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詐欺事件のような窃盗事件?

2021-07-31

詐欺事件のような窃盗事件?

詐欺事件のような窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

29歳のAさんは、滋賀県大津市に住んでいる80歳のVさんの自宅を訪ねると、市役所の職員を装って、「このあたりでキャッシュカードが不正利用されているということだったので、セキュリティの強化と不正利用されていないかの調査のために巡回している。調査の間にカードが不正利用されるといけないので、この封筒にカードを入れて封をして調査している期間の間保管しておいてほしい」などと話すと、Vさんのキャッシュカードを持参した封筒に入れさせ、封を閉じさせました。
そしてAさんは、「本日から2週間、市が調査をするので、その間封筒は開かずに保管しておくように。封を開けていないことがわかるように封筒の口部分に印鑑を押してほしい」と話すと、Vさんに印鑑を取りに行かせ、その間にVさんのキャッシュカードが入った封筒と、よく似た封筒をすり替えました。
Vさんに封筒に判を押させたAさんは、すり替えた封筒に入れられていたVさんのキャッシュカードを利用して、Vさんの銀行口座にあった預金のうち80万円をATMでおろしました。
2週間後、市の調査について連絡が来ないことを不審に思ったVさんが市に問い合わせたことで被害に遭ったことが発覚。
Vさんは滋賀県大津北警察署に被害届を提出し、捜査が開始され、Aさんは窃盗事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕を聞いたAさんの家族は、「窃盗罪」という言葉から万引きや置引きを想像していたところ、まるで詐欺事件のような事件内容であったため、驚いて弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・詐欺事件のような窃盗事件

今回のAさんは、滋賀県大津北警察署窃盗罪の容疑で逮捕されているようです。
しかし、Aさんの家族がそのギャップに驚いたように、Aさんの犯行の手口は市役所の職員を装ってキャッシュカードを持って帰ってしまうという、詐欺事件のようにも見える手口でした。
なぜAさんに成立する犯罪が窃盗罪なのでしょうか。

まず、詐欺罪について定めている条文を確認してみましょう。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

条文によると、詐欺罪は「人を欺いて」「財物を交付させ」ないと成立しない犯罪です。
確かに、今回のAさんは、市の職員を装ってVさんのキャッシュカードを封筒に入れさせるなどしているため、Vさんという「人」を騙す=「欺いて」いることになるでしょう。
しかし、AさんはVさんからキャッシュカードを引き渡してもらった=Vさんにキャッシュカードを「交付させ」たわけではなく、こっそり似ている封筒とすり替えて持ち去っています。
この部分が詐欺罪の条文と合致しないことから、Aさんには詐欺罪が成立しないと考えられるのです。

ではAさんに成立すると考えられる犯罪は何罪かというと、冒頭でも触れられていた窃盗罪が考えられます。
窃盗罪の条文を確認してみましょう。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の条文に出てくる「窃取」とは、他人が支配・管理している物を、その人の意思に反して自分の支配・管理下に移してしまうことを指します。
今回のAさんがVさんのキャッシュカードを入手した手口は、Vさんが気付かないうちにこっそり封筒を入れ替えるという手口でした。
この手口を見ると、AさんはVさんの所持しているキャッシュカード=「他人の財物」を、Vさんの意思に反して自分の管理下に移した=「窃取した」と考えられますから、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられるのです。

今回の事例のAさんの家族は、Aさんの逮捕容疑である窃盗罪とAさんの犯行の内容の間にあるギャップに驚いたようですが、刑事事件ではこのように容疑をかけられている犯罪名と実際の犯行の間にイメージのギャップがあることも少なくありません。
被疑者・被告人である当事者はもちろん、サポートするご家族などもそのギャップを解消し、容疑をかけられている犯罪やその見通しを把握しながら手続きに臨むことが重要です。
例えば今回の事例でいえば、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、窃盗罪の法定刑が10年以下の懲役又は50万円の罰金であることから、罰金刑がある分窃盗罪の方が軽い刑罰が定められていることになります。
しかし、今回の事例のようなケースでは、事件の内容的に詐欺事件に近い=より悪質性の高い窃盗事件であると考えられ、裁判で有罪判決が下された場合の量刑は一般の窃盗事件よりも重くなる可能性があります。
だからこそ、「たかが窃盗事件」と罪名だけで判断して軽く考えるようなことはしない方が賢明といえ、早期に弁護士に相談・依頼し、入念な準備をする必要が出てくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件窃盗事件を含む刑事事件全般を取り扱っています。
「家族が逮捕されたがどういった容疑をかけられているのか分からない」「容疑をかけられている犯罪の見通しや内容が分からない」といったご相談にも、弁護士にお気軽にご相談ください。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

集団暴走による少年事件

2021-07-28

集団暴走による少年事件

集団暴走による少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

滋賀県高島市に住んでいる高校3年生のAさんは、友人達とバイクを運転することを楽しみにしていました。
Aさんらは、複数回運転を繰り返すうち、「もっと自由にみんなで走りたい」と思うようになり、そのうち複数人で蛇行して道路を走ったり、横並びになって道路を占拠するようにしてバイクを走らせたりするようになりました。
周辺では集団暴走に困っているという通報が相次ぐようになり、滋賀県高島警察署が見回りを強化。
Aさんらがいつものようにバイクを走らせていたところ、巡回していた滋賀県高島警察署の警察官がAさんらの集団暴走行為を発見し、Aさんらは道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、警察官からの連絡でAさんの逮捕を知ると、滋賀県の少年事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・集団暴走は犯罪になる?

