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未成年への性犯罪と示談

2021-02-27

未成年への性犯罪と示談

未成年への性犯罪示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県近江八幡市に住んでいる30代の男性会社員Aさんは、動画配信アプリを通じて女子高生であるVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと個別にやり取りするようになりましたが、その中でVさんが「Aさんと直接会って話してみたい」と言ったことから、AさんはVさんと会うことになりました。
AさんはVさんに自宅に来るよう誘い、Vさんがその誘いに乗って Aさん宅に行ったところ、Aさんは嫌がるVさんを押さえつけると胸や尻を触るなどしました。
VさんはどうにかAさんの隙を見て逃げ出し、近くにあった滋賀県近江八幡警察署の交番に助けを求めました。
その後、Aさんは滋賀県近江八幡警察署強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、どうにか示談等により解決できないかと思っていますが、逮捕されたままではどうにもできず、困っています。
(※この事例はフィクションです。)

・強制わいせつ罪とは

まずは、今回のAさんの逮捕容疑である、強制わいせつ罪について確認しておきましょう。

刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

今回のAさんは女子高生であるVさんに対して、Vさんを押さえつけて胸や尻を触るという行為をしています。
強制わいせつ罪にいう「暴行又は脅迫」は、相手の抵抗を押さえつける程度の強さがなければならないとされています。
この「暴行」は、殴る蹴るといった「暴力をふるう」という意味だけではなく、押さえつけるなどの「有形力の行使」を指しています。
この暴行の程度については、加害者と被害者の性別や年齢、体格、犯行場所などの事情も考慮して判断されます。
例えば、今回のAさんは30代の男性であり、被害者であるVさんは女子高生で、犯行現場もAさんの自宅であることから、Aさんに押さえつけられてしまえばVさんとしては抵抗できなくなってしまったことと予想されます。
こうしたことからAさんの押さえつけるという行為は強制わいせつ罪の「暴行」にあたり、それをもってVさんの体を触って「わいせつな行為」をしたAさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられるのです。

・未成年への性犯罪と示談

今回の事例では、Aさんの起こした強制わいせつ事件の被害者は、未成年であるVさんです。
こうした場合、謝罪や弁償をして示談をしたいと思っても、Vさん本人と示談交渉することはできず、Vさんの保護者と示談交渉をすることになるでしょう。

しかし、自分の子供が強制わいせつ事件の被害にあったとなれば、保護者の方としても処罰感情が大きいことは当然のことであり、当事者同士で謝罪や示談交渉をすることでかえってこじれてしまうということも十分考えられます。
そもそも、被害者側から当事者とやりとりはしたくないと連絡を取ることを拒否されることも少なくありません。
捜査機関としても、加害者本人やその関係者に被害者側の情報を教えることをよしとしないことが多く、そうした場合には一切謝罪や示談交渉のためのコンタクトも取れないということになります。

だからこそ、弁護士のサポートが有効となると考えられます。
弁護士限りでの話し合いとすることで、被害者側としても加害者側に個人情報が漏れることなどを心配せずに話を聞くことができるため、当事者同士の謝罪・示談交渉よりも話し合いの場を持たせてもらえる可能性が出てきます。

そして、弁護士であれば適切な示談交渉・示談締結が可能です。
いざ示談締結となっても、法律知識のない状態で示談をして示談書に法律的な抜けがあっては双方に迷惑がかかってしまいます。
その点、弁護士であれば法律的に抜けのない適切な示談を行うことができます。

今回のAさんのケースのように、当事者が逮捕されているような場合には、示談締結によって釈放を求める活動にも有利な事情となることが考えられます。
もちろん、容疑を否認しているような場合には慎重に方針を検討する必要が出てきますが、容疑を認めている場合には、弁護士と相談しながら示談についてもサポートを受けることが釈放や処分の軽減を求めるうえで1つの有効な手段でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、強制わいせつ事件のご相談や示談交渉についてのご相談も承っています。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。

SNSを通じた不正アクセス禁止法違反事件

2021-02-24

SNSを通じた不正アクセス禁止法違反事件

SNSを通じた不正アクセス禁止法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Aさんは、自身のTwitterアカウントを作成すると、「私をフォローして、このツイートをリツイートしてくれた方の中から抽選で30人に10万円ずつ配ります」といったツイートを行いました。
そして、フォロー・リツイートをして応募してきた滋賀県甲賀市に住むVさんに対し、ダイレクトメッセージを通じて連絡を取りました。
Aさんは、「あなたは当選しました。おめでとうございます。形式上、X金融会社からの融資という形を取るため、氏名と住所、銀行口座、ID、パスワードを教えてください」と伝え、VさんはAさんの指示通りに情報を伝えました。
しかしAさんは、Vさんへ10万円を渡すつもりはなく、Vさんから伝えられた情報を用いてVさんのさまざまなアカウントにアクセスし、ネットショッピングや預金の引き出しなどを行いました。
10万円の振り込みもなく、見覚えのない明細や通知が届いたことで不正アクセスされたことに気がついたVさんは滋賀県甲賀警察署に被害を届け出ました。
そして捜査の結果、Aさんは不正アクセス禁止法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和3年2月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・SNSを通じた不正アクセス禁止法違反事件

