対して,取調べの対応等について助言することが考えられます。
取調べで嘘をつくことはすべきではありませんが,言いたくないことは黙っていることができます。
これを黙秘権といいます。
黙秘権は憲法上の権利であり(憲法38条1項),被疑者・被告人が言いたくないことを黙っていることそれ自体で不利益に扱うことは許されていません。
しかし,黙秘権という言葉自体は知っていても,どこでどう使うべきなのか分からなかったり,捜査機関からの取調べにプレッシャーを感じ,うまく使うことができなかったりというケースも見られます。
弁護士に相談し,取調べに適切に対応できるようにアドバイスを受けましょう。

また,弁護士の活動として,被害児童の親権者と示談をすることも考えられます。
児童ポルノ規制法違反の被害者は未成年なので,通常はその親と示談することになります。
検察官によっては,児童ポルノ規制法違反の場合には被害者との示談を評価しない人もいますが,示談の成立により寛大な処分を得られる可能性もあります。
被害児童の親権者に対し,被疑者・被告人に代わって謝罪の意思を伝え,損害を賠償した上,被害児童本人にも,被疑者被告人の処罰を軽くすることを求める上申書を書いてもらう等の交渉をしていくことが考えられます。

児童ポルノ製造事件でお困りの際は,お気軽に刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

裁判員裁判と公判前整理手続

2020-01-12

裁判員裁判と公判前整理手続

裁判員裁判公判前整理手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県長浜市に住むAさんは、自宅近くで起きた殺人事件の被疑者として、滋賀県木之本警察署に逮捕されました。
その後起訴され、裁判員裁判を受けることになったAさんですが、自身の弁護人としてついている弁護士から、裁判員裁判の前に、公判前整理手続という手続きがあることを説明されました。
AさんもAさんの家族も、公判前整理手続という聞きなれない言葉に不安を感じたため、弁護士に詳しく話を聞くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・公判前整理手続とは

裁判員裁判が行われる際、その裁判期日の前に必ず実施されるのが、公判前整理手続と呼ばれる手続きです。
公判前整理手続とは、裁判そのものではなく、裁判のために、争点や証拠を整理し、裁判の計画を立てるための手続です。
通常の裁判では、公判前整理手続が行われることも行われないこともあります。
事件の内容が複雑であったり、被告人が容疑を否認していたり、証拠や証人の数が多くなったりしている刑事事件の場合、公判前整理手続が開かれることも珍しくはありません。
一方、被告人が容疑を認めていたり、特に複雑な事情がなかったりすれば、公判前整理手続が取られずに裁判が行われていくことも多いです。
しかし、裁判員裁判では、一般の方が裁判員として参加することになります。
裁判員として参加するのは一般の方であるため、法律的な争いがわかりづらく、さらに裁判員裁判は公判が集中的に開かれるため、1週間以上毎日公判がある、ということもあります。
そのような裁判員として裁判に参加する方々の負担を軽減するため、また、そのために連日裁判が行われることを可能にするため、この公判前整理手続が必ず行われることとなっているのです。

では、公判前整理手続では具体的にどのようなことを行うのでしょうか。
公判前整理手続では、裁判所と検察官、弁護士が、前述のように、審理計画を立てるために証拠や争点を整理し、絞り込みます。
被告人自身が公判前整理手続に出席するか否かは、弁護士と相談して決めることとなります。

公判前整理手続の場では、本当に裁判で争うべきポイントはどこなのか、どの証拠を裁判で調べるべきなのか等が議論されます。
どういった争点や証拠が裁判で争われるのかは、被告人の処分に大きく影響します。
ですから、裁判員裁判となる場合、公判前整理手続にもきちんと対応できる弁護士に相談・依頼することが重要なのです。
裁判員裁判になる刑事事件は重大な犯罪であることが多いため、そういった意味でも弁護士への相談が重要でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に扱う弁護士が、刑事弁護活動を行います。
もちろん、裁判員裁判公判前整理手続についても、対応が可能です。
刑事事件専門だからこその知識と経験を活かし、依頼者様の利益を守るために活動いたします。
まずは0120-631-881からお問い合わせください。