今回の事例のAさんは、複数人の友人達と一緒にバイクを走らせているうちに、集団暴走をしてしまって逮捕されるに至ったようです。
集団暴走行為はいけないことだ」というイメージを持たれている方は多いかもしれませんが、どのような犯罪のどの部分に当たることになるのかまでご存知の方は少ないかもしれません。
ここからは、集団暴走をするとどういった犯罪に問われることになるのか確認してみましょう。

まず、道路交通法では以下のような条文が定められています。

道路交通法第68条
2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

この条文は、一般的に「共同危険行為等の禁止」を定めているとされています。
「共同危険行為」とは、条文の中にある「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者」が「道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」をすることを指します。
この共同危険行為と今回問題となっている集団暴走行為を比較してみましょう。

集団暴走行為をした場合、そもそも複数人で集団暴走行為をするわけですから、この「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者」が主体になります。
そして、Aさんらは複数人でバイクを並べて道路を走らせていたわけですから、共同危険行為のいう「道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合」にも当てはまりそうです。
さらに、Aさんらはその状態で一緒になって蛇行運転や道路を占拠するように広がった形での運転をしていますが、これらは非常に危ない、もしくは迷惑になる行為と考えられますので、「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」と考えられるでしょう。
こうしたことから、態様にもよるものの、集団暴走行為は道路交通法のいう「共同危険行為」に当てはまり、道路交通法違反となる場合が考えられるのです。

・集団暴走と少年事件

Aさんの事例のように、被疑者が未成年の場合は少年事件として処理されることになります。
少年事件では、基本的に終局処分として刑罰が科されることはありません。
しかし、だからといって何も処分されずに事件が終わるというわけではなく、少年には「保護処分」という処分が下されることが一般的です。
「保護処分」とは、簡単に言えば少年を更生させるために行われる処分のことです。
例えば、保護観察処分では、保護司や保護観察所の職員が定期的に連絡を取りながら社会内での少年の生活を見守りアドバイスすることで少年の更正を目指します。
対して、少年院送致の処分が取られれば、少年は少年院という施設の中で、今までの環境と自分を切り離して教育等を受けながら更生を目指していくことになります。
これらの処分は刑罰ではなく、あくまで少年の更正のための処分です。

集団暴走事件では、少年が集団で犯罪をしているという特徴から、少年の更正のためにその集団との距離を置くべきである=今までの環境から切り離して更生を目指すべきであるという観点から、少年院などの施設送致が検討されることも少なくありません。
もちろん、先ほど触れたように少年院に行くことは刑罰ではなく少年の更正のために行くものであるため、全く少年のためにならないことであるわけではありません。
しかし、少年院に行くということは、ある程度の期間を社会から切り離されて過ごさなければならないということでもありますから、少年の進路等によっては少年院に行くことが大きな影響を及ぼすこともあります。

だからこそ、より適切な処分を求めていくことが重要なのですが、そのためには社会内で少年が更生できるような環境を整え、その環境を主張していくことが必要です。
こうした環境調整が少年事件の弁護活動・付添人活動の特徴の1つと言えるでしょう。
少年事件独特の手続もあるため、少年事件に対応している弁護士に早い段階から相談・依頼しておくことが重要と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も取り扱っている法律事務所です。
集団暴走による少年事件についてお困りの際や、少年事件についてお悩みの際には、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
逮捕されている方向けのサービスだけでなく、在宅捜査を受けている方向けのサービスもございますので、まずはお問い合わせ下さい(0120-631-881)。

ペットを連れ去ったら何罪に?

2021-07-24

ペットを連れ去ったら何罪に?

ペットを連れ去ったら何罪に問われる可能性があるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

ある日、Aさんが滋賀県長浜市内を歩いていたところ、首輪を付けた小型犬がスーパーマーケットのすぐ前にある柵にリードで繋いであるところを見つけました。
その小型犬は、飼い主であるVさんがスーパーマーケットで買い物をする10分程度の間、外に繋いでおいたVさんのペットの犬でした。
Aさんは、もともと犬を飼いたいと思っていたこともあり、小型犬のリードを柵から外すと自宅へ連れ帰り、自分のペットとして飼育を始めました。
その後、買い物を終えてスーパーマーケットを出てきたVさんは、柵に繋いでおいたはずのペットの犬がいなくなっていることに気が付いて周囲を探しましたが、ペットの犬は見つかりませんでした。
そこで、Vさんは滋賀県木之本警察署に相談したのですが、捜査の結果、Aさんが犬をその場から連れ去っていたことが発覚。
Aさんは、窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・ペットは法律上どう扱われる?