この記事をご覧の方の中にも、TwitterなどのSNSでアカウントを作り活用しているという方は多いでしょう。
そしてそのSNS上では、今回のAさんのように、「●●を抽選でプレゼントします」といった懸賞をしている人もいます。
もちろん、企業やインフルエンサーなどが広報活動の一環として行うなど、言葉通りに行われているものもありますが、今回のAさんのように、賞品や賞金を渡すつもりはないのに懸賞をしているように見せかけ、個人情報を騙し取ってしまうという手口も見られます。

今回のAさんは、Vさんから氏名や住所、銀行口座やアカウントのID、パスワードといった情報をもらい、それを利用してVさんのアカウントにアクセスしたようです。
この行為は不正アクセス行為となり、不正アクセス禁止法違反となります。

不正アクセス禁止法とは、正式名称を「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」という法律で、名前の通り不正アクセス行為を禁止しています。

不正アクセス禁止法第3条
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。

不正アクセス禁止法第11条
第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

不正アクセス行為を大まかに説明すると、インターネット等を通じて他人のパスワード等を入力し、本来本人でなければ使えないような機能を使えるようにすることを指します。
つまり、本人の同意なく勝手に他人のアカウントにログインするといった行為は不正アクセス禁止法のいう不正アクセス行為となるのです。
今回のAさんは、Vさんのアカウントに許可なく勝手にログインしていることから、不正アクセス行為をしたことによる不正アクセス禁止法違反となると考えられるのです。

ここで注意しなければならないのは、不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為自体だけでなく、不正アクセス行為のための準備行為や、不正アクセス行為を助長する行為なども禁止しているということです。
例えば、不正アクセス行為をするために他人のIDやパスワードを不正に取得する行為も禁止され刑罰が定められているため(不正アクセス禁止法第4条、第12条第1号)、不正アクセス行為に至らない段階でも不正アクセス禁止法違反となる可能性があるのです。

今回のAさんは、Vさんのアカウントに不正アクセスをしたことで不正アクセス禁止法違反の容疑をかけられ逮捕されていますが、Vさんのアカウントでネットショッピングをしたり預金の引き出しをしたりしていることから、不正アクセス禁止法違反だけでなく、詐欺罪電子計算機使用詐欺罪といった別罪も成立することが考えられます。
そうなると、再逮捕が繰り返されるなど複雑な刑事手続きを辿る可能性も出てきますから、刑事事件に強い弁護士のサポートを受けながら対応していくことが望ましいでしょう。
刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、SNSを通じた不正アクセス禁止法違反事件にも対応しています。
不正アクセス禁止法違反事件では、不正アクセス後の行為によって別の犯罪が成立するケースも少なくありませんから、刑事事件に詳しい弁護士にそれぞれの犯罪やその見通しについて詳しくアドバイスをもらいましょう。
まずはお気軽にご相談ください。

会社内での盗撮事件を無料法律相談

2021-02-20

会社内での盗撮事件を無料法律相談

会社内での盗撮事件無料法律相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県守山市にある会社Xに勤めているAさんは、会社内のデスクの下に盗撮用の小型カメラを仕掛け、女性社員のスカートの中を盗撮しようとしていました。
しかし、女性社員がカメラの存在に気づいたことから、会社が滋賀県守山警察署に相談。
捜査の結果、Aさんがカメラを仕掛けたことが発覚し、Aさんは滋賀県迷惑防止条例違反の容疑で滋賀県守山警察署に呼び出され、取調べを受けることになりました。
Aさんは、今後どのように対処すべきかわからず心配になり、盗撮事件に対応している弁護士無料法律相談を利用してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・会社内での盗撮事件

盗撮行為によって成立する犯罪は、多くの場合、各都道府県の迷惑防止条例違反です。
迷惑防止条例の対象となる盗撮行為は、公共の場所や乗り物で行われた行為に限定されていることが多かったのですが、最近では迷惑防止条例の改正が行われ、公共の場所や乗り物以外で行われた盗撮行為についても迷惑防止条例の規制対象としている都道府県が多くなってきました。
滋賀県でも、公共の場所・乗り物以外で行われた盗撮行為は迷惑防止条例の規制対象とされています。

滋賀県迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物または集会所、事務所、学校その他の特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所にいる人の下着等を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機、ビデオカメラその他撮影する機能を有する機器(以下「写真機等」という。)を人に向け、または設置してはならない。
第3項 何人も、公衆または特定多数の者が利用することができる浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、当該状態にある人の姿態を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機等を人に向け、または設置してはならない。