滋賀県長浜市の名誉毀損事件

2020-01-10

滋賀県長浜市の名誉毀損事件

滋賀県長浜市名誉棄損事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

Aさんは,滋賀県長浜市の居酒屋で開かれた会社の飲み会に参加しました。
飲み会の終盤で,上司のVさんが店員と揉めだし,その店員を殴り全治2週間の怪我を負わせました。
日頃からVさんによるパワハラに耐えかねていたAさんは,この事実を記載しVさんは乱暴者だという内容のビラを社内の掲示板に貼り出しました。
Vさんが滋賀県長浜警察署に相談したことで,名誉毀損罪による立件を念頭に,滋賀県長浜警察署が捜査を始めました。
その噂を聞いたAさんは,自身が名誉毀損罪の容疑で逮捕されるのかもしれないと怖くなり,弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

【名誉毀損罪】

人の名誉を傷つけたり,人を侮辱することはそれぞれ名誉毀損罪や侮辱罪などによって処罰の対象となります。
事実の適示によらず,単に軽蔑の価値判断を示すことによって名誉を害した場合には侮辱罪の適用が考えられますが,今回はVさんによる店員への暴行(傷害)行為という事実を示しているので,名誉毀損罪の適用が最も濃厚といえます。

刑法第230条第1項

公然と事実を適示し,人の名誉を毀損した者は,その事実の有無にかかわらず,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

名誉毀損罪における名誉とは,人に対する社会的評価を意味します。
例えば,ある人が特定の女性と親密に交際しているという事実は,それを公表することによってその人の社会的評価を下げるものではないですが,その関係がいわゆる不倫であると示すときは倫理的・道徳的非難を含むことになり名誉毀損行為となる場合があります。

今回の事件のように,被害者が過去に犯した犯罪の事実についても,それが公になると被害者の社会的評価は下がるものと考えられますので,名誉棄損行為に当たるとされる場合が多いです。

名誉棄損罪の成立において,示された事実は,それが真実であることを要しません。
つまり,本当にあったことでなくとも,あるいは本当であったことでも,その事実を述べることにより被害者の社会的評価が害される危険を持つものであれば名誉棄損罪の処罰の対象となり得るということです。

また,名誉棄損罪の成立の際,実際に被害者の名誉が害される必要はありません。
それは,名誉を害するような行為があったとしても,その行為によって被害者の社会的評価が低下したことを確認するのはほとんど不可能だからです。
そこで,名誉毀損罪が成立するためには名誉が実際に侵害されたことは必要とされず,侵害の危険が生じたことで十分とされています。
加えて,社会的評価を下げるのに適した行為をすることで侵害の危険が生じたものとされ,実際に具体的な侵害の危険が生じることは必要とされません。

一方,名誉毀損罪の成立要件となる行為には公然性が必要とされています。
公然とは,不特定または多数の人が知ることのできる状態をいいます。
ただし,判例によれば,事実を示した相手が特定かつ少数人に止まる場合であっても,そこから他の人に伝播し最終的に不特定多数者が認識し得る可能性があれば公然性が認められるとされています(最判昭和34・5・7刑集13巻5号641頁)。

加えて,名誉棄損罪の成立には事実を適示されることによって社会的評価が害される人物が特定されていることも必要です。
つまり,「日本人」や「滋賀県民」などといった漠然とした表示では特定性を欠くことになり,被害者の氏名やその者とはっきりと分かる属性が示されていなければ名誉毀損罪は成立しません。

さて,今回のAさんはVさんの店員に対する暴行を示しています。
暴行行為は暴行罪等で処罰される犯罪にあたりうるので,この事実を示されたVさんの社会的評価は害されたものといえます。
AさんはVさんの暴行行為に関するビラを社内の掲示板のみに貼っており,公然性が問題になり得ますが,会社には社外の人間も多く出入りし,さらには判例の理論に則れば,ビラを見た人物が周囲の人物に拡散してしまう可能性も否定できず公然性も認められるでしょう。
したがって,Aさんの行為は名誉毀損罪に当たり得るものといえます。