この記事を読んでいる方の中にも、今回の事例に出てくるような小型犬などのペットを飼っているという方がいらっしゃるでしょう。
ペットを家族同様大切にされている方も少なくないと思います。
そういった方にとっては違和感があるかもしれませんが、法律上、ペットのような動物は「物」として扱われます。
ですから、誰かがペットが傷つけても人を傷つけたときのように傷害罪(刑法第208条)は成立しませんし、ペットを連れ去ったとしても人を誘拐したときのように誘拐罪(刑法第224条)は成立しません。
大切にしているペットだからこそ、こういった扱いが腑に落ちないという方もいらっしゃるかもしれませんが、現在の法律上、ペットは「物」として扱われることになるのです。

・ペットを連れ去ったら何罪に?

さて、今回の事例では、AさんはVさんのペットの犬を勝手に連れ帰って自分のペットとしています。
こうしたケースでは、事例でもAさんの逮捕容疑となっているように、窃盗罪が問題になります。

刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

条文を確認すると、窃盗罪が成立するためには①「他人の財物を」、②「窃取」することが必要です。

①の「他人の財物」とは、他人が「占有」する「他人の財物」を意味します。
先ほど触れた通り、法律上ペットは「物」として扱われます。
ですから、Vさんのペットの犬も法律上は「物」と考えられます。
そして、窃盗罪の「財物」は、財産的価値がなくとも、社会通念上刑法的価値に値する主観的・感情的価値があるものであればよいとされます(大判明治44.8.15)。
したがって、例えばVさんのペットの犬が血統書付きの犬などではなくとも、窃盗罪の「財物」といえるでしょう。

そして、②「窃取」するということは、持ち主の意思に反してその物の占有を自分や第三者に移転することを指します。
「占有」とは、財物に対する事実上の支配をいいます。
今回のAさんの事例の場合、犬の飼い主であるVさんは犬のもとを離れてスーパーマーケットの中に行っていることから、Vさんが犬を占有しているかどうか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、Vさんが犬のもとを離れたのは10分程度という短い時間であり、Vさんとしてもすぐに戻るつもりで犬を柵に繋いでおり、距離的にも近い位置にいます。
こうしたことから、Vさんが一時的にペットの犬と離れていたとしても、Vさんはペットの犬を「占有」している状態であったと考えられるでしょう。
その状況からAさんはVさんの意思に反して勝手に犬を連れ去り自分のペットとして扱っている=犬の支配をAさんのもとに移していると考えられるため、窃盗罪の「窃取」に該当する行為をしていると考えられます。

なお、窃盗罪には条文にある条件以外にも「不法領得の意思」という意思が必要とされています。
「不法領得の意思」を簡単に言えば、持ち主の権利を排除して自分が持ち主のようにその物を利用したり処分したりする意思のことを指します。
今回のAさんは、Vさんのもとからペットの犬を連れ去り、自分のペットとする=Vさんを排除して自分が犬の持ち主のようにふるまう意思をもって行動しているので、この「不法領得の意思」もあったと考えられます。

こうしたことから、Aさんのペットの連れ去り行為は窃盗罪にあたると考えられるのです。

先ほども触れた通り、法律上ペットは「物」として扱われますが、飼い主からすれば家族同然であったりします。
そうしたペットを連れ去られたとなれば、被害感情が大きいことも当然考えられます。
被害者対応なども慎重に行うことが求められますから、刑事事件の専門家である弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っています。
お悩みの際はお気軽に弊所弁護士までご相談ください。

覚醒剤事件の逮捕前に相談

2021-07-21

覚醒剤事件の逮捕前に相談

覚醒剤事件の逮捕前に弁護士に相談するメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県長浜市に住んでいる会社員です。
Aさんは、数年前から覚醒剤を売人から購入して使用し続けていましたが、ある日、Aさんが覚醒剤を購入していた先の売人が摘発されたという噂を耳にしました。
Aさんは、売人から販売履歴をたどられて、次は自分が逮捕されるのではないかと不安に思うようになりました。
そこでAさんは、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士のところへ相談に行き、万が一自分が逮捕された時はすぐに対応してもらえるように依頼し、妻にもその旨を伝えることにしました。
その次の週、Aさんは滋賀県長浜警察署に覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されましたが、逮捕前に弁護士に相談・依頼していたことから、すぐに弁護士に接見に来てもらうことができました。
(※この事例はフィクションです。)

・逮捕が不安…弁護士に相談・依頼を

今回のAさんは、覚醒剤取締法違反で自分が逮捕されるのではないかと不安に思ったことから、逮捕前に弁護士に相談・依頼をしたようです。
そして、その結果、Aさんは逮捕されてすぐに弁護士に接見に来てもらうことができました。
今回の事例のAさんのように、弁護士への相談は早いに越したことはありません。