対象としている場所に「事務所」など「特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所」が入っていることから、今回のAさんの事例のような会社内での盗撮行為についてもこの条例が適用されることがわかります。
会社や学校などは、その会社で働く人やその学校に通う人といった特定かつ多数の人が集まり、利用する場所だからです。

この条文では、盗撮する目的でカメラ等の撮影機器を「人に向け」たり「設置」したりすることを禁止しています。
つまり、たとえ盗撮ができていなかった(写真や動画を撮影できていなかった)としても、盗撮目的でカメラを仕掛けたり人に向けたりした時点で滋賀県迷惑防止条例違反という犯罪が成立することになるのです。
そして、盗撮ができていた場合については、以下の条文に規定があります。

滋賀県迷惑防止条例第11条
第1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
第1号 第3条の規定に違反した者
第2項 常習として前項の違反行為をした者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。
第3項 第1項第1号の罪を犯した者(第3条第2項および第3項の規定に違反した者に限る。)が、同条第2項の規定に違反して下着等の映像を記録したとき、または同条第3項の規定に違反して衣服の全部もしくは一部を着けない状態でいる人の姿態の映像を記録したときも、前項と同様とする。

滋賀県迷惑防止条例第11条第1項第1号では先ほど挙げた盗撮目的で人に撮影機器を向けることや撮影機器の設置をした場合の刑罰を定めており、同条例第2項ではそういった行為を常習的に行なっていた場合の刑罰を定めています。
そして同条例第3項で、人に撮影機器を向けたり撮影機器を設置したりした上で盗撮ができていた場合の刑罰が定められています。
この場合、常習的に盗撮目的で人に撮影機器を向けたり設置したりした場合(同条例第11条第2項)と同じ重さの刑罰となることから、単に盗撮目的で人に撮影機器を向けたり設置したりした場合よりも重く処罰されるということになります。

滋賀県の迷惑防止条例ではこういった条文の構成になっていますが、違う都道府県であればまた異なった条文で盗撮行為についての規制がされています。
盗撮事件では、こういった都道府県ごとの条例の違いもポイントになりうるため、盗撮事件の当事者として捜査を受ける場合には、まずは弁護士に詳細を話した上で相談してみることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談も行っています。
盗撮事件についてのご相談もお気軽にご利用いただけますので、まずは遠慮なくお問い合わせください。

宅飲みで昏酔強盗事件に

2021-02-17

宅飲みで昏酔強盗事件に

宅飲み昏酔強盗事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Aさんは、滋賀県草津市にある自宅にVさんを含む友人数人を呼んでいわゆる宅飲みをしていました。
宅飲みをしていた中で、Vさんが最近購入したという高級腕時計を自慢してきたことから、Aさんはその腕時計を欲しいと考えるようになりました。
しばらくして、Vさんは酒を勧められるままに飲み、酔いつぶれて眠り込んでしまいました。
それを見たAさんは、Vさんが眠っている隙を狙ってVさんから腕時計を盗みました。
翌日、腕時計がなくなったことに気がついたVさんは、滋賀県草津警察署に相談した上で被害届を提出。
捜査の結果、Aさんは昏酔強盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自分は腕時計を盗んだだけなのに「強盗」と言われたことに驚き、接見に訪れた弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・盗んだだけなのに昏酔強盗罪?

今回のAさんは、いわゆる宅飲みの場でVさんから腕時計を盗むという窃盗行為をしたようです。
これだけ見ると、Aさんに成立する犯罪は窃盗罪となりそうですが、Aさんの逮捕容疑は昏酔強盗罪となっており、「強盗」とされています。
これは一体なぜなのでしょうか。
条文とともに確認していきましょう。

昏酔強盗罪は、刑法第239条に定められている犯罪です。

刑法第239条(昏酔強盗罪)
人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

先ほども触れた通り、上記の事例でAさんは腕時計を盗んでいることから、この条文の「盗取」したという部分に当たることは間違いなさそうです。
では、昏酔強盗罪の「人を昏酔させて」という部分にAさんの行為は当てはまるのでしょうか。

昏酔強盗罪にある「昏酔させる」とは、睡眠薬や麻酔薬、アルコールを飲ませるなどして、物に対する支配をなし得ない状態に陥れる行為を指します。
そして、昏酔強盗罪の成立には、犯人自らが被害者を昏睡させることが必要だとされています。
つまり、今回の事例で、AさんがVさんの腕時計を盗む目的で積極的にVさんに酒を飲ませることに加担していたとすれば、Aさんに昏酔強盗罪が成立する可能性はあるといえます。

対して、Aさんは無関係なところでVさんが酒を飲んで酔い潰れたなど、他人の行為によって生じた昏酔状態を利用しているだけであれば、Aさんに昏酔強盗罪は成立せず、窃盗罪が成立するに止まるはずです。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法第235条)、昏酔強盗罪の法定刑は「5年以上の懲役」ですから、両者には大きな差があります。
昏酔強盗罪にあたる行為をしていないのであれば、その旨を主張し、不当に重い刑罰を受けることを避けなければなりません。