【真実性の証明】

刑法第230条の2は第1項で「前条(230条)第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には,事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,これを罰しない」と定めています。

同条第2項によって,公訴前の犯罪行為に関する事実は公共の利害に関する事実とみなされるので,Aさんが起訴された場合はこの規定を利用することにより名誉毀損罪の成立を回避することが考えられます。

ただし,主たる目的が公益を図るところになければならないため,Aさんが既にパワハラへの報復目的であったことを示している場合は真実性を証明することによる処罰回避は難しくなります。

【活動の方針】

名誉毀損罪は親告罪なので,Vさんの告訴がなければ起訴されません。
Vさんは既に滋賀県長浜警察署へ相談していますが,告訴されているかは不明です。
さらには,起訴される前であれば告訴を取り消すことができるので,Vさんと早めに示談をして告訴しない(あるいは取り下げる)ようにすることができれば起訴を回避することができます。

示談交渉を当事者のみで行う場合,成立までにかかる時間やその内容などで多くの負担を要します。
また,被害者が加害者と接触することを拒み,交渉を開始することができないケースも多いです。
お早めに弁護士に依頼していただくことで,そういった負担を軽減し,依頼者様により有利な内容で示談を成立させる可能性を飛躍的に高めることができます。

名誉毀損罪の被疑者となってしまった方,滋賀県長浜警察署で取調べを受けることになってしまった方はお早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

「卑わいな言動」で迷惑防止条例違反

2020-01-08

「卑わいな言動」で迷惑防止条例違反

卑わいな言動」で迷惑防止条例違反となったケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県米原市のAさんは,滋賀県米原市内の路上を走行中のバス車内で,後ろに座っていた20代の女性客であるVさんに対し,「1万円でパンツを売ってください」という文面を表示させたスマートフォンの画面を見せました。
Vさんが嫌がっているにも関わらずAさんがそうした行為を続けたため,Vさんはバスの運転手に被害を申し出ました。
バスの運転手が滋賀県米原警察署に通報し,Aさんは滋賀県迷惑防止条例違反卑わいな言動)で滋賀県米原警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)

~迷惑防止条例違反(卑わいな言動)~

迷惑防止条例は,各都道府県が定めている条例で,市民に迷惑を与える様々な行為を禁止し,罰則を定めたものです。
滋賀県の場合,滋賀県迷惑行為等防止条例という迷惑防止条例が定められています。

この迷惑防止条例では,性犯罪についても規定があります。
迷惑防止条例で取り締まられている性犯罪の代表的なものは痴漢や盗撮などですが,都道府県によっては,迷惑防止条例で痴漢や盗撮以外の性犯罪として,公共の場所での「卑わいな言動」を禁止し,罰則を設けているところもあります。

滋賀県の場合,公共の場所での卑わいな言動を行った場合,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます(滋賀県迷惑防止条例3条1項3号,同条例11条1項1号)。
なお,常習として「卑わいな言動」行った場合には,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます(滋賀県迷惑防止条例11条2項)。

滋賀県迷惑防止条例3条1項
何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
1号 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。
2号 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
3号 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

滋賀県迷惑防止条例11条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
1号 第3条の規定に違反した者

滋賀県迷惑防止条例11条2項
常習として前項の違反行為をした者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。

この迷惑防止条例に定められている「卑わいな言動」についてですが,ある言動が「卑わいな」ものといえるか否かは,行為者の主観的意図によらず,その言動を客観的に見て,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらなものといえるかどうかにより決すべきと解されています。
このような観点から今回のAさんの行為について見ると,「1万円でパンツを売ってください」と表示された画面をしつこくVさんに見せることは,卑わいな言動に当たるといえそうです。
迷惑防止条例違反というと,痴漢や盗撮のイメージが強いかもしれませんが,このような「卑わいな言動」でも迷惑防止条例違反として刑事事件になりうるのです。