そもそも、逮捕が前もって知らされることはごく稀なことです。
現行犯逮捕や緊急逮捕といったその場で行われる逮捕はもちろんのこと、警察官等が逮捕状を持ってくる通常逮捕でも、基本的には何の連絡もなしにやってきます。
つまり、逮捕されるという時に、逮捕された本人は、なぜ逮捕されたのか、これからどういう対処をすべきか、本人の認識はどういったものなのかといった事情を周りに伝える間もなく警察署へ連れていかれてしまいますし、それらを準備する間もありません。
当然、それらを聞くことなく当事者を連れて行かれてしまった家族も、本人に確認できないまま残されてしまいますから、どうしても逮捕後の対応が後手に回ってしまいます。
しかし、前もって弁護士に相談しておいたり、家族に逮捕時に連絡する弁護士を言っておけば、早急に対応することができるのです。

逮捕されれば、そのすぐ後から取調べが始まります。
取調べに先立って弁護士と接見(面会)することができれば、取調べに対する助言をもらうことができます。
取調べに対応する際は、自分の認識をはっきりさせたり、自分の持っている権利を全て把握したりしておく必要があります。
弁護士との接見を行なうことで、これらの認識や権利をきちんと確認した上で取調べに臨むことができますから、誤って自分の不利な供述をするようなことを防止することが期待できます。

さらに、弁護士の接見が逮捕直後からできるということは、逮捕直後から家族との橋渡しをしてもらえるということにもつながります。
会社や学校への対応なども、弁護士を通じて本人の希望を家族に伝えることができます。

また、弁護士への依頼が事前に済んでいれば、逮捕直後から身体解放活動に取りかかることができます。
逮捕や勾留といった身体拘束には時間制限があるため、釈放を目指す活動も逮捕されてから迅速に取りかからなければ、釈放を求める機会を失うことになってしまいます。
しかし、逮捕前から逮捕の可能性を踏まえた準備をしておくことができれば、逮捕されてしまったその時からスムーズに釈放を求める活動へと移行することができるのです。

覚醒剤事件のような薬物事件では、逮捕・勾留によって身体拘束されたうえで捜査が進められることが多いです。
逮捕されなくとも警察等に捜査されるということは不安を感じるでしょうから、逮捕のおそれがあるとなればより大きな不安を感じられる事でしょう。
弁護士からあらかじめアドバイスをもらっておくことで、不安の軽減や素早い対応が期待できます。
だからこそ、逮捕前から弁護士に相談しておくことが望ましいといえるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談を受け付けています。
逮捕前に弁護士に相談したい、逮捕が不安だから弁護士の話を聞きたいという方のご相談も可能です。
もちろん、すでに逮捕されてしまっている方向けのサービス(初回接見サービス※有料)もございますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

少年事件と大麻

2021-07-17

少年事件と大麻

少年事件と大麻について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県米原市在住の中学3年生のAさんは、SNSの書き込みなどから大麻に興味を持つようになりました。
Aさんは、SNSで大麻を売っているという人とコンタクトを取ると、大麻1gを購入しました。
AさんがSNSを通じて大麻を購入してしばらくした頃、Aさんが大麻を買った先の売人が、滋賀県米原警察署の捜査によって摘発されました。
そして、滋賀県米原警察署の捜査により、大麻の売人の購入履歴からAさんが大麻を購入していることが発覚。
Aさんの自宅に滋賀県米原警察署が家宅捜索にやって来て、Aさんの部屋から大麻が発見されました。
その後、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、まさか中学生のAさんが大麻を持っていることで逮捕されるとは思わず、今後どのように対応してい良いのか分からず困ってしまいました。
そこでAさんの家族は、少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻所持による大麻取締法違反

大麻は、ただ持っているだけでも犯罪となる違法薬物です。
大麻取締法では原則として大麻の所持を禁止しており、大麻を所持することは大麻取締法違反となります。

大麻取締法第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

大麻を所持したことによる大麻取締法違反は、「5年以下の懲役」という重い刑罰が設定されています。
さらに、大麻所持の目的が営利目的であった場合、さらに重い刑罰が下される可能性があります。
なお、今回のAさんのような少年事件の場合は、基本的にはこういった刑罰を受けることはありません。

・少年事件と大麻

今回の事例でAさんの家族は、Aさんの大麻所持による逮捕に驚き、困惑しているようです。
大麻のような違法薬物は、日常とは解離したイメージがあるかもしれません。
そのため、大麻のような違法薬物を未成年が手に入れることは難しいだろう、未成年が大麻を所持することはできないだろうというイメージもあるでしょうが、実際には未成年による大麻所持事件は度々起こっています。

法務省による統計(令和2年版犯罪白書)によると、令和元年に大麻取締法や大麻に関連した麻薬取締法違反で検挙された20歳未満の者は609人とされています。
大麻に関連して検挙される未成年は平成26年から年々増加傾向にあり、令和元年は前年よりも42パーセント増加しているとのことでした。
さらに、大麻取締法違反で検挙された者で事件当時就学していた247人(20歳以上の者も含む)を就学状況別に見ると、大学生132人、高校生109人、中学生6人という内訳であったそうです。
これを見れば、たとえ未成年であっても、大麻に関連した犯罪に関与することは全くないことだとは言えないでしょう。