そのためには、まずは取調べ時の供述などから捜査機関に正しい事実を認定してもらうことが大切です。
刑事事件に精通した弁護士にサポートしてもらうことで、取調べ時のポイント等法律的なアドバイスを事前に受けながら取調べに対応することができるなど、不当に重い刑罰を受けることのないよう刑事手続きに臨むことが期待できます。
特に、今回の事例のAさんのように逮捕されているような場合、誰かに相談すること自体も自由にできない環境の中取調べ等に対応しなければいけないことから、嘘の自白をしてしまうリスクも考えられます。
早期に弁護士に相談・依頼することが重要です。
昏酔強盗事件窃盗事件でお悩みの方は、刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談下さい。

公務員でないのに加重収賄罪に?

2021-02-13

公務員でないのに加重収賄罪に?

公務員でないのに加重収賄罪に問われているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Aさんは、滋賀県大津市で民間の車検場を経営している自動車検査員です。
ある日、Aさんは、車検場に訪れた客Xさんから、「報酬を渡すから、この車の車検を通したことにしてくれないか」と頼まれ、Xさんの依頼通り、実際には既定の車検をしていないにもかかわらず、Xさんの車について車検が通ったという保安基準適合証を偽造しました。
しかしその後、Xさんが交通違反によって滋賀県大津警察署に摘発されたことをきっかけにして、AさんがXさんからの依頼で車検をせずに保安基準適合証を偽造していたことが発覚。
Aさんは、滋賀県大津警察署加重収賄罪などの容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんの逮捕と容疑をかけられている罪名を聞き、なぜ公務員でないAさんが収賄罪逮捕されたのか、そもそも加重収賄罪とはどういった犯罪なのかと不安になり、滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和2年12月2日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・公務員でなくても収賄罪になる?

前回の記事では、収賄罪にどういった種類があるか取り上げましたが、それと同時に収賄罪は公務員を対象にした犯罪であると確認しました。
収賄罪の条文でも、その客体は「公務員」であると明記されています。

刑法第197条第1項(収賄罪、受託収賄罪)
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。

刑法第197条の3(加重収賄罪)
第1項 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。

しかし、今回のAさんは民間の車検場を経営している自動車検査員です。
それにもかかわらずAさんは加重収賄罪の容疑で逮捕されています。
こうしたことはあり得るのでしょうか。

刑法では、「公務員」について以下のように定義づけられています。

刑法第7条第1項
この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。

つまり、刑法の「公務員」とは、単に国や地方公共団体の職員である人だけでなく、「法令により公務に従事する…職員」も含むのです。
ここで、今回のAさんの自動車検査員について定めている道路運送車両法という法律を確認してみましょう。

道路運送車両法第94条の7
自動車検査員その他第94条の5第1項及び第94条の5の2第1項の証明その他の保安基準適合証、保安基準適合標章及び限定保安基準適合証の交付の業務に従事する指定自動車整備事業者並びにその役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

道路運送車両法では、自動車検査員は「法令により公務に従事する職員」=刑法の「公務員」とみなすとされています。
このように、実際には公務員ではなくとも、その職務の内容が公務員の職務のように公益性・公共性があったり、公務員の職務を代行するものであったりするため、刑法上「公務員」とみなされるものがあります。
こうしたものを「みなし公務員」と呼んだります。
今回のAさんのような自動車検査員は道路運送車両法にもあるように「みなし公務員」であるため、加重収賄罪も成立するということになるのです。

今回のAさんは、Xさんの依頼を受けて報酬を受け取り、Xさんの車を正規の車検を通していないにもかかわらず保安基準適合証を偽造しています。
Xさんの依頼を受けて賄賂を受け取っていることから、Aさんは受託収賄罪に当たる行為をしていると考えられます。
さらにAさんはそれによって、正規の車検を通していないのに保安基準適合証を偽造していることから、職務上不正な行為をしていると考えられます。
したがって、Aさんには加重収賄罪が成立すると考えられるのです。

公務員でなくとも収賄事件の当事者になるなど、刑事事件ではなかなかわかりづらいことも多いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした刑事事件のわかりづらい部分も、刑事事件専門の弁護士がサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください。

収賄罪の種類を弁護士に相談

2021-02-10

収賄罪の種類を弁護士に相談

収賄罪の種類を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Aさんは、滋賀県大津市で民間の車検場を経営している自動車検査員です。
ある日、Aさんは、車検場に訪れた客Xさんから、「報酬を渡すから、この車の車検を通したことにしてくれないか」と頼まれ、Xさんの依頼通り、実際には既定の車検をしていないにもかかわらず、Xさんの車について車検が通ったという保安基準適合証を偽造しました。
しかしその後、Xさんが交通違反によって滋賀県大津警察署に摘発されたことをきっかけにして、AさんがXさんからの依頼で車検をせずに保安基準適合証を偽造していたことが発覚。
Aさんは、滋賀県大津警察署加重収賄罪などの容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんの逮捕と容疑をかけられている罪名を聞き、なぜ公務員でないAさんが収賄罪逮捕されたのか、そもそも加重収賄罪とはどういった犯罪なのかと不安になり、滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和2年12月2日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・収賄罪には種類がある?