卑わいな言動による迷惑防止条例違反事件の依頼を受けた弁護士の活動としては,卑わいな言動をしてしまったことについて争いがない場合には,被害者に謝罪と賠償を行い,示談交渉をしていくことが考えられます。
弁護士が被害者と交渉し早期に示談が成立すれば,不起訴処分によって前科がつかずに済む可能性もあります。
性犯罪事件では,被害者の処罰感情や恐怖が強いことも多く,当事者が直接謝罪や示談交渉をすることが難しいです。
第三者であり専門家である弁護士に依頼し,示談交渉をするのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,卑わいな言動による迷惑防止条例違反事件のご相談も受け付けています。
そもそも自分の言動が「卑わいな言動」に当たるのかどうか,当たるとしてどういった弁護活動が可能なのか,弁護士に相談してみましょう。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。

宝くじの当たりくじ偽造で詐欺・有価証券偽造等事件④

2020-01-06

宝くじの当たりくじ偽造で詐欺・有価証券偽造等事件④

宝くじ当たりくじ偽造詐欺有価証券偽造等事件となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県彦根市に住んでいるAさんは、年末に抽選の行われる宝くじを購入しました。
そして当選番号の発表日、Aさんが当選番号を確認すると、自分の購入した外れの宝くじと3等の当たりくじの番号が1つだけ違っていました。
そこでAさんは、「当選番号をごまかせれば当たりくじということにして当選金をもらえるかもしれない」と思いつき、自分の持っている宝くじの番号部分を当選番号に書き換え、X銀行へ持っていくと当選金への換金を要求しました。
しかし、受け付けた銀行員が宝くじの番号部分が通常の宝くじと異なっていることに気づき、滋賀県彦根警察署に通報。
駆け付けた警察官により、Aさんは有価証券偽造等・同行使罪詐欺未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・牽連犯

ここで、前回までの記事で取り上げていた有価証券偽造罪もしくは有価証券変造罪、ここまで見てきた偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪詐欺未遂罪の関係について考えてみましょう。
Aさんは、先述したように外れの宝くじ当たりくじのように改ざんし、当たりくじであると思わせることで当選金を受け取ろうと考えていました。
ですから、有価証券偽造罪もしくは有価証券変造罪にあたる行為=外れの宝くじ当たりくじのように改ざんする行為は、偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪にあたる行為=改ざんした宝くじを銀行に当選金との交換で引き渡すために使用するための行為であるといえます。
さらに、偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪にあたる行為は、詐欺未遂罪にあたる行為=銀行に当たりくじだと偽って当選金をだまし取ろうとする行為のための行為であるといえます。

つまり、Aさんの事例では、有価証券偽造罪もしくは有価証券変造罪は、偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪を犯すための手段であり、偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪詐欺未遂罪を犯すための手段であるといえるのです。
このように、複数の犯罪にあたる行為をしたとき、それぞれが手段と目的の関係に立っていることがあります。
こうした場合、「牽連犯」という考え方によって下される刑罰の重さが決まります。
牽連犯については、刑法54条後段に規定があります。

刑法54条
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

今回のAさんの事例で考えると、それぞれの犯罪の法定刑は以下のようになります。

有価証券偽造罪もしくは有価証券変造罪:3月以上10年以下の懲役
偽造有価証券行使罪もしくは変造有価行使罪:3月以上10年以下の懲役
詐欺未遂罪:10年以下の懲役

これらを比較すると、「3月以上10年以下の懲役」が最も重い刑罰となるため、Aさんがこれらの犯罪で有罪となった場合には、この範囲で刑罰が決められるということになるでしょう。

宝くじ改ざんによる刑事事件では、このように複数の犯罪の絡む事態となりかねません。
複数の犯罪が成立する場合、それらがどのような関係にあるのか、どういった事情で起こったものなのか等を検討しなければ、見通しを立てたり対策したりすることも難しくなってしまいます。
その検討を一般の方だけで行うのは困難だと思いますので、複数の犯罪が成立する刑事事件に関わってしまった時にはすぐに弁護士に相談し、見通しを聞いてみることをおすすめいたします。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士による初回無料法律相談初回接見サービスのご予約・お申込みを受け付けております。
専門スタッフが丁寧に案内いたしますので、まずは遠慮なくお電話ください。