そして、「大麻などの違法薬物を手に入れるためには素行の悪い人とつるんでいるはずだ」「暴力団や暴走族といった集団に関わっていなければ大丈夫」と考える方もいるでしょう。
しかし、先ほどの法務省の統計によると、令和元年に大麻取締法違反により鑑別所に入った少年441人のうち、57.1パーセントは暴力団や暴走族、地域的不良集団などの不良集団とのかかわりはない少年たちだったそうです。
つまり、普段から素行のよくないグループとつるんでいなくとも、大麻取締法違反事件に関わってしまう可能性もあるのです。
今回の事例のAさんのように、普段の素行に問題がなくとも、SNSなどで大麻に関わりをもってしまう少年もいるのです。
もちろん、少年事件のうち大麻取締法違反事件の件数が非常に多いというわけではありませんが、未成年だから、年齢が低いからといって大麻が全くかかわりのない話でもないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

・大麻取締法違反の少年事件と弁護士

では、実際に自分の子供が大麻取締法違反事件に関わってしまったらどうすべなのでしょうか。
まずは早い段階で弁護士に相談し、迅速に弁護活動・付添人活動に取りかかってもらうことをおすすめします。

先ほどから統計を挙げている令和2年度版犯罪白書では、鑑別所に入った少年451人の終局処分の内訳が、少年院送致が47.5%、保護観察が30.2%、検察官送致(年齢超過含む)が1.8%、不処分・審判不開始が0.7パーセント、未決が20パーセントとなっています。
当然少年が鑑別所に入らずに終局処分まで進む少年事件もあるため、未成年による大麻取締法違反事件全てを含めての処分結果ではありませんが、それでも少年院送致が半数程度を占めていることからも、大麻取締法違反事件が重く考えられていることが分かります。
だからこそ、少年事件・刑事事件に詳しい弁護士のサポートを受けながら、適切な処分を目指していくことが有効と考えられるのです。

さらに、令和2年版犯罪白書によれば、令和元年に大麻取締法違反で検挙された20歳未満の者609人のうち、59人は以前大麻取締法違反で検挙されたことがあり、再度大麻取締法違反で再非行をした少年だとされています。
約10パーセントの少年が同じ犯罪を繰り返してしまっていることからも、再犯防止の対策を具体的に立てた上で実行していく必要があることが分かります。
少年事件では、少年が更生するために適切な環境を用意することが非常に重要です。
少年事件への取り組みとしても、大麻取締法違反事件としての取り組みでも、再犯防止策に取り組むことは重要ということです。
だからこそ、少年事件にも刑事事件にも対応できる弁護士に早期に相談し、早い段階から弁護活動・付添人活動に取り組んでもらったり、環境改善のための準備を始めたりすることがおすすめされるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、大麻取締法違反のような薬物事件にも対応しています。
成人の刑事事件だけでなく、少年事件にも数多く対応している弁護士だからこそ、少年事件の始まりから終わりまで丁寧なサポートが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

盗撮事件で逮捕回避の弁護活動

2021-07-14

盗撮事件で逮捕回避の弁護活動

盗撮事件逮捕回避のための弁護活動を行う場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、たびたび滋賀県彦根市にある駅構内の階段に盗撮用の小型カメラを設置し、駅を利用する女性のスカートの中を盗撮していました。
ある日、Aさんはいつものように滋賀県彦根市内の駅を訪れると、盗撮用のカメラを駅の階段に仕掛けました。
しかし、駅員が盗撮カメラを仕掛けているところを目撃しており、盗撮をしている人がいると滋賀県彦根警察署に通報されました。
駅員が警察に通報している様子を見たAさんは、盗撮用のカメラをそのまま置きっぱなしにしてその場から逃げました。
自宅に逃げ帰ったAさんですが、駅員が通報していたということは滋賀県彦根警察署が捜査を開始するということであり、そうなると自分が逮捕されてしまうのではないかと不安に思うようになりました。
そこでAさんは、どうにか逮捕されることを回避できないかと、刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・逮捕は回避できるのか?

盗撮事件のような犯罪・刑事事件からは、「逮捕」というワードが結びつきやすいのではないでしょうか。
何か刑事事件を起こしたり犯罪をしてしまったりという場合に、「逮捕されてしまうのではないか」ということは誰しも不安に思うことでしょう。
ニュースなどでは犯罪をして刑事事件を起こした人が逮捕されたという報道もよく流れていますから、刑事事件を起こす・犯罪をする=逮捕されるというイメージがあるかもしれません。
しかし、実は、犯罪をしたから必ず逮捕されるというわけではないのです。