収賄とは、簡単に言えば(公務員が)賄賂を受け取ることです。
そしてその(公務員の)収賄行為について刑罰を定めているのが、刑法の収賄罪と呼ばれる犯罪の種別です。
今回のAさんが加重収賄罪という収賄罪の容疑で逮捕されているように、収賄罪と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
今回の記事では、収賄罪の種類がどれほどあるのか、それぞれどういった内容で成立する犯罪なのか確認していきましょう。
まずは、収賄罪受託収賄罪の条文を見ていきましょう。

刑法第197条第1項
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。

この条文の前段部分が収賄罪、後段部分が受託収賄罪と呼ばれます。
収賄罪にはAさんの逮捕容疑の加重収賄罪などの様々な種類があることから、刑法第197条第1項前段の収賄罪は、他の収賄罪と区別するために単純収賄罪とも呼ばれます。
単純収賄罪は、公務員がその職務に関して賄賂を受け取るか、賄賂の要求・約束をすることで成立する犯罪です。
この単純収賄罪収賄罪の基本形であり、他の収賄罪はこの単純収賄罪の加重類型と言えるでしょう。
一般に、「賄賂を受け取ったら収賄罪」というイメージがあるかもしれませんが、賄賂の要求や約束をするだけでも収賄罪が成立することに注意が必要です。

そして、刑法第197条第1項後段の受託収賄罪とは、「請託を受けて」単純収賄罪の行為をした場合に成立する犯罪です。
受託収賄罪にいう「請託」とは、公務員に一定の職務行為を依頼することを指します。
例えば、市役所の職員が「300万円渡すので、その見返りとしてX社の市役所の審査を通してください。」と依頼されてこれを受けた場合、「X社を市役所の審査で通す」という職務行為を依頼され受けていることになりますから、受託収賄罪が成立する可能性が出てくることになります。

これらの収賄罪は、公務員になる前や公務員を辞めた後についても成立する可能性があります。

刑法第197条第2項
公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、5年以下の懲役に処する。

刑法第197条の3第3項
公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。

これらはそれぞれ事前収賄罪事後収賄罪と呼ばれています。
このように、現在公務員でなくとも収賄罪となる可能性があることにも注意が必要です。

そして、今回のAさんの逮捕容疑である加重収賄罪も確認しましょう。

刑法第第197条の3
第1項 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。

「前二条の罪」とは、単純収賄罪受託収賄罪事前収賄罪第三者供賄罪(刑法第197条の2)のことです。
公務員がこれらの収賄罪を犯し、「不正な行為」をしたり「相当の行為をしなかった」りしたときに、加重収賄罪が成立するのです。
「不正な行為」や「相当の行為をしな」いということは、公務員の職務に違反する行為を指します。
例えば、書類の偽造に協力する、あえて議会を欠席する、といった行為が考えられます。

このほかにもあっせん収賄罪(刑法第197条の4)など、収賄罪には様々な種類があり、収賄行為の詳細や経緯、それぞれの立場によって成立する罪名が異なりますが、それを見極めるのは法律の知識・刑事事件の経験がなければ難しいことです。
だからこそ、収賄事件の当事者になったら刑事事件の専門家である弁護士に相談し、自分に容疑がかかっている収賄罪がどういった収賄罪なのか、その見通しや手続き、対応方法について詳しく聞いておくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が相談を受け付けていますので、収賄事件にお困りの際はお早めにご相談ください。

交際関係になくてもリベンジポルノに?

2021-02-07

交際関係になくてもリベンジポルノに?

交際関係になくてもリベンジポルノとなるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県大津市に住んでいるAさんは、飲食店で知り合ったVさんと親しくなり、一度だけAさんの自宅で性行為をしました。
Aさんはその際、Vさんの下着姿や裸の姿を写真や動画に納めていました。
後日、AさんはアダルトサイトにVさんの下着姿や裸の姿が映った写真や動画を投稿しました。
その後、知人伝いに自身の写真や動画がインターネットに拡散されていると聞いたVさんは、滋賀県大津北警察署に相談し、被害届を提出。
そこから滋賀県大津北警察署の捜査が開始され、Aさんはリベンジポルノ防止法違反の容疑で取り調べられることになりました。
警察からの連絡を受け、交際関係になかったVさんの件でリベンジポルノ防止法違反事件の当事者になったことに驚いたAさんは、刑事手続にどのように対応すべきか、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・交際していなくても「リベンジポルノ」?