宝くじの当たりくじ偽造で詐欺・有価証券偽造等事件③

2020-01-04

宝くじの当たりくじ偽造で詐欺・有価証券偽造等事件③

宝くじ当たりくじ偽造詐欺有価証券偽造等事件となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県彦根市に住んでいるAさんは、年末に抽選の行われる宝くじを購入しました。
そして当選番号の発表日、Aさんが当選番号を確認すると、自分の購入した外れの宝くじと3等の当たりくじの番号が1つだけ違っていました。
そこでAさんは、「当選番号をごまかせれば当たりくじということにして当選金をもらえるかもしれない」と思いつき、自分の持っている宝くじの番号部分を当選番号に書き換え、X銀行へ持っていくと当選金への換金を要求しました。
しかし、受け付けた銀行員が宝くじの番号部分が通常の宝くじと異なっていることに気づき、滋賀県彦根警察署に通報。
駆け付けた警察官により、Aさんは有価証券偽造等・同行使罪詐欺未遂罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・偽造・変造した宝くじを使うと…

今回のAさんは、偽造もしくは変造した宝くじを換金しようと考えており、実際に銀行に当たりくじであるとして当選金と交換するよう要求しています。
これは、偽造もしくは変造した宝くじを使用していることになると考えられるため、Aさんには偽造有価証券行使罪もしくは変造有価証券行使罪が成立すると考えられます。

・偽造・変造した宝くじで当選金を要求すると…

さらに、Aさんはその改ざんした宝くじを利用して、いうなれば当選金をだまし取ろうと考えていたわけですから、この行為に詐欺罪が成立すると考えられます(ただし、今回の事例ではAさんのたくらみは途中で発覚してしまっており、当選金をだまし取るまではいかなかったので、詐欺未遂罪が成立することになります。)。

刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法250条(未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。

詐欺罪のいう「人を欺いて」とは、財物を引き渡させる際にその物を引き渡すかどうか判断するための重要な事項を偽ることであるとされています。
すなわち、その事項が嘘であったなら相手は財物を引き渡さなかった、という事項を偽ることで詐欺罪の「人を欺」くことになるのです。
これを偽って相手をだまし、相手がその嘘を信じたことで財物を引き渡す判断を行い、財物を引き渡す(=「財物を交付させた」)ことで詐欺罪が成立します。

そして詐欺罪には刑法250条に未遂罪の規定がありますから、詐欺罪の実行に取り掛かっていたものの最終的に財物を引き渡させるまではいかなかった場合には、詐欺未遂罪が成立します。
一般に、詐欺罪の実行に取り掛かったといえるタイミングは、「人を欺」く行為を始めたタイミングであるとされています。

今回のAさんは、自分で改ざんした本当は外れくじである宝くじ当たりくじであると偽って銀行に当選金を要求しています。
当然、銀行としては当たりくじであるから当選金という財物を相手に渡すわけですから、本来外れの宝くじであるはずのくじであると分かっていれば当選金を相手に引き渡すことはしないでしょう。
ですから、Aさんの改ざんした宝くじ当たりくじであると偽って当選金を要求する行為は、詐欺罪の「人を欺」く行為であると考えられます。
しかし、Aさんのケースでは、銀行員が宝くじの改ざんに気づいたことから、当選金をだまし取ることなくAさんの逮捕に至っています。
このことから、Aさんには詐欺未遂罪が成立すると考えられるのです。

宝くじの改ざん行為だけでなく、その改ざんした宝くじを使用した行為や、宝くじを使用して当選金をだまし取ろうとした行為にも、それぞれ犯罪が成立してしまうことがわかっていただけたと思います。
刑事事件では、このようにそれぞれの犯罪のことをそれぞれ意図していなくても複数の犯罪が成立する場合もあります。
刑事事件の被疑者となってしまった、ご家族が何らかの刑事事件で逮捕されてしまった、という場合には、速やかに弁護士に相談し、どういった犯罪が成立しうるのか、どういった見通しになるのか相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では24時間いつでも弊所弁護士によるサービスのお問い合わせ・お申込みが可能ですから、まずはお気軽にご連絡ください。

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