被疑者を逮捕するためには、逮捕の必要性や相当性といった条件が必要です。
逮捕をするには原則として逮捕状(いわゆる「令状」)が必要になりますが、逮捕状は裁判所が逮捕するために必要な条件がそろっていると判断しないと発行されません。
この理由は、逮捕という行為が被疑者を強制的に身体拘束する=被疑者の権利を侵害する行為であるというところにあります。
人の権利を侵害するということは重大なことですから、これを強制的にできてしまう逮捕という行為が濫用されてしまえば、大変な人権侵害になってしまいます。
それを防ぐために、逮捕すべき事案なのかどうかチェックする意味も込めて逮捕に条件を付けているのです。
逆に言えば、逮捕するための条件がそろわない場合は逮捕してはいけないということになりますから、刑事事件を起こしてしまっても逮捕の条件を満たさない場合には逮捕されないということになります。

では、逮捕のための条件とはどういったものでしょうか。
刑事事件において被疑者を逮捕するために必要な条件とは、容疑が相当なものであることに加え、逃亡のおそれがあることや、証拠隠滅のおそれがあることなどが必要であるとされています。
したがって、これらのおそれがないことを主張することで、逮捕を回避できる可能性があるのです。
例えば、芸能人や有名人が刑事事件を起こしても、逮捕されずに捜査を受けているという報道を見て疑問を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
こういったケースでは、芸能人や有名人だから特別扱いされているわけではなく、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されたり、逮捕する相当性がないと判断されたに過ぎないのです。

とすると、今回のAさんのように逮捕を避けたい場合については、出頭の前や出頭時に逮捕の必要性や相当性がないことを主張することで、逮捕を回避できる可能性が出てくるということになります。
具体的には、ご家族に身元引受の約束をしてもらって書類として提出したり、ご家族など周囲の方と協力して監督体制を作っていくことを証拠化して提出したり、逮捕による不利益が甚大であることを主張したりすることが考えられます。
こうした逮捕回避のための活動は、刑事事件の知識や経験のある弁護士に依頼することでスムーズに行うことが期待できます。
刑事事件を起こしてしまって逮捕が心配な場合や、出頭したいがその後の逮捕が不安だという場合には、まずは一度弁護士に相談してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕を回避したいとお悩みの方のご相談やご依頼も承っています。
弁護士に相談・依頼しておくことで、逮捕されてしまった場合でもスムーズに釈放を求める活動に移行できたり、焦らず対応ができることが期待できます。
まずはお気軽にご相談ください。

賄賂を受け取って逮捕されたら

2021-07-11

賄賂を受け取って逮捕されたら

賄賂を受け取って逮捕されてしまったケースついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県東近江市に住むBさんは建築業を営んでおり、昨今の不景気のあおりを受け事業の受注が伸び悩んでいました。
そこで、Bさんは、滋賀県東近江市で来年度に公募する公共事業の受注を何とか獲得したいと考え、滋賀県東近江市の市役所で働いており、公共事業の公募に関する業務を担当している知り合いのAさんに便宜を図ってもらうことにし、Aさんに対してその旨伝えた上で海外旅行のチケットを渡しました。
Aさんも、Bさんから伝えられた内容を把握した上でチケットを受け取りました。
しかし、Aさんが同じ課の上司にBさんを事業主とするよう主張したものの取り合ってもらず、結局Bさんは来年度の公共事業の事業者に選定されませんでした。
その後、滋賀県東近江警察署がAさんを受託収賄罪の容疑で逮捕しました。
Aさんの家族は急いで刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・収賄罪

今回の事例のAさんに成立する犯罪としてまず考えられるのは、刑法に定められている受託収賄罪という犯罪です。
受託収賄罪の成立要件は、①公務員が、②その職務に関し、③賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたこと、④請託を受けたことです。

刑法第197条第1項
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。

以下ではこの受託収賄罪の成立要件を1つずつ確認していきます。
まず、①「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員です(刑法第7条第1項)。
今回の事例のAさんのような市役所の職員はもちろん、公立の学校の教師や警察官なども含まれます。

次に、②の「職務」とは、公務員がその地位に伴い公務として取り扱うべき一切の執務をいいます(最判昭和28.10.27)。
この「職務」については、一般的職務権限があればよく、具体的な職務として現に行っている公務である必要はないと解されています。
というのも、受託収賄罪が職務の適正な遂行とそれに対する国民の信頼を保護することを目的に制定された犯罪だからであるとされています。
つまり、具体的な職務に含まれなくとも抽象的な職務権限にある行為にさえ賄賂が渡されれば、国民の信頼が害されるといえるので、抽象的職務権限でたりると解されているのです。

さらに、判例は、「職務に関し」とは公務員の職務行為自体であることを要せず、職務に密接に関係する準職務行為または事実上所管する職務行為の場合を含むと解しています(最決昭和31.7.12)。
判例の立場では、これらの職務についても賄賂によって国民の信頼が害されるおそれがあると考えているのでしょう。
以上から、②の条件である「職務に関し」とは、抽象的職務権限を有する行為又は職務密接関連行為について、と解されることになります。

また、③の要件である「賄賂」とは、公務員の職務に関連する不正の報酬としての一切の利益をいい、その利益は経済的な利益に限らず人の需要や欲求を満たすものであればよいと考えられています。
「収受」とは、賄賂を取得することをいいます。
「要求」とは、賄賂の供与を要求することをいい、相手が現実に応じたかどうかは犯罪の成否に影響しません。
「約束」とは、将来賄賂を収受すべきことについて合意することをいいます。