リベンジポルノは、「リベンジ」という言葉が入っていることから、交際関係にある、若しくは交際関係にあった相手のプライベートなポルノ画像を、相手への仕返しとして勝手に拡散・流出させる行為であると認識されている方も多いでしょう。
もちろん、リベンジポルノにはそういった行為も含まれていますが、実は法律上、今回のAさんの事例のように、交際関係の有無は法律で言う「リベンジポルノ」に関係ありません。

そもそも、一般に「リベンジポルノ防止法」と呼ばれている法律は、正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」という法律です。
このリベンジポルノ防止法では、「私事性的画像記録」について以下のように定義づけられています。

リベンジポルノ防止法第2条第1項
この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
第1号 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
第2号 他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
第3号 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

条文を見てお分かりいただける通り、リベンジポルノ防止法では、対象としている写真や動画等(「私事性的画像記録」)について、交際相手の者とは限定していません。
あくまでその画像や動画に写っている相手が第三者に見せる気のないプライベートな性的画像・動画を対象としていることがわかります。
そして、その画像を流出・拡散することでいわゆるリベンジポルノ行為となりリベンジポルノ防止法違反となるのですが、リベンジポルノ行為を規制している条文を詳しく確認してみましょう。

リベンジポルノ防止法第3条
第1項 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第4項 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

「提供」というとわざわざ誰かに渡すと言う行為をしなければいけないように思えますが、例えばAさんのようにサイトにデータをアップロードしたり掲示板などに掲載してしまえば、それを見た人がダウンロード等できる状態になることから、わざわざ相手に渡さずとも「提供」に当たることになります。

注意が必要なのは、ただプライベートなポルノ画像を「提供」するだけではこのリベンジポルノ防止法違反とならないと言うことです。
条文にある通り、リベンジポルノであると言えるためには、「第三者が撮影対象者を特定することができる方法で」という条件を満たす必要があるのです。
ですから、例えば顔が写っていたり、身元を特定できる情報が一緒に拡散されていたりといったことが必要となってくるのです。
今回のAさんの事例でも、Aさんが流出させたVさんの画像・動画にVさんの顔が写っているなどVさんであると特定できる情報が含まれていたのでしょう。

リベンジポルノ防止法違反は、同法第3条第4項にある通り、被害者等の告訴がなければ起訴されない親告罪ですから、まずは被害者対応が重要となるでしょう。
しかし、リベンジポルノという行為の性質上、被害者の被害感情が大きいことも予想されます。
だからこそ、第三者かつ専門家である弁護士に間に入ってもらい、サポートを受けることが効果的と言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、リベンジポルノ防止法違反事件についてのご相談も受け付けています。
リベンジポルノ防止法違反事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

児童買春事件で釈放を求める弁護活動

2021-02-03

児童買春事件で釈放を求める弁護活動

児童買春事件釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県高島市に住んでいる会社員のAさんは、配信アプリを通じて知り合った15~17歳の女子高生数人と、お金を渡して性行為をする、いわゆる児童買春行為を繰り返していました。
するとある日、Aさんと性行為をした女子高生の1人が滋賀県高島警察署に補導されたことをきっかけとして、Aさんの児童買春行為も発覚してしまいました。
そしてAさんは、滋賀県高島警察署児童買春をしたことによる児童買春禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが児童買春の容疑で逮捕されたことが会社に知られてしまうと解雇されてしまうのではないかと不安に思い、児童買春などの性犯罪にも強い弁護士釈放を求める弁護活動を依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)

・児童買春事件

児童買春と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべられるでしょうか。
「お金を渡して未成年と性的な行為をすること」と認識されている方が多いかもしれません。
そのイメージは全く間違っているものではありませんが、法律には以下のように定められています。

児童買春禁止法第2条
第1項 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
第2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
第1号 児童
第2号 児童に対する性交等の周旋をした者
第3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

同法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

すなわち、法律上正確には、児童買春とは「18歳未満の児童」に対して「対償を渡し」、あるいは「渡す約束」をして、「児童と性交等(性交若しくは性交類似行為等)を行うこと」を言います。
ここで注意しなければいけないのは、児童買春禁止法では「対償」を金銭だけに限定していないこと、さらにその「対償」を渡すだけでなく渡す約束をした場合でも児童買春であるとしていることです。
例えば、多くの方がイメージするであろう、児童にお金を渡して性交等をする行為が児童買春に当てはまることはもちろん、お金を渡す約束をして性交等をすることも、バッグやアクセサリーなどの物を渡したり渡す約束をしたりして性交等をすることも、食事を奢ることと引き換えに性交等をすることも児童買春となるのです。
今回のAさんは、お金を支払って児童である18歳未満の者と性交等をしていたため、児童買春行為による児童買春禁止法違反となります。

なお、児童買春以外にも、児童と性交等を行った場合、児童福祉法違反や各都道府県の青少年健全育成条例違反(いわゆる「淫行」)などに当てはまり、警察による捜査を受けることや場合によっては逮捕されてしまうことが考えられます。
その他、児童が13歳未満であった場合や児童の同意がなかった場合に性交等をしていれば、刑法の強制性交等罪や強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。