最後に、④の要件である「請託」とは、公務員に対し、職務に関し一定の職務行為を依頼することをいいます。
職務内容は正当なものも含みますが、ある程度具体的であることが必要とされています。

では、今回の事例について、受託収賄罪の成立要件をあてはめてみましょう。
滋賀県東近江市の職員である(①)Aさんは、公共事業の公募に関する業務を担当しており、この業務の一環としてなされる来年度公共事業の事業者選定(②)について便宜を図ってもらいたいとのBさんの依頼を受けて(④)海外旅行のチケットを受け取っています(③)。
結果としてAさんの働きかけによってBさんの受注には至っていませんが、受託収賄罪の条文には、受託収賄罪成立の条件として、「賄賂を受け取って相手の要求が実現される」というところまでは設定されていません。
つまり、今回の事例のAさんのように、賄賂を受け取るなどした時点で受託収賄罪は成立するということになるのです。
以上から、Aさんには受託収賄罪が成立すると考えられるのです。

受託収賄罪を含む収賄罪は、議員などの政治家特有の犯罪だというイメージがあるかもしれません。
しかし、平成30年度犯罪白書によれば、最も検挙されている公務員の属性は地方公共団体の職員です。
おそらく議員と比べ、地方高級団体の職員の貰える給料は高くなく、直接権限行使に携わっていることが多いため、贈賄側からの働き掛けも強いものとなっているのでしょう。
収賄事件は一般のイメージよりも身近に存在する刑事事件なのです。

受託収賄罪は、職務の公正に対する国民の信用を毀損し、遵法意識の低下を招くなど、その及ぼす影響は小さくありません。
さらに、収賄事件は当事者だけで隠密裏に行われることが多く、被害者が存在しない犯罪です。
このような受託収賄罪などの賄賂の罪に関しては、検察官の処分も重い傾向があり終局処分のおよそ7割が起訴となっています(平成30年度犯罪白書より)。
こうした重大かつ複雑な刑事事件となるからこそ、早めに弁護士に相談することが重要と言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士がご相談・ご依頼を受け付けています。
賄賂を貰って逮捕されてしまったとお困りの際は、お気軽にご相談ください。

通貨偽造事件の逮捕に対応

2021-07-07

通貨偽造事件の逮捕に対応

通貨偽造事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県近江八幡市に住んでいるAさんは、楽をしてお金を得たいと考え、趣味で使っている高性能プリンターを使ってお札を作れるのではないかと思いつきました。
Aさんは、持っていた1万円札をそのプリンターでコピーなどをすることで、一見しただけでは偽物と分からない程度の偽札を作ることに成功しました。
大量に偽の1万円札を作成したAさんは、そのうち3万円を持って滋賀県近江八幡市にある家電量販店Vに行き、欲しかった家電を購入し、偽札で代金約3万円を支払いました。
後日、家電量販店Vの店員がAさんの使用した1万円札が偽物であると気づき、滋賀県近江八幡警察署に被害届を提出しました。
そして滋賀県近江八幡警察署で捜査された結果、Aさんは通貨偽造罪などの容疑により逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたという知らせを聞いて、まずはAさんの話も聞かなければいけないと、弁護士にAさんに会いに行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・通貨偽造罪とは

通貨偽造罪とは、刑法に定められている犯罪です。
刑法には、通貨偽造に関する犯罪について以下の様に定められています。

刑法第148条 
第1項 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
第2項 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

上記の条文の内、第1項に定められている犯罪を通貨偽造罪といい、第2項に定められている犯罪を偽造通貨行使等罪といいます。

まず、第1項の通貨偽造罪が成立するためには、「行使の目的をもって」「偽造・変造すること」です。
ここで、行使の目的とは、「偽造・変造したものを真正な通貨として、本来の用法に従って、流通させる目的」を指すとされています。
簡単に言えば、通貨偽造罪が成立するには、その偽造された通貨を支払いなどに使う目的が必要だということになります。

次に偽造と変造については、「偽造」は、「権限のない者が通貨に似た外観のものを作成すること」を指し、対して「変造」とは、「権限のない者が真正な通貨に加工して通貨に似た外観のものを作成すること」を指します。
つまり、大まかに言えば、「偽造」とは1から通過に似た偽物を勝手に作成することを指し、「変造」とは元々ある本物の通貨を加工して通貨のようなものを勝手に作成することを指すということになります。

最後に偽造通貨行使罪における行使とは、「真正な通貨として流通に置くこと」を指すとされています。
先ほど触れたように、つまりはお金として使用することが行使に当たります。
具体的には、通常の売買で用いるほか、自販機などに置いて使用する場合も行使にあたります。

では、Aさんの事例についてみていきましょう。
まず、行使の目的があるかについてですが、本件のAさんの目的は楽をしてお金を得たいというものであり、偽札を作った後家電量販店でその偽札で買い物をしていることからも、行使の目的があると言える可能性が高いです。
次に、Aさんはプリンターを使い通貨に似た外観のものを新たに作成していますから、それが一般人をもって本物のお札と見間違える程度の出来であったなら、「偽造」をしたことになるでしょう。
こうしたことから、Aさんには通貨偽造罪が成立する可能性があるといえます。

・成立する犯罪は通貨偽造罪だけでない?