・釈放を求める弁護活動

今回のAさんのように、釈放が叶わなければ仕事を失ってしまうかもしれないと不安を抱える方は多くいらっしゃいます。
釈放を求めるには、逮捕直後から釈放を認めてもらうための環境づくりや証拠集めをしていかなければいけませんが、それには刑事事件の知識や経験が不可欠です。
示談交渉などの被害者対応を迅速に進めることも効果的でしょう。
そうして集めた証拠を適切に使って釈放を求める主張をタイミングよくしていかなければいけません。

だからこそ、釈放を求める活動は刑事事件の専門家である弁護士に依頼することが効果的です。
例えば、今回のAさんの児童買春事件では、被害者である児童が存在しますから、児童の保護者への謝罪ができないか、弁護士が捜査機関を通じて打診していくことが考えられます。
被害者対応をすることができれば、被疑者と被害者の接触リスクを減らすことが示しやすくなりますから、釈放を求める活動にも有効ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、児童買春事件にお困りの方、釈放を求めて活動してほしいという方のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に0120ー631ー881までお電話ください。

同性間の性犯罪を弁護士に相談

2021-01-30

同性間の性犯罪を弁護士に相談

同性間の性犯罪弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県長浜市に住む会社員の男性Aさんは同性愛者ですが、そのことを誰にも言っていませんでした。
ある日、Aさんは同性愛者が集うSNSを通じて知り合った同性愛者Vさんと滋賀県長浜市にあるホテルに行き、性行為をしました。
すると後日、Vさんから「この前の性交は同意ではなかった。これは強制性交等罪だ。無理矢理されたと滋賀県木之本警察署に被害届を出す」という旨の連絡が来ました。
全て合意の行為だったと思っていたAさんはこの連絡に驚きましたが、Aさんは周囲に同性愛者であることを打ち明けておらず、相談できる人もいない状況で困っていました。
そこでAさんはインターネットで弁護士を探し、刑事事件に強い弁護士の法律相談を利用することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・同性間の性犯罪〜強制性交等罪

今回、Aさんは強制性交等罪の被害届を出すと言われているようです。
2017年の刑法改正によって強姦罪の規定がなくなり、強制性交等罪が新設されました。

刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

旧強姦罪から強制性交等罪へ変わった際に大きく変更された点として挙げられるのは、同性間の性交等であったとしても異性間の同意のない性交等と同様の規定で処罰されるようになったという点や、性交だけでなく口腔性交や肛門性交も「性交等」として処罰される点です。

強制性交等罪が施行される前、旧強姦罪では、男性が女性に対して同意なく性交をした場合にしか強姦罪が成立せず、同性同士で性交等をした場合(例えば男性が男性に対して同意なく性交等をした場合)には、旧強姦罪より軽い強制わいせつ罪でしか処罰できませんでした。
しかし、強制性交等罪が新設されたことで、同性間の同意がない性交等も、異性間の性交等と同様の規定での処罰が可能となったのです。

なお、強制わいせつ罪の場合、刑法改正前から同性間でも適用されています。

刑法第176条(強制わいせつ罪)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。
十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

・同性間の性犯罪で被害届を出される

「同意の上で性交等をしたのに無理やりだったと言われ、被害届を出すと言われている」というご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に少なからず寄せられます。
今回のAさんも、同意の上での性交等であったと思っているところに、Vさんから強制性交等罪の被害届を出すと言われてしまっています。
そもそも性犯罪は周囲に相談しづらい犯罪ですが、特に同性間の性犯罪に関連した場合には、Aさんのように自分が同性愛者であることを周囲にカミングアウトしていないために周囲に相談できない、事件をきっかけに同性愛者であると露見したくないといった悩みがある場合も多いです。
こうした場合、事件を大事にしたくないという思いからなかなか誰かに相談することができずにいたり、相手から要求された示談金などを適切な書面や手続きを踏まずにそのまま支払ってしまったりといったおそれもあります。

さらに、警察署に被害届を出され刑事事件化してしまった場合にも、逮捕のリスクがあったり、取調べ自らの性癖や性行為までの経緯について話さなければならなくなるため、当人の精神的負担は計り知れません。
今回のAさんのように同意があったと思っている場合には、強制性交等罪の容疑を否認することになりますから、不本意な自白をしないように注意することも必要となってきます。
これらの事情を抱えながら1人で相談もできずに対応をしていくことは困難でしょう。

だからこそ、もしも強制性交等事件に巻き込まれてしまったら、刑事事件に強い弁護士にサポートを求めましょう。
弁護士であれば周囲に相談の内容が漏れることもありませんから、同性間の性犯罪だからとお悩みの方でも安心してご相談いただけます。
また、刑事事件の専門家である弁護士に被害者への対応や取調べへの対応などについてのアドバイスを随時受けていくことで、その時その時に適切な対応をとることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、同性間の性犯罪トラブルのご相談も受け付けています。
もちろん、容疑の内容を認めている場合でも、弁護士のサポートを受けることで、不当に重い刑罰を受けることを避けるなどの効果が期待できます。
同性間の性犯罪でお困りの方は、弊所弁護士まで一度ご相談ください。

寄付金の着服で成立する犯罪とは?