今回のAさんが偽造した1万円札は、家電量販店Vでの支払いに利用していることから、真正な通貨として流通に置いたと考えることができるので、偽造通貨を行使したと判断されるでしょう。
そのため、Aさんには、通貨偽造罪だけではなく偽造通貨行使罪も成立する可能性が高いです。

また、Aさんは偽造した通貨を用いて家電量販店Vで買い物をしていますが、このとき詐欺罪が成立する可能性も考えられます。
詐欺罪について刑法では、以下のように定められています。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪が成立するためには、相手を騙して勘違いさせ、その誤信に基づいて財物を交付させることが必要です。
今回の事件では、相手方に見せたお金が真正な通貨であると誤信させて、家電などの商品を交付させていますから、相手の誤信に基づいて財物を交付させたといえます。
したがって、今回のAさんの行為には詐欺罪も成立しうるのです。

ただし、偽造通貨を用いた詐欺の場合には、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収されて処理されることになるでしょう。
裁判などでは通貨偽造罪偽造通貨行使罪を中心に争っていくことになると考えられます。
争点などを整理するためにも、まずは弁護士に相談してみることが重要でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で初回無料法律相談や、初回接見サービスをご案内いたします。

包丁を使った脅迫事件で逮捕されたら

2021-07-03

包丁を使った脅迫事件で逮捕されたら

包丁を使った脅迫事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県甲賀市に住んでいる大学生です。
ある日、Aさんは、同じ大学に通い交際関係にあるVさんと滋賀県甲賀市内で一緒に出掛けていました。
AさんとVさんはAさんの家で話をしていましたが、些細なことから口論になってしまい、AさんはVさんから別れを切り出されてしまいました。
感情的になったAさんは、台所から持って来た包丁をVさんに向け、「別れるなら殺してやる」などと言って、Vさんを脅してしまいました。
VさんはまさかAさんが包丁まで持ち出すとは思っていなかったため、怖くなって滋賀県甲賀警察署に通報しました。
Aさんは、通報によって駆けつけた滋賀県甲賀警察署の警察官に、暴力行為処罰法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたことを知り、今後どのようにすべきなのか相談すべく、刑事事件を取り扱う弁護士を探し始めました。
(※この事例はフィクションです。)

・暴力行為等処罰に関する法律とは

Aさんの逮捕容疑である、暴力行為処罰法違反とは、正式名称「暴力行為等処罰に関する法律」という法律に違反したという犯罪です。
暴力行為処罰法とは、団体で、もしくは凶器を用いたりすることによって、暴行や脅迫などを行った場合に適用される法律です。
元々の暴力行為処罰法は、旧仮名遣いで書かれた法律ですが、現代の言葉に直すと以下のように定めています。

暴力行為処罰法第1条
団体もしくは多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示しもしくは数人共同して刑法第208条、第222条又は第261条の罪を犯した者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

暴力行為処罰法第1条で触れられている刑法第222条とは、脅迫罪のことを指します。
今回のAさんも、Vさんに対して脅しをしていることから、この脅迫罪暴力行為処罰法の関係を見ていくことにしましょう。

刑法222条第1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

この脅迫罪における「脅迫」とは、人が畏怖するほどの害悪を告知することを言います。
そして、この人が畏怖するほどの害悪の告知に当たるかについては、「相手方の年齢、性別、職業などの相手方の事情や加害者と相手方の人間関係など具体的な諸事情を考慮して、周囲の客観的状況に照らして判断」(最判昭和29年6月8日)するとしています。

では、今回のAさんに暴力行為処罰法違反は適用されるのでしょうか。
本件についてみると、Aさんは、1人でVさんを脅しているわけですから、暴力行為処罰法の中にある「団体若は他衆を仮装して威力を示し」ているわけでも、「数人共同して」いるわけでもありません。
しかし、Aさんは包丁という「兇器(凶器)」を用いています。

そのうえでAさんは、Vさんに対して「殺す」などと言ってVさんの生命に対する害を告知しています。
Aさんが包丁を持って脅していることから考えれば、Vさんが畏怖するほどの害悪の告知と言え、Vさんを脅迫している=刑法第222条の行為をしていると考えられるでしょう。
そのため、Aさんは「兇器(凶器)を示し」て「刑法第222条」の罪を行ったといえ、暴力行為処罰法違反となると考えられるでしょう。

暴力行為処罰法違反となれば、単純な脅迫罪となるよりも重い刑罰が予想されます。
容疑を認めていて、刑の減軽や寛大な処分を希望しているのであれば、早急に被害者対応などを行うことが求められるでしょう。
そのためにも、まずは刑事事件に対応している弁護士への相談・依頼が望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした脅迫行為から発展した暴力行為処罰法違反事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください(0120-631-881)。

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