2021-01-23

寄付金の着服で成立する犯罪とは?

寄付金着服によって成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、災害の起こった地域の復興支援をしたいと思い立ち、寄付金を集めることにしました。
Aさんは、自分が住んでいる滋賀県長浜市内で知り合いなどから寄付金を募り、約200万円の寄付金を集めました。
しかし、自分の想定以上に寄付金が集まったことに目がくらみ、Aさんはその寄付金のうち100万円を着服し、自分の懐に入れてしまいました。
その後、寄付の報告を見た寄付者が金額の少なさに疑問を持ち、滋賀県長浜警察署に相談したことをきっかけとして捜査が開始され、Aさんは横領罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんは、今後の手続に不安を抱き、滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・寄付金の着服で成立する犯罪は横領罪だけではない

前回の記事では、事例のAさんに横領罪が成立するだろうことを取り上げました。

刑法第252条第1項(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

しかし、似たようなケースであっても、細かい事情が異なると、横領罪以外の犯罪が成立する可能性も出てきます。
今回の記事では、寄付金着服によって成立する可能性のある横領罪以外の犯罪を紹介していきます。

・寄付金の着服と業務上横領罪

まずは、業務上横領罪です。
例えば、Aさんが定期的に寄付業務をしており、そこで寄付金着服をしていたような場合には、横領罪ではなく業務上横領罪が成立する可能性が出てきます。

刑法第253条
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

横領罪業務上横領罪の違いは、「占有」が「業務上」行われたものかどうかという点です。
業務上横領罪の「業務上」とは、社会的立場に基づいて継続して行うものであり、委託を受けて人の物を管理する事務のことを指します。
もしもAさんが定期的に寄付業務をしていたのであれば、その立場に基づいて寄付をする人から寄付金を預かる事務を繰り返していたということになりますから、「業務上」管理していた他人のお金を横領したということになり、業務上横領罪が成立する可能性が出てくるのです。

注意しなければいけないのは、業務上横領罪では前回の記事で紹介した横領罪よりも重い刑罰が設定されているということです。
「業務上」行われた横領行為であれば、単なる横領行為よりも信頼を裏切った度合いが高く悪質性が高いと考えられることから、横領罪が「5年以下の懲役」という刑罰になっているのに対して業務上横領罪はより重い「10年以下の懲役」という刑罰が設定されているのです。
ですから、業務上横領事件でも、より早期に弁護士のサポートを受けて弁護活動を開始してもらうことが望ましいでしょう。

・寄付金の着服と詐欺罪

また、もしもAさんが最初から寄付金着服するつもりで寄付金を募っていたり、そもそも寄付をするつもりがないのに寄付を募っていたような場合には、横領罪ではなく詐欺罪が成立する可能性も出てきます。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

このケースで詐欺罪の成立が考えられるのは、寄付目的であると偽って人からお金をだまし取ったという構造になるためです。
詐欺罪の「人を欺」く行為は、単なる嘘をつくということではなく、相手が財物を交付させる判断をするときに重要な事実を偽ることであると考えられています。
今回の事例でもしもAさんが最初から寄付金着服をもくろんでいたり、そもそも寄付をするつもりがないのに寄付金として寄付を募っていたのであれば、当然寄付をした人たちはAさんにお金を渡したりしなかったでしょう。
そのため、もしもAさんがこうした嘘をついて寄付金を募っていたのであれば、Aさんは「人を欺いて」寄付金=「財物」を寄付した人から引き渡させた=「交付させた」ことになり、詐欺罪が成立する可能性が出てくるのです。

寄付金の着服で詐欺罪の容疑を疑われている場合、寄付を募った際の目的がどういったものだったかという内心の問題も絡んでくるため、本当は横領罪に当たる事実しかないのに詐欺罪を疑われるという可能性もあります。
自身の認識をきちんと把握しながら取調べに慎重に臨むことが求められますが、そのためには、被疑者・被告人の持っている権利や取調べのポイントを押さえていく必要があります。
刑事事件の専門家である弁護士にこまめにアドバイスをもらうことをおすすめします。

寄付金着服という一行為をとっても、細かな事情が異なるだけで様々な犯罪の成立が考えられます。
このように、刑事事件は一見同じように見えても少しの違いによって全く別の対応を迫られることがあります。
どういった犯罪が成立しうるのか、それぞれの犯罪に対応する活動はどういったものなのか等は、専門家に聞いてみることが一番です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が横領事件や詐欺事件などの罪名を問わず刑事事件のサポートをしています。
刑事事件にお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。